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真・恋姫無双アナザーストーリー 雪蓮√ 今傍に行きます 第12.2話

葉月さん

読者投票第二位の雪蓮のお話です。
休日に一刀に電話をかける雪蓮。
だが一刀は部活で電話には出てくれなかった。
そこで雪蓮の取った行動とは?

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2010-05-23 22:43:34 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:6755   閲覧ユーザー数:5000

真・恋姫無双アナザーストーリー 

雪蓮√ 今傍に行きます 第12.2話

 

 

 

 

【雪蓮はご立腹?】

 

晴れた日曜日、健全な学生なら友達と外に出かけて遊んでいるだろう。

 

しかし、そんな秋晴れの日曜日に一人部屋でごろごろしている者が居た。

 

「ん~……暇だわ」

 

雪蓮はすることも無く部屋で過ごしていた。

 

「一刀と何処かに遊びに行こうかしら」

 

部屋でごろごろしているのに飽きたのか、雪蓮は起き上がり机の上に置いてある携帯電話を手に取り電話をかけた。

 

(プルルルル……プルルルル……ガチャッ)

 

「あ、かずっ」

 

(今電話に出ることが出来ません。かけ直すか、この後にメッセージを入れてください)

 

「なによ、電話くらいでなさいよね……」

 

(ピッ)

 

雪蓮は携帯電話をベットに放り投げ自分も一緒に横になった

 

「あ~あ、暇だわ~……」

 

(プルルルル……プルルルル……ガチャッ)

 

(今電話に出ることが出来ません。かけ直すか、この後にメッセージを入れてください)

 

(ピッ)

 

雪蓮は携帯電話を手にまた一刀に電話をかけていた

 

「……」

 

電話をかけては切り、かけてはきりを繰り返し10回ほど繰り返した後

 

「あー、もう!何ででないのよ!」

 

(バフンッ!)

 

雪蓮は起き上がり枕を掴み上げ、そのの怒りを扉へと投げつけた

 

「こうなったら……」

 

雪蓮はまた携帯電話を持ち誰かに電話をかけはじめた

 

(プルルルル……プルルルル……ガチャッ)

 

(――――。)

 

「あ、もしもし?ちょっとお願いがあるんだけど」

 

(――――ッ!)

 

「良いじゃない別に、減るわけじゃなでしょ」

 

(――――……。)

 

「ふふふ、話が分かるわね。それじゃ学園で落ち合いましょ」

 

(――――?)

 

「そうね……」

 

雪蓮はなにやら電話越しに必要な物を伝えていた。

 

(――――。)

 

「ええ、それじゃ、よろしく♪」

 

(ピッ)

 

「一刀、あなたがいけないんだからね……」

 

「ふふふ……待ってなさい一刀……電話に出なかったこと後悔させてあげるんだから」

 

雪蓮は不適に笑い制服に着替えると学園へと向かっていった。

 

制服に着替えた雪蓮は学園の校門の前で電話をかけた人物待っていた。

 

「遅いわね……」

 

雪蓮が学園前に着いたのはほんの数分前、実際は家から学園までは30分は掛かる道のりなのだが今回はものの数分で学園前に到着していた。

 

どこの国の100メートル走代表選手だ?っと言われてもおかしくない速さで雪蓮は街中を駆け抜けて来たのだ。

 

「あ、やっと来たわね。遅いわよ!」

 

雪蓮は両腰に手を当てて不機嫌そうに来た人物に文句を言った。

 

「何が、遅いわよ。っよ、人の事、追い抜かしておいて。大体、あの速さでどうして直角に曲がれるわけ?」

 

金髪のツインテールを揺らして、大きな袋を持った琳が呆れならが雪蓮に言った。

 

「そんなことはどうでもいいのよ。……例の物ちゃんと持ってきたでしょうね」

 

「はぁ……ちゃんと持ってきたわよ。ほら」

 

琳は雪蓮に袋の中身を見せると雪蓮は満面の笑みを浮かべた。

 

「ふふふ、いいわねいいわね♪ワクワクしちゃうわ」

 

「それはいいけど、本当にここに一刀が居るの?」

 

「電話に出なかったんだから部活でしょ。休みの日だっていうのにご苦労なことよね」

 

「まさか、それだけの理由で部活って判断したわけではないでしょうね?」

 

「それだけよ」

 

「はぁ……」

 

琳は呆れて何も言えなくなってしまった。

 

「大丈夫よ。私の勘は当たるんだから♪」

 

「そう願いたいわね……」

 

琳は居ないだろうと思い諦めた感じで言っていた。

 

「はっ!」

 

「やぁぁ!」

 

剣道場を覗くと一刀と愛紗が竹刀を打ち合っていた。

 

「……」

 

「ほら、言ったでしょ♪」

 

「ぐ、偶然よ!」

 

琳は否定していたが内心、驚いていた。

 

「ホントかしら?」

 

「んんっ!それより、これからどうするのよ。あれでは愛紗が邪魔をしてくるのは確実よ」

 

「そこなのよね。部活をしてるだろうとは思ったんだけど、まさか愛紗と一緒だったとは思わなかったわ」

 

