俺はガキの頃、なのは達に嘘をついた。
透(回想)「そっか、ハルカお前知らんのんか…………確かに『流刃若火』はあるで、じゃけど卍解は使えんで」
実は昔から一通りの斬魄刀を使え、加えて卍解も決まったモノしか扱ってないが使える………それは『流刃若火』も然り。
しかし、子供の頃…………………『闇の書』後のなのは達に向かって言ったように使えなかった。
透(回想)「ここにおる奴らに聞くけど、お前らは太陽と戦ったことあるんか?つまりはそういうこと」
原作を知っている奴ならわかるが、『残火の太刀』はある種『氷輪丸』同様に周囲に影響を及ぼす…………まして仲間がいる所で使うなんぞ以ての外。
透「本当ならこの卍解は使いたくなかった…………………だがまぁ、仕方がない………急を要する上、やはり俺も感情的になっていたようでな………一番攻撃力があり一番絶望を与えられるモノでお前達を屠るとするよ」
ヒエン『使いたくなかった………とはどういう事か』
透「簡単な話だ、これは集団戦に不向き過ぎる力を持っているんでな、周囲に味方がいたら余裕でフレンドリーファイア………味方を巻き添えにしてしまう」
そして卍解の『残火の太刀』を使用するには俺自身、『聖王の眷属』を発動しなければならなかった。
当然『聖王の眷属』にはリスクがある、以前言っていた奴等に見つかるというリスク………単純に魔力が増幅するというメリットだけではない。
メリットでいうなら、身体能力も向上している………『八門遁甲』の『景門』くらいには向上しているし、ユニゾンを介さず各種属性も扱え向上している…………故に『残火の太刀』も使用可能になった訳。
とはいえ、メリットがあれば勿論デメリットもあるわけで、さっき言った敵に見つかるというリスクが大前提になってしまう。
その他にも勿論あり、一番デカいのは『写輪眼』と『輪廻眼』が使えなくなるというものだ、理由は分からないが眷属化してしまうと何かしらの影響が出るからか、その二つの能力が使用不可に陥る。
つまり『神威』も今は使用が出来なくなっている。
そして何よりデメリットなのが、操られたら終わるという事だ。
何もない状態では主導権、意識は『井上 透』ではあるが、一度(ひとたび)ヴィヴィオが聖王となってしまったら、俺はヴィヴィオに付き従う人形になってしまう………要は操り人形状態だ。
透「しかも湿度を奪いまくる………ある種、女の敵でもあるからな」ボソッ
誰にも聞かれていないと思いつつも何故か聞こえにくい声でボソッと独り言を言う。
~とある避難所~
管理局員「艦長!!」
クロノ「どうした!」
管理局員「今…………井上さんのいる世界に………というか…………井上さんを中心に……太陽があります……………」
クロノ「………………何だと?」
~透のいる管理外世界~
透「おしゃべりはココまで」
俺は一気にヒエンに近付き、そのまま刀を横一閃に薙ぐ。
ヒエン『くっ!?』
しかしヒエンも何かを察知したのか、自身が持っている大刀で受け止めず後ろにジャンプして避ける、俺はヒエンに追撃をする。
ハウエンクア『ヒエン何してんのさ!?そんな朽ち果てたような刀で何が出来んのさ!?』
ヒエン『分かっている!だがこの者の刀は危険だ!絶対に触れるなよハウエンクア!』
透「ハッ……流石に左大将なだけあるか、正解だよ」
図体に似合わず俊敏な身のこなしで避け続けるヒエンの後ろにあった建物、なのは達が調べていた研究所で今はもぬけの殻となっている。
俺はその研究所に振り抜いた時に刃先をトンっと当てた。
すると研究所は斬れた………のではなく、『焼失』………もしくは『消失』した。
その光景を見ていたヒエン達は驚愕というよりは呆気に取られていた。
透「『東……旭日刃(きょくじつじん)』」
透「まぁ見ての通り、この焦げた刀は『流刃若火』………さっきの燃え盛る焔の大本だ、そしてその焔を刀にすべて込められた状態で刀が当たった部分は文字通り消し飛ぶ………御覧のようにな」
ヒエン『一撃でも当たったら終わりだな………だが、死中に活あり!攻めずして活路は開かん!ハァァァァッ!!』
