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真・恋姫†無双~真・漢ルート~ 第3.5話:漢達の休息Ⅰ

大鷲さん

名前がややこしいですが、隠しルートである『漢(かん)ルート』の再構成した『漢(おとこ)ルート』です。

ガチムチな展開は精々ネタ程度にしか出て来ないのでご安心ください。
ただし、漢女成分が多分に含まれるかもしれませんので心臓が弱い方はご注意ください。

2010-07-04 23:01:28 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3983   閲覧ユーザー数:3363

左慈「これからどうするつもりなんだ?」

 

一刀「へ?俺が決めるの?」

 

 

魏延こと焔耶に真名を呼ぶことを許され、陣営から大分離れてから左慈が一刀にたずねる。

 

左慈と干吉は一刀の護衛をするように師匠から言われているらしく、一刀の決定に従うつもりだった。

 

 

一刀「俺はこの時代にそれほど詳しくないんだけど……華佗は?」

 

華佗「俺か?俺は……特に予定はないが……」

 

 

華佗も特に予定が無い。

あまり頼りたくはないが貂蝉たちのほうを見る。

 

貂蝉は少し考えるようなしぐさをした後にその太い唇を開いた。

 

 

貂蝉「洛陽なんてどうかしら?

   見聞を広げるなら都にいくと良いわ」

 

 

その一言で洛陽に行くことが決まった。

華佗の方も特に予定も無いため、旅は道連れということで一緒に洛陽を目指すことになった。

 

急ぐ理由も無いため途中の邑に立ち寄り、時に患者の情報を手に入れ戻ることになったりもした。

 

 

 

これはそんな洛陽を目指す彼らの日常を綴った話である。

 

 

 

第3.5話:漢達の休息Ⅰ

 

 

 

 

 

 

拠点イベント:華佗

 

 

洛陽に向かう途中、それなりの大きさの邑に立ち寄ることになった一刀たち一行。

先の合戦で黄忠たちから褒章を貰っていないため一刀たちの懐事情は非常に不味い状態にあるからである。

 

左慈と干吉は飲食店で日雇いの仕事を探し、貂蝉と卑弥呼には狩猟の手伝いに行ってもらった。

この組み合わせと配分は貂蝉たちが客商売をするには視覚的に不可能と言う判断を一刀が下したからだった。

 

そして、一刀は華佗に付いて行き治療の手伝いをすることになった。

 

 

華佗「はあぁぁぁ!!」

 

 

気合と共に鍼を老婆の肩に突き立てる華佗。

どうでも良いが治療しているようには見えない。

 

一刀は受付として順番待ちをしている人たちの話し相手になってあげている。

一刀の服は白く、光を反射しているため当初は貴族の人間と思われていたが次第に人が囲むようになった。

 

 

華佗「お~い、一刀!次、大丈夫だぞ!」

 

一刀「ん、次の人行ってもよさそうですよ

   次はおじいさんですよ」

 

爺さん「おぉ、もうわしの出番か…よっこらせ」

 

 

そういいながら順番的に次だった老人が立ち上がる。

 

一刀が話していたのはこの間の黄忠たちの陣営での話と天和たちとの約束である嘘情報だった。

 

田舎の邑なので話題性がある話が欲しかったらしく、皆一刀の話を真剣に聞いてくれていた。

 

 

一通り話し終わり、特に話す内容もなくなってきた頃、一刀の服の裾が引っ張られた。

一刀が見下ろすと数人の子供がじっと一刀を見上げていた。

 

華佗の診察を受けに来た大人たちの子供たちのようで母親たちが珍しい服を着た一刀に興味を持ち遊んで欲しいようだった。

 

 

一刀「えっと……」

 

華佗「行ってきても良いぞ、もう大分落ち着いたから大丈夫だ」

 

 

丁度一休みするためか近くまで来ていた華佗が一刀に子供たちと遊んであげるように促す。

華佗の言葉に子供たちの顔が明るくなる。

ここまでお膳立てされては一刀も断れない。

 

 

一刀「よしっ、邪魔にならないように向うに行こうか?」

 

子供たち「「「「は~い!」」」」

 

 

一刀は子供たちと共に広場の方に向かっていった。

その日、広場からは日が沈むまで子供たちの明るい声が止まなかったという。

 

 

 

華佗「『天の御使い』ってのは伊達じゃないな

   あんなに子供に好かれるなんてな……」

 

爺さん「あの兄ちゃんは『天の御使い』様なんですかい?

