No.133301

真・恋姫†無双 十√ 17

kazさん

ようやく折り返しぐらいでしょうか、まぁ急に終わるかもしれませんがw

 春からのアニメ、最強武将伝 三国演義とかいうのは晋までやるそうなのでちょい期待

2010-03-30 21:47:16 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:44936   閲覧ユーザー数:28234

”北郷一刀死す”

 

 

 

 

その報は瞬く間に国中に広まる事となる

 

その報を聞いた者達はある者は信じられず放心状態となり

ある者は嘆き悲しみ、ある者は怒りに震える

 

特に北郷領内の民衆達は今後の事に不安を、そして失望、絶望を感じる

今後誰が我等を導いてくれるのだろうかと

 

 

そして北郷一刀の死の報は北郷領内以外にも伝わっていく

 

 

 

 

 

荊州・夏口

 

漢水、長江の合流点にある地であり交通の要衝、軍事的にも重要な拠点である

その地を劉表より任された劉備玄徳こと桃香は時々空を見上げある人物の事を想う、その人物とは北郷一刀

 

桃香は一刀から徐州の人達の事で命を奪われそうになった、それでも一刀の事を憎む事は出来なかった

それは自分の行った事で徐州から連れてきた多くの人達の命を危険にさらした事への後悔だったかもしれない

桃香はその後夏口で必死になって民の為に行動する、そのかいあってか夏口入城時に何度もあった元々の夏口住民と徐州の人々との衝突、食料不足による飢え、病、急激な人口増加による住居の欠乏、治安悪化といった問題は少しづつ解決していく、そんな忙しく辛い時、趙雲こと星が帰還する、これは桃香にとって何よりも嬉しい出来事だった。

 

「星ちゃん!」

 

「桃香様、ただいま戻りました、長きの間留守にした事をお許しください」

 

「い、いいんだよもう!でもいいの?私の所に戻ってきていいの?

一刀さんの所にいた方が星ちゃんの為によかったんじゃないの?」

 

「我が槍は桃香様の為にある、離れる事でそれを改めて思い知りました、

北郷殿の所には多くの仲間がおられる、私如きがいずとも問題はないでしょう、

なによりあそこでは私は笑顔になれませぬ、私はこの場所…、

桃香様の傍でなければ本当の笑顔になれませぬ」

 

その言葉を聞いた桃香は本当に嬉しそうに星に抱きつき涙を流す、

その姿に愛紗、鈴々、朱里、雛里も星を暖かく迎える、そして…

麗羽、斗詩、猪々子さんはそんな桃香達の様子を見てついもらい泣きしてしまう 

 

…それに気付いた星が尋ねる…

 

「何故袁紹、顔良、文醜がおられるのですか?」

 

「え、えと、何か北郷さんから逃げてきたらしいんですが、袁紹さんが熊に追われて崖から落ちて川で溺れてる所を魚に突付かれてさらに滝から落ちて岩に激突して死にかけてた所を桃香様が見つけてそのまま居着いちゃったんです」

 

星の質問に朱里が答える

 

「ですが我等が今の状況にあるのはまさにあの者達が徐州へ攻め入ってきたからなのですぞ!、なのに…」

 

「それは私からも桃香様に言ったのだが、桃香様は…」

 

”そんなの関係ないよ!今そこに苦しんで困ってる人がいるなら助けてあげなきゃいけないと思うの!

もしそれがダメだって言うなら私一人だけででも袁紹さんを助けるから!”

 

「と、申されてな、普段はぼーっとしておられるのにそういった時の桃香様はガンとして聞かぬ強情さでな」

「あーー愛紗ちゃんひっどーーい!私だってずぅーっとぼーっとしてる訳じゃないんだからぁーー!」

「そうなのだ!桃香おねーちゃんがぼーーっとするのはご飯の時とお風呂の時と勉強してる時と買い物してる時と…」

「それ、あんまり擁護してる感じじゃないですよ鈴々ちゃん」

「あわわ、確かに」

 

なんともいえない表情の愛紗とプンプンと拗ねる桃香、変なフォローの鈴々、それを呆れた感じでフォローする朱里、雛里、

そんな仲間達のやりとりを見た星はハハハハッと大笑いし

 

「やはりここが私の居場所のようだ」

 

と満面の笑みを浮かべるのであった

 

 

 

その後星から北郷軍からの降伏勧告、侵攻の可能性を知った桃香達はその対策、そして今後について相談していた

そんな時に伝えられた『北郷一刀死す』の報

 

「一刀さんが殺された!?や、やだなぁ冗談でしょ朱里ちゃん…」

 

「真偽の程はわかりませんがすでに国中にその話が伝わってます、呂布さんと会敵した時に矢を受けたと」

 

それを聞いた桃香達は言葉を失う、一刀の事を良く思っていない愛紗ですら、

しばらくして桃香は何かを想い走り出す、それを愛紗が

 

「と、桃香様どこに行かれますか!」

 

「一刀さんの所!き、きっと無事だよ、だからお見舞いに!」

 

「何を言われるのですか!あの者は桃香様を殺そうとしたのですぞ!

