No.134288

『舞い踊る季節の中で』 第27話

うたまるさん

『真・恋姫無双』の二次創作のSSです。
明命√の作品となります。

河北の雄、袁紹の檄文と噂が、各地にばら撒かれる。
その檄文に、各陣営は・・・・・・・・

2010-04-04 08:22:31 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:21959   閲覧ユーザー数:15711

真・恋姫無双 二次創作小説 明命√

『 舞い踊る季節の中で 』

  第27話 ~ 策謀の渦に舞う想い -前編- ~

 

 

(はじめに)

 

 キャラ崩壊や、セリフ間違いや、設定の違い、誤字脱字があると思いますが、温かい目で読んで下さると助

 かります。

 この話の一刀はチート性能です。 オリキャラがあります。 どうぞよろしくお願いします。

 

北郷一刀:

     姓 :北郷    名 :一刀   字 :なし    真名:なし(敢えて言うなら"一刀")

     武器:鉄扇(二つの鉄扇には、それぞれ"虚空"、"無風"と書かれている) & 普通の扇

        :●●●●

     得意:家事全般、舞踊(裏舞踊含む)、意匠を凝らした服の制作、天使の微笑み(ただし本人は無自覚)

         気配り(乙女心以外)、超鈍感(乙女心に対してのみ)

         神の手のマッサージ(若い女性には危険です)

 最近の悩み:最近店で客から妙な視線を感じていた。だけど最近、更に妙な客が増えてきた。なんと言う

         か、突然鼻血を噴出す女性客が、しかも、なにやら恍惚とした顔で、なにやら呟きながら

         介抱しようとすると、連れの女性や周りの女性が庇うので、どうしようもない。

         まぁ、女性の鼻血姿など、男性に見られたくない物だろうから、仕方ないとは思うけど、

         一人二人なら、ともかく、こう頻繁では堪らない。 幸いそれで客足が減る事態には陥っ

         ていないが・・・・・・へんな病気でも流行っているのかと思ったが、店員の一人が、その心配

         は無いと教えてくれた。だが、理由については『 知らないなら、知らない方が幸せです

         から 』と苦笑を浮かべて教えてくれなかった。

         それでも、後を絶たないので、翡翠に相談をしてみたのだが、困った顔で、顔を赤くしな

         がら、『ぁぅぁぅ、い・一時的なものだと思いますから、ぁぅ、静観してあげて下さい。

         あぅぅ、決して、理由を訊ねたりしないであげてください・・・・ぁぅ』と言うばかりだ。

         何で、翡翠まで、顔を赤くするんだろうか?

  (今後順序公開)

 

★オリキャラ紹介:

諸葛瑾:

  姓 :諸葛    名 :瑾    字 :子瑜    真名:翡翠

  武器:"双天" 対の双剣

  武力:52(平均的な将を60とした場合)

  智力:81

  政治:89

  家事:92

  魅力:想像にお任せします(w

  焦った時の口癖:『 あうあう 』又は 『 ぁぅぁぅ 』等の類語です

  性格:基本的に温厚で、外見に反して大人の女性

     だが、焦ると地が出てしまう。(朱里と違って、自分を律しています)

     警戒心が強い性格だが、一度心を許されると、親身になってくれる。

     妹がいるため、基本的には面倒見が良く、放っておくと、食事を取るのを忘れる明命を心配してよく

     食事を差し入れていた。

     やはり、妹がいるためなのか、時折人をからかって、その反応を楽しんだり、とんでもない悪戯を仕

     掛ける悪癖もある、だが性質の悪い事に普段が完璧なだけに、周りは怒るに怒れないでいる。

     家事全般は人並み以上に出来、そこらのお店以上と自負していたが、丹陽で知り合った男性の腕を見

     て自信を喪失。 以降こっそり腕を磨いているが、全然敵わないと嘆く毎日を送っている。

     武術は好きではないが、妹達を変態共から守るため、必要最低限身に付けたもの。

     姉妹揃っての発育の悪さをコンプレックスに思いつつも、それを武器にする強かさを持っている。

     自分を子供扱いしない男性が好みだが、言い寄ってくるのは変な趣味の持ち主ばかりで、17の時、現

     実の男(変態の多さ)に愛想が付いた時に『八百一』と出会う。 以降のめり込み、妹達を洗脳する

     も、基本的には周りには秘密にしている。 そのうち執筆も行うようになり、掲載されるようになる。

     数年たった現在では、定期的な愛読者もつき『八百一』の主要作家の一人となっている。

     黄巾の乱後、作品が益々洗練され、世に愛読者を急増させる要因となった。

翡翠(諸葛瑾)視点:

 

 

「で、どうするのだ雪蓮?」

「もちろん、この機を逃す気は無いわ」

 