向かい合っている一刀と愛紗は間合いを計るようにすり足をしながら動いていた。

 

「やぁぁっ!」

 

「脇が甘いですよ一刀さま!」

 

「くそっ!」

 

一刀は竹刀を構えなおして愛紗を睨み返した。

 

「……ねえ」

 

「なによ」

 

琳に呼ばれたが雪蓮は一刀と愛紗から目を離さず返事をした。

 

「なんで一刀と愛紗は面をつけてないのかしらね」

 

「そう言えばそうね……なんでかしら?」

 

「あれはだな、愛紗殿が面を着けていては真剣勝負にならんと言いおってな外させたのでござるよ。まあ、顔が見たいだけかもしれぬでござるがな」

 

「「え?」」

 

振り向くと不動が剣道着に身を包み立っていた。

 

「あら、不動じゃない。今言ったことってホントのこと?」

 

「うむ、愛紗殿が剣道部に入部してからだからかれこれ三ヶ月くらいになるでござるな」

 

「そう言えば、不動に勝てるようになるするとか言ってたわよね。あれから一刀は強くなってるの?」

 

「おお!、やはり北郷殿は筋が良いでござるよ。それがしにはまだまだ及ばぬが着実に強くなっているでござるよ」

 

不動は嬉しそうに一刀の事を話していた

 

「ちょっと雪蓮、それよりどうするのよ。これじゃ実行できないじゃない」

 

「そうね。なんとか愛紗を一刀から離せないかしら」

 

「む?なにやら訳ありのようでござるな。事と次第によっては助太刀いたすでござるよ」

 

「どうする琳?」

 

「私に聞かないでくれるかしら」

 

「一つ聞きたいんだけど、不動はこういったのに興味はある?」

 

雪蓮は袋の中身を不動に見せた

 

「む?これは……ふふふ、なるほどな。一つ条件がある」

 

「何かしら?」

 

「なに簡単なことだ。私も混ぜてくれればいいでござるよ」

 

不動はニヤリと笑い手を差し出してきた。

 

「いいでしょう。交渉成立ね」

 

雪蓮は不動の手を取り固く握り返した。

 

「やぁぁっ!」

 

「なんの!」

 

「おお、おお、頑張っているようでござるな」

 

竹刀と竹刀で鍔競り合いをしていると不動が剣道場に入ってきた。

 

「不動先輩、お疲れ様です」

 

「不動殿、お疲れ様です」

 

「うむ、北郷殿も随分と強くなってでござるな」

 

「いえ、まだまだですよ。全然一本も取れないので」

 

「ふふふ、それはサボっている北郷殿には辛いでござろうな」

 

「う゛……それを言われると」

 

「で、ですが確実に実力をつけていますよ一刀さま!」

 

「愛紗……」

 

「一刀さま……」

 

見詰め合うとそこは二人だけの世界になる

 

(ガンッ!)

 

「む?何の音だ?」

 

何かを叩きつける音に現実に引き戻される二人

 

「そんなことより、愛紗よ。一本手合わせをしようではござらんか」

 

「え?ええ、かまいませんよ」

 

愛紗は不動の申し出を快く引き受けた。

 

「北郷殿には少々用事を頼みたいのだがいいでござるか?」

 

「はい、いいですよ」

 

「すまんな。実は職員室に忘れ物をしてしまってな。顧問の机に置いてあると思うのだが頼めるでござるか?」

 

「わかりました。それじゃ言ってきますね」

 

一刀は笑顔で答えて剣道場から出て行った。

 

「でわ、手合わせをお願いしするでござるよ。愛紗殿」

 

「ええ」

 

愛紗と不動は竹刀を握り締め互いに向かい合った。

 

「はっ!」

 

「てやあぁぁっ!」

 

(バチンッ!)

 

剣道場に竹刀同士がぶつかり合う音が響き渡った。

 

「もう、あんな所で扉殴らないでくれないかしら?もう少しで気づかれるところだったじゃない」

 

「だから、さっきから謝ってるじゃない。それに不動が機転を利かしてくれたんだから」

 

雪蓮は一刀と愛紗のやり取りを見て扉を激しく殴っていたのだ。

 

「それより、これで一刀は一人よ。あとは不動が言っていた部屋まで連れて行くだけね」

 

雪蓮はニヤリと笑い舌なめずりをした。

 

「ちょっと、その悪役っぽい言動やめてくれないかしら?」

 

「あら、今の私達にはぴったりだと思うけど♪」

 

「否定出来ないわね……っ!居たわ。いい、さっき話し合った作戦で行くわよ」

 

「了解♪ふふふ、待っていなさい一刀」

 

琳と雪蓮は二手に分かれて作戦を実行に移した。

 

「あら、一刀じゃない」

 

「え?……あれ、琳。どうして学園に?」

 

一刀は振り向くと琳が立っていることに驚いていた。

 

「あら、私が休日に学園に居てはいけないのかしら?」

 

「いや、そう言うわけじゃないんだけど」

 

「そう、ならいいじゃい。ところで一刀はこんな所で何をしているのかしら?」

 

