No.127294

真・恋姫無双×仮面ライダー 一刀蒼き仮面の遣い 第3話

BLACKさん

この物語のメインは真・恋姫†無双の話ですが、主人公の一刀の性格が原作と全然違う部分が存在します。それが嫌な方はご閲覧をご遠慮願います。
なおこの物語の原作者は書いた著者ではありません。
原案者の許可をいただき、原案者の名前を書かせてもらいます。
原案者 ビスマス  作成者 BLACK

2010-02-28 20:51:37 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:3598   閲覧ユーザー数:3160

 

一刀達が白蓮の元を尋ねてから数週間、盗賊退治が頻繁に行われていたが、盗賊はなかなか減らない。

それもこれもどうも大陸全体が何か闇に包まれているように飢饉や流行病があったりで大陸は疲弊していた。

そんなある日、一刀達は白蓮に呼び出された。

 

「ごめん、遅れた」

「休んでるところすまんな。呼び出してしまって」

「いいよ。それより皆集まってどうしたの?」

「北郷も、この城に朝廷よりの使者が来たのは知っているよな?」

「黄巾党討伐の命令だろ?」

 

今の官軍は腑抜けており、官軍の力だけではその黄巾党討伐は無理であり、朝廷は地方軍閥に力を貸して欲しいときたのだ。

 

「そうだ。私はすでに参戦する事を決めているのだが…」

「白蓮ちゃんがね、これは私達にとって好機なんじゃないかって」

「好機? ……ああ、独立のためのか」

「そうです」

「黄巾党鎮圧で手柄を立てれば、朝廷より恩賞を賜ることになるだろう。桃香たちがその気になれば、きっとそれなりの地位になれるはずだ。

そうすれば、もっともっと多くの人達を守る事ができるだろう?

残念ながら、今の私の力はそれほど強くない。そりゃもちろん、もっともっと力をつけて、この動乱を治めたいとは思っているけど。

でも今すぐは無理だ。そんな私に桃香を付き合わせるわけもいかない。時は金よりも貴重なんだから」

 

白蓮の言葉に一刀は考える。

 

「(さてと…どうするか…。今の朝廷でそこまで良い地位はもらえるとは考えにくいけど、黄巾党討伐はやっぱやった方が良いよな。

それに独立した方が白蓮の負担も少なくなるし……)そうだな。俺たちもそろそろ、自分達の力でやってみるか」

「でも、鈴々達だけで大丈夫かな?」

「分からないけど、そんな弱気よりは大丈夫だと思ったほうが良いさ」

「しかし、我らには手勢というものが無い。そこが問題です」

 

そこに星が街で集めたらというと当然のことながら白蓮が反論するが、星に言いくるめられてしまい、

結局は許可を出した。もちろんあまり集めないで欲しいとの条件はある。

しかし結果はかなりの人数が集まった。その数は約六千人。しかも白蓮の街だけでなく、その他の邑からも…。その人達を見た白蓮の顔は少し引きつってた。

 

(ごめんね)

 

一刀は心の中で謝った。

 

「しかし…これからどうしましょうか」

「こうきんとーを探し出して、片っ端からやっつけるのだ!」

「勇敢だけど、そんなんじゃ兵糧がすぐになくなるぞ」

「むぅ…ならどうすりゃ良いのだー? お兄ちゃんは何か考えはあるのかー?」

「正直ないけど……」

 

四人でどうしようか悩んでいると…。

 

 

「しゅ、しゅみましぇん! あぅ噛んじゃった」

 

どこからともなく声が聞こえ、皆が辺りを見回すが見当たらない。

 

「はわわ、こっちです。こっちですよぉ~!」

「どこ?」

「声は聞こえど、姿が見えず…」

「……」

 

桃香と愛紗の行動に何も言えない一刀。

 

「みんなひどいこと言うのだなー。チビをバカにするのは良くないのだ」

「下を見てみろよ」

 

鈴々と一刀の言葉で桃香と愛紗はようやく下を見る。そこには鈴々と同い年くらいの女の子が二人いた。

 

