No.147922

飛天の御使い~第八幕~

eni_meelさん

恋姫†無双の二次創作です。
一刀VS北郷軍です。
今回は短めです。
拙い未熟な表現力の文章ですが
少しでも楽しんでいただければ幸いです。

2010-06-05 01:47:28 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:6189   閲覧ユーザー数:5103

 

はじめに

 

この作品の主人公はチート性能です。

 

キャラ崩壊、セリフ崩壊の部分があることも

 

あるとは思いますが、ご了承ください。

 

 

 

愛紗side

 

(身体が動かない。武器を振るおうと腕に力を入れようとするのだけれど、全く力を入れることが出来ない。目の前のたった一人の男と相対するだけで私の身体は全く言うことを聞いてくれなくなっていた。今まで、過酷といってもいいくらいの鍛錬をしてきたという自負はある。全ては弱きものを守るための力を得るために。だけど今、私は理解してしまった。どれほど過酷な鍛錬を積んだところで目の前にいる人には一切通用しないと。そして私は、義叔父上の力を見誤っていた。義叔父上の強さは、速さを極めた神速の剣と身のこなしだとずっと思っていた。相手より素早くしかけ、相手の攻撃をその神速でかわす。繰り出される剣撃は一呼吸で数十繰り出される速さに特化された剣技。故にその速さを封じて私と鈴々の力勝負で何とかなると思っていた。けれども、あの外套を脱いだその姿は私の浅はかな策を嘲笑うかのような現実を突きつけた。力でも速さでも勝てない。戦場に仁王立ちする義叔父上の姿の先に絶対の『死』を感じてしまった。私たちが勝っているのはもはや『数』のみだ)

 

ならばと、愛紗は兵達に指示を出し一刀の周りを囲む。1対1では絶対に勝てないのだから全方位からの一斉攻撃。剣、槍、矢での一斉攻撃で仕留めずとも手傷を与えれば少しでも勝機は見えてくるはず。そう思い兵に指示を出す。

 

「かかれぇぇぇぇぇーーー!」

 

矢で一射後に剣と槍を持った兵たちが突っ込む。しかし、その瞬間一刀の姿が消えた。それと同時に起こった突風により周りを囲んでいた弓兵がきれいに一掃されてしまった。

 

「!!上だ」

 

そう叫ぶと兵たちは一斉に空を見上げる。そこには高く飛び上がっていた一刀の姿が。

 

「悪いが手加減は出来ん。せいぜい死なないようにしろ!」

 

そういうと渾身の一撃を地面に放つ。その衝撃で飛び散った土塊が兵達を吹き飛ばしていった。そうこうしているうちに、気が付けば7千いたはずの兵は愛紗と鈴々を残して屍?!へと化していた。

 

(私はこんな化け物みたいな人に戦いを挑んだのか?勝てるはずない。)

 

愛紗の心がどんどん不安と恐怖に押しつぶされそうになっている。その時

 

(「愛紗さん!」)

 

そんな朱里の声が聞こえたような気がした。

 

(しっかりしろ、愛紗よ。お前の肩には朱里の命運がかかっているのだぞ。)

 

そう自分で自分に言い聞かし得物を構えなおす。先程までの不安や恐怖は消えさり、一刀を見つめる目には覚悟の光が見える。そんな愛紗を見て少しだけ口の端を吊り上げ

 

「愛紗、鈴々、お前達のこの戦いに賭ける全ての思いを乗せて打ってこい!」

 

そう挑発する一刀に愛紗、鈴々は同時に駆け出す。

 

「わが魂魄を込めた一撃、受けてみよ!!!」「いっくぞ~~、どっか~~~~~~~~~ん」

 

二人の打ち下ろしの一撃に大地が轟く。あまりの衝撃に砂埃が激しく舞っていた。

 

だが、そこには一刀の姿はない。

 

「惜しかったな、だがなかなかの一撃だった」

 

突然背後に現れた一刀の一撃に鈴々は吹き飛ばされ気を失う。

 

「鈴々!」

 

「人のことを心配している暇はないぞ!敵から目を離すな!」

 

その言葉と同時にやってくる剣撃に、愛紗は自分の終わりを感じた。

 

 

ガキン

 

一刀の剣撃は愛紗に届かなかった。愛紗を庇うように出てきたのは一刃だった。

 

「師匠、何故愛紗に剣を向けるのですか?どうして仲間同士で争うのですか?」

 

怒気混じりの声で問いかけてくる一刃を嘲笑うかのように一刀は

 

「ん~、お仕置きだな。連合の先陣をきってくるようなバカ弟子に対しての。」

 

そう飄々と言ってのけた。さらに殺気を交えた視線を一刃に向け

 

「もちろんお前も同罪だ一刃。愛紗を助けたかったら、かかってこい。」

 

そういうと刀を一刃に向ける。その時、一刃を擁護する声が聞こえてくる。

 

「ちょいまち、おっさん。この兄ちゃんは関羽の嬢ちゃん達を止めにきたんや。てっきり連合から離脱しているもんやと思ってたのに真っ先に先陣きってたから慌ててここまでかけつけたんや。せやから大目にみたってよ。」

 

そういう張遼のほうを見て、

 

「ん?君たちは張遼と呂布じゃないか。なんで一刃と行動してるんだ?」

 

そういう一刀に虎牢関からの経緯を説明する張遼。その話を聞いて少し考え込む仕草をしたかと

思ったら、再び刀を一刃に向ける。

 