「ああ、不動先輩に言われて職員室に忘れ物を取りに行くところなんだ」

 

「丁度良いわね。私も職員室に用事があるのよ」

 

「琳も?」

 

「ええ」

 

「それじゃ一緒に行こうか」

 

「そうね……でも、その前にちょっとこっちに来なさい」

 

「?なにかあるのか?」

 

一刀は琳に近づいていく。

 

「来たけど何があるんだ?」

 

「もっとこっちよ!」

 

「え?……うぉ!」

 

琳は一刀の手を取り引っ張ると一刀は琳に抱きつくような形になってしまった。

 

「ちょ、り、琳?!」

 

「ふふふ、ちょっとの間寝ていてね、か・ず・と♪」

 

「え、それってどういう(トンッ)っ!り、ん……」

 

一刀はそのまま力なく琳に寄りかかり意識をなくした。

 

「ちょっと琳、抱きつく必要あったのかしら?」

 

「あら、別に良いじゃない」

 

「よくないわよ!」

 

雪蓮は琳を睨みつけるが琳は動じておらず、

 

「ほら、早く運ぶわよ。私じゃ一刀を重くて運べないんだから雪蓮、あなたが運びなさい」

 

「仕方ないわね。なら私が運んであげるわよ♪」

 

雪蓮は嬉しそうに一刀を抱き起こして運び出した。

 

「まったく、何が仕方ないわねよ。嬉しそうにしてるじゃない。……私だってもう少し背があれば……」

 

琳は恨めしそうに雪蓮の背中を見ながらついていった。

 

「う……ここは」

 

「起きたようね一刀」

 

「琳?どこだ?」

 

一刀は暗い部屋の中で目を凝らして辺りを見回すと二つのシルエットが見えた。

 

「私も居るわよ♪」

 

「雪蓮か?」

 

「あったり~♪」

 

「うぉ!な、なんだ?!」

 

急に頭の後ろに柔らかいものが当たり一刀は驚いた。

 

「ぅ!」

 

急に部屋が明るくなり一刀は軽く呻いた。

 

「……ちょっと雪蓮?何をしているのかしら?」

 

「何って、ね~?」

 

「な・に・を・し・て・い・る・の・か・し・ら!」

 

「わかったわよ。もう、胸が無いからって」

 

「何ですって!?誰が胸が無いよ。あなただって無いじゃない!」

 

「琳よりはあるわよ。優未や桃香よりは無いけどね……明命や亞莎の気持ちがなんとなく分かるわ」

 

最後の方は琳や一刀には聞こえていなかった。

 

「くっ!まだ私は成長期なのよ。今に見てなさいあなたより大きくなって見せるわ!」

 

「……」

 

「ちょっと、なんでそんな哀れんだ目で見ているのよ!」

 

「いや、きっとこれ以上無理なんだろうなと思って」

 

「お、おい、落ち着けよ琳」

 

「一刀は黙ってなさい!」

 

「ぶへっ!」

 

「「あっ……」」

 

琳は思わず一刀を殴ってしまい一刀はそのまま沈んだ。

 

「……琳?」

 

「わ、私は悪くないわよ。か、一刀が前に出てきたのがいけないのよ」

 

「まあいいわ。一刀、起きなさい」

 

(ペシペシ)

 

「う……雪蓮?」

 

軽く頬を叩くと一刀が目を覚ました。

 

「はぁ~い、それじゃ始めるわよ♪」

 

「……始める?ええ?!な、何するんだよ雪蓮!」

 

「何って脱がせてるのよ……剣道着って面倒ねどうやって脱がすのかしら……」

 

雪蓮は剣道着を脱がすのに悪戦苦闘をしていた。

 

「お、おい琳!た、助けてくれ」

 

「どうしようかしら」

 

琳の目は獲物を見つけた獣の目になっている事に気がついた一刀は戦慄を覚えた。

 

「ちょっと私だけにやらせてないで琳も手伝いなさいよ」

 

「わかったわ。ふふふ、覚悟しないさ一刀」

 

「い、いや~~~~~~~~~っ!」

 

一刀の悲鳴が木霊した。

 

「むっ!今、一刀さまの悲鳴が聞こえたような……」

 

「手合わせ中に余所見とは余裕でござるな愛紗殿!」

 

愛紗と不動は一刀が職員室に向かってからずっと打ち合いをしていた。

 

「やはり、愛紗殿は強いでござるな」

 

「不動殿も流石です。中々隙を見せてくれない」

 

「愛紗殿にそう言われるとは光栄の至りでござる。ですが、そろそろ終わらせるでござるよ」

 

「望むところ……」

 

愛紗と不動は距離をとり息を整え始めた。

 

「……」

 

「……」

 

どちらとも動こうとわせず、この空間だけ時間が止まっている様な錯覚になっていた時、一枚の枯葉が道場内に迷い込み一瞬だけ互いの顔が枯葉に隠れた。

 

「「はあああぁぁぁっ!」」

 

その瞬間、二人は掛け声と供に竹刀を相手に振り下ろした。

 

(バチンッ!)

