No.145462

『舞い踊る季節の中で』 第49話

うたまるさん

『真・恋姫無双』の二次創作のSSです。
明命√の作品となります。

朝から何故か不機嫌な翡翠に、一刀は戸惑うばかり、
一刀はそんな翡翠の御機嫌をとることができるのか?

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2010-05-25 16:45:20 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:19137   閲覧ユーザー数:13628

真・恋姫無双 二次創作小説 明命√

『 舞い踊る季節の中で 』 -寿春城編-

   第49話 ~ 無自覚な想いに気付いた命は、舞うが如く歩む ~

 

 

(はじめに)

 キャラ崩壊や、セリフ間違いや、設定の違い、誤字脱字があると思いますが、温かい目で読んで下さると助

 かります。

 この話の一刀はチート性能です。 オリキャラがあります。 どうぞよろしくお願いします。

 

北郷一刀:

     姓 :北郷    名 :一刀   字 :なし    真名:なし(敢えて言うなら"一刀")

     武器:鉄扇(二つの鉄扇には、それぞれ"虚空"、"無風"と書かれている) & 普通の扇

       :鋼線(特殊繊維製)と対刃手袋

     得意:家事全般、舞踊(裏舞踊含む)、意匠を凝らした服の制作、天使の微笑み(本人は無自覚)

        気配り(乙女心以外)、超鈍感(乙女心に対してのみ)

        神の手のマッサージ(若い女性には危険です)、メイクアップアーティスト並みの化粧技術

  最近の悩み:某日、某天幕、深夜にて、

        ・・・・・・・・昨日も、酷い目に遭った。 一緒に、寝るのを止めれば良いだけなのだが、そ

        れは、明命が俺を心配してるため、譲る気はないようだし、どう言う訳か、手を繋ぐ事

        に、拘っている。 まぁそれはそれで俺は嬉しいのだが、いかんせん俺も男だ。 幾ら

        明命は義妹だと自分に言い聞かせても、其処は悲しい男の性(さが)、どうしても邪ま

        な思いが浮かび上がってしまう。 明命は大事な家族だ、そんなものに負けて傷を付け

        るなんて、真似は出来ない。 なら如何したら、

        

        

        

        

        「あのぉ、一刀さん、それはいったい、どんな意味があるんでしょうか?」

        「ああ、気にしないでくれ」

        

        不思議そうにする明命に、丸太に縛り付けるように、丸太と一緒に転がりながら答える。

        少なくても、此れなら、本気で暴走しない限り大丈夫だし、丸太で急所も守れる。まぁ

        少し寝にくいが、この際我慢する事にしよう。

        

        次の日、俺の奇行を心配した明命が、孫策達に相談したらしく、ニヤニヤ笑う桃色の悪

        魔に、周りの兵への影響があるからと言って、あっさりと昨日の手段を封印される。

        くそー、あれは絶対俺が手を出さないの分かっていて、俺が苦しむのを楽しんでいるに

        違いない。

        

 

  (今後順序公開)

一刀視点:

 

 

・・・・・・・・困った。

 

別に悪気があったわけじゃない。

確認の為にと、軽い気持ちだった訳だが、

此処まで、翡翠を不機嫌にさせるは思わなかった。

 

横を歩く彼女は、機嫌が最高に悪く、例の黒い靄を体から洩らしながら、

 

「ふっ、ふふふっふっ」

 

等と、暗い、笑え声を時折洩らしている。

ちなみに道すがらの人達は、翡翠の明らかにおかしい様子に、

頬を引き攣らせ、すぐさま視界から逃げ出していた。

そんな状態なので、すぐ隣に居る俺は、通行人以上に堪らない訳だが、

逃げ出す訳には行かない。

 

普段、偶に二人の機嫌を損ねる事はあるのだが、

それはそれで、悪いと反省する反面、そんな二人を可愛らしく感じられるものだ。

まぁ、稀に翡翠が、非情に怖くなる時も在るのだが、

こういう、何処かおかしいような怒り方はした事は無い。

 

とにかく、何時までも、このままなのは嫌だし、翡翠にはやっぱり微笑んでいて欲しい。

どうやって、機嫌を直してもらおうかと、考えているのだが、

結局良い考えが浮かばないので、小声で、

 

「なぁ翡翠、騙した形になったのは悪かったけど、いい加減、機嫌直してくれよ」

「私は、そんな事全然気にしていませんから、気になさらないでください」

 