それにいずれ北郷の者とは戦うかもしれぬというのに!」

 

「それでも!…それでも会いたいの!会って話をしたいの!一刀さんと!」

 

桃香の悲痛な叫び、自分を殺そうとしたにもかかわらず桃香は一刀の事を忘れる事が出来なかった、

ずっと想い続けてきた想い”私は一刀さんの事が好き”その想いは日を増すごとに強くなっていく、

いつかまた一刀さんと笑いあいたい、そんな微かな想い

その想いが桃香の体を動かす、そんな桃香を必死で止める愛紗達、そんな桃香を見た星が桃香に声をかける

 

 

「それは…夏口の民を置いてまですべき事なのですか?」

 

 

その言葉に桃香は動きを止め、星を見る

 

「北郷殿に言われた言葉があります”桃香様は王になる覚悟があるのか”と、私はそれに答える事ができませんでした、

桃香様は民の事を大切に考えておられます、しかしそれは国の中でという風にはどうしても思えませんでした、

国にあって民を考える、それが王であると、桃香様は今まで国というものを持った事がありませぬゆえ仕方ないのかもしれませぬ、しかしこれからは国を考えて行動すべきと存じます、でなければ桃香様の理想は実現できぬただの妄言に成り果ててしまいます。

桃香様、この夏口を国と考えてみてください、

夏口の民にとって桃香様は王、その王が動く時はよほどの変事か決死の時だと私は思います、

でなければ民は王に失望し希望を失いそして理想を信じられなくなります」

 

星の言葉に桃香は聞き入る、そして一呼吸置いて星が言う

 

「今一度お聞きします、桃香様は北郷殿の所に行かれるという、

それは桃香様を慕う民のいる夏口を離れてまですべき事なのですか?」

 

桃香はうつむき言葉を失う、そして一刀からの言葉が思い出される

 

 

”劉備玄徳!連れてきた人達は必ず守ってくれ!”

 

 

はっ!とする桃香、そして星を見つめ

 

「…ごめんね星ちゃん、私…色々見えてなかったみたい、そうだよね、私、ここにいる人達を守らなきゃいけないんだもんね、ここにいる人達、ううん国中の人達を幸せに、笑顔にする為に頑張らなきゃいけないんだよね、一刀さんの事は心配だけど私は今私の出来る事をしなきゃいけないんだよね、ここにいる人達のためにも、国中の人達の為にも」

 

その言葉に星は笑みを浮かべ、愛紗などは「桃香様ーー!」などと叫ぶ

 

「あ、あの、いずれにせよ私達への影響の事もありますから北郷さんの事は調べた方がいいと思うんです、だから細作を増やして北郷さんの事を調べようと思うんですがよろしいでしょうか桃香様」

 

「ありがとう朱里ちゃん、うん、お願いするね」

 

そう答える桃香、それを聞いた朱里は指示を与え行動する、そんな様子を見た桃香は手を震わせながら蒼穹をみつめ愛しき人を思い浮かべる

 

 

 

”一刀さん…”

 

 

 

 

揚州・建業

 

揚州をほぼ完全に支配下に置いた孫策こと雪蓮はいずれ激突するであろう北郷軍との戦いの為に領土拡張を考えていた、そして当然の事ながら荊州獲りを考える事になる、肥沃で大陸のほぼど真ん中に位置し、戦略的にも絶対確保すべき地、なにより荊州の劉表は雪蓮の母、孫堅の仇でもあるのだからここを攻め獲るのは自然の流れでもあった。

 

目下最大の敵となるであろう北郷軍は袁紹より奪い取ったその広大すぎる地の制圧に動き回り、孫呉が攻め込みでもしない限り戦うことはないという状態だったのである意味安心して荊州制圧の為の準備を進めていた、そして後は雪蓮の号令を待つばかりという時、荊州が一刀に降伏したとの報告がくる

その報告は雪蓮達にとっては青天の霹靂であった、まさか荊州が降伏するとは思っていなかったのだ、雪蓮などは

 

「はぁーーーー、劉表も老いたわねぇーーー、母様を討った奴と同一人物とは思えないわ…」

 

そう言って落胆するばかりであった、一刀の領土となった荊州に攻め入る事はすなわち一刀との戦端を開く事になる、すでに数十万もの規模にまで膨らんだ北郷軍と10万を越える荊州軍を相手にするには孫呉はまだ戦力不足であった

新たな戦略が必要になった雪蓮達が今後について軍議を開いているその時に『北郷一刀死す』の報が伝えられる

 

 

青ざめる雪蓮、孫呉の面々はそんな雪蓮を見たのは初めてかもしれない、母孫堅の死を聞いた時ですら、「やっぱりね」という感じで寂しく、しかしすぐに孫呉を統べる為に忙しく動き回った雪蓮、その雪蓮が信じられない、といった感じで

 

「一刀…」

 

言葉を失う雪蓮に冥琳が報告を伝えてきた兵に聞く

 

「死士といったがどこの死士だ?袁家の残党か?」

 

