No.143622

リリカルコンタクト02

水上桜花さん

リリカルコンタクトの第二話です。

2010-05-16 22:46:49 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:586   閲覧ユーザー数:574

第二話「勧誘」

 

 

裕貴サイド

 

裕貴が風原学園に転校してきてから五日がたった。

 

最初こそ大変だったものの、前の学園で一緒だった有美の助けもあり、クラスにもすっかり馴染んでいた。

 

そんなある日・・・

???「生徒会からの放送です。転校生の志乃裕貴君、香原夕美さん。至急、生徒会室まで来てください。もう一度繰り返します。転校生の志乃裕貴君、香原夕美さん。至急、生徒会室まで来てください」

と言う声が放送用のスピーカーから聞こえた。

 

 

今思うと、これが切欠に成ったんだろうな・・・。

 

でも、これが無ければ、あの人達と再会することも無かったろうし・・・。

 

 

 

 

放送があった直後。裕貴と有美は、ある集団に囲まれていた。それは・・・

 

 

風紀委員B「さて、志乃裕貴に、香原有美。俺たちに付いて来て貰おうか。」

 

 

風紀委員A「ちょ、センパイ。僕の台詞取らないで下さいよ。」

 

 

風紀委員C「いいからいいから。とりあえず、付いて来てくれるわよね?」

 

 

風紀委員達だった。

 

「え・・・と。とりあえず、生徒会室に行かなきゃならないので、失礼します。」

有美「し、しつれいしましゅ」

 

・・・有美は見事に噛んでいた。

 

兎に角、生徒会室に行くから、と言って断ろうとするも、なかなか解放してくれない風紀委員達。いい加減焦れて、無理やり通ろうとしたとき、不意に、風紀委員に声を掛ける者がいた。

 

???「皆、もう解放してあげたら?」

「・・・?」

 

風紀委員達に声を掛けたのは、少年と言うよりは、青年と言った感じの男子生徒だった。

 

首から下げている紫の石をつけたペンダント。クンツァイトだろうか?

 

肌は白めだが、病弱と思わせるほどではない色。

 

髪は藍色で長く、腰まであるふわりとしたロング。

 

顔立ちは整っており、瞳は、見ているだけで吸い込まれそうな漆黒だ。

 

性格は(なんとなくだが)柔和そうで、でもしっかりとした意思を感じさせる。

 

見ようによっては女にも見える。道端で擦れ違ったら十人中九人は振り返るだろう。それほどの容姿の持ち主だった。

 

 

風紀委員A「ふ、藤南先輩。なんでですか?」

 

風紀委員B「なぜだ?藤南。こいつらが生徒会にいったら後々面倒だろう?」

 

風紀委員C「そうよ。だからせっかく足止めしておいてあげたのに。」

 

 

ふじなみ・・・どこかで聞いた事あるような・・・と裕貴が考えていると、

 

 

有美「あ、雪斗先輩。こんにちは」

 

雪斗?「こんにちは。香原さん」

 

有美が普通に挨拶している・・・珍しすぎる。

 

雪斗?「あ、えっと・・自己紹介が遅れたね。俺は藤南雪斗。生徒会副会長で、風紀委員の副委員長もやっている」

 

 

 

 

「・・・は?」

 

 

裕貴は一瞬思考が停止した。だが直ぐに自分を取り戻し、思考の海に沈んでゆく。

 

(藤南雪斗・・・か。人気ありそうだから、どっかの委員長かと思ったけど・・・生徒会の副会長ときたか。

ん?でも、風紀委員の副委員長とも言ってた・・・この人、両方とも副なんだ・・・じゃなくて、普通掛け持ちは出来ないはずじゃ・・・?でも、例外もあるのか・・・?)

 

裕貴がそんな事を考えていると、雪斗が声を掛けてきた。

 

 

雪斗「どうしたの?そんなに難しい顔して。」

 

 

そういいながら、顔を覗き込んでくる。

 

「!?!?!?!?!?」

 

(何だコレ、何だコレ!?何この胸の高鳴り!?俺は同性愛者じゃないのに!俺はノーマルなのに!?)