回避をやめたヒエンが俺に向かい大刀を振り下ろしてくる………………が、大刀は半分ほどが消えた。
透「見上げた根性だが、俺に物理攻撃は殆ど効かんぞ…………………勿論不意打ちもな」
俺はヒエンの攻撃に合わせるかのように触手の攻撃を仕掛けてきたハウエンクアの攻撃を防いだ……というよりも溶かした。
ハウエンクア『何なんだよアイツ!?意味わかんないよ!?いきなり攻撃が通らなくなったし、溶けるとか意味わかんないよ!?何なんだよアイツの身体!!』
透「東があれば西もある、無論攻撃の反対の防御も備え済みだ……………サービスだ、目に見えるようにしてやる」
言葉を終えると俺の身体から"ゴォォォッ!"と焔が衣服から噴き出すように出現した。
透「『西……残日獄衣(ざんじつごくい)』……………この焔は太陽と同等、つまりさっきのような攻撃だけじゃなくあらゆる攻撃を実質無効化させる…………当然だな、太陽に向けて斬りかかった所で、勝てるわけもなし」
身体に纏った焔を見えない様にした所で俺はふと思った。
透「…………そうだ、お前等で試してみよう………………」
残日獄衣を右手に集中し、『残火の太刀』を右手で逆手に持ち、腰を少し落とし半身の構えを取る。
透「さてさて、どこまで効果があるやら…………………」
ヒエンとハウエンクアは『残火の太刀』の攻撃力を警戒していたのか一向に動こうとしなかったが、代わりにハウエンクアがキメラ達を嗾けてきた。
予想通りと言わんばかりの光景に俺は笑みをこぼしつつ、『残火の太刀』を持った右手を殴る様に突き出した。
透「『火拳』!!!!」
俺の右手から放たれた拳の形をした炎が向かってくるキメラ達目掛けて飛んで行った。
エースの代名詞にして二つ名で有名な『火拳』はキメラ達を何十体も貫通していき、その通った所は炎の壁………まるで『炎上網』のように立ち込め、そして『火拳』が200m位飛んで行った所で大きな火柱を上げ大爆発した………もはや『火柱』だ。
透「………………コレは…………………いかんな」
俺は『残火の太刀』を持った手を見ながら呟いた。
透「効果としては最高を通り過ぎて、危険だな……………まぁエースが撃ったのも危険だったと言えば危険だったわけだが………(とはいえ、使い方は理解した…………今後は別の方法で色々とやってみるとするか)」
俺はそう考えつつヒエン達を見る。
透「そう言えば、まだ見せていないモノもあったな…………………といっても、残り二つ…………………そしてどちらも見せるような代物ではないんだがな……」
『残火の太刀』を地面に突き刺す。
透「『南……火火十万億死大葬陣(かかじゅうまんおくしだいそうじん)』」
そう唱えると、地面からボコボコと骨と化した生物だったモノが這い出てきた………が、現れたのは巨大な骨だった。
とはいえ割と巨大だったため、ヒエンとハウエンクアは巨大な骨を見上げている。
透「本来であればこの刀で斬った奴等を怨念の如く無数に出現させるというものなんだが…………生憎と人を斬った事が無くてな………唯一デモルトくらいか」
巨大な骨…………餓者髑髏(がしゃどくろ)のように現れたのは俺が虚数空間で倒したデモルトだ……………火火十万億死大葬陣で出せるのはコイツくらいしかいないんだよなぁ。
ハウエンクア『な……………何なんだよコイツさぁ!防御なんて意味無い上に攻撃しても効かないし、回避しても一瞬で追いかけてくるし!卑怯だよこんなの!!』
ヒエン『だが……………それでも……某は退かぬ!あの方からの任務、我が誇りに賭けて…………………ゲンジマルの孫として恥をかくことが等出来ぬ!』
ゲンジマルの孫として………ね。
透「随分と都合のいい事を言う」
ヒエン『何?』
透「この際だ、俺がお前達を嫌う理由を言っておこう…………………ハウエンクアはまぁ、論外というかそもそもがクズだからな………特に嫌いなのはヒエン………お前だよ」
俺は『残火の太刀』をヒエンに向けた。
ヒエン『某?…………………何故某が貴殿に嫌われる……別に好かれたくはないが………』
透「本気で言っているのか?先程から言っているだろう…………裏切り者と…………そんなお前が、あの誇り高きゲンジマルの孫なんぞ声高らかに言うとな……………虫唾が走るのさ」