「こ、こんにちゅは!」

「ち、ちは、ですぅ……」

「こんにちは。で、どちらさん?」

「わ、私はしょ、諸葛孔明れしゅ!」

「私はあの、その、えと、んと、ほ、ほと、ほーとうでしゅ!」

「……二人ともカミカミすぎなのだ」

「噛み過ぎだな……(諸葛亮に鳳統!?)」

 

一刀の心の中はかなりの高ぶっていた。

 

(おいおい、いきなりこの二人……この世界、色々変わってるな)

「諸葛孔明に鳳統か。あなたたちのような少女がどうしてこんなところに?」

「あ、あのですね、私達荊州にある水鏡塾っていう、水鏡先生という方が開いている私塾で学んでいたんですけど、

でも今この大陸を包み込んでいる危機的な状況を見るに見かねて、それで、えと…」

「力の無い人達が悲しむのが許せなくて、その人達を守るために私達が学んだ事を活かすべきだって考えて、

でも自分たちだけの力じゃ何も出来ないから、誰かに協力してもらわなくちゃいけなくて」

「それでそれで、誰に協力してもらえばいいんだろうって考えたときに、天の御遣いが義勇兵を募集してるって噂を聞いたんです!」

「それで色々と話を聞くうちに、天の御遣いが考えていらっしゃることが、私達の考えと同じだってわかって、協力してもらうならこの人だって思って」

「だからあの…私達を戦列の端にお加え下さい!」

「お願いします!」

「いいよ」

 

二人の早口を無視したように、一刀の答えは即答だった。

 

「ご主人様、早い…」

「戦列の端に加えるには、歳が若すぎる気もしますが…」

「そんなの鈴々も同じだ」

「それはそうですが、鈴々の武は一騎当千。歳は若くとも充分に戦力になります。しかし二人は見たところ指は細く、体格は華奢。

戦場に立つには可憐過ぎるとか…」

「そんなの俺から見たら、愛紗達も可憐過ぎるぞ。それに俺はこの二人をそう言った直接戦わせるんじゃなくて、軍師として迎えたい」

「軍師として…ですか?」

「ああそうだ。さっき水鏡と言う名前が出ただろ? あの人は頭の良い人だと俺の耳に入っていてな。

それにあの二人、そんな人の下で頑張っていたなら、軍略も出来るはず…」

「そうですか。ならば私はご主人様の判断に従いましょう」

(何か納得して無い顔だな。ま、あっと驚く顔が目に浮かぶな)

 

愛紗のそんな顔を想像する一刀。

そして諸葛亮と鳳統の方を向く。

 

「とりあえず、よろしく」

「はひっ!」

「がんばりましゅ!」

「一応、自己紹介だな。俺の名前は北郷一刀。一応、天の御遣いだ」

「わ、私はえと、姓は諸葛! 名は亮! 字は孔明で真名は朱里です! 朱里って呼んでください!」

「んと、姓は鳳で名は統で字は士元で真名は雛里って言います! あの、宜しくお願いします!」

「朱里に雛里っと…こちらこそよろしく!」

「はい!」

「は、はいっ! ……朱里ちゃん朱里ちゃん、えへへ、真名で呼ばれたよぉ……」

「良かったね、雛里ちゃん♪」

「うん! えへへ……」

(嬉しそうだな)

 

そんな二人のやり取りを見る一刀。

 

「あの、ご主人様……」

「何、愛紗」

「……いえ、何も……」

「?」

 

愛紗は一刀に何かを言おうとしたが、結局言わなかった。

 

「早速なんだけど、俺たちはこれからどうすれば良いか、二人の意見を聞かせてくれないか?」

「新参者の私達が、意見を言っても良いのでしょうか?」

「仲間に新参者とか関係ない。それにこっちは意見が出なくて困ってるんだ。力を貸してくれ」

「は、はいっ! 私達の勢力は、他の黄巾党征伐に乗り出している諸侯に比べると極小でしかありません。

今は黄巾党の中でも小さな部隊を相手に勝利を積み重ね、名を高める事が重要だと思います」

「敵を選べというのか?」

 

愛紗は不満そうな顔で朱里に尋ねる。

 