「いえ、それが死士は長安より発した呂布軍の中にいたと聞いております」

 

「呂布だと!?あの天下無双がそのような死士を使って北郷を騙し討ちのような事を…むっ、長安と言ったか」

 

「はい」

 

「そうか、そういう事か…」

 

冥琳のその言葉に一刀を暗殺した輩の目星がついたと感じた雪蓮が聞く、その声はとても冷たい

 

「冥琳、仕掛けたのは誰?」

 

「おそらく、長安に巣食っている董承の一派ではないかと思う」

 

「董承?」

 

「董卓との洛陽決戦の前、献帝を連れ長安に逃げた輩の事は知っているな、その後そいつらは殺され今献帝はその董承一派の手にあるという、董承一派はよく言えば漢の忠臣、悪く言えば漢の威光のみで生きている者、つまり漢に、いや自分達にとって都合の悪い者を良しとしない」

 

「それで一刀の暗殺を計った…」

 

「我等や馬騰、劉表、劉璋などは少なくとも漢を、献帝をないがしろにするような事はすまいと思っているのだろうな、しかし北郷はどうだ?あの者は天より遣わされた者と言われている、帝、そして漢の威光などなんとも思わぬ、そんな者に恐怖を感じ今回の蛮行を行ったとしたら…」

 

 

「屑共が!!!」

 

 

怒りに満ち満ちた雪蓮に皆が言葉を失う、そして雪蓮は南海覇王を握り締め出口へと向かう、それを冥琳が

 

「どこへ行く雪蓮!」

 

「決まってるでしょ、一刀を卑怯な手で殺した屑共を殺しに行くのよ!」

 

「馬鹿を言うな!呉の王ともあろうものが一時の感情で無謀をするというのか!何より証拠もなくそんな事をしてみろ、

我等に朝敵の汚名を着せる可能性もあるのだぞ、そうなれば孫呉はどうなる!」

 

雪蓮の前に立ち必死で雪蓮を止める冥琳

 

「どいて冥琳」

 

「どくわけにはいかん!」

 

一触即発なその状況に唖然としていた呉の他の面々もようやく我に帰り雪蓮を止める為に冥琳と雪蓮の元にかけよる

 

「ね、姉様!落ち着いてください!」

「雪蓮様!蓮華様の言われる通りです、今下手に動いても我等には何の益もありません!」

 

止めるのは雪蓮の妹孫権こと蓮華と甘寧こと思春、しかしその二人の必死な言葉も雪蓮には届かない

 

「私を止めたいなら力ずくで止めて見なさい」

 

小覇王とまで言われる雪蓮の本気の眼光に二人は動けない、そんな二人、そして冥琳を押しのけ出ようとした所を

 

 

「頭を冷やさんか馬鹿者!!」

 

 

怒号のようなその声に場が一瞬にして静まる、言葉を発したのは孫呉の宿将黄蓋こと祭、武においては雪蓮に匹敵するほどの猛者である

 

「堅殿が泣いておるぞ策殿、冷静になられよ!今我等が浮き足立てば策殿が殺そうと思っておる屑共の思う壺じゃぞ!

もしそれでも行くと言うならこの老体命を懸してでも策殿を止めてみせまするぞ!」

 

そう言うと祭は己が武器、多幻双弓を構える、その様子を息を呑んで見つめる蓮華、思春、冥琳、そして祭の本気を感じ取った雪蓮は、

 

「……わかったわ」

 

ようやく長安へ行こうとするのをやめる、その様子に蓮華達もふーっと溜息をつく、

そして各々武器を収め今後について話し合うこととなる

 

 

 

 

建業の城の玉座の間に集まる呉の主要な面々、今後の呉の方針を論議する為だ、

各地からの情報をかき集める、主に一刀の事について、そしてある程度集まった所で冥琳がこれまでの状況を説明する

 

「情報を整理する、北郷の死についての真偽だが、正直なんとも言えんといった所だ、呂布と会敵した時に北郷が矢を受けたというのは事実のようだがその後については情報が錯綜している為はっきりとは分からない、明命を北郷の本拠許に派遣したが”近寄れぬほどの殺気”を感じたらしく城内までは入る事ができなかったそうだ、ただ街は北郷の死の報で混乱状態だという」

 

「明命が近寄れないほどの殺気ね、誰が放ってるのかしら」

 

「中に入れぬ以上確認のしようがないが余程の武人がいるのかもしれん、そして今回の件で北郷領内は混乱をし、各地で蜂起をする輩の情報もあると聞く、従ってまとまった軍の行動は厳しいと言えるだろう、とはいえ火急の事態に対して数万の兵を動かせるだけの余力はあると考えられる、我等の選択肢は二つだ

この機に荊州へ攻め入るか、今しばらく様子を見るか、しかし北郷が混乱してる今を逃せば今後今以上の好機はないかもしれん」

 

「けど荊州に侵攻した場合荊州は北郷に救援を頼む可能性があるんじゃない?」

 