 

と、そんな事を考える裕貴に、雪斗は気付くことはなく。

 

 

雪斗「ん~・・・なんか、様子が変だし、保健室に行った方がいいんじゃないかな?生徒会長には、俺が言っておくから」

 

「い、いえ、大丈夫です!失礼しました!」

 

そんな雪斗を直視できない裕貴は、赤い顔を見られないように全力でその場を立ち去るのだった。

 

そして、後に残された雪斗は、何がなんだか解らず、首を傾げていた。

 

 

 

有美サイド

 

 

裕貴の様子がおかしい・・・。

 

それに気付いたのは、風紀委員達にからまれていた所を、雪斗に助けてもらったときだった。

 

 

雪斗を見る目が怪しいのだ。なんか変な意味で。(普通逆)

 

疑念や戸惑い、そういった負の感情に、興味などの面白いと感じる正の感情。

 

その二種の感情を同時に雪斗に対して抱いた・・・様に見える。

 

有美自身は、ありえないとは思うが、恋なんかじゃなければいいなぁ・・・なんてかんがえていた。

 

 

 

 

 

 

そんな事を考えていると、裕貴がいきなり走り出した。

 

有美はどうしたのか解らずに首を傾げ・・・

 

そして気付いた。

 

「・・・って、志乃く~ん!?」

 

置いてかれた!?

 

お人好しの裕貴がやった衝撃の事実。裕貴は有美を置いていった!

 

 

 

と、そんな事を考えている間に、裕貴との距離がどんどん開いて行く。

 

 

「ま、まってよ~!」

 

 

有美は、そんな裕貴にこれ以上置いていかれないように、全力で走り出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・スカートで!(ォィ

 

雪斗サイド

 

 

 

雪斗にとっては、いつもの日常。

 

 

 

周りからすれば、十分な非日常。

 

 

 

それを別けるのはやはり慣れか。

 

 

今、雪斗の隣には、二人の少女がいた。

 

 

右に居るのは、幼馴染の古乃坂紀利(このさか きり)。

 

 

左に居るのは、同学年の義妹、藤南綾祢(ふじなみ あやね)。

 

どちらも美少女といっていい容姿の持ち主である。

 

 

紀利は、ポニーテールで、程よく日に焼けている黒髪黒目の活発そうな少女。

 

 

綾祢は、赤髪ロングで、色白の大人しそうな碧色の瞳の少女。

 

こんな対照的な美少女の二人が、雪斗の両隣に居る。

 

三人とも、この学園では人気がある。

 

雪斗は生徒会副会長にして、風紀委員副委員長。・・・どちらも、実質取締役。

 

紀利は、風紀委員委員長で、運動部を三つ掛け持ち。(今後増える可能性アリ)

 

綾祢は、図書委員委員長で、雪斗と同じ、手芸調理部に所属。部長は雪斗だが、多忙なためあまり部活には来れない。(一週間にニ、三回ぐらいしか来ない)

・・・決してサボっているわけではない。

 

 

雪斗が生徒会副会長になったのは、推薦&人気投票で本人の意思とは関係なく就任。風紀委員副委員長は、頼まれたため断れず、なし崩し的に就任。

これは雪斗の人気あってこそである。(主に女子。男子にもそこそこ人気アリ)

 

 

紀利は、雪斗がいたため風紀委員になった。その後普段の自由奔放さとは裏腹に、真面目に仕事をこなしていく姿を見せ、その容姿も手伝いどんどん人気になっていった。(主に後輩、それも女子から)

 

 

綾祢は、大人しい愛玩具のような印象で、始めは客寄せのような感じだったが、必死に仕事をこなしていく姿を見せ、認められていった。

 

 

そして、そんな三人が並んで歩いているとなれば、注目を集めるのも必至。

 

雪斗は女子にとっての、紀利と綾祢は男子にとってのアイドルのようなものだ。注目されないのもおかしい。

 

 

しかし、三人はそのことを特に気にせず、歩いていた。

 

 

 

 

 

そんな中、雪斗は風紀委員に囲まれている裕貴と有美の姿を見つけた。

 

雪斗は良く言えばお人よし。悪く言えばお節介だ。困った顔をしているのも見て取れたし、放っておく理由も無い。

 

 

だから、声を掛けたのだが・・・

 

 

 

 

雪斗「ん~・・・なんか、様子が変だし、保健室に行った方がいいんじゃないかな?生徒会長には、俺が言っておくから」

「い、いえ、大丈夫です!失礼しました!」

 

 

 

 

少しの会話の後、裕貴は逃げるように(実際逃げている)走り去ってしまった。

 