「あぅ……そういうことですけど……。えと」

 

愛紗の怖い迫力に怯える朱里。

 

「愛紗、そう怖い顔をするなよ。怯えてるぜ」

「なっ!?」

「それにこの三人の自己紹介がまだだったね」

 

とりあえず桃香、鈴々、愛紗は真名まで自己紹介をした。

 

「さてと、話が戻るが…。愛紗、俺は朱里の言う事ももっともだと思うぜ」

「ご主人様もですか? しかし些か卑怯では……」

「(愛紗はそっちを気にしてたのか)誇りが高い愛紗はそう思うだろうけど、俺達は弱小勢力なんだ。

なら、朱里の言うとおりに名を高めて義勇兵を募るしかないと思う。ただ…」

「ただ、どうしたの?」

「問題は兵糧だ。兵が増えるのは良いが、補給が出来てないと逃亡しちまうぞ」

「お腹減るのは、気合で何とかなるってわけでもない無いからなー……」

「名を上げつつ、付近の邑や街に住む富豪たちに寄付を募るか……」

「敵の補給物資を鹵獲するしか、今のところ解決方法は無いと思います…」

「う~ん、だったら弱い部隊を倒していった方がお得だね」

「まあね……。まあ俺個人としては何だが、弱い部隊よりも強い部隊を相手にしたほうが、名も上がりやすいし、補給も取れる量が多くなるとは思うけど……」

「そ……それは……」

「あくまで個人的な意見だ。あまり気にしないでくれ。それにそんなことしたら、俺以外は全滅する恐れもある」

「え?」

「ただの雑兵相手なら俺に傷が出来るなんてことはまず無いだろう。

愛紗や鈴々くらいの強さだったら、さすがにまずいだろうけど、そんな強さ、黄巾党にはいないだろうな。

いたら、今以上の被害になってるだろうし……。ただ俺一人で行くならともかく、戦はそうでないからな。

だからそこを考えると弱い部隊を叩くが妥当なんだよな…。というわけで基本方針は朱里の意見で行く。それで良い?」

 

皆、一刀の方針に従う事にし、白蓮と星に別れを告げ、黄巾党退治に出て行った。

 

 

一刀達が行軍をし、斥候が戻ってきて、ここから少し離れたところに黄巾党の部隊一万が巣くっていると情報が入った。

 

「一万か……」

「あ、あの……」

「うん?」

 

雛里が一刀の袖を引っ張る。

 

「だ、だいじょうぶです。きっと勝てますから……」

「きっとじゃダメだよ」

「あうっ!」

「絶対勝つ! これくらいは言わないと…。で、何か策があるの?」

「私達には、勇名を馳せている愛紗さんとか鈴々ちゃんが居ますし、それに義勇兵の皆さんの士気も高いですから…」

「それだけ?」

「いえ、私達がいますから…」

「うん? それはどういうことだ?」

「あう……」

 

雛里は愛紗に怯えて、一刀の背中に隠れた。

 

「雛里を怖がらせたらダメなのだ」

「ええっ!? わ、私は別に怖がらせてなどいないぞっ!? 普通に聞いただけではないか!?」

「へう……」

「大丈夫、大丈夫。怒ってないし、怖がらせてないからね」

 

一刀が雛里の頭を帽子の上から静かになでる。

 

「む、むぅ…私の口調はそれほどキツく受け取られてしまうのでしょうか……」

「あはっ、大丈夫、大丈夫。愛紗ちゃんは別に怖くないよー? ただちょっぴり真面目すぎるだけ」

「助け舟になっていませんよ、桃香様……」

「と、とにかくですね。こういうときにこそ、私と雛里ちゃんが役に立つと思うんです」

 

朱里が話題を戻す。

 

「本来ならば、敵よりも多く兵士を用意するというのが用兵の正道ですけど……。

でもそれは無理な以上、戦力の差を覆すには策があるのみです。だからこそ、私達が勉強していた事が役に立つかと」

「じゃあ、意見聞かせて」

 