「十中八九間違いなく救援の要請をするだろうな、従って我等は北郷の救援が荊州軍と合流するまでに荊州を落とさねばならん、いかに素早く制圧するか、それが重要だ」

 

「あの~、よろしいでしょうかぁ」

 

冥琳の凛とした声とは逆のほんわかした声、声の主は孫呉の軍師陸遜、真名を穏という

 

「どうした穏、何か意見があるのか?」

 

「はい~、私は今この機会に北郷軍と一戦交えてはどうかと思いますぅ」

 

穏の言葉にその場が静まり返る、少しして冥琳が隠に問う

 

「理由を聞きたいものだな」

 

「はい~、北郷軍は確かに今は混乱していますがいずれこれを終息させると考えています、冥琳様も言われましたがあそこには多くの勇将、知将がいますので、なので北郷軍の士気の落ちている今戦っておくべきかと~」

 

「だが北郷一刀が死んでいた場合あの国は今までほど強固でいられるとも思えん、その時になって戦ってもよくはないか?」

 

その言葉に雪蓮は何かを言おうとしたが口をつぐむ、雪蓮は一刀が死んでいるとは思っていないのだ、冥琳の言葉に穏が

 

「仮に北郷一刀さんが死なれてた場合はあの国は夏侯姉妹がその志を継ぐと思われます~、北郷一刀さんほどではないにしてもやはり強固な国となって私たちの脅威になると思います、そうなったらやはり勝つのは難しいと言わざるをえませぇん」

 

「成る程夏候姉妹か、では改めて問おう、今北郷と戦う事に我等にはどんな利があるというのだ?」

 

「この先の孫呉の為でしょうかぁ」

 

「この先?」

 

「はい~、北郷軍は黄巾、董卓、袁紹といった強敵を次々打ち破り大陸一の軍団と言っても過言ではないでしょう、しかも今だ負け知らず、そんな相手と今後戦うとなればこちらの兵士さんは戦う前に気勢を削がれると思いますぅ、ですが一度でも敗北をさせて不敗神話を崩しておけばいずれくる戦いの時にこちらの兵士さん達は恐れる事なくその力を揮う事ができると思うのです~」

 

「いずれくる大陸をかけた決戦の戦いの為の布石という訳か」

 

「はい~♪」

 

「言いたい事はわかったわ、その様子だと戦場も決めてそうだけど北郷軍とどこで戦うつもりなの?」

 

穏の言葉に雪蓮が問う、穏は地図を指し示し

 

「ここですぅ~♪」

 

その場所を見た冥琳は異議を唱えるが穏が何かしらの報告書を提出する

そしてその後語られる穏の戦略、しばらくの論議の後、穏の献策が用いられる事が決まり

皆はそれに従い行動を始める、玉座の間に残った雪蓮と冥琳は

 

「さすがは冥琳の愛弟子と言ったところかしら」

 

「そうだな、穏は蓮華様を支える軍師となってくれる事だろう」

 

「私と冥琳のように?」

 

「そうなってくれればいいがな」

 

そう言って未来の孫呉に話を弾ませる二人、しかし雪蓮はやはり心が晴れなかった、そんな雪蓮に冥琳が

 

「北郷は生きていると思うか?」

 

「生きてるわ、必ず」

 

「いつもの勘か?なら北郷は生きているのだろうな」

 

その言葉に雪蓮は首を振る

 

「わからないわ、生きていて欲しいって想いが強すぎてわからないのよ…だから生きているってのはただの願望なのかもしれない」

 

「そうか…」

 

 

雪蓮は外に出、空を見上げ想う

 

 

 

”一刀、生きていなさいよ、でないと許さないから!”

 

 

 

 

 

北郷軍の面々は各地から駆けつけてくる、もちろん『北郷一刀死す』の報の真偽を確かめる為に

河南から戻ってきた春蘭達は許に着くが桂花の指示で玉座の間で待たされることになる、そこにいた季衣、流琉、凪を見つけると一刀が呂布軍と出会った時、そしてその後の顛末の様子を逐一聞く、そして

 

「お前達がついていながら何だこの有様は!!何をやっていたのだ!!」

 

怒号にも近い声で怒鳴りつける春蘭、その言葉に季衣、流琉、凪は

 

「うっ、うわぁあぁん、あああーーん」

「ご、ごめんなさい…ごめんなさい…」

「すみません、私がついていながら…必ず守って見せるといいながら…すみません…」

 

泣き崩れただ謝るばかりだった、そんな三人に殴りかかろうとする春蘭を秋蘭、そして先に許に着いていた霞が必死で止める

 

「落ち着きぃ!今凪らを責めた所でどうにかなるもんでもないやろ!」

「霞の言うとおりだ姉者!落ち着いてくれ!」

 

 

「静かにして!」

 

 

必死で春蘭を止める秋蘭と霞の前に現れた桂花と音々音、その顔は疲れきった様子

 

「桂花!北郷はどうなんだ!生きているのだろ!生きていると言ってくれ!」

 

悲痛な叫びの春蘭、そして周りにいた皆も桂花の言葉を待つ、一息ついた桂花は押し出すような感じで語る

 

