天和城を攻め落とし、許昌に戻った華琳は魏国の首都を鄴に移すことを宣言した。これは漢王朝の事実上の支配者である彼女が、居を他所に移しても王朝を操る事を証明することで官僚たちや民たちに『誰が漢王朝を動かしているのか』をより明らかに解らせるための行動である。
それに伴い、華琳は鄴城と天子の住まう許昌城の城郭普請の人足を出すよう諸侯に命じて城下町を拡張・発展させるとともに、諸侯に号令をかける事が出来る自らの力を見せつけた。
大勢の人足が集まり、許昌の城下町が活気づく平穏な日々――――そんなある日、舞人は大将軍府の建物の一室に愛紗を呼び出した。
「悪かったな、急に呼び出して」
「いえ・・・それで、何用ですか?」
着席した愛紗に、舞人は一枚の書簡を手渡した。彼女がそれを読む前に、舞人は書状の簡潔な内容を告げる。
「劉備が劉璋を破って益州を手中に収めたそうだ」
「そう、ですか」
ポツリと絞り出す様に呟いた彼女の声色には色々な感情が混ざっていた。敬慕する主君と仲間たちが大業を成し遂げたことへの歓喜、その場に自分がいる事が出来なかった申し訳ない感情、そして、その報告を敵将として受け取っている今の立場・・・
「なぁ、愛紗。お前・・・帰りたいか?劉備の所に」
「え?」
「あの時約束したよな?『皆が認める戦功を挙げたら帰ってもいい』って」
確かに舞人と愛紗はその様な約束を交わし、先日彼女は合肥合戦において霞・凪・真桜達とともに戦功抜群として破虜将軍、さらに民衆達は彼女たち4人を指して『合肥四天王』と呼んでいる。
「華琳からも帰還許可はもらっている。割符もあるから益州に行くのに難儀はしないはずだ」
「・・・なぜ、舞人殿も華琳殿もそうまでして私によくしてくれるのです?私が敵に回るかもしれぬというのに」
その問い掛けに、舞人は「決まっているだろうが」と笑いかけた。
「お前が俺達の仲間で、佳き敵だからだよ。何度だって矛を交えたい、武人冥利に尽きる、な」
愛紗はその言葉に俯き、2人の間にしばしの沈黙の時が流れる。そして愛紗は顔を上げ、舞人の瞳をしっかりと見据えて告げた。
「私は―――」
さて、唐突ですがここで皆さんにアンケートを取りたいと思います。
設問はズバリ『愛紗は舞人のもとに残るのか、それとも劉備の所に帰るのか』です。舞人のもとに残って一日も早い大陸の平穏の為に戦うのか、劉備のもとに帰って再びその思想のもと、刃を振るうのか―――
前者の方は①、後者の方は②でお願いします。締め切りは今週末29日までです。
たくさんのご意見、お待ちしてます!
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どうも!定軍山第一話です。プロローグ的な感じですので内容は超短いです。最後にアンケートがありますので、ご協力よろしくお願いします!