いや絶対気にしているだろ、

と突っ込みたいのを、我慢して呑み込む、

 

「仕草も完璧で、何処から見ても、女性にしか見えません」

 

まぁ、そういう風に見せているのだから、そう見えてくれなければ困るのだけど、

全然褒めてくれている風には思えない、むしろ、皮肉じみていた。

 

 

 

 

「本当に、お綺麗ですよ。 大喬さん」

 

・・・・・・・・・・うーん、手強そうだ・・・・、

どうやら、本当に翡翠で試した事を、怒っている訳ではないようだ。

これで、余計謎が深まったのだが、なにやら誤解されたのは確かだ。

とにかく、俺は少しでもその誤解が解けるように、

 

「俺のは、化粧で誤魔化しているだけだよ。

 綺麗どうこうで言ったら、翡翠の方がよっぽど綺麗じゃないか」

 

ぴくっ

 

ん? 何故か、空気が先程より柔らかくなったな。

行き成り当たりかな、

 

「ほ・本当にそう思っているんですか?」

「あのねぇ、色々裏技的なものをやっているけど、所詮は偽者、

 化粧にしたって、天の世界は、此処よりずっと進んでいるんだ。

 今、俺の方が綺麗に見えたとしても、それは化粧のおかげ、

 同じようにしたら、素で綺麗な翡翠にはとても敵わないよ。

 と言うか、比べる以前の問題だよ」

 

足を止めて、俺の言葉に耳を傾けていた翡翠は、顔を下に向けたまま、

 

「ほ・本当に、私は、か・一刀君にとって綺麗と思いますか?」

「ああ、翡翠は綺麗で、可愛らしくて、とても魅力的な女性だと思うよ」

「・・・・ぁぅぁぅぁぅ・・・・・・い・言い過ぎです」

「でも嘘は言って無いよ」

「あぅ・・ぁぅ・ぁぅ・・・・・・一刀君の馬鹿・・・・・」

 

翡翠は何故か、耳だけに及ばず首筋まで真っ赤にしながら、早足で歩き出して行く。

その後姿には、先程の不機嫌さは微塵もなく、何処か嬉しげな感じだった。

 

 

 

 

袁術に会うに辺り、正体を隠しておけ、と言う孫策の指示もあったため、

比較的、一番誤魔かしやすそうな女装をする事にした。

元々、舞の伝承の関係で、女形の仕草や踊りはおろか、礼儀作法も学んでいたし、

女性の気持ちになって踊れるよう、女装や化粧も小さい頃から仕込まれていた。

その上、裏舞踊における、変装術で、表情筋や体格をある程度操作し、女性らしい体格や表情を

作り出す事ができる。

声帯に関しては、多少苦しいけど、点穴と筋肉の操作で強引に上げていた。

 

とまあ、近代化粧の粋と、我が家に伝わる変装術を用いて、

ほぼ完璧な女装をもって、事に当たろうとした訳だ。

 

どうやら翡翠は、男の癖して、化粧が上手いのが、気に障ったみたいだ。

その辺りは、やはり女性としてのプライドがあるのかもしれない。

だけども、まだ分からないのが、なんで、あそこまで、機嫌が良くなったかだ。

翡翠達が綺麗なのは当たり前の事だし、言われ慣れていると思うんだけどなぁ・・・・・・、

女形の修行をしたとは言え、・・・・・・・・・・やっぱり女心は、分からん。

 

まぁ、じっちゃん達にも、その辺りは才能が無いと言われたしな。

本当、なんで、あそこまで機嫌が良くなったんだろう。

 

 

 

翡翠視点:

 

 

「なぁ翡翠、騙した形になったのは悪かったけど、いい加減、機嫌直してくれよ」

「私は、そんな事全然気にしていませんから、気になさらないでください」

 

本当に、この人は、こう言う所は全然分かっていません。

別に、女装で正体を隠すのも分かりますし、

見破られないかを、確認するのも当然の事だと思います。

だから、その事で、怒ってなどいません。

私は、ただ悔しいんです。

自信を無くしたんです。

 

武の腕なんて最初から、気にしていません。

家事で負けるのは、悔しいですが仕方ありません。

軍師としての才も、一刀君の方が上なのは、仕方ない事です。

でも、女性として負けるのは、我慢できません。

女である自分が、情けなくなります。

 