 

「生きてるわ」

 

 

その言葉に皆が安堵する、生きていてくれた!その言葉が聞けて、しかし表情の冴えない桂花が辛そうに続けて話す

 

「…生きているけど、まだ安心出来る状態じゃないわ、あいつはまだ意識を取り戻していない、

まだ…どうなるかわからないのよ…」

 

桂花の悲痛な言葉再び張り詰める空気、秋蘭が桂花に事の次第を詳しく尋ねる、そして桂花はゆっくりと語り出す

 

一刀が呂布軍の中に潜んでいた死士の矢を受け倒れる、動かない一刀に皆はどうしていいかと混乱していたが詠が毒矢の可能性を見つけると同行していた医師に応急処置をさせ、すぐに許へ戻り手当てさせるよう桂花に進言する、ようやく我に返った桂花は詠の指示に従い許に戻る、許に戻った一刀は医師達の手当てを受けなんとか生きながらえるがその生死は予断を許さないものだった

 

桂花の話を静かに聞いていた皆であった、一刀の心配で沈痛な皆であったが次第にそれは一刀を毒殺しようとした者への怒りに変わっていく、そしてそれは一刀と対した恋へと向けられる

 

「呂布はどこだ!奴がこなければ北郷はこんな事にはならなかったはずだ!

兵に死士を紛れ込ませ毒矢を放つなど、何が飛将軍だ!卑怯者め!」

 

「恋殿は何も悪くないのです!恋殿もあいつらに嵌められたのです!恋殿にまで汚名を着せようとしたあいつらに!」

 

涙を流し怒りに満ちた音々音が必死に恋を擁護する、音々音にとっても今回の事は恋を卑怯者に仕立て上げようとする絶対に許せない行為なのだ、当の恋は倒れた一刀にずっとつきそっている、誰が言っても離れようとしないのだ

 

「あいつらとは誰だ!言え!」

 

音々音に詰め寄る春蘭や霞といった武官達、軍師達はそれが誰の仕業かをわかってたようで冷静に皆に話す

 

「長安にいる董承一派ですね、勢力を広げつつある一刀殿に脅威を感じ此度の行動を起こしたと、一刀殿に矢を放った者はすでに亡く証拠はありませんが」

 

「ならば今すぐにでも長安へ攻め入りそいつらの頸を刎ねてくれる!」

 

春蘭の言葉に真桜や沙和、霞などが同調するがそれを風が制す

 

「今はやめた方がいいと思います~、おにーさんが死んだとの虚報はすでに国中に伝わっており、北郷領内は民達も不安に陥ってます、まず国内の混乱を鎮めてからでないと内、そして外敵の侵攻によって我々は国を失う可能性があります、そうなったらおにーさんが今までやってきた事、そして成そうとした事が無に帰してしまいます~」

 

風の言葉に悔しがる春蘭達、怒りをどこに向けていいのかといった感じだった、そこにさらに風が言葉を続ける

 

「しかし今回の事は周到に計画されていたようですね~、おにーさんの死の報は予め各地に喧伝する準備ができていたようです、でなければこんなにも早く国中に伝わる事がなかったでしょうね~、しかもそれはおにーさんが死んでいなくても効果を発揮する策のようでしたし~

死の報は占領したばかりの河北、河南でおにーさんを良く思わない人達にとって蜂起する格好の材料ですからね~」

 

「とにかく今は国内の安定を図るべきです、それこそが一刀殿が望んでいる事であり長安にいる者共にとって望まない事でしょう」

 

風、そして稟の言葉に聞き入る春蘭達、怒りを押さえ、一刀を心配しつつ今後について話し合う

 

 

そんな中兵が駆け込んできて報告をする、曰く

 

 

 

「孫呉荊州へ侵攻!」

 

 

 

 

 

孫呉の急報に続いて荊州からは救援の要請がくる

許にいる皆は玉座の間に集まり今後について論議をする、皆を前にして稟が状況説明をする

 

「孫呉ですが、柴桑に集結していた兵4万を君主孫策自らが率いて荊州へ侵攻、水路で長江を渡り江陵を攻撃、荊州軍は抵抗したものの孫呉の攻撃は苛烈を極めこれを占拠、数千の兵を守備に置いた後襄陽を目指し進軍中との事です」

 

「荊州軍はその広大な領土の為各地に分散しており集結に遅れたらしく襄陽には3万が残るのみ、もし孫呉の攻撃にさらされれば落城は間違いないかと~」

 

「今荊州を失うわけにはいきません、かの地は戦略上重要な地であり、もし孫呉がかの地を得る事があれば勢力が大幅に膨らみ、さらに益州への侵攻をたやすくさせてしまいます、そうなると我等と拮抗、もしくはそれ以上の国となる可能性があります」

 

「ではすぐに救援に向かわねばなるまい」

 

稟の説明に秋蘭が答える、それを聞いた稟は一息置いて

 

「事はそう簡単にはいきません、さきほども言いましたが今この北郷領内は一刀殿の死の報が喧伝され各地で蜂起が相次いでます、それを放置する訳にはいきません、できれば荊州は荊州軍のみでなんとかしてもらいたいのですが」

