No.165153

真・恋姫†無双~真・漢ルート~ 最終話:漢達よ永遠に

大鷲さん

名前がややこしいですが、隠しルートである『漢(かん)ルート』の再構成した『漢(おとこ)ルート』です。

ガチムチな展開は精々ネタ程度にしか出て来ないのでご安心ください。
ただし、漢女成分が多分に含まれるかもしれませんので心臓が弱い方はご注意ください。

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2010-08-12 01:04:31 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:5730   閲覧ユーザー数:4685

『拝啓、左慈様、干吉様

 

 お元気ですか?私は元気です。

 

 あの日、華琳たちからの無茶振りに「馬鹿なの?死ぬの?」と返して春蘭に殺されかけたのもいい思い出です。

 

 街づくりなんて一朝一夕で出来るはずも無いと思っていましたが、魏から送られて来た園丁†無双の方々が一晩でやってくれました。

 今も「セイヤッ、セイヤッ」と言う掛け声が都中から聞こえてきます。

 

 内政面では元王である月や軍師の詠の助けを借りて何とかやっています。

 時々詠から『御褒美』が貰えて新しい方向に目覚めそうです。

 

 都の警備も俺を慕って集まってくれた兵士達が各国から集まってくれています。

 月が一緒に居るおかげで華雄も一緒ですが、部屋から出ないので最近会っていません。

 

 貂蝉と卑弥呼は早々に自分達で服屋を営み始めています。

 店員の外見を気にしなければ良い店だと有名だそうです。

 

 華佗は都を拠点に各地に飛びまわっています。

 貂蝉と卑弥呼が交代で華佗を運んでるので各地に到着するのに1日掛からないようです……』

 

 

 

最終話:漢達よ永遠に

 

 

 

 

一刀「左慈と干吉も体に気をつけて……っと」

 

 

そこまで書いて一刀は筆をおく。

窓の外には明るい青空が広がっている。

 

あの日、華琳たちに天幕に追い詰められた後、一刀は三国の中心で都を設営するように言われる。

三国の平和の象徴として三国の中心に合同会議を行う為の施設を設営する事になったらしく、一刀はそこの責任者に置かれる事になった。

各国から援助を受けて都設営をする事になった一刀。

ド○クエ3の商人の町も吃驚の速度で発展していった都は天の御遣いの治める都として連日観光客が後を絶たない。

そんな観光客を目当てにして商人達は増え、様々な品が流通し、益々都は発展していた。

 

 

??「何を書いてるんだ?」

 

一刀「ああ、左慈と干吉に手紙を書いてたんだ」

 

左慈「直接言えよ!」

 

一刀「いやぁ、ヤッパリこういう時は手紙から始まるのが定番かな……と思って」

 

 

左慈の突っ込みに頭を掻きながら笑う一刀。

左慈と干吉は三国同盟が成ったことで峨媚山に帰る事になったのだが翌日には一刀たちに合流していた。

左慈たちによると南華老仙が貂蝉たちの影響を受けて漢女化し始めたらしく逃げてきたらしい。

その南華老仙も貂蝉たちと一緒に服屋で働いている。

 

 

干吉「それよりも本日の会議がありますのでさっさといきますよ?」

 

一刀「今日の議題ってなんだっけ?」

 

左慈「例の『有害図書』の抑制に関することと、夜に現れるようになった『化け物』に関することだな」

 

一刀「どうせ『化け物』って貂蝉たちだろ

   夜に突然会ったら俺達だって驚くだろ」

 

干吉「話し合う前に解決しようとしないでください

   ……急がないと各国の方々が痺れを切らして会場を破壊してしまいますよ?」

 

一刀「今日『も』そんなに物騒な人ばっかりなの?」

 

 

都の会議には三国より参加者が来るようになっている。

当初は都の運営に関して三国は不干渉だと聞いていたのだが、朝起きると一刀たちの住む城を囲むような形で三つの屋敷が出来ていた。

屋敷には各国の重役達が居り、本国の方は第2陣に任せているらしい。

 

各国の重役が居るのならば知恵を貸してもらおうと各国から一人ずつ会議に参加してもらうようになった。

しかし、一部の人間がほぼ毎回現れる為、一度に数名来て貰うようにした。

 

今回こそはわわあわわ軍師たちを打ち倒して例の本を抑制してみせる。

一刀は拳を強く握って会議室の扉を開く。

 

 

 

 

一刀「……勝てねぇ…勝てねぇよぉ~」

 

