No.164054

木漏れ日の下 二つの太陽と共に

shirouさん

この投稿で見習い卒業になります。まだまだ拙い文章や誤字脱字ありましょうけど生温かい視線とコメントでお願いいたします。それとインスパイア元の「作品」様のイメージが損なわれていない事を望みます。2010.8.29行間と段落を変更しました。

2010-08-07 20:55:00 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4748   閲覧ユーザー数:3918

『まったく・・・子供が二人いるようだわ。』

 

普段なら自分が言われているようなセリフを思い浮かべながら自分の膝の上で静かな寝息を立てている愛しきものの髪を優しく梳いていた。

 

そして愛しきものの腕の上ではもう一つの宝物が寝息を立てていた。二人して小川で遊び疲れた後の昼寝タイムである。

 

雪蓮「しかし、私が母親とはねぇ。」

 

セリフとは裏腹にその顔は慈愛に満ちた笑顔であった。

 

雪蓮「かあ様も私達を見てるときはこんな気持ちだったのかしら。」

 

誰にも聞かせるわけでもなくそう言いながら、

 

雪蓮「でも、いろいろあったからなぁ たまにはこんなのもいいよね。」

 

と、思いを馳せる。

 

私は曹操率いる魏と雌雄を決する戦いの前におかあ様への報告を兼ねて墓参りへと一刀を誘った。

 

今思えば護衛を連れていかなかったのは自分の事はもとより一刀の身も己が武で守れると慢心して

 

いたのだろう・・・もしくは決戦の前に昂ぶっていたのかもしれない。そしてそれが原因で許貢配

 

下による毒矢を身に受け命を落とすことになった。正直、常在戦場の気持ちは持っていたし何時殺

 

されてもいい覚悟は出来ていた・・・ただ一刀に大きな心の傷をつけてしまうことだけがあの時は

 

気がかりだった。自分を守れなかったことに対する罪の意識を一刀に植え付けてしまうこと

 

が・・・そうして私はこの世界から消えた。

 

次に一刀に出会った時は敵であった。冥琳と祭の乾坤一擲の作戦である”苦肉の策”をまぁあっさ

 

りと見破ってくれちゃってまぁと、思い返せば少し腹がたったのか軽く鼻をつまんでみた。

 

一刀「ご・ごめんて。」

 

と、寝言で謝っていた。

 

『フフフ、どんな夢みてんだか』

 

ある時は出会うことすら無く私はこの世界から去っていた。

 

そして私の代わりに一刀が毒矢を受けてこの世界自体消えてしまったりした。

 

いろいろな紆余曲折を経て今回は全てが上手くいってるみたいだ。

 

私は暗殺もされず一刀も死なず、魏に負ける事も無く呉自体も平和だ・・・ついでに冥琳も口煩く

 

ないし病気で死んでない。祭も赤壁で命を落としていない。怖いくらいだ。全てが順調だ。

 

でも過去の世界で順調に進んでいた魏の世界で最期に一刀が消えてしまったことがあった。宴会の

 

時にコソっと一刀に会いに行こうとしたら華琳と別れのシーンに遭遇した。

 

もし・・・今この幸せを壊そうとするものがいたらこの命をかけてでもその者を・・・と、物騒な

 

ことを考えていると、その頬を何かが触った、

 

一刀「ダメだよ、雪蓮がいなくなったら孫紹が悲しむし何より俺が幸せじゃなくなるよ。」

 

そしてその頬を軽く撫でながら、

 

一刀「雪蓮は俺の太陽なんだから・・・太陽が無くなったら俺は生きていけないよ。」

 

少しおどけながら照れながら何よりも心温まる笑顔でそう言った。それを受けて雪蓮はその頬を撫

 

で返しながら

 

雪蓮「一刀は呉いいえこの大陸全ての太陽よ、でも・・・今この時間だけは私だけの太陽でいてね。」

 

と、少し照れながら答えた。

 

一刀「そうだね・・・でも孫紹の太陽でもあるからねw 狸寝入りしてるけど。」

 

と娘に目を向けると

 

孫紹「ととさま大好きなのです~でもははさまと仲良しのととさまはもーっと好きです。」

 

と寝言風に言った。耳まで真っ赤だったのは見ないふり。

 

呉は本日も平和です。

 


 
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