「張遼の言うことが確かだとしても、俺のバカ弟子たちがしでかしたことは簡単に許されることじゃない。この茶番劇を企画したのは張譲や袁紹かもしれんが、自ら進んで演じたのは間違いなくこのバカ弟子どもだ。だから俺は師としてその責任を取らねばならん。だから、邪魔はしないでくれ。」

 

そういう一刀の言葉に、張遼たちは何も言い返せなかった。

 

「それに愛紗たちを屈服させないと先陣きった理由を教えてくれないらしいからな。」

 

そういうと視線を愛紗に向ける。

 

「愛紗、一刃が負けた時は素直に話せよ。」

 

そう問う一刀に愛紗はコクンと頷いた。その様子をみて視線を一刃に向ける。

 

 

「愛紗と鈴々からはさっき、この戦いに賭ける思いを見せてもらった。あとはお前だけだ一刃。死なないように手加減はしてやるから本気で来い。お前の正義を俺に見せてみろ。」

 

そういうと一刀は一刃に向かって駆け出す。その速さは正に「目にも映らぬ速さ」。とっさに一刃は、納刀し一刀に向かって駆け出す。一刃にも分かっている。力と速さでは勝てないと。だから、自分の持ちうる最速の剣撃『抜刀術』で迎撃することを選んだ。一刀の速さは目にも映らないが、その溢れ出る殺気によってある程度の位置はなんとなくわかる。その殺気の塊に向かって思いっ切り剣を抜刀して走らせる。

 

ガキン

 

剣撃の音が高らかと響いた。

 

一刀の刀は折れ、一刃は地面に倒れた。

 

「ふむ、なかなかの一撃だったぞ。」

 

折れた刀を見ながら倒れている一刃に声をかける。しかし、気絶しているのか返事は返ってこなかった。そうこうしていると後ろで見ていた舞華や馬騰たちがやってきた。

 

「いやぁ、殺ったもんだな。まさか本当に一人で片付けるとは思わなかったぞ。」

 

そうカラカラと笑いながら声をかけてくる馬騰に

 

「殺しちゃいないさ。少しは加減したから大丈夫だと思う。」

 

そう答えた。それを聞いて吃驚したのか目を丸くしている馬騰の姿を見て思わず笑みがこぼれる。

 

「舞華、悪いがこの兵士たちに治療の手配をしてやってくれ。流石にこのままにはしておけないから。」

 

そういうと舞華は素早く手配に向かう。

 

それを見届け、倒れている鈴々と一刃を抱え上げ愛紗とともに陣へと戻る。

 

 

陣の中には一刀、馬騰、馬超、張遼、呂布、愛紗の6人。

 

「さてと愛紗、事情を説明してもらえるな?」

 

そう問いかける一刀に、愛紗は連合で起きたことの一部始終を話した。その報告を聞いた一刀は少し怒りの表情を浮かべながらも淡々と

 

「袁紹が朱里を人質にねぇ。しかも暴行した形跡があると、そういうのだな愛紗。」

 

そう問い返す。しかし、一刀の言葉には明らか過ぎるほど怒気を含んでいた。

 

「しかし、袁紹がこんなに駆け引きが上手な奴だったかな、誰かの入れ知恵か?」

 

そういうと真っ先に思い浮かぶのは側近の文醜と顔良。しかし、あの二人にこんな相手の神経を逆なでするような駆け引きが出来るだろうか?

 

「愛紗、袁紹の天幕にはこの3人しかいなかったのか?」

 

そう尋ねると

 

「はい、その3人だけでした。」

 

と答える。う~ん、分からん。しかし、あんまり深く考えても仕方ない。

 

「まぁとりあえず、袁紹が駆け引きとして朱里を拘束しているのであれば、殺されたりする可能性はないだろう。殺してしまえば自分達の首を絞めることになるからな。とりあえず連合の陣に出向いてみないことには、何にも分からない。俺達は董卓軍ではないのだから向こうも事情を話せば面会くらいには応じてくれるだろうし、話を聞いてもらう手は打ってあるからな。馬騰殿、とりあえず俺と一緒に連合までついてきてもらえるか?あまり兵を連れて行くと警戒されてしまうといけないから少数になるとは思うけど。」

 

馬騰に伺う。馬騰は何を今更といった感じで

 

「ふん、袁紹如きに遅れをとるつもりもない。連合がなにかやらかそうもんなら儂の槍が袁紹を貫いて終わりにしてくれるわ。」

 

そういうとカラカラと笑う。なんか頼りになるというか、心配の種というか・・・。

 

「愛紗達は、ここで待機しておいてくれ。朱里のことは俺が何とかするから。いいね?」

 

そういうと何か言いたそうにしていたが、ギロリと睨んだら黙り込んでしまった。

 

「あっそうだ、袁紹たちにお土産を持っていかないとな。」

 

そう言って宮殿へと向かい歩き出す。後ろから馬騰が不思議そうに聞いてくる。

 

「北郷殿?土産とは何じゃ?」

 

と質問してくる馬騰に

 

「宮殿で掃除したゴミの頸だよ。」

 

と笑顔で答える。その言葉に周囲の人間は顔を引きつらせていた。

 

 

あとがき

 

今回は少し短めな感じですが、

 

一刀VS北郷軍はこれにて終幕です。

 

次はお待ちかねの袁紹さんですね。

 

袁紹、曹操、孫権、公孫賛がどうなってゆくかが、

 

描ければと思います。

 

拙い未熟な文章ですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 


 
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