 

「相手は孫策さん自らが率いる精鋭ですから、それは無理でしょうね~」

 

「こちらが混乱してまとまった遠征ができないいい時期を狙っての侵攻といえますね」

 

「孫呉には稀代の大軍師周瑜さんがいますからね~」

 

軍師達は様々な論議を行う、もし一刀が無事であったらきっと何かしらの対応ができたかもしれない

しかし一刀はまだ意識を取り戻してはいない、放っておけば状況はどんどん悪化していく、そんな中桂花が意を決して

 

「荊州を助けるわ、ただし交戦は状況を見て判断、基本戦略は孫呉を揚州へ追い返す事を目的としてそれ以上の追撃はしない、そして北郷領内の鎮圧も同時に行う」

 

桂花の言葉に風、稟も同意する、そして春蘭達もそれに従う

 

「まず河北に稟、白蓮、華雄と合流して河北をなんとしても守って、河南には風、霞、凪、真桜を、河南の制圧と同時に孫呉への警戒も頼むわ、そして荊州には春蘭、秋蘭、季衣、流琉、沙和、そして私が兵を率いて荊州軍と合流する」

 

各地への派遣を指示する桂花、荊州に夏候姉妹を連れて行く所に孫呉、雪蓮の強力さがみてとれる

雪蓮とまともに戦えるのが春蘭くらいである為だ

 

「許は…北郷は誰が守るのだ?」

 

春蘭の質問に桂花が少し間を置いて答える

 

「…呂布に任せるわ、アレなら兵が数万、刺客が百人単位で来ても対応できるでしょ」

 

「呂布だと!あいつに北郷をまかせると言うのか!あいつのせいで北郷が!!」

 

「言いたい事はわかるわ、でもそれに関しては大丈夫だと言っておくわ、呂布はあいつを大切に想っている、それはあいつが毒矢に倒れてからつきっきりで離れない所を見ればわかるわ」

 

納得してない春蘭だったが風や稟、そして秋蘭も桂花に同意したのでしぶしぶ任せる事にする

 

指示を受けた皆は一刀の事を心配するものの今自分たちが出来る事、やらなければならない事に集中する、そんな中桂花は月、詠、音々音、恋の所に行き

 

「月、詠、許の事はまかせるわ、もし何かあった時には貴方達の判断で処理してくれていいわ」

 

「はいっ!」

「仕方ないわね、けど今回だけよ」

 

月と詠は承諾する、元々軍事と政治に秀でた人物たちである、間違いは起こすまいと桂花は考えた、そして次に恋と音々音に

 

「呂布、あいつの事まかせたわよ、あいつと、それからこの許を絶対守って」

 

「恋、かずと守る、絶対!もう二度と傷つけさせない!」

「今あいつに死なれたら恋殿が悪者になってしまうのです、だから…ねねも恋殿と一緒にあいつを守ってやるのです!」

 

その言葉を聞いた桂花は出陣の準備の為出て行こうとする、そこに詠が言葉をかける

 

「孫呉は何か企んでる可能性があるわ、気をつけなさい」

 

「わかってるわ」

 

孫呉の罠の可能性、それは軍師達全員が考えてる事だった、それでも荊州へと向かう、時を置けば襄陽が落とされ荊州を失う可能性があったからだ

 

こうして各々が各地へと出発する、様々な想いをのせて

 

 

その頃一刀は未だ意識をとりもどしてはいなかった

 

 

 

 

”春蘭…秋蘭…”

 

 

 

”季衣…流琉……”

 

 

 

”桂花…”

 

 

 

”凪…、真桜…、沙和…”

 

 

”霞…”

 

 

”恋…”

 

 

”月…詠…”

 

 

”風…稟…”

 

 

 

「俺は…一体…」

 

 

 

 北郷!

 

 

 にーちゃん!

 

 兄様!

 

 

 この変態全身精液男!

 

 

 北郷様!

 

 大将!

 

 北郷さまー

 

 一刀ー

 

 かずと…

 

 

 ご主人様

 

 この馬鹿ち●こ! 

 

 

 おにーさん

 

 一刀殿

 

 

 

 

 

「みんな…」 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 「う…」

 

 

その言葉にぴくっ!と反応する赤毛の少女、ばっとその声の人物の顔に近づきじっとみつめる

 

「かずと!?」

 

「う…んん…、恋…?」

 

毒矢を受けずっと眠り続け、意識を失っていた人物北郷一刀は久しぶりに声を発する、その声を聞いた赤毛の少女、天下無双の飛将軍呂布こと恋は一刀に抱きつき顔をすりすりする、それがくすぐったい一刀、そんな様子をみつけた音々音が何か大声を発していたがよく聞こえなかった

そして月もそれを見つけ涙を流し、詠はそんな月を慰めつつ安堵の表情を浮かべる

 

気付いたとはいえまだまともに動けるわけでない一刀

 

「まだ無理をするなよ、治った訳じゃないんだからな」

 