 

お互いの竹刀の音が道場内に響いた。

 

「……」

 

「……ふ」

 

沈黙した空間に鼻で笑う声が漏れた。

 

「やはり愛紗殿にはまだ勝てぬようでござるな」

 

「いえ、際どい所でした。危うくほんきっ……危うく一本取られるところでした」

 

「ふふふ、謙遜しなくてもよいでござるよ。愛紗殿が本気を出していないのもわかっているでござる」

 

「っ?!あ、いや、これはだな」

 

「気にしてはござらんよ……だが、一度は本気の愛紗殿と手合わせをしてみたいでござるな」

 

不動は微笑みながら愛紗に伝えた。

 

「何れは機会がありましょう。その時にでも」

 

「そうか、楽しみにしているでござるよ。その時を……それにしても北郷殿は遅いでござるな」

 

「そうですね。少々心配ですね」

 

「どれ、それがしが様子を見に行ってこよう。愛紗殿はここでまっているでござる」

 

「でしたら、私もお供します」

 

「いや、入れ違いになるやもしれる。誰かがここに残っていた方がよいでござろう」

 

「そうですね。では、お願いします不動殿」

 

「うむ」

 

頷くと不動は愛紗に見えないようにニヤつかせて道場を後にした。

 

「ほらほら観念なさい一刀♪」

 

雪蓮は手をワキワキさせながら一刀に迫っていく。

 

一刀は道着を抑えながら教室内を逃げ回っていた。

 

「はぁ、はぁ一刀、そんな涙目で見つめたら襲われても文句言えないわよ」

 

琳は息を荒くして一刀に迫る。

 

「さあ一刀……大人しくしていれば痛くしないから」

 

「痛く?!」

 

「雪蓮、一刀を怖がらせてどうするのよ」

 

「だって~、なんだか苛めたくなっちゃったんだもの♪」

 

雪蓮はてへっと子供っぽい笑いをした。

 

(ガラガラッ!)

 

「「「っ!?」」」

 

扉の開く音がして全員の目線が集中する。

 

「ふ、不動先輩!助けっ」

 

「すまん。少し後れてしまったでござる」

 

「不動ったら、おっそ~い」

 

「遅かったわね」

 

「……え?」

 

不動は教室に入るなり雪蓮と琳に謝ると一刀は驚き動きを止めてしまった。

 

「隙あり♪」

 

「うぉあ!」

 

雪蓮はすかさず一刀を後ろから羽交い絞めにした。

 

「不動先輩どういうことですか?!」

 

「なに、雪蓮殿と琳殿が面白いことを言っていたのでな。それがしもそれに乗ったのでござるよ」

 

「なっ!」

 

「そう言うことよ。もう諦めなさい一刀」

 

「あ、諦められるか~~~~っ!」

 

「もう、そんな我侭がいつまでも通じるなんて思わないことよ一刀」

 

雪蓮は少し不機嫌そうに言うと無理やり道着を剥ぎ取った。

 

「あら、いい肉付きしているのね。流石は運動部と言ったところかしら?」

 

「うむ、あれだけ鍛えたのだこれくらいは普通だろう」

 

琳は感心したように不動は頷きながら一刀を見ていた。

 

「一刀がいけないのよ。一刀が……」

 

「え、それってどういう……「えいっ!」っおわあ!」

 

一刀が理由を聞こうとしたが琳によって袴を脱がされてしまった。

 

「さ、不動も手伝いなさいよ」

 

「うむ、心得た。しかし、これは中々そそられるでござるな」

 

不動は袋から見覚えのある服を取り出し一刀は顔を引き攣らせた。

 

「そ、それって……」

 

「そっ、フランチェスカの女子用の制服♪」

 

「まさかそれを俺に着替えさせるわけ無いよ、ね」

 

「まさか~」

 

「だ、だよね~」

 

「ふふふ……」

 

「ははは……」

 

雪蓮と一刀は笑い合っていたが、

 

「着替えさせるに決まってるじゃない♪」

 

「えええ?!だ、だって俺男だろ?!」

 

「あら、男でも女装する趣味を持っている人も居るのだから気にすること無いわよ」

 

「気にするわ~~~~~!」

 

「うるさいわね……っ!そうだ、えい♪」

 

「んんっ?!」

 

雪蓮は一刀の口を塞ぐために口を押し付けた。

 

「おやおや、雪蓮殿は積極的でござるな。これでは愛紗殿は出る幕がなくなってしまうでござるな」

 

「ふんっ!別に一刀なんてなんとも思ってないわよ」

 

「ぷはっ、ほらほら、おとなしくなったから早く着替えさせるわよ♪」

 

雪蓮は一刀から口を離すと着替えさせるように促した。

 

「わ、わかっているわよ!不動、やるわよ」

 

「うむ、ワクワクするでござるな」

 

キスをされて大人しくなった一刀を雪蓮たちは着替えさせていった。

 

「……不動殿も遅いですね……」

 

中々帰ってこない一刀と不動を愛紗は待っていた。

 

既に制服に着替え終わりあとは帰ってくるのを待つだけだったが段々心配になってきていた。

 