たしかに、雪蓮様とかに比べたら、

私なんて、地味な顔つきです

・・・・・・背も低でいし、

・・・・・・童顔ですし、

・・・・・・胸もありません、

 

それでも女として、

それなりの物は、身につけている自信はありました。

なのに一刀君は、男の人なのに、

 

私より、女としての艶を出していますし、

私より、清楚な雰囲気を出していますし、

私より、女性らしい笑みをされるし、

私より、物腰柔らかい、仕草をされますし、

私より、可愛らしい声で話されますし、

どうせ詰め物でしょうが、私より、胸も大きいです。

 

挙句に、なんで、あそこまで綺麗なんですか、

化粧にしたって、限度があるはずです。

 

ふっ、ふふふっ

 

私は女性としてでも、一刀君に勝てないんですか・・・・、

私っていったい・・・・・・・・、

 

私は、一刀君に釣り合う為に、どうしたらいいんですか・・・・・・、

 

 

 

 

「仕草も完璧で、何処から見ても女性にしか見えません。

 本当に、お綺麗ですよ。 大喬さん」

 

私は、そんな私を、自覚もなく心配してくる一刀君に、

つい、皮肉じみた事を言ってしまいます。

 

「俺のは、化粧で誤魔化しているだけだよ。

 綺麗どうこうで言ったら、翡翠の方がよっぽど綺麗じゃないか」

 

えっ?

今、なんて・・・・・・・・・・・・、私が、綺麗?

嘘です。

どう見たって、一刀君の方が綺麗です。

でも・・・・・・、

 

「ほ・本当にそう思っているんですか?」

 

それでも、私は一刀君の言葉が嬉しくて、聞き直してしまいます。

それを、

 

「あのねぇ、色々裏技的なものをやっているけど、所詮は偽者、

 化粧にしたって、天の世界は、此処よりずっと進んでいるんだ。

 今、俺の方が綺麗に見えたとしても、それは化粧のおかげ、

 同じようにしたら、素で綺麗な翡翠にはとても敵わないよ。

 と言うか、比べる以前の問題だよ」

 

まるで、それが当たり前だと言わんばかりに、言います。

そんな事、聞くまでもない事だと、

・・・・・・私が綺麗だと、

誰が見ても、女装をした、今の一刀君の方が、綺麗なのに、

一刀君は、嫌味でも、皮肉でもなく、無論お世辞でもなく、私の方が綺麗だと・・・・・・、

ぁぅぁぅ、では、では・・・・・、

 

 

 

 

「ほ・本当に、私は、か・一刀君にとって、綺麗と思いますか?」

 

この際に、一刀君にとって、私がどう映るのかを、聞いてみました。

ぁぅぁぅ・・・・恥ずかしさに、顔が熱くなるのが分かります。

私は、今とても恥ずかしい事を聞いていると言うのに、一刀君は、

 

「ああ、翡翠は綺麗で、可愛らしくて、とても魅力的な女性だと思うよ」

 

当然の事のように、

私を、綺麗と言います。

私を、可愛いと言います。

一刀君にとって、魅力的だと、

 

「・・・・ぁぅぁぅぁぅ・・・・・・い・言い過ぎです」

 

・・・・・・駄目です。

顔が、さっきより熱いです。

恥ずかしさに、頭の中まで茹で上がっているような感じです。

意識が、遠くなりそうです。

だと言うのに、

 

「でも嘘は言って無いよ」

 

止めをさしにきます。

視界の端に映った一刀君の目から、不思議そうに、

さっきの言葉が、一刀君にとって真実だと、言ってきます。

・・・・・・・・限界です。

 

「あぅ・・ぁぅ・ぁぅ・・・・・・一刀君の馬鹿・・・・・」

 

私は、恥ずかしさの余り、

無自覚に、私の心をかき乱す一刀君に、

そう言い捨てて、早足にその場を後にします。

 

一刀君の言葉が、嬉しいあまりに、

あの場に居たら、私は何をするか分かりません。

自分を抑えれる自信がありません。

 

 

『 ああ、翡翠は綺麗で、可愛らしくて、とても魅力的な女性だと思うよ 』

 

 

頭の中に、先程の一刀君の言葉が、何度も何度も浮かび上がります。

あぅあぅ・・・・、駄目です、頬が緩むのが、抑えられません。

 

 

一刀君の、ば・か

 

 

 

 