声のする方を見る一刀、そこにはなんかヒーローっぽい格好をした青年がいる、一刀が尋ねると

 

「俺の名は華佗!たまたま寄ったこの街であんたの事を聞いてな、なんとか手助けできないかと頼んだら快く承知してくれてな」

 

「華佗…、(そういえばこの時代で神医とか言われてるんだっけ、初めて麻酔を使ったとか…)そうか、ありがとう」

 

「礼など不要だ、俺は医者だ、命を救うのが仕事だからな、しかしあんたは幸せ者だな、この街、そして仲間達があんたの事を助けて欲しいって想いがひしひしと伝わってきたよ、こんな患者を救う事ができて俺も久々に燃えちまったぜ!はっはっは!!!」

 

なんか妙に熱血な漢だなぁとか思いつつ起き上がろうとする一刀、しかしまだ体が思うように動かせないでもがいていると恋が

 

「かずと、まだ動いちゃだめ!」

 

そう言って一刀を無理矢理寝かせつける、戦場でも見せた事のないような恋のちょっと怒った顔に一刀もそれに従う

 

「ははは!あんたには本当に頼りになる仲間がいるな、これなら俺が注意して見てる必要もないか、いいか、今きちんと治しておかないと後で後悔する事になるぞ、あんたを想う人達の事を想うのなら今はしっかり治すんだ、いいな」

 

「ああ、わかったよ…」

 

華佗の言葉に一刀も頷く、とにかく焦るな、今はしっかり治す事こそが自分の成すべき事なのだと

 

「しかしあんたは運がいいな、使われた毒矢を調べてみたが普通の人間だったら即死の毒だったぞ、あんたが天からやってきたって話はまんざら嘘じゃないかもな、きっとあんたはまだ死ぬなって言う天意なのかもしれないな、はっはっは!」

 

その言葉に一刀も笑みを浮かべる、そして桂花達がいない事に気付き詠に尋ねる

 

「詠…みんなは?」

 

「皆はここにはいないわ、あんたが死んだって虚報が国中に流れててね、それに釣られた連中が領内で蜂起したりしてその鎮圧に向かってるのよ、あと孫呉が荊州に侵攻してそれを防ぐのにもね」

 

「孫呉…雪蓮が…そうか、皆にも色々迷惑かけちまったな…」

 

「そう思うんなら早く治しなさい!まったくあんたのせいでボク達まで駆り出されてんだから」

 

「そっか、ごめんな詠」

 

「な!////べ、別にあんたの為にやってる訳じゃないわよ!

こ、ここが無くなったら月がまた苦労するから仕方なくよ!いい、仕方なくなんだからね!」

「くすくす、詠ちゃんたら照れなくてもいいのに」

「ゆ、月~!!!」

 

そんな様子に一刀は心が暖かくなる、俺には良い仲間が沢山いてくれるんだなと、そして早く体を治さなきゃいけないと…

 

 

それからの一刀はただひたすら療養に全力を尽くす、華佗の処方した原料を教えてくれない薬、

それを飲もうとすると何故か皆が青ざめる、何なの?

ねぇ、誰か教えてよ!と言っても誰も教えてくれない、不安ではあるがとにかく今は体を治す事が第一だ!、ゲロまず…

 

 

少し体がマシになって意識もはっきりしてくると少し体を動かし始める、何日も寝たきりだったせいで歩く事さえきつかったが恋が手伝ってくれたおかげで少しずつ歩けるようになる、恋と体を密着してる俺を見た音々音はその度にちんきゅーきっくを繰り出してくる、いや、怪我人なんだからほんとやめてほしいんですが、まぁ恋がそれを悉く防いでくれてんだけど。

 

 

夜、寝てるとなにやらゴソゴソとする、見ると恋が一刀の布団にもぐりこんでくる、

 

「一緒に寝る」

 

いくら言い聞かせても全然聞いてくれない恋に困り果てるも恋の可愛く哀願する上目使いに陥落、音々音や詠に見つかったら確実にボコられる覚悟をする、しかしこれは一刀にとっては本当に生き地獄だった、だって体が思うように動かせないんだもん、ちなみにその後月や詠、音々音も一刀達と同じ部屋で寝泊りするようになる、もちろん一刀が変な気を起こさない為の監視の為に、本心は一刀が心配なのかもしれないが

 

俺は幸せ者だなぁなどと考えたり

 

 

 

 

 

治療、療養をしている一刀は少しずつ快方に向かっていく

 

一刀がその弱った体を推して許城の城壁から姿をみせた時、一刀健在を知った街の人々は歓声をあげる、そして北郷領内の各地に『北郷一刀死す』が虚報であった事を伝えた、これは詠の指示によるものである、そのかいあってか領内は安定し出し、蜂起した者達も悉く投降、もしくは討伐されていく。

 

一刀は皆の事を想いつつリハビリに精を出す

 

「ふむ、いい感じだな、後は栄養をつけて体力を回復していけば大丈夫だろう、後遺症もなさそうだしな」

 