一刀達は朱里と雛里の意見を聞く。相手が居る場所は交通の要所となる場所で補給や兵の進行ルートにとってかなり大事な場所だが、

それを一万しかいないとなると、相手は雑兵のみであり狙い目でもある。そこを破れば、否応にも名が高まる千載一遇の好機との事。

策としては最初に敵を陣地から引っ張り出して、戦うのは平地ではいけないこと。

 

「数で負けているのなら、数で負けない状況を作り出せば良いんです」

「狭いところで叩けって事だろ?」

「はわわ……ご主人様すごいです」

「あわわ……先に言われちゃいました…」

「おおー! ご主人様、どうやら正解だったみたいだよ! すごいねー♪」

「いや、それくらいは……」

「しかしご主人様。我らの行く手には峡間など、どこにあります? 目の前には果てしなき荒野が広がるのみですが……」

「あ、あの、あ、ありますよ?」

「うん?」

「ここより北東へ二里ほど行ったところに、川が干上がって出来た谷があります」

「ええ? でも地図にはそんなところ載ってないよー?」

 

桃香がその事に驚くが、桃香が持っているのは市販の地図でそれは行商や隊商がよく通る道しか書いておらず、

正確な地図は漢王朝や官軍しか持っていないとのこと。

 

「つまりどこかで盗んだ?」

「はわわ……! そんな事してませんよ! 私達は水鏡先生のツテで正確な地図を見て覚えただけですよ、ご主人様~」

「で、どうすればいいの?」

「簡単です。敵が構築する陣の前に全軍で姿を現して…後は逃げるだけです」

「逃げるね…、相手は追ってくるか?」

「はい。こちらは正規軍に見えませんから」

「元々、明確な主義主張があるのは黄巾党の中心に居る一部の人達だけで、後は食い詰めた農民たちが欲望のままに動いている…これが黄巾党の正体ですから」

「殺し尽くし、奪い尽くし、焼き尽くしってやつか。獣でも殺し尽くすがいいとこだぜ(もっともそれ以上の獣もいるだろうな)」

「だからこそ、だよ。だからこそ、私達がコテンパンにやっつけないといけないの!」

 

桃香の瞳に輝く何かが一刀には見えた。

 

「……そうだな……」

 

一刀は同意するのであった。心に微妙な迷いを持ちながらも……。

 

 

作戦が開始され、黄巾党と戦闘になった。

 

「死ね! 死ね! 死ね! 死ねーーーーーーー!」

「うおおおっ! しねこの野郎!」

「この野郎、殺す!」

「こっちの台詞だこらぁ! やってやんぞーこのヤローどもが!」

 

自軍の兵士や黄巾党兵の悲鳴、怒号、罵声が飛び交う。

一刀はガタックで戦っているが、段々と胃がねじ切れそうになってくる。

それはこの惨状だけが原因じゃない。罵声などの言葉、流れてくる血、そして本当に目の前にいる敵を殺すしか考えていない兵達に……。

 

「くそ!」

 

それでも一刀は戦う。大切な仲間達を守るために……。

しかしそれでも黄巾党の数は多く、兵士達は死んでいく。

 

「うおおおおおおおお!!」

 

一刀はガタックダブルカリバーで黄巾党兵を斬っていく。

 

「ご主人様!」

 

愛紗が一刀の元にやって来る。

 

「愛紗……よし、皆退くぞ!」

 

一刀の号令と共に兵達は退いて行く。

 

「愛紗も退いてくれ。殿は俺一人で良い」

「ご主人様、しかし!」

「俺は仲間を誰も死なせたくないんだ。もう死んでしまった人もいる……。

これからも死んで行く人もいるだろう。それでも……俺は仲間を守っていきたいんだ。

だから……愛紗、退け!」

 

一刀の言葉に何か恐ろしいほどの凄みを感じる。

 

「分かりました……ご主人様……ご武運を」

「いや、俺もちゃんと退くから……」

「そうですね…それでは!」

 

愛紗は兵達と一緒に朱里達の待つ谷に退いて行く。

一刀はその兵達の背を見守る。

 

「よし……来い!」

 