城に着く頃には、何とか、自分の気持ちを落ち着かせる事が出来ました。

一刀君曰く、仕草とかは舞の一環で、そういう風に魅せる為の練習をしたのだから、

見え無いと困るとの事、 何代も渡って、磨き上げた技術なんだと言う事です、

それでも、内から滲み出る女性本来の物とは、比べるまでも無いとの事でした。

 

その辺りは、些か疑問がありますが、

今の一刀君は、女性と言う名の舞を、舞い続けているような物だと言う事です。

色々不満や葛藤は残りますが、無理やり自分を納得させる事は出来ました。

 

化粧と髪型に関しても、色々技術を持っているようですから、

天の技術を学びたいという名目で、今度教えて貰う約束はしました。

ですが、其処でも、

 

『えっ、化粧なんてしなくても、十分綺麗なのに』

 

なんて、意外そうに言ってきます。

あぅぁぅ、その言葉は嬉しいのですが、

一刀君は相変わらず、女心が分かっていません。

綺麗に見せたい人が居るから、綺麗にしたいんです。

 

 

 

華琳視点:

 

 

「袁術、会うのは連合以来ね」

「うむ、曹操も元気そうで何よりじゃ」

 

袁術の不遜な態度で、お決まりの挨拶を聞きながら、周りを見回す。

 

(ここは、麗羽の所より腐っているわね)

 

敢えて何が、とは思わない。

今まで散々見てきたモノだし、

そう言ったモノを何とかしたいと思い、

都に居た時は、頑張って見せたけど、

結局、内側からでは、もう如何にもならない所まで来ていた事を、思い知らされただけだった。

だからこそ、私は国を興したのだし、

こうして、張遼を譲り受ける為に、わざわざ足を運んだのだ。

こんな所で、腐らせて良い人材ではないのだから。

 

「単刀直入に言うわ。

 貴女の所の張遼を、私に譲ってくれないかしら」

「主殺しの張遼をか? 物好きじゃのぉ

 じゃが、あれは妾の臣下じゃっ、曹操殿にくれてやる訳には行かぬのじゃっ」

 

主殺し・・・・、そんな事を言う輩に、あの者を使う資格は無いわ。

それに、貴女達の腹は見えているわ。

私は、こんな事に、無駄な時間を使うつもりは無いの。

 

「無論、無料とは言わないわ。

 そうね、貴女が虎牢関で失った兵と同じだけの数、兵一万七千を、譲り渡すわ」

 

私の言葉に、周りの臣が袁家の老人達が騒ぎ出す。

どうやら、連中の予想以上の代価に驚いているようね。

あの戦で失った兵士は、袁術の所にとって、それなりの痛手、

特に、袁家の老人達は、貪欲なくせに、己の身を守る事を、何より優先したがる連中だ。

 

だから、その痛手を早く回復させようと、徴兵を行っているらしいけど、

長く続いた重税と、民を顧みない政策、そして黄巾賊の騒ぎのおかげで、

なかなか上手く行っていないのは調査済み。

なら、間違いなく話に乗ってくるはず。

そして、私の性格を知っていれば、そう無理な値上げ交渉はしてこないでしょう。

精々、

 

「それは妾としても助かるが、兵二万、・・・・・・・曹操殿とて、決して少なくない数、

 掻き集めを寄越されても、精強な妾の兵とでは吊りあわぬぞよ」

 

しっかりと数を増やしておいて、多数派に縋り付いただけの雑兵を、精強とはよく言うわ。

でも、それくらいは計算の内よ。

 

「なら、それに、糧食を三ヵ月分付けてあげるわ。 でも、これ以上は無しよ。

 その時は、この話は無かった事にしてもらうわ」

 

私の強気の言葉に、視界に映る、袁術の臣下が頷くのが見える。

兵二万と言っても、難民や罪人など、此方の腹が痛まない人間の集まり、

鍛えれば、それなりに使えるだろうけど、鍛えなければ、烏合の衆でしかない。

実質的な出費は、糧食三ヵ月分と、諸経費、それに手間ぐらいでしかないわ。

それで神速の張遼が手に入るなら、精兵五千をつけても安いくらいよ。

 

「うむ、それでなら、張遼を譲ってやっても良いぞよ」

「そう、礼を言わせて貰うわ」

 

私は、交渉が上手く言った事に内心喜びながら、形だけの礼を告げる

 

「じゃがのぉ、曹操殿を信じぬ訳では無いが、」

 

ピクッ

 

まだ、値上げをしようと言うの?

