No.140964

『偽・悲恋姫†異聞録』27

Nightさん

GWも最終日、本日の朝の便です

どなたか一人でも面白いと思っていただけたら僥倖です

2010-05-05 10:24:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5707   閲覧ユーザー数:4990

「私だけでなく、私の仲間まで侮辱したこと後悔させてやるっ!」

 敵の三つ編み娘の言葉が耳に届き、幽は鼻にしわを寄せて、完全に馬鹿にしたように鼻で笑う。

 

 そうかい、アンタ敵を後悔させた程度でいいのかい・・・

 

 なぜだろう、無性に相手の言葉や態度にイラつかされる物を感じる。

 本当は、判っている。

 感情に任せて、真っ直ぐに、ただ自分の力を、感情を叩きつける・・・

 それしか出来ないと思い込んでいる

 それでいいと、思い込もうとしている

 ・・・そんなざまで一軍の将が勤まると思ってるのか

 

 ・・・アレはアタシの影だ。

 

 昔のアタシを見るようで、吐き気がする。

 

「アタシはね『魔王』様馬鹿にしたやつに、後悔させてやる暇なんかやらないよ」

 三つ編み娘には届かないような声で答える。

「味方だろうが・・・叩き斬る」

 走り寄る凪の手元に起こる変化に、幽の目が警戒を新たにする

 なんだありゃ、手に光が集まってる・・・

  走りながらそれを飛ばしてくるって事は

 

 ・・・こいつは見せ札だ。

 

 これが必殺の威力のある武器だったら、突っ込まずに遠くから打って、アタシを近寄らせないようにするはず。

 情報の水漏れがひどい

 格闘戦に持ち込みたいのが見え見えすぎて、笑いがこみ上げてくる。

 

 そんなに、こっちに裏をかかれたいなら、望み通りかいてやる。

 

「娑婆っけが抜けてないんだよメス犬

 アンタの愛しの隊長さんの、足元に寝転がって腹でも見せてろ」

 相手に向かって疾走しながら、大声で怒鳴り返してやる。

 これであの三つ編みは頭に血が上って、こっちの動きを追えなくなる・・・おしまいだ。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
53
4

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択