城の庭の中心で、雪蓮様が書簡を片手に、瞳を燃え上がらせています。

河北の雄、袁紹から届けられた書簡。短く書かれたその内容は、見た者に眉を潜ませる酷い内容です。

書いた者の思惑を隠そうともしない内容、そして、それを後押しするような噂が、各諸侯に広められました。

雪蓮様が持つのはその内の一つ、

 

「そうだな、此度の一件、我等は名と風評を得る又とない機だ。 それに、他にも得るものが多い。

 と言うか、そちらの方がむしろ重要だ」

「まぁ、その辺りは冥琳に任せるけど、後は袁術ちゃんしだいか」

「それこそ雪蓮よ、お前に任せたぞ、なにせお前の演技しだいだ」

「おそらく、袁紹は袁術に、この檄文を送ってはいないでしょう。 同じ袁家であっても、表面上は協力してい

 るように見せていて、その実は袁家代表を狙いあっていますから、その辺りを上手くつつけば」

 

私の言葉に、雪蓮様と冥琳様は頷きます。

今言ったように袁家は、二つに分かれています。

袁家の正当な血筋の娘である袁術を、袁家の跡継ぎと擁立する派閥と、

庶子の血の混ざるものの、能力に抜きん出た袁紹を擁立する派閥とに、

共に性格に問題があるとされつつも、袁紹は持ち前の運の高さと、寛容さで人望が厚く、

袁術にいたっては、・・・・・・・・擁立した者達の考えには、反吐が出ます。

とにかく、

 

「上手く袁術を動かす事が出来れば、おのずと監視の目も薄くなると言うもの、祭殿と翡翠には、今後のため

 に動いてもらう事にしよう。 翡翠すまないが、今回も残って祭殿の面倒を見てやって欲しい」

「いえ、祭様は普段こそあのように振舞ってはおりますが、こういう時は分別もあり、豪族を始めとする有力

 者に対して信望のあるお方です。 私のやれる事など、たかが知れています」

「そのたかがが、大切なのだ。 頼むぞ」

 

冥琳様のお言葉で、このお話は終わりです。

後は、雪蓮様が袁術を上手く動かしてくれるかに、かかっています。

此度の戦、これが上手くいくかどうかに、孫呉の命運が掛かっている、と言っても過言ではありません。

雪蓮様も、冥琳様も、そして私もその目に、強い決意が表われています。

ですが、不意にその目に陰りが生まれます。

 

 

 

 

 

三人の瞳に、顔に、陰りを生む原因、

 

「問題は北郷だな」

「分かってるわ、一刀には今度も出てもらう」

「今回の目的の一つを考えれば、あやつに軍師として成長してもらった上で、才能をある程度発揮してもらわ

 ねばならぬ。やりすぎても問題だが、それでも風評を得るために、天の御遣いとして踊ってもらわねば困る」

「・・・・・・・・・・一刀君が、今回の戦に協力してくれるかですか」

「そうだ。 前回の戦での心の傷は、もう問題はない所まで癒えたのであろう?」

「・・・・・・・・・・はい、まだ悩んではいるようですが・・・・・・・・問題ない程度に・・・・・・回復はしました」

 

私の、言葉に、二人は、一瞬すまなそうな顔されます。

ですが、今私達が抱えている問題は、一刀君の事を考慮できるほど、私達に余裕はありません。

それは分かっています。ですが、感情はそう納得してくれません。

 

「翡翠と明命には、すまないけど、協力して頂戴。

 なんなら、王命として、私を嫌ってくれても構わないわ」

 

雪蓮様が、私達の気持ちを察して、そう言ってくれます。

いけません、今は何を優先すべきか、私は理解しているはずです。

私は軍師で、民が安心して暮らせるように、孫家に夢を託し、孫家のために仕える諸葛瑾です。

 

「雪蓮様、其処までする必要はありません。

 ・・・・・・・・ただ、やはり問題なのは一刀君が、この戦を賛同してくれるかです。

 一刀君、ああ見えても結構頑固ですから、無理強いは不可能かと・・・・・・・・・・・・」

「そうだな、此度の戦は、賊討伐とは違う。 いわば人の欲望が生み出す不要とも見て取れる戦だ」

「はい、民のためと言っても、連合に参加すれば、そこに渦巻く欲望は隠しようがありません。

 ましてや、一刀君はそう言うところ だけ は、察しが良いですから・・・・・・・・」

「腹割って話し合うしかないわね。

 冥琳、翡翠、準備はしておいて、時間が無いから、事後承諾になってしまうけど、袁術ちゃんの所から戻った

 ら一刀と話し合ってみるわ」

 

 

 

 

 

華琳視点:

 

 