    わしらにあんなに気安く話しかけておられたが……」

 

華佗「ああ、本人は否定しているんだ、……最も俺はアイツが天の御遣いだと思うけどな」

 

爺さん「へぇ、何でそう思うんで?」

 

華佗「俺のような医者でもないのに自分を襲ってくる奴の手当てを進んでやるようなやつはそうはいないさ

   それにあの通り、分け隔てなく誰とでも親しくなれる

   ……案外、医者に向いているのかもな」

 

 

華佗の中で一刀の評価は高い。

 

この乱世の時代、自分が生きるのに精一杯な人が殆どの中自分の命を狙ってくる人間に対してあそこまで寛大なことができる者は少ないだろう。

まして自分の意思に関係なく、己の住む世界とは違う世界に来てしまったというのに……

 

一刀は誰とでも仲良くなれる、華佗も気が付くと一緒にいるのが当たり前だと思っている。

医者にとって患者からの信頼は絶対だ。

病は気から、この人に従えば治ると患者に思わせれば回復が早くなる。

逆に信頼を得られなれば病魔はその力を増し、手に負えなくなるだろう。

 

 

爺さん「なら、教えて差し上げたらどうですか?」

 

華佗「……そうだな、教えてみるのも良いかもしれないな

   俺も未熟ではあるが、互いに切磋琢磨できる相手というのもいたほうが良いかもしれん」

 

 

華佗は心優しき天の御遣いに医術を教えるのも悪くないと思っていた。

 

 

華佗は知らない。

一刀が盗賊たちの治療を率先してやっていたのは貂蝉たちの介護を受けるのが不憫だったからに他ならないことを……

 

 

 

 

 

 

 

拠点イベント:左慈&干吉

 

 

 

左慈「おい、少しつめろ」

 

一刀「あ、悪い」

 

 

左慈の言葉に一刀が少し位置をずれる。

左慈の手には10枚を超える皿が乗っている。

 

先日の華佗の手伝いの後、邑の病人の数は減り一刀の手伝いを必要としなくなった。

そこで一刀は左慈たちと共に村の食堂で働かせてもらうことにしたのだ。

 

料理なんて全く出来ない一刀たちは精々皿を洗うか注文をとるくらいのものである。

今は一刀も皿洗いをしているが先ほどまでは干吉と一緒に注文をとっていた。

 

 

左慈「まったく、あのときに金を貰っていれば、こんなことしなくてもよかったものを……」

 

一刀「ははは、ごめん

   でもさ、天和たちを逃がしたんだし、本当なら刑罰ものだったんじゃないかな……

   それを考えれば結果オーライってことで良いんじゃないかな??」

 

左慈「ふん、良く分からんことを……むっ、中々手ごわいな」

 

 

悪態をつきながらも皿を一枚一枚丹念に洗っていく、案外まめなようだ。

 

そんなことを考えていると干吉が入ってきた。

 

 

干吉「おやおや、仲がよろしいようで、是非私も混ぜていただきたい」

 

左慈「誰と誰の仲が良いんだ!まったく、天の御使いと言うから強い奴かと思っていたのに期待はずれだ」

 

一刀「これでも小さい頃から剣道してきたんだけどな……」

 

左慈「はっ、そんなひょろい腕でか?」

 

 

鼻で笑いながら一刀の腕を見る左慈。

 

水仕事をしているので上着は脱ぎ、上は黒のシャツだけになっている一刀。

左慈も白い道着は脱いで同じような服装になっている、干吉も同じように上を脱いでいる状態だ。

 

両者の腕を比べれば多少筋肉質である一刀に対して、しっかりと筋肉がついている左慈の腕。

比べるまでもなく左慈の方が腕力があるだろう。

干吉の方に視線を移すが意外に筋肉がついており、左慈ほどではないが一刀には劣っているとは思えない。

 

 

一刀「うっ、本格的に鍛えるかな……」

 

左慈「ほう、なら稽古でもつけてやろうか?」

 

 

好戦的に笑う左慈、本人は一刀を哂うつもりで言ったのだが一刀は別の捕らえ方をしていた。

 

 

一刀「いいのか?そうしてもらえると助かるけど」

 

左慈「本気にしたのか……冗談じゃない、誰g

干吉「面白いかもしれませんね」

 

 

左慈の否定の言葉を干吉がさえぎる。

 

干吉はさも名案だと言いたげな顔で続ける。

 

 

干吉「左慈の言うとおり北郷殿は弱い

   それに話せるようですが、読み書きが出来ていないようですので、私でよければ読み書きを教えましょう」

 

一刀「助かるけど良いのか?」

 

左慈「良いわけあるk

干吉「我々としてもそのほうが良いのですよ

   北郷殿が強くなれば我々の負担が減りますし、読み書きが出来れば誰かが常につく必要もない」

 

左慈「……まあ、化け物たちに任せるのは気が引けるからな……

   だが勘違いするなよ!あくまでも、俺たちの目的のためだ!!お前のためじゃない!!!」

 

一刀「ああ、それでも助かる

   ありがとう、左慈、干吉」

 

 

そう言って一刀は笑う。

 