一刀はガタックダブルカリバーを構えて、追って来る黄巾党兵達払いのけながら、自身も下がっていく。

そして黄巾党の兵の9割以上が谷のところに集まって来た。

 

「では、お願いします!」

 

朱里の言葉により、鈴々達伏兵達が現れ、黄巾党兵達を倒していく。

 

「よし、このまま敵の本陣に行くぞ!」

『応っ!』

 

そして一刀達は一気に敵の本陣まで切り込み、敵本陣の制圧に成功した。

 

 

本陣にある兵糧の確認やまだ敵兵が潜んでいないかの確認の時、兵士から連絡があり、近くに官軍らしき軍団が現れ、指揮官に会いたいと言ってきたのだ。

 

「官軍らしき、とはどういうことだ?」

「それが……通常、官軍が使用する旗を用いず、曹と書かれた旗を掲げているのです」

「(曹……曹操か?)じゃあ会いに行こうぜ」

 

一刀と桃香の意見により曹操と会う事にした。

しかしそれよりも先の曹操が陣の方に来ていた。

 

「君が曹操か…」

「でもさっき呼びに行ってもらったばかりなのに……」

「他者の決定を待ってから動くだけの人間が、この乱世の中で生き延びられると思っているのかしら?」

「最初っから俺達が君と会う事を分かっていたってことか」

「寡兵なれど、戦場を俯瞰して戦略的に動ける部隊ならば、大軍を率いて現れた不確定要素を放置しておけるわけは無い。ただそれがわかっていただけよ」

 

そして曹操は改めて自己紹介。それに対して劉備も自己紹介。

 

「あなたが率いていたの?」

「それはその…私が率いていたのじゃなくて、私達のご主人様が…」

「ご主人様?」

「俺だ。北郷一刀って言う。宜しく」

「北郷一刀……聞いた事ある名前ね」

「そりゃそうですよー。ご主人様は最近噂の天の御遣いなんだもん♪」

「天の御遣い…ああ、あのつまらない噂のことね。まさかあの与太話が本当の事だと、そう言い張りたいのかしら?」

「天の御遣いかは俺も知らないけどね」

「……北郷…と言ったわね。あなたがこの乱世に乗り出した目的は何?」

「さあな、俺はただ桃香達の意見を聞いて、手伝うかと思っただけに過ぎない。いわば戦う御輿だな」

「御輿、ね。…なるほど。ならばこの軍の真の統率者は、やはり劉備と言うことで良いのね」

「そう思ってもらって結構」

 

曹操は一刀の方を見て、次に桃香の方を向く。

 

「ならば再び問いましょう。劉備。あなたの目指すものは何?」

「私は、この大陸を、誰しもが笑顔で過ごせる平和な国にしたい」

「それがあなたの理想なのね」

「うん。…その為にも誰にも負けない。負けたくないって。そう思ってる」

「そう。わかったわ。…ならば劉備よ。平和を乱す元凶である黄巾党を殲滅するため、今は私に力を貸しなさい」

 

桃香は悩み、一刀は申し出を受けることにした。

そして黄巾党本隊があるであろう場所へと向かった。しかしどうやら首謀者の張角、張宝、張梁の三人がいないそうだが、敵の兵糧の半分があるとの事。

曹操からの伝令により、劉備軍が先陣で囮になり、その間に曹操の特殊部隊が兵糧を焼き払うとの作戦が出た。

 

「囮か……囮なら俺が先頭で一人で出た方がいいな」

 

一刀はすぐにガタックライダーフォームに変身し、クロックアップを駆使して、敵を巧みに倒していく。

一刀達が時間を稼いでる間に特殊部隊は作戦を成功させたようであった。

 

「よし、皆。行くぞ!」

『応っ!』

 

一刀が兵達に命令し、一刀達は全軍で突撃した。

そうこうして、その場での戦闘は終わり、しばらくは曹操たちと行動を共にし、半年ほど経ってようやく黄巾の乱は終わったのであった。

その間に一刀達はある人物達と出会っているのであった。

 

 

それは黄巾の乱の中、一刀達は何とか自立できるようになり、曹操達と分かれた後、一刀達は独自で邑や街を黄巾党から守っていた。

 