「私も探しに行った方が良いのだろうか……いやしかし、誰かが待っていないと入れ違いになっては、だが……」

 

行くか行くまいか迷っていると

 

『あ、諦められるか~~~~っ!』

 

「っ?!今の声は一刀さま?!」

 

聞こえるはずは無いのだが愛紗の耳がいいのか、はたまた愛がなせる業なのか愛紗の耳には確かに聞こえていた。

 

「一刀さま!今参ります!」

 

愛紗は鍵を閉めずに道場から走り出した。

 

「一刀さま~~~~~~っ!」

 

「うぅ……なんでこんな格好……」

 

「ふふふ、似合ってるわよ。あとはこれとこれをつければ……」

 

雪蓮は袋の中から茶色のウィッグと胸パットを取り出し一刀に見につけていった。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「ど、どうしたんだ?」

 

雪蓮たち三人はウィッグをつけた瞬間動きを止めてしまった。

 

「ねえ、雪蓮。一刀に化粧させてみない?」

 

「うええ?!」

 

「私もそう思っていたところよ」

 

琳は自分の鞄の中から化粧道具を取り出した。

 

「準備が良いでござるな。琳殿は」

 

「これは私用のよ。結構高いんだから、無駄にさせないでよ一刀」

 

「もうどうにでもしてくれ……」

 

一刀は諦めるように椅子に座った。

 

「よろしい、それじゃ始めるわよ」

 

琳は一刀に化粧を始めた。

 

数分後、

 

「……これは出来すぎよね」

 

「ええ、これほどまでとは」

 

「うむ、これは流石に出来すぎでござるな」

 

「はぁ~、こんなの誰にも見せられないよ」

 

(カシャッ!)

 

「ちょ!し、雪蓮。何撮ってるんだよ!」

 

「だって~、ここだけにしておくの勿体無いほど可愛いんだもの」

 

「それもそうね」

 

(カシャッ!)

 

「な、琳まで!」

 

「む~、携帯電話を部室に置いてきてしまったでござる。不覚」

 

「ふ、不覚って不動先輩まで」

 

「ほらほら一刀ちょっと上目使いにしてよ」

 

「え、こう?……って!なにやらせるんだよ雪蓮!」

 

「もう遅いわよ。撮っちゃったから♪」

 

「はぁ~~……」

 

一刀が溜息をついたところに扉が勢い良く開かれた。

 

(バンッ!)

 

「一刀さま!ご無事でしょうか!」

 

「愛紗!」

 

「む、貴様は誰だ?それに雪蓮に琳に不動殿も居られるとは、一刀さまはご一緒ではないのですか?」

 

「「「「え?」」」」

 

「??」

 

「あ、あ~、確かに見えないわよね」

 

「ええ、確かに言われても正直信じられないわよね」

 

「うむ、彼……彼女は北郷殿でござるよ」

 

「は?何を言っておられるのですが不動殿は彼女が一刀さまであるはずが……?」

 

愛紗は一刀を見ると首を傾げた。

 

「女よ、少々こちらを向いてはくれぬだろうか?」

 

「……」

 

一刀は無言で愛紗を見る。

 

「ふふふ♪」

 

「くくく」

 

「うむうむ」

 

三者三様の反応が返ってくる。

 

「もしかし……一刀さま、ですか?」

 

「……ああ」

 

一刀は観念したように頷いた。

 

「か、一刀さまが女装を……一刀さまが女装を……」

 

「はい、そこまでよ♪」

 

愛紗が一刀に触れ様とした瞬間、雪蓮は一刀の腕を取り引き寄せた。

 

「はい、そう言うことでさよなら♪」

 

「え、しぇれ、ん?!」

 

雪蓮はそのまま一刀の手を握り走り出した。

 

「「「……はっ!」」」

 

「ま、待ちなさい雪蓮!」

 

「一刀さま、お待ちください!」

 

「いやはや、この者たちと居ると飽きることがないでござるな」

 

琳と愛紗は追いかけるように教室から出て行くのを不動は面白そうに眺めていた。

 

「ちょ、雪蓮!流石にこの格好で学園を出るのは!」

 

雪蓮は一刀をつれて学園を出るために校門へと向かっていた。

 

「大丈夫よ。何処からどう見ても女の子だから♪」

 

「いやいや!声聞けばわかるだろ?!」

 

「もう、なら喋らなければ良いじゃない」

 

「むちゃくちゃな……」

 

「もう、諦めが悪いわよ一刀」

 

「そりゃ、雪蓮たちに比べると綺麗じゃないだろうしさ、てか、男がこの格好は流石に」

 

雪蓮は綺麗といわれて頬を染めて照れながら言った。

 

「な、何言ってるのよ。それに琳も目の色を変えるくらいなんだから十分可愛いのよ。そう言うゲームもあることだし」

 

「ゲーム?」

 

「こっちの話よ。ほら行くわよ!」

 

「はぁ……喋らないからな俺は」

 

「ふふふ♪それじゃレッツゴ~~!」

 

雪蓮は嬉しそうに一刀と手を繋ぎ街へと向かった。

 

一方、琳と愛紗は、

 