袁家の老人は頷けと言っているわよ。

子供の我が儘で、老人の納得している取引を御破算にするつもり?

 

 

 

 

「曹操殿を信じぬ訳では無いが、兵の質に不安があるのじゃ。

 そこで、張遼を引き渡すのは、三ヶ月待ってくれぬか?

 その三ヶ月で、張遼にその兵を鍛えて貰いたいのじゃ。

 なに、代価は曹操殿が言った通りじゃ。

 三ヶ月経ったら、約束通り、張遼は曹操殿に譲り渡すのじゃ」

 

こいつ、以外に抜け目無い・・・・・・・・違うわね。

袁術自身は、余計な知恵をつけないよう、高度な教育は受けさせてもらっていないはず。

実年齢はともかく、中身は見た目通り子供でしかないわ。

なら誰かの入れ知恵と考えるべきね。

おそらく、張勲辺りの考えでしょうね。 なら、臨機応変の応答は出来ないはず。

 

袁術の話に乗るのは癪に障るけど、此方も名ばかりの兵を取引の代価に使う以上、

それくらい飲まねば、『曹操は、塵を使って取引をする』なんて噂を、広げられかねないわね。

それに、名ばかりの兵と言う事を差し引いても、遥かに多い代価を払ったのは、

張遼を認めているのだと思わせる事で、忠誠を誓わせやすくする為、

だと言うのに、この程度の事で、張遼に代価を値切った、と思われるような真似は出来ない。

なら、

 

「良いでしょう、三ヶ月待つわ。

 でも、此方も糧食は、張遼を譲り受ける時にさせて貰うわ。

 そちらが、約束を守るつもりなら、問題は無いでしょう?」

「うむ、約束は必ず守るぞ」

 

よく言うわね。

此方が糧食の引渡し時期を遅らせなければ、ずるずる引渡しを延ばしていたに違いないわ。

横目に老人達の様子を伺っても、満足しているようだし、問題ないわね。

 

三ヶ月・・・・・・、孫策がそれまで黙っているとは思えないけど、

寄せ集めとは言え、突然増えた二万の兵力は大きい。

その上、三ヶ月の間は、用兵に評価のある神速の張遼も居る。

用意している戦力では、かなり厳しいはずよ。

精々、増えた二万の兵力の差を埋める為、時間を掛けて頂戴。

 

 

 

 

さて、張遼も手に入れる約束も出来た事だし、こんな所には用は無いわ。

この場を退出しようと思っていた所へ、

 

「そうじゃ、此度の良き商談の礼、と言ってはなんじゃが、

 妾の所の孫策が、変わった菓子と料理を馳走してくれると言う。

 良かったら、曹操殿も相伴して行かぬか?」

 

正直ありがた迷惑なのだけど、孫策の名前に、興味が湧いた。

話の様子からして、孫策本人ではなく、孫策の所の使者と、料理人が来ているのだろうけど、

孫策の下には、優れた将が多いらしいから、一目見ておく価値はあるかもしれない。

それに、変わった菓子・・・・・・、確か桂花の報告書の中に、

あの男の茶館は、美味しい変わった菓子を出す店で、評判だと書かれていた。

もしかしたら、料理人は、あの男かもしれないわね。

もしそうなら、あの男をもう一度見極める良い機会だわ。

 

「なら、せっかくだから、相伴させてもらうわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

あとがき みたいなもの

 

 

こんにちは、うたまるです。

 第49話 ~ 無自覚な想いに気付いた命は、舞うが如く歩む ~ を此処にお送りしました。

 

今回は、前半結構カオスでした。

本当は、雪蓮とのドタバタもあったのですが、テンポが悪くなっただけなので、削除と言う憂き目に、

前話の最後に、翡翠が言っていましたが、家事全般を始め、色々完敗している翡翠、 そこへ、更に、女としての魅力も負けたと思ってしまった翡翠が、アイデンティティーの崩壊で、本気で落ち込んでしまうものの、一刀の無自覚さに救われると言うお話だったんですよねぇ・・・・・・、

 

さて、美羽と華琳の会話、如何でしたでしょうか。

色々美羽に関しては想う所があると思いますが、この後どうなっていくのか、どうか見守りください。

 

では、頑張って書きますので、どうか最期までお付き合いの程、お願いいたします。

 

 

 

PS:前話、明命頑張ったのに、一刀の女装に喰われた様だ・・・・・・哀れ、


 
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