「まだ終わらないかな~」

「どうだろうな。一応本隊は倒したんだ。もう少ししたら自体は沈静化すると思うよ。

ただ……」

「何?」

「他人任せじゃダメだってことだ。俺達自身もその沈静化のために戦わないとな」

「そうですね」

「鈴々も頑張るのだ!」

「私もです! ご主人様」

「あわわ、私も……」

「ああ、皆。俺に力を貸してくれ!」

「もちろん♪」

 

それからしばらくしてある邑で黄巾党の兵達を蹴散らしに行った一刀達。

 

 

その邑の少し前で一刀達が見たものは何やら邑はバリケードにより、軍の侵攻を防ぐようなものであった。

しかもその邑の前にはいくつかの軍隊が留まっていた。

 

「俺達よりもすごそうだな」

「でもあそこで立ち往生してるみたいだね」

「旗を見る限り、二つの軍が駐留してるみたいですね」

 

愛紗が掲げられている旗を見て、そう判断する。

 

「旗ね…」

 

一刀がその旗印を見てみる。そこには馬と書かれた旗と黄と書かれた旗があった。

 

「……少し挨拶でもしてみるか……」

 

一刀はその二つの旗印のもとに行く。

 

「あ、ご主人様、待ってよ!」

 

桃香が一刀の後を追う。

 

「お二人ともお待ちください!」

 

愛紗達も二人の後を追った。

そして一刀はその二つの軍の代表と会った。

 

「あたしがこの部隊を率いてる、馬超。ちなみにこっちが従妹の馬岱」

「よろしく♪」

「私がこちらの部隊を率いてる黄忠と言います」

「これはどうも……」

 

一刀がお辞儀する。

 

(まさか蜀の五虎大将軍の二人に会うなんて……)

 

一刀はそんな展開に驚きを隠せないでいたが、それ以上の事を考えていた。

 

(しかし、馬岱はともかく、馬超と黄忠さんはでかいな……)

 

一刀はお辞儀をしながら上目で二人の胸を見る。

 

「ご主人様……」

 

後ろから愛紗の何やら不気味な声が聞こえてくる。

 

「あらあら、見惚れていたのですか?」

「……まあ、こんなに素敵な女性達に会えるとは思えなかったよ……」

「ほう、それでは私はどうなのでしょうかな?」

 

一刀達の後ろから声が聞こえてくる。その声の主は星であった。

 

「星。どうしてここに?」

「何、公孫賛殿のところには客将としていたのだ。そして旅に出かけただけのことだ」

「そうか…。で、たまたまここに?」

「まあ、そうなんところですな」

(しかし……こんなところで五虎大将軍全員が揃うとはな……)

 

一刀は本当に異世界に来たのだと思った。

 

「それで、こんなところで立ち往生の訳は?」

「ええ、それはですね……」

 

黄忠と馬超がその事情を説明する。

 

「なるほどな。あそこの邑の人達を人質に……」

「はい」

「そのせいで手が出せないんだ」

「本当に卑怯な奴らだよね!」

 

馬岱が怒りながら言う。

 

「そう言うな。これも戦いの戦略の一つなんだ。まあ卑怯と言うのは否定しないけどな……」

「突っ込みてぇんだけど、どこにその邑の人達が閉じ込めれたれてるのか分からないんだ」

「このまま突撃したら、邑の人達を見殺しにするのと同じになってしまうのです……」

「ふむ…それは本当に困ったものだな」

 

星も考えるが、なかなか思いつかない。

 

「……手はある」

 

一刀が口にする。

 

「どんなことでしょうか?」

「俺が単身であの邑に入る。そして邑の人達の安全を確認出来たら、そちらになんとか連絡して突撃してくれ」

「単身って……」

「あいつら、誰一人邑に入れてないんだぜ」

「誰一人って自分達の味方もですか?」

 

朱里が尋ねた。

 

「ああ。あいつらかなり用心深くてな。味方であろうが容赦なく追いだすんだ」

「となるとなおさら俺一人で行く」

「一人で行ける自信があるのですか?」

「ああ、ある」

 