「ありがとう華佗、あんたがいてくれなかったら俺死んでいたかもしれなかったんだな」

 

「はっはっは!俺だけの力じゃないさ、ここにいる少女たち、今はいないがあんたを想う少女たち、そして街にいる人々の想いと力が君を元気にさせたんだ、だがまだ無理はするなよ、体はまだ治りきってないんだからな」

 

一刀の言葉に華佗は笑顔で答える

 

そして一刀は詠を呼び自分が意識を失っていた間の事案について詠に尋ねる事にする

詠は一刀に心配をかけさせないとしていたのかあまり詳しい報告はしてこなかった、大体の様子を伝えるのみでしかし一刀の体調を確認し、月も同意すると詳しい報告を一刀に伝える

 

「河北で起こった反乱は稟、白蓮、華雄の活躍でほぼ鎮圧できたわ、白蓮が幽州をしっかり守ってくれたおかげで反乱があまり拡大しなかったらしくてね、河南は反乱というより大規模な賊が発生したけどこちらも風達に鎮圧されたわ、今は南の孫呉を牽制してるって所かしら」

 

「そうか、皆がんばってくれてるんだな」

 

そうしみじみ思う一刀、

 

「ほんと、あんたが死んでたら皆の苦労が無に帰す所だったんだから」

「え、詠ちゃぁん」

 

「わかってるよ、ところで荊州の方はどうなってるんだ?」

 

「ああ、こちらは逆に静かなものね、桂花達が荊州軍と合流した後孫呉はすぐに撤退していったらしいわ」

 

「撤退?」

 

「ええ、奪い取った江陵も捨て撤退、まぁ荊州軍も集結しはじめて兵数でかなりの差になったし、侵攻をやめたんじゃないかしら」

 

「そうか、それなら良かったよ」

 

「今は……」

 

 

 

 

 

「今、何て言った…」

 

 

 

 

 

「は!?あんたちゃんと聞いてなかったの!」

 

 

 

「いいから頼む!!、今何て言ったんだ!!!」

 

 

 

急な大声で咳き込む一刀、一刀の様子がおかしい事に詠だけでなく、月、音々音、恋が困惑する

 

「わ、わかったわよ、ちゃんと聞きなさいよ!、今、桂花達は荊州軍と共に孫呉を追い返している所、交戦らしい交戦もなく孫呉は揚州方向へ撤退、今は……で、にらみ合ってるところよ」

 

詠の言葉、その言葉に一刀は苦悶の表情を浮かべる、そして、急に立ち上がり外に行こうとする、

しかしまだ体調が万全でない一刀はよろけ倒れる、そんなふらついた一刀の体を支える恋、そんな一刀に華佗が激怒

 

「何をやっている!さっき言った事を忘れたのか!まだ動くな!体調はまだ万全ではないんだぞ!」

 

華佗に続いて恋、音々音、月、詠も一刀に言葉をかける

 

「かずと、無理しちゃだめ」

 

「な、何をやってるのですかこのち●こ!れ、恋殿から離れるのです!」

 

「ご、ご主人様、どうしたのですか?」

 

「ちょ、ちょっとあんた何やってるのよ!」

 

 

 

「…を」

 

 

 

一刀は苦しみながら何か言葉を発する、しかしその言葉が聞き取れない、

 

「何?何か言いたいことがあるの!?とにかくまず落ち着いてよ!」

 

詠が必死に一刀に無理をしないように言う、しかし一刀はそれでも苦しそうにもがく

 

 

 

「…れいを…、伝令を!!!」

 

 

 

ようやく聞き取れた『伝令』という言葉、詠は聞き返す

 

「伝令!?何を、どこに何を伝えればいいの!?」

 

必死に聞く詠、月、恋は一刀を支える、あまりにも必死な一刀にわけが分からないといった感じだ

 

 

 

「はやく…、でないと春蘭達が危ない!!!」

 

 

 

その言葉にそこにいる皆が驚く、一体一刀には何が見えているのだろうと

 

 

一刀が心配しているのはただ春蘭達の事、その理由は詠がさっき言った報告にあった

 

 

詠が伝えたその報告

 

 

 

『桂花達は荊州軍と共に孫呉を追い返している所、交戦らしい交戦もなく孫呉は後退、今は……で、にらみ合ってるところよ』

 

 

 

詠が伝えた春蘭達が今孫呉と対峙しているその場所、その地の名は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                『 赤  壁 』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがきのようなもの

 

 

という訳で次から赤壁編という感じです

まぁ色々変な感じになるかもしれませんが生暖かく見てやっていただければと

 

ここしばらくは駆け足な感じだったんで少しゆっくりやろうかな

 

・ちょいと修正しました

 

 

 

雑記

 

真恋姫夢想発売かぁ、ようやくって感じだけど魏√、蜀√、呉√のバラ売りはまぁいいとして、PSPってのがなぁ

新作カットで冥琳ENDありそうだから欲しいけど…、携帯機でこの手のゲームはなんかやりづらそう…

と、コンシューマはPS2しか持ってない自分、ゲームやる時間があんまないし…orz


 
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