「くっ、何処に行ったのかしら一刀たちは」

 

「一刀さま~~~っ!何処ですか~~~!一刀さま~~~~っ!」

 

「この私をだしに使うなんていい根性しているわね雪蓮」

 

「一刀さま~~~っ!」

 

「愛紗、手分けして探すわよ」

 

「分かりました。では、私はあちらを探します。」

 

「ええ、私はこっちを探してみるわ」

 

まさか、学園の外に出るとは思わず校内を探していた。

 

「ほらほら、一刀。これなんてどうかしら?」

 

「……」

 

雪蓮たちは街中にあるデパートに来ていた。

 

「これなんてどう?」

 

「……」

 

「もう少しは喋りなさいよ」

 

雪蓮は一刀を見て文句を言う。

 

「(喋ったら分かっちゃうだろ!?)」

 

一刀は雪蓮に耳打ちするように喋った。

 

「気にし直ぐよ。誰もかずっ……一子の事なんて見てないわよ」

 

「一子?!っ!」

 

一刀は叫んでしまい慌てて口を押さえた。

 

「そ、一子。今は女の子なんだから一刀じゃへんでしょ?」

 

「(た、確かにそうだけどさ)」

 

「なら公園にでも行きましょ。公園なら安心でしょ?」

 

「(まあ、それなら)」

 

「なら行くわよ♪」

 

「(あのさ、流石に腕を組むのは不味くないか?)」

 

「なんでよ?」

 

「(ほ、ほら。一応傍から見たら女の子同士に見えるだろ?)」

 

「ああ、大丈夫よ。そう言う人たちに見えるだけだろうから」

 

「(だけって……)」

 

「気にし過ぎよ。それとも私と腕組むのは嫌?」

 

雪蓮は目を潤ませて上目使いで一刀を見た。

 

「(う……はぁ、わかったよ)」

 

「ふふふ、一子は涙目に弱いわよね」

 

「(女の子の涙は見たくないからね)」

 

「ふ~ん、女の子なら誰でもいいんだ」

 

「(ん?なんか言ったか?)」

 

「べっつに~、早く行くわよ」

 

(もう、そこは嘘でも雪蓮だからだよって言うところじゃない)

 

雪蓮は少し強引に歩き出し公園へと向かった。

 

「なあ、雪蓮?」

 

「……」

 

公園に来た雪蓮たちだったがあれから雪蓮は一言も喋ってはくれなかった。

 

「……もしかして、怒ってる?」

 

「っ!」

 

雪蓮は振り向き一刀を睨みつけた。

 

「ご、ごめん。俺何か悪いこといったんだよな」

 

「違うわよ。一刀は悪くないわよ。元々は私がいけないんだから」

 

「……どういうこと?」

 

雪蓮は一刀に事の次第を話した。

 

「それじゃ、俺が電話に出なかったから琳や不動先輩を巻き込んで俺に女装させたと?」

 

「ええ、ごめんなさいね一刀」

 

「ううん、俺が電話に出なかったのがいけないんだし。雪蓮が謝ることじゃないよ」

 

「一刀……」

 

「あれ?雪蓮さんじゃないですか!」

 

「「っ!」」

 

雪蓮が一刀に抱きつこうとした時、桃香が声をかけてきた。

 

「あ、あら桃香じゃない。こんな所でなにしてるの?」

 

「ちょっと散歩です。この時間の公園が私は好きなんですよね」

 

「そ、そうなんだ」

 

「……」

 

「あれ?そちらの方は誰ですか?」

 

「っ?!」

 

「か、かれ……彼女は今日知り合ったのよ。一刀の部活を見に行った時にね」

 

「へ~、そうなんですか!始めまして、私、桜崎桃香です」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

一刀は俯きながら控えめに挨拶を桃香にした。

 

「彼女、恥ずかしがりやなのよ」

 

雪蓮はすかさずほろうする。

 

「?あれ?」

 

「ど、どうしたの桃香?」

 

桃香は首を傾げて一刀を見た。

 

「あの~、どこかであったことありませんか?」

 

(フルフルフル)

 

一刀は首を振り否定する。

 

「う~ん……会った事あるような気がするんだけどな~」

 

それでも桃香は思い出すように首を捻っている。

 

「あ、そう言えば学園に一刀さんに会いに行ったんですよね。会えたんですか」

 

桃香は行き成り話を変えてきて雪蓮は戸惑いながら答えた。

 

「え、ええ会えたわよ」

 

「そうですか!でも、なんで一緒じゃないんですか?」

 

「邪魔したら悪いと思って帰ってきたのよ」

 

「え~、雪蓮さんらしくないですよ。雪蓮さんなら無理やり一刀さんを連れ出しそうなのに」

 

{と、桃香が私のことどう思ってるかわかったわ」

 

「?きっと、愛紗ちゃんも琳さんもそう思ってると思いますけど」

 

「そ、そう……」

 

「そうおもいますよね!えっと……お名前は?」

 

「ああ、一刀よ……あ」

 

雪蓮は思わず本名を言ってしまった。

 

「え?一刀、さん?」

 

「し、雪蓮~~~!」

 