左慈の反応が高校のクラスメートである及川が勧めてきたゲームの女の子の言動そのままだったのだ。

 

干吉も左慈の反応が面白いのか口元を押さえている。

皿を洗う手はいつの間にか止まっていた。

 

 

 

その3人の後ろで女将さんが笑顔なのに怖い顔で立っていた……

 

 

 

 

 

拠点イベント:貂蝉&卑弥呼

 

 

 

 

貂蝉「さぁ、ご主人様服を脱いで、大丈夫やさしくするから」

卑弥呼「小僧!貴様もだ、我々漢女にすべてをゆだねるが良い」

 

一刀「いやだあぁぁ!!助けてくれぇ!!」

左慈「ふざけるな!それ以上寄れば蹴り殺す!!」

 

 

突然だが一刀たち一行は服屋にいる。

 

10秒くらいなら顔面の直視にも耐えれるようになった二人組みが突如服を見に行こうと言い出したのだ。

ようやくまともに服を着る気になったのかと思い、油断していると自分たちの服はそっちのけで一刀たちの服を脱がし始めたのだ。

 

ぶっちゃけピンチである。

 

必死に抵抗しながら下半身だけは守りぬく一刀。

店員さんもどうするべきか迷っている。

 

 

一刀「大体、脱がなくても服は選べるだろうが!」

 

卑弥呼「うむ、確かに服を脱がずとも我々の漢女眼(おとめアイ)ならばご主人様を採寸することは造作もない

    だが、それだけでは目の保養にはならんではないか」

 

一刀「冗談は存在だけにしてくれ!大体なんでいきなり服を買うんだよ!寧ろお前らが服を着ろ!!」

 

 

一刀は懐事情が非常に不味いことを知っており、わざわざ服を買い足す必要は無いと思っていた。

だが、実際はそうも行かないようだ。

 

 

貂蝉「でも、ご主人様と左慈ちゃんたちの服は目立つのよん

   これからの旅でそんな目立つ格好をしていたら道中皆から見られっぱなしよ?」

 

一刀「あっ」

 

 

一刀の学生服はもちろんだが、左慈たちの道士服も普通に目立つ。

確かに黄忠たちの陣営でもこの邑に来てからも道行く人々に見られている。

 

 

一刀「それにしたって脱ぐ必要はない!」

 

干吉「まあ、私としても目の保養になりますので、是非とも続けていただきたいのですがね」

 

一刀&左慈「「!?」」

 

 

貂蝉たちに脱がされていないと思ったら干吉が問題発言を漏らす。

左慈と一刀の顔が驚愕に染まる。

 

 

一刀「左慈、勉強のときは……」

 

左慈「戦場じゃないんだ、自分の身位は自分で守れ」

 

干吉「北郷殿、ご安心を

   私は左慈一筋ですので!!」

 

 

拳を握りながら力強く言い放つ干吉。

その顔は真剣そのものだった。

 

 

 

 

 

店員「ご来店ありがとうございました」

 

 

その後、一刀と左慈が手を組み、華佗を味方につけることで防衛に成功。

漢女たちはしぶしぶ普通に服を選び購入したのだった。

 

左慈と干吉は同じような服の色違い。

当然干吉が後から左慈と同じ服を選んだだけだ。

 

一刀の服は貂蝉と卑弥呼が選んだもので、当初は訝しんだが、本人たちの服装とは裏腹に悪くない選択だった。

 

 

一刀「意外にセンス良いな……」

 

華佗「せん、す?」

 

一刀「ああ、色々な意味が歩けど、感覚や観念って意味だよ

   今回の場合は趣味が良いってところだよ」

 

華佗「へ~、天の言葉には面白いものがあるんだな」

 

貂蝉「うふふ、喜んでもらえたなら幸いだわ」

 

卑弥呼「何、漢女として意中のオノコに贈り物をするのは当然のこと

    それに服を送るのはその服を脱がすためと相場が決まっておる」

 

一刀「……」

 

 

突然服を捨てたい衝動に駆られる一刀だった。

 

 

 

実際に目立っているのは一刀たちではなく、貂蝉たちであることに気付くのにそれほど時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

あとがき

 

皆様、こんばんは。

 

大鷲です。

 

今回は拠点イベントということで短くなっております。

 

しかし、今回台詞があるキャラの大半が男です。

字面では分かりませんが服屋の店員さんは女性ということにしておいて下さい。

そうじゃなきゃ子供達の中に女の子がいなければ100%男で出来た話に!?

 

 

 

次回予告

 

洛陽を目指す一刀たち一行。

 

一刀は洛陽の董卓が虚偽の情報で討たれようとしていることを知る。

 

義憤に駆られた一刀たちは……

 

 

次回は女の子達が多数出てきますよ?(´∀`*)


 
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