左慈「くっ!まさか蓮華の奴を懐柔していたとは……」

 

 

月、詠はおろか呉の代表である蓮華と穏が買収され、魏から来ていたのが春蘭と季衣と言う全く話を理解していないメンバーとは思わなかった。

残念な事に俺達の頭脳である干吉までもが向うについている為完封負けである。

これで黒星が連続で10個に到達していた。

 

例の本、一刀たちが都を治めるようになって急激に売り上げが伸びている。

最近では新作家の『戯志才』が現れたとか……

 

 

一刀「……俺、久しぶりに警邏行って来る……」

 

左慈「分かった、次こそは勝つぞ」

 

 

二人は拳をぶつけ合って分かれる。

 

一刀は警備隊の待機室に向かって足を進める。

五胡との決戦の際に一緒の部隊になった面々は警備隊に居る。

一刀と仲がいい彼らにも時々例の本のネタにされている被害者である為、今回の敗北を伝えに行かねばならない。

 

 

一刀「おぃ~っす」

 

魏兵「あ、大将……どうでしたか?」

 

一刀「無・理」

 

蜀兵「まあ、そのような落ちとは思っていましたが……」

 

董卓兵「流石に大将たちでは諸葛亮様たちはどうする事も出来ないでしょうからね」

 

一刀「兄ぃ、……それでも逃げるわけにはいかないのさ……」

 

 

一番の年長者である董卓兵は皆から兄と呼ばれている。

兄と言えばこの場にいない袁家の兄弟も兄者、弟者と呼ばれている。

 

そこに一人女性が入ってくる。

 

 

華雄「むっ、一刀か

   久しぶりではないか」

 

一刀「ああ、責任者って色々と忙しいんだよ」

 

 

入って来たのは華雄であった。

缶詰状態だった一刀と合うのは約一週間ぶりであった。

 

 

華雄「そうか、それで?これからどうするつもりなんだ?」

 

一刀「久しぶりに街の警邏に行くつもりだけど……」

 

華雄「ならば私が同行しよう

   お前達もいつでも動けるようにしておけ」

 

 

本当は兄弟たちと一緒にパンチラポイントに繰り出すはずであったのだが華雄が一緒ではそうも言ってられない。

兄弟たちに視線で謝罪して華雄と共に待機室から出て行く一刀。

一刀について行く華雄の顔には笑みが浮かんでいた。

 

 

魏兵「うらやましいっすね」

 

蜀兵「確かに御遣い様は他の将軍方とも仲がよろしいですからね」

 

董卓兵「私もあのような華雄様が見られるとは思っていなかったよ」

 

魏兵「兄ぃ、華雄将軍って前からあんな感じじゃないんっすか?」

 

董卓兵「私が董卓様に仕えていた頃の華雄様は完全な武人であったからな……

    色恋沙汰などとは無縁の方であった」

 

蜀兵「……御遣い様だからこそでしょうか……」

 

董卓兵「そうだろうな、あの方のおかげでいい意味でも悪い意味でも変わられた方たちも多い」

 

 

乙女チックになった華雄や楽進のように雰囲気が柔らかくなった者も居れば蓮華のように時折恐ろしい雰囲気を醸し出すようにもなる。

天の御遣いと出会って自分達も変わっているのだろうと兵士達も思っていた。

 

そんな兵士達はそっと立ち上がって一刀の代わりにパンチラポイントに向かう。

その先では袁家の兄弟に呉兵もすでに鑑賞していたとか……

 

 

 

 

一刀「むっ、この気配!あいつら、俺を置いてパライゾにっ!!」

 

華雄「何を言っているんだ……

   しかし、お前と一緒だと食う物に困らないな」

 

 

町を歩けば肉まんや饅頭のような歩きながらでも食べられるものを渡される事が多々ある一刀。

一人では食べきれない量を渡される事もざらなので都内で見かけた将たちにもおすそ分けしている。

鈴々や季衣のような食べ盛りの子達から警備を手伝ってくれている凪たちまで色々とあげている。

特に恋にあげる時は何か動物を餌付けしているような気になってくる。

 

 

一刀「……流石メンマ園だな、具がメンマしか入ってない

   せめて刻むなりして細かくすればいいものを……」

 

華雄「そういえば、あそこの店長はお前が都を任されたから来たらしいな……

   それに度々お前はあの店に入るのを見かけたと言う情報もある」

 

一刀「まあ、あそこに行けば高確率で星に合えるから何かと便利なんだけどね……」

 