桃香は驚き一刀をまじまじと見る。

 

「本当に一刀さんなんですか?」

 

「えっと……その……はい……」

 

「え、えええ?!一刀さんって女装の趣味があったんですか?!」

 

「ち、ちが!これは雪蓮たちが!」

 

「私、女装の趣味があっても全然気にしませんから!」

 

「いや、だからね?聞いて桃香!」

 

「私、誰にも言いませんから!」

 

「と、桃香!待って!話を!」

 

「誰にも言いませんから~~~~~~~!」

 

桃香は顔を赤くして走り去って行った。

 

「……」

 

「……」

 

ただ呆然と見送る一刀と雪蓮。

 

「てへ、失敗失敗」

 

「し、失敗って雪蓮……」

 

「まあ、言っちゃったものは仕方ないんだから諦めなさい一刀♪」

 

雪蓮は詫びも入れずに舌をちょろっと出して笑っていた。

 

「し、雪蓮が言うな~~~!」

 

そんな雪蓮に一刀は大声を出して突っ込みを入れた。

 

翌朝、

 

「はぁ……昨日は酷い目に遭った……」

 

あのあと一刀は開き直り、雪蓮と街に行きファーストフードを食べて別れた。

 

「おっはよ、か~ずと♪」

 

「おはよう一刀君!」

 

「ああ、優未おはよう」

 

優未は嬉しそうに微笑むが雪蓮は面白くなさそうに口を尖らせた。

 

「ちょっと~、なんで優未だけに挨拶をするのよ」

 

「そんな気分じゃないから」

 

「ふ~ん、そう言うこと言うんだ~。だったら、昨日の「おはよう雪蓮!」うんよろしい♪」

 

一刀は雪蓮の言葉をさえぎり、挨拶をした。

 

「ん?昨日何かあったの?」

 

「なんでもないわよ。ね、一刀」

 

「あ、ああ……」

 

「ふ~ん」

 

雪蓮になんでもないと言われ納得する優未、そこに……

 

「なんでもないわけないでしょ。雪蓮……」

 

「あら、琳おはよう。朝から随分と不機嫌なのね。小皺が増えるわよ?」

 

「誰のせいだと!……んん!まあいいわ。優未ちょっと話があるからこっちに来なさい」

 

「な、なによ~。私は話す事なんて何にも無いんだから」

 

優未はまた琳に何かされると思い警戒していた。

 

「別に取って食べるわけではないから安心しなさい。あなたにと~ってもいい話よ」

 

「……わかった。何かしたら叫ぶんだからね」

 

「わかったから。早く来なさい」

 

「そうはさせないわよ」

 

「雪蓮?」

 

「あら、なんのつもりかしら?」

 

「まさか、昨日の仕返し?」

 

「仕返し?何のことかしら。はっきり言ってもらわないと私には分からないわね」

 

「くっ!」

 

「え?なに?なんなの?」

 

雪蓮は琳を睨みつけ、優未はわけが分からず琳と雪蓮を交互に見ていた。

 

そして、さらに場を混乱に陥れる人物が二人現れた。

 

「雪蓮殿!昨日はよくもやってくれましたね!」

 

「あ、か、一刀さん!だ、誰にも言ってないからね!愛紗ちゃんにも言ってないよ」

 

「また、厄介な二人が……」

 

「と、桃香、声が大きいよ」

 

「わああ、ご、ごめんなさい……」

 

違った意味で修羅場と化した登校風景、そこに誰も近づかず遠ざけて通学していた。

 

「あ、あのさ、ここじゃ通行の邪魔だし……学園に行かない?」

 

一刀が遠慮しがちに言うと雪蓮に琳、愛紗は渋々歩き出す。

 

「あ、あの……何かあったんですか?」

 

「一刀君、意味が分からないよ。やっぱり昨日何かあったの?」

 

「いや、だから、その……」

 

「おお、北郷殿たちではござらんか」

 

「あ、不動先輩。おはよっ「昨日の女装の写真を私の携帯電話に送ってはくれぬでござらんか?」……は?」

 

今まさに、不動により核爆弾並みの発言がされた。大きな声でしかも通学路道のど真ん中で。

 

『『……』』

 

「「……」」

 

通学途中の生徒、殆どが女子ではあったが一斉に一刀に目線を向ける。

 

「え、一刀君が女装?」

 

優未も一刀に驚きの目をして見つめていた。

 

「ち、違うんだ優未!これには理由が!」

 

「なんで私も呼んでくれなかったんだよ!」

 

「へ?」

 

優未は行き成り大声を上げて雪蓮に詰め寄った。

 

「なんでそんな楽しそうな事に私を誘ってくれなかったんだよ~」

 

「ああん!一刀、ちょっと助けなさいよ!」

 

「ええ?!む、無理だよ!」

 

「無理でもなんとかなさい!」

 

「そんなむちゃくちゃな!」

 

「え?え?一刀さんは女装の趣味があったんだ?」

 

「あるわけないだろ!あれは、雪蓮と琳が無理やりに着せたんだ!」

 

「ちょっと!私は雪蓮に誘われただけよ。原因は雪蓮なんだから間違えないでくれるかしら!」

 

「なっ!それなら元々は一刀が電話に出ないのがいけないのよ!折角の日曜日に一刀と出かけようと思ったのに!寂しかったんだからね!」

 

「「「「……は?」」」」

 

雪蓮以外の四人が一斉に疑問の声をあげた。

 

「なによ、何かおかしなこと言ったかしら?」

 

雪蓮も自分で言ったことに気づいていないの頬を膨らませて非難の目を一刀たちに向けた。

 

「雪蓮殿よ。今自分で、寂しかったと言ったのでござるよ」

 

「……」

 

不動が雪蓮に自分が言ったことを聞かせると、雪蓮の動きが止まった。

 

「あ、あの雪蓮?」

 

(ガシッ!)