 

それを追いかけて、有美も走り去る。

 

 

雪斗は、なにがなんだか解らなくて、しばらく呆然としていた。

 

あとがき

 

 

まず一言。

 

 

桜花「すみませんでした~~~~~!!!!」

 

裕貴「予想以上に投稿が遅れたな」

 

有美「まあ、作者さんも、学校のテストがあったりしたからちょっと遅れるとは思っていたらしいけど・・・」

 

裕貴「まさかここまでとはね」

 

有美「あ、そうだ。この回で出てきた新キャラ、雪斗先輩と、紀利先輩、それから綾祢先輩もゲストとしてここに来たよ~」

 

雪斗「初めまして・・・って言った方がいいのかな?藤南雪斗です」

 

紀利「その幼馴染、古乃坂紀利と」

 

綾祢「おにちゃ・・・じゃなくて雪斗さんの義妹、藤南綾祢です」

 

裕貴「先輩!来てたんですか!」

 

紀利「なによ。それじゃあたし達が来ちゃいけないみたいな言い方じゃない」

 

綾祢「紀利ちゃん・・・そういうのは言っちゃダメだよぉ・・・折角呼んでもらったんだから」

 

雪斗「そうだね。本来なら、俺たちは此処に居なかったんだし、出れるだけでも感謝しないと」

 

紀利「うう・・・わかったわよ・・・」

 

有美「ふふ・・・相変わらず、仲がいいですね」

 

雪斗「ははは・・・まあ、幼馴染だしね」

 

桜花「・・・そろそろ本題に戻っていいでしょうか・・・?」

 

紀利「ん?あぁ、あんた居たの。空気みたいでわかんなかったわ」

 

雪斗「そ、その言い方は流石に・・・どう、なんだろ?」

 

桜花「ぐす・・・ぐす・・・どうせ私は影薄いですよ~~だ・・・ぐす・・・」

 

裕貴「あ、泣いた」

 

雪斗、有美、綾祢「「「泣いた!?!?」」」

 

雪斗「え、え~っと、この次のページは、俺たち新キャラと」

 

有美「志乃君と、雪斗先輩の女装イメージの公開です♪」

 

雪斗、裕貴「「えぇ!?!?!?」」

 

紀利「では、また次回でお会いしましょう!」

キャラ紹介

 

「藤南雪斗」

 

 

風原学園の三年で、誰にでも優しい好青年。

 

生徒会副会長であり、風紀委員副委員長でもある。本来は掛け持ち不可だが、雪斗は特別。

 

そして同時に、手芸調理部の部長でもある。だが、多忙なためあまり部活には来れない。(一週間

にニ、三回ぐらいしか来ない)

・・・決してサボっているわけではない。

 

クンツァイトという宝石のペンダントを身に着けている。意味は感情・優しさ・寛大・安堵感

 

肌は白めだが、病弱と思わせるほどではない色。

 

髪は藍色で長く、腰まであるふわりとしたロング。

 

顔立ちは整っており、瞳は、見ているだけで吸い込まれそうな漆黒。

 

見ようによっては女にも見える。女装の天才。

 

あたりに顔を知られすぎているため、たまに女装して街に出る。

 

「古乃坂紀利」

 

 

風原学園三年で、雪斗の幼馴染。

 

ポニーテールで、程よく日に焼けている黒髪黒目の活発な少女。

 

風紀委員委員長で、運動部を三つ掛け持ち。(今後増える可能性アリ)

 

雪斗がいたため風紀委員になった。

 

普段の自由奔放さとは裏腹に、真面目に仕事をこなしていく姿を見せ、その容姿も手伝い支持を得る。

 

雪斗の女装用の服を選ぶ事があり、それを強引に雪斗に着せる事が趣味。

 

「藤南綾祢」

 

 

風原学園三年で、雪斗の義妹。

 

妹とは言っても、生まれた年は一緒なので、学年は同じ。

 

図書委員委員長で、雪斗と同じ、手芸調理部に所属。

 

学園の共通マスコット。雑誌などにも、雪斗と並んでいる姿が掲載されていることがある。

 

極度の人見知りと甘えん坊で、雪斗から離れようとしない。

 

なにげに女装雪斗に一番ときめいている。

女装絵の公開♪

 

「志乃裕貴」

です。

 

 

「藤南雪斗」

です。


 
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