 

メンマ園に居なければ朱里や雛里たちに聞けば分かる範囲に居る。

例のメンマ丼の件以来、何かと手伝ってくれるので重宝している。

 

他にも猫と戯れれば明命を召喚できたりもするが、極まれに程昱が召喚されることもある。

 

 

華雄「私で良けれb……」

 

貂蝉「あらん、ご主人様」

 

卑弥呼「最近は全く顔を見せてくれなんだから心配しておったのだぞ」

 

 

華雄の言葉を遮るように登場する貂蝉と卑弥呼。

辺りを見回すが南華老仙は一緒に居ないようだった。

 

 

一刀「忙しいんだから仕方ないだろ……それはいいとしてお前ら最近夜に歩き回ってないか?」

 

貂蝉「ええ、最近物騒だから警邏のお手伝いにでもと思って……

   治安を守るのが『正義の味方』の役目でしょ?」

 

 

警邏に直接参加はしないが、貂蝉と卑弥呼、それに南華老仙の3人は今でも仮面を被って大立ち回りをする時がある。

外見で威圧しつつ、更に見た目に違わぬ化け物の如き力に悪漢たちは成す術も無く狩られるのだ。

 

警備隊の人間もあまりの恐ろしさにタジタジであるが、被害が少ない為助かっている。

 

 

一刀「もっとも、そのお前らが不審者になってるから……予め警備隊にその旨を言っておいてくれ

   ……でないと警備兵が卒倒するから、って言うかすでに失神者続出だから」

 

卑弥呼「……私たちの扱いが酷くはないか?」

 

華雄「元からこのようなものだろ」

 

 

言葉を遮られたのが頭に来たのか華雄の目付きが鋭い。

華雄の剣呑な雰囲気に卑弥呼達も身構える。

 

 

華雄「そう言えばお前達とは久しく手合わせをしていなかったな」

 

卑弥呼「ぬぅ、漢女として挑まれた勝負は受けざるをえん」

 

貂蝉「ここじゃあ街の人たちに迷惑が掛かるから城のほうに行くわよ

   ご主人様、悪いけど私達は戦いに行くわん」

 

一刀「あまり壊さないでくれよ?

   この間も城壁が壊されたばかりなんだからな」

 

 

犯人は華雄と恋の二人。

もっとも園丁†無双の方々によってすぐさま直されたのだが……

 

 

華雄「安心しろ!すぐに直してもらえる!!」

 

一刀「壊すなって言ってるんだよ!!」

 

 

一刀の叫びも虚しく、その日の晩に修理費の明細が届く事になるのは明白であった。

 

 

 

 

華雄たちと別れた後、兄弟たちの居るであろうパンチラポイントに向かう一刀。

警邏に出たら一度は立ち寄るようにしているあたり相当の変態である。

 

 

華佗「お~い!一刀~!」

 

一刀「おっ、華佗か」

 

 

しかし、パンチラポイントに向かう途中で華佗に呼び止められてしまう。

華佗に会うのも久しぶりである。

一刀が仕事で引き篭もっていたのもあるが、華佗は先日まで土砂崩れの災害救助に向かっていたので長い事都を離れていたのだ。

 

 

華佗「久しぶりだな、大事が無い様で何よりだ」

 

一刀「そっちこそ何事も無くてよかったよ」

 

華佗「全くだ、それよりもこれから診療所に戻るところなんだが一刀も来るか?」

 

 

出来るなら今すぐにでもパンチラポイントに駆け出したい一刀だが、久しぶりに診療所に行くのも悪くは無いと思い、頭を縦に振る。

華佗が居ない間も時々診療所を代行していたのだが、やはり政務が忙しい為あまり時間を取れないで居た。

 

 

華佗「それじゃあ、行くか」

 

一刀「おう!」

 

 

そうやって二人は連れ立って歩く。

華佗は立ち寄った邑での出来事を話し、一刀も政務中にあった詠たちとの話をしながら歩く。

 

その光景を見て、八百一本を愛読書としている乙女たちに新たな創作意欲を湧かせていることを一刀たちは知らない。

 

 

 

 

お婆さん「ありがとうございます、御遣い様」

 

一刀「お大事に」

華佗「お大事に!」

 

 

腰痛に悩まされていた老婆を見送って一刀たちは診療所の前で立ち尽くす。

久しぶりに再開した診療所は雪崩れ込むように患者が訪れた。

一刀が診療所に顔を出したのは正解だったようだ。

 

 

一刀「……ふぅ、今の人で最後みたいだな」

 

華佗「そのようだな、少し早いが飯でも食いに行くか?」

 

一刀「そうだな、兄弟たちから紹介された居酒屋にでも行く?