一刀は答える。

 

「どんな方法だ?」

「目に見えない速さで動く。それだけだ」

「はあ?」

 

馬超、馬岱、黄忠は何のことかよく分からないでいたが、少しだが一刀達と行動していた星は何が言いたいのか分かった。

 

「ほほう。あれを使われるのですか?」

「そう、あれだ」

「まあ何なのか分からねえけど、その作戦いつするんだ?」

「今日の夜だ」

 

 

そして夜になり、一刀は邑に潜入していた。

 

「どこだ? どこにいるんだ?」

 

一刀は邑の中を隅々に探す。

しかも敵のど真ん中を……。

しかし敵は気付かない。

何故なら一刀はガタックライダーフォームに変身して、クロックアップで動いているのだから…。

クロックアップは自身の速度を上げ、人間ではまず目視できないほどの速さになるのだ。

だがその力にはリスクがあり、体に負担がかかる。

とは言っても一刀はライダーとしてクロックアップを何度もしている上、森との特訓もあって、最大3時間は連続でクロックアップに耐えられる体になっているのだ。

小さな邑をクロックアップで一通り見るには十分な時間である。

一刀はクロックアップの中、ようやく邑の人達が閉じ込められている小屋を発見した。

 

「よし」

 

一刀はまだクロックアップを解かず、気付かれないように見張りの兵を倒し、クロックアップを解いて、煙を上げて、安全の確保を知らせた。

 

「合図だ」

「よし、行くぞ!」

『応っ!』

 

馬超達、将の言葉と共に兵士達は声をあげて、全員が邑に突撃していった。

黄巾党兵達は突撃部隊の迎撃中に、人質の居る小屋を襲おうとしたが、小屋に来た敵兵全てが一刀のクロックアップで撃退された。

 

「Clock over」

 

クロックアップを解除した一刀が武器を棄てて怯える敵兵に近づく。

 

「た、助けてくれ……」

「お前は……命乞いを認めたことはあるか?」

「へ?」

「お前達は、命乞いした人間を見逃したか? いや、無いだろ?

お前達も元は弱い人間だったんだろうが、こんな悪党に落ちた時点でお前達はワームと何も変わらない。

ただ快楽で人を殺すだけの……」

「ま、待て!」

「ふんっ!」

「ぎゃあああああああ!!」

 

敵兵はガタックダブルカリバーで斬られ、地に倒れた。

 

(俺はこの手を血に染めようとも仲間を守る。これもそのためなんだ……)

 

一刀は心を痛めながらも、そう考える。

そして愛紗達の活躍もあり、邑は解放された。

一刀達は邑の人達に祝福の言葉を受けた後、邑を後にした。

その時……。

 

「本当にありがとうございます」

 

黄忠が一刀に頭を下げる。

 

「別にいいよ。そんな頭を下げなくても」

「いや、あんたはそれくらいの事をしたんだぜ」

「そうだよ。たんぽぽ達だけじゃ、絶対無理だったもん」

「うむ、一刀殿。胸を張っていいのだぞ」

「そうかな~」

 

一刀が少しデレデレした状態で黄忠、馬超、馬岱、星に対応する。

 

「ご主人様~」

 

一刀の後ろからまた愛紗の何か不気味な声が聞こえてくる。

 

「おおっと、それじゃあ、俺達はここで……」

「あっ、待って下さい」

 

黄忠が一刀を呼びとめる。

 

「何?」

「その……何と言いますか……私の真名をあなたに預けたいのです」

「え?」

「あ、それあたしも……」

「じゃあ、たんぽぽも♪」

「う~ん、そうか……」

「それじゃあ、私達も真名を預けちゃおうか♪」

 

桃香達もノリノリになり、その場にいた皆で真名を預けあった。

 

「黄忠、真名は紫苑と申します」

「あたしの真名は翠」

「私は蒲公英だよ♪」

「そうか……。それじゃあな、紫苑、翠、蒲公英! それに星!」

 

こうして四人と分かれた一刀達。それからしばらくして黄巾の乱は終結したのであった。


 
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