 

「へ?」

 

一刀は心配になり雪蓮に話しかけるとすごい力で一刀の腕を取り走り出した。

 

「え?ええ?!し、雪蓮?!どうしたんだ!」

 

「いいから!ついてきなさい!」

 

「いててっ!わ、分かったからそんなに強く引っ張らないでくれよ!」

 

「……はっ!待ちなさいよ雪蓮!一刀君を独り占めするな~~~!」

 

呆然と二人を見ていた三人のうち優未はいち早く我に返り雪蓮たちを追いかけた。

 

「しまった!私達も追いかけるわよ!」

 

「ええ!」

 

「は、はい!わああっ!……いった~い!愛紗ちゃん痛いよ~~!」

 

「ああ!桃香さま大丈夫ですか!」

 

「ふえ~ん、膝擦り剥いちゃったよ~」

 

「もう!、あなた達何やっているのよ!」

 

桃香がこけてしまい、愛紗が様子を見ていると琳が声を出して戻ってきた。

 

「まったく、見ていると飽きが来ないでござるな」

 

そんな中一人だけ静観している不動が笑っていた。

 

後日、一刀は雪蓮たちにまた無理やり女装をさせられ、我慢できなくなった雪蓮が一刀を連れ出したことはまた別のお話。

 

「ふふふ、一刀は誰にも渡さないんだから♪」

 

「だからって、女装で街中を連れ回さないでくれ~~~~!」

 

葉月「はい、本日も終わりました。こんばんわ葉月です」

 

雪蓮「なんだか今回の話って」

 

葉月「はい、雪蓮というより、一刀がメインみたいな感じになっちゃいましたかね?」

 

雪蓮「そうね、私の話なのにね……」

 

葉月「おおっと!剣をこちらに向けないでくれますかね雪蓮さん?」

 

雪蓮「……仕方ないわね。所で、作中にあったゲームにってなによ」

 

葉月「ああ、あれはですね。先月PSPで発売された某男の娘ゲームですよ」

 

雪蓮「ふ~ん」

 

葉月「あら、話を振っておいて興味なさそうですね」

 

雪蓮「正直どうでもいいわね」

 

葉月「そうですか……好きなんだけどな私は……」

 

雪蓮「それよりも、一刀の女装は中々だったわよ。お持ち帰りして食べたいくらいだったわ」

 

葉月「いやいやいや!お持ち帰りしようとしてたじゃないですか!」

 

雪蓮「そりゃ、あんな女々しい格好されちゃったらね。一刀ったら肉食獣に襲われそうになる小動物みたいな目をしてるのよ」

 

葉月「それは本当に肉食と草食だからでは……」

 

雪蓮「何か言ったかしら?」

 

葉月「イイエナニモイッテナイデスヨ」

 

雪蓮「よろしい。で、次は優未の話だったわよね」

 

葉月「はい、今回はドタバタ系ではなく、ちょっとシリアスっぽく書けたら良いかなと自分では思っているのですが」

 

雪蓮「あなたの事だから無理なんじゃない?」

 

葉月「う……やっぱり、そう思います?」

 

雪蓮「ええ、私はそう思うわよ」

 

葉月「ですよね~」

 

雪蓮「でもまあ、書きたい様に書けばいいんじゃない?きっと読者の人もわかってくれるわよ」

 

葉月「そうですかね?」

 

雪蓮「ええ、葉月は、シリアスが書けないってわかってくれるわよ」

 

葉月「ぐはっ!」

 

雪蓮「はいはい、さてさて、話も大分佳境になってきたけど、ちゃんと終わらせる算段は出来てるの?」

 

葉月「ぐっ……は、はい。ちゃんと考えてはいますよ。ですが、ここで言うわけにはまいりません!」

 

雪蓮「ケチね~延ばし過ぎて読者に愛想つかされたりして?」

 

葉月「そんな現実にありそうなこと言わないでくださいよ!

 

雪蓮「はいはい。それじゃ、今日はもうお開きにするわよ」

 

葉月「ぐすん……では見なさい。次回をお楽しみください」

 

雪蓮「またね~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優未「雪蓮!一刀君の女装姿の写メ頂戴よ!」

 

雪蓮「だ~め、これは私の宝物なんだから♪」

 

優未「ぶー、ぶー!雪蓮のケチ~~!」

 

一刀「一生の汚点だ……」


 
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