   意外に料理も上手いんだぜ?」

 

華佗「居酒屋か……まあ、あまり飲まなければ大丈夫だろ」

 

 

アルコールにあまり強くない華佗に居酒屋を勧める一刀。

華佗は後から一気に酔いが来るタイプで突然気を失うことがあるのだ。

 

二人は診療所に戻り戸締りの確認をして出て行く。

兄弟たちと一緒に行った店までそれほど掛からずに到着する。

 

 

一刀「あった、ここだよ」

 

華佗「席が空いていればいいが……」

 

 

店の中に入る一刀と華佗。

若干早い時間である為かそれほど人はおらず、それなりに席は空いていた。

 

 

店員「いらっしゃいませ!……って、御遣い様じゃありませんか

   本日はお二人でしょうか?」

 

一刀「ああ、今日は二人だよ」

 

店員「では、奥の席にどうぞ」

 

 

そう言って店員は奥の席へ案内する。

席についてメニュー表を見る一刀。

華佗も同じようにメニューを見る。

一刀が言っていた通り食べ物系のメニューが多い。

 

 

華佗「店員が知っているような感じだったが、良く来るのか?」

 

一刀「一応この都の責任者なんだけど……」

 

華佗「そうだったな……お前も偉くなったんだよな……」

 

 

 

 

そっと呟く華佗。

何故か置いていかれたような気がしたのだ。

 

そんな華佗の反応に一刀もこれまでの道程を思い出す。

嫌な思い(主に貂蝉たち)も多かったが、それ以上に充実した日々だった。

 

 

一刀「店員さん!何時も飲んでる奴を二つ!!」

 

華佗「おいおい、あまり飲めないって知ってるだろ」

 

一刀「最初に乾杯しようぜ」

 

 

一刀の悪気の無い笑みに華佗もやれやれと苦笑する。

すぐに二つの杯が一刀たちのテーブルに置かれる。

 

二人は杯を手に取り目元あたりまで持ち上げる。

 

 

華佗「何について乾杯する?

   やはりこの都の発展を願ってか?」

 

一刀「それなら飽きるほどやってるよ

   ……まあ、俺達の友情と……将来の恋人にかな」

 

 

一瞬きょとんとした顔をする華佗。

しかし、すぐに意図を察して笑う。

一刀も気恥ずかしそうに杯を持っていない方の手で頬を掻く。

 

男ばかりの旅路、途中で華雄も仲間になり、いい雰囲気になった娘も居た。

だが、結局後一歩が踏み出せていない。

 

戦争中と言う事もあったし、旅をしていて定職にも付いていなかった為手を出せないで居たのだ。

ここでの生活も大分安定し始めたのでこれを機に女性にアタックして行こう、と言うのが一刀の考えである。

 

華佗も男であるし、いい年でもあるそろそろお嫁さんが欲しいとも思っている。

何よりこのままでは例の本の所為であらぬ誤解が広まりかねないのだ。

 

 

華佗「分かったよ、なら俺達の友情と……!」

 

一刀「何時か出来るであろう恋人に!」

 

 

二人は手に持つ杯をかざす。

 

 

 

 

二人「「乾杯!」」

 

 

そして二つの杯はぶつかり合った。

 

始まりの鐘がなる様に音を立てる杯。

 

酒を呷って二人は笑い合う。

 

その後の彼らに恋人は出来たのか、それはまた別のお話。

 

ただ、ある一人の男が多くの女性に手を出して性欲の神として崇められるのもまた別のお話である。

 

 

 

あとがき

 

皆様、こんばんは。

肉は鶏肉が大好きな大鷲です。

 

漸く完結いたしました。

余り使われない華佗たちをメインとした話は珍しかったと思います。

忘れないように全キャラ出したと思います。

たぶん……(;´Д`)

 

とりあえず真・漢ルートはこれにて完結。

可能なら萌将伝的なものも少しだけやってみたいです……可能なら

 

 

 

 

次回予告

 

三国の中心、そこで行われる数々のイベント

         女は意中の男を射止めんが為に参加する!

                    男は今在る生を謳歌する為に走り出す!

                               そして、漢女は……!!

 

次回作『真・恋姫†無双~暑漢伝~』始まったり始まらなかったり……


 
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