「桂花は、どう思う」

「はい、華琳様のおっしゃるとおり、やはり参戦すべきかと、

 袁紹の此方を利用しようとする腹は、見え透いておりますが、此度の一件、各諸侯や民達が注目することで

 しょう。

 ならば、逆に此方が袁紹を利用し、名と風評を得た上で、」

「今後、勢力を伸ばしそうな陣営を、その目で確認するまたとない機会と言うわけね」

「はい」

「秋蘭あなたはどう思うの」

「私も、参戦すべきかと考えております。 民や諸侯達が注目する中で、我等が奮闘して見せれば、我等に帰属

 する者も増え、華琳さまの大陸制覇の夢に大きく近づけます」

「そうね、そのためには、猿の言葉に踊ってみるのも一興ね。

 春蘭は聞くまでも無いわね」

「はい、私は華琳さまの命なら、どこにでも」

「ふん、この猪」

 

案の定の言葉に、荀彧が皮肉を籠めて春蘭に吐き捨てる。

まぁ、いつもの事だからほっとくけど

 

「それに、各諸侯が集まるというのなら、あやつもきっとくるはず。 いつぞやの借りを返す良い機会です」

 

だけど、春蘭の言葉に、見逃せないものがあった。

 

「春蘭、あの者とは孫策の事かしら」

「はい、その通りです。 借りを作ったままでは、この夏侯元譲の名が廃れます」

「ふふっ、その高潔な所は春蘭の良い所よ。 でも、今は待ちなさい」

「何故ですか、華琳様」

「今の孫策は、いわば檻の中の虎、そんな状態の者に、幾ら施しても借りを返した事にはならないわ

 返すなら、もっと相応しい時と場があるはずよ。 名を惜しむなら、返す機を誤まらない事ね。

 だから、今回は我慢なさい、何時かそれに相応しい場を用意してあげるわ」

「はい、分かりました華琳さま」

「ふんっ、単純」

「何を言う桂花、お前には、私の為に舞台を用意してくださる、華琳さまのお優しさが分からないのか」

 

春蘭と桂花の始めるいつもの光景に、笑みと、小さな溜息が同時に浮かび上がってくる。

 

 

 

 

 

詠(賈文和)視点:

 

 

「なによこれっ!!」

「どうしたの詠ちゃん」

「ある諸侯から、こういう檄文が回ってきたって、報告があったのよ」

 

机に叩き付けた、書簡を月に見せるべきかどうか、一瞬迷ったが、黙っているわけにもいけないので、仕方無しに、その書簡を月の手に渡すのだが、それに目を通した月は、見る見る顔を青くさせて、

 

「えっ、そんな、私、そんなつもりじゃ」

「嵌められたわっ!

 この檄文を見て集まる連中にとって、こっちが暴政を働いていようがいまいが、関係ないのよ」

「そうだ、詠ちゃん私達も諸侯達にお願いして・」

「無駄よっ! この檄文と一緒に、噂で、天子様をかどわかした極悪人って事にされてるのよっ

 諸侯達にとっては、月は天子様を利用する極悪人、それを味方をするのは、天子様に刃を向けるのと同義、

 味方なんて、とてもじゃないけどしてくれやしないわ。

 現に漢の忠臣を謳う西涼の雄、馬騰は連合への参加を表明したわ。

 そんな中、呼びかけたって、下手すれば、味方を装って暗殺されかねないわ」

「じゃあ、天子様にお願いして、皆の誤解を・」

「一緒よっ! 今の状態で、天子様が何を言っても、脅されて言わされたとしか映らないっ、

 相手の手回しの良さを褒めるのは癪だけど、もう、ボク達だけで闘うしか手は残っていないわっ!」

「そ・そんな」

 

ボクの剣幕に、月がますます青くなり震えるのが分かり、ボクは熱くなりすぎた頭を、理性で強引に冷やす。

 

「月ごめん、ボクがもっと早く気がついていれば、こんな事になる前に手を打てたのに」

「詠ちゃん、私こそごめん、私が何進さんに言われて、天子様の力になりたい、言ったばかりに・・・・・・」

「ううん、月は間違えていないわ、悪いのはあいつ等よ、月を利用して邪魔な宦官を排除してその場に座りた

 かっただけなんですもの、だから、こうして、暴政を働いていた者達を粛清したのは、間違っていない。

 天子様もその事は、感謝してくれたじゃない」

「でも、そのために、詠ちゃん達をこんな事に巻き込んでしまって」

「いいのよ、好きでやってるんだから、それに、勝機が決してないわけじゃないわ。

 幸いボク達には汜水関と虎牢関がある、其処で時間を稼げば、遠征軍である連合は、糧食不足に陥り退かざる

 得ないし、冬まで持ち堪えれば嫌でも撤退を余儀なくされるわ。

 その後で、初めて、こっちの呼掛けに応える者が出てくるというもの。

 その時には、月にはしっかりと働いてもらうわよ」

「う・うん」

 

月の堅いながらも浮かべた笑みに、私は静かに息を吐き、戦の算段をする。

・・・・・・・・問題は、此方の戦力で持ち堪えれるかなのよね。

 

最悪、国を捨てる事になっても月だけは守って見せるわ。

 

 

 

 

 

朱里(諸葛亮)視点:

 

 

「朱里ちゃん、本当にこれでよかったのかな・・・・・・・・」

 

雛里ちゃんは、私の部屋に入るなり、そんな事を呟いてくる。

私は、そんな雛里ちゃんに、お茶を淹れ、まずは飲むように促します。

私に促され、雛里ちゃんがお茶を数口飲むのを確認してから、

 

「桃香様達を騙したんではないかって事だね」

「うん、だって、董卓さんが暴政を」

「雛里ちゃん、決断をしたのは桃香様だよ。

 決を出された以上は、それに向かって全力を尽くすだけじゃないかな」

 

出された決に、まだ迷う親友に、私は説得する。

雛里ちゃんの言いたい事は分かる。でも雛里ちゃんだって分かっているはずだ。

 

「でも、それは、私達が本当の事を、言わなかったからで」

「皆を騙すようで、心苦しいのは私も一緒だよ。 でも後の事を考えたら、此処で桃香様にはなんとしても、

 力をつけてもらわねば、いけない時だって、分かっているから、雛里ちゃんも黙っていたんでしょ」

「う・うん・・・・・・そうだよね」

「桃香様には、真っ直ぐ夢に向かって進んでもらいたい。桃香様の夢は、私達の夢でも在るのだから、

 そのためには、汚い事は、私達が全て引き受ければ良い。

 たぶん星さんは気がついている。でも、あれ以上何も言わなかったって事は、そう言うことだよ」

 

雛里ちゃんは、私の言葉に、小さく頷いてくれた。

良かった。

正直、私だって、こういう手は使いたくない。

でも、使わなければ、生き残れないと分かっているなら、使わざる得ない。

そういった覚悟は、姉様にしっかり刻まれた。

 

諸葛家を、私やもう一人の妹を守るために、多くの覚悟を姉様は見せてくれた。

私達妹が、大きくなるまで、穢いものを、遠ざけてくれた。

それでも、この乱れた世は、私達姉妹に、容赦なく襲い掛かった。

それでも、姉様は守ってくれた。 大きくなってからは水鏡先生が導いてくれた。

そして、私は、こうして夢を共にする仲間と、居場所を見つける事ができた。

 

桃香様の望む世界を作る

 

そのためなら、この身が、名が、穢れる事だって厭わない。

それで、少しでも多くの人達が、安心して暮らせる世の中になるのなら、

私は喜んで、地獄にだって落ちてみせる。

 

私の決意に、雛里ちゃんも感じたのか、

雛里ちゃんは、小さく震えながらも私を見て、

もう一度、その瞳に決意を小さく灯しながら、頷いてくれた。

 

雛里ちゃん、私の大切な親友、

本当に、優しい娘、こんな私について、一緒に桃香様に仕えてくれる事になった。

 

そうだね。

雛里ちゃんとだったら、地獄だって・・・・・・・・・・ごめんなさい、やっぱり、地獄は怖いです。

でも、きっと、歩んでいける。

私には、信じれる親友と、夢を託せる、力強い仲間がいるから、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

あとがき みたいなもの

 

 

こんにちは、うたまるです。

  第27話 ~策謀の渦に舞う想い -前編-~ を此処に、おおくりしました。

 

時間軸としては、全話より遡りますが、一応、前話の流れをもとに構成し直しましたので、仕様と考えください。そしてお詫びを、今回も前話に引き続き、明命√にもかかわらず明命が出て来ませんでした。

まぁ裏で、一刀に想いを伝えようと、動ここうとしては自爆している、と妄想で補完しておいてください。

翡翠は、今回の戦もお留守番のため、出番が思いっきり減ってしまうため、今のうちと言う事で・・・・・・・・

一応、留守番中の話は考えてはありますが、それは後の楽しみと言う事でおいておいて、

 

今回は、袁紹の檄文に対する色々な視点を書いてみました。

(設定など違う所もありますが、ご了承ください)

 

さて、次回は、一刀視点の話となる予定です。

この世界の一刀は、雪蓮達の思惑にどう応えるのか、

 

頑張って書きますので、どうか最期までお付き合いの程、お願いいたします。

 

PS:今回、誰が主役だったかは、読者様のご想像にお任せします♪


 
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