ヒエン『っ………………貴殿は分かるまい!某達の種族が今までどれだけ虐げられ、辱められ、迫害されたのかを!』
ハウエンクア『それもこれも、大神(おんかみ)………『ウィツァルネミテア』なんて禍日神(ヌグィソムカミ)の所為だしさ!』
透「その禍日神(ヌグィソムカミ)に鞍替えして、いいように使われたのはどこのどいつだ?そもそもその『アヴ・カムゥ』はクーヤ皇の親父が血の契約で『ウィツァルネミテア』から貰い受けたモノ………『アヴ・カムゥ』自体は………もしかしたらお前達の信仰する大いなる父………『オンヴィタイカヤン』によって作られたものなのかもしれんが………血の契約に胡坐をかいたお前達が、生意気にも………そして手前勝手な物言いや理屈で皇を裏切り、家族を裏切り、そして国をも裏切った!どの口で辱められたと、迫害されたという!?お前達の行動が、自分達の種族の首を絞め、自分達の種族を追い詰めていったと、何故気づかん!?」
ヒエン『………………某達はその血の契約に沿ったまで、忠実に従ったまでのこと!それを裏切ったのは我が祖父ゲンジマルだ!』
透「………………確かにそうだな、奴は血の契約に反する行動をした」
ヒエン『そうだ!それy「だがっ!」っ………!?』
透「奴は血の契約以上のモノを見つけ、守ろうとしたまでの事………お前にはあるか?己の命を賭してまで守ろうと、刃を向けようと、殺されようと………それでも守りたいものが!………ゲンジマルにはあった!例え友に殺されようとも、孫に反抗されようとも、主を正そうと謀反を起そうとも、ゲンジマルはテメェの君主である皇を……クーヤ皇を守ろうとする為……………延いてはクンネカムンを守る為…………少なくとも俺はそう思っている」
透「確かにお前達は種族的には弱いさ、だが!打開したいからと、貰ったオモチャで強くなった気になってハウエンクアの馬鹿垂れに唆され実行して、挙句の果てには禍日神(ヌグィソムカミ)と思っていた対象である契約主に鞍替えして皇を裏切っていい訳がないだろうが!!…………辞世の句が『ゲンジマルの血を引く武士』だったか?ふざけるな、どこがだ?ゲンジマルは許すかもしれんが、俺は許さんね!お前みたいなクズ野郎が、ゲンジマルのような忠義に厚い漢の血を引く武士なんぞ語るな!!」
透「コレを言ってしまえばシグナムだけじゃなくヴォルケンリッターや士郎さんと恭也さん辺りに怒られるかもしれんが、俺には『騎士の誇り』や『武士の矜持』なんてモノを持ち合わせていないし理解もしていない、故にくだらないと思っているさ!……………だが!!そんな俺に、画面の向こうで漢を…………武士の本懐を見せたゲンジマルは本物だと思わせる武人だと思わされたね!確かにアイツは『エヴェンクルガ』という血筋もあって武芸の天才だっただろうさ!その上で『分身』だったか『空蝉』だったかとの血の契約による強化もあっただろうさ…………ヒエン………そんなお前は出来るか?契約主に刃を突き立て、代わりに主の身を守ろうという気概が…………………俺から言わせたら、お前はゲンジマルはおろか、『クンネカムン』や『シャクコポル』の面汚しだよ!!」
俺は自分の思いの丈をヒエン達にぶつけた。
ヒエン『………………何も知らぬ貴殿こそ……祖父を語るな!』
透「…………そうさ、所詮俺は画面の向こう側の人間…………何を言った所で俺の想像でしかない、そして今言ったのはそのまま俺に跳ね返ってくる………………だからお前達が…………そんなお前が大嫌いなんだよ俺は」
ヒエン『そうか………奇遇だ………某も今、貴殿が大嫌いになった』
透「嫌な気の合いようだ………では……………引導を渡してやる」
俺は『残火の太刀』を構える。
ハウエンクア『ヒィッ!?』
ヒエン『っ!』
ヒエンは構え、ハウエンクアは原作同様既に逃げ腰………………だが今更止めはしない…………引導を渡すさ……最後の技で!
ヒエン『ハァァァァ!!』
ハウエンクア『ヒィアァァァァァァ!!!』
ヒエンは大刀を振り上げ俺に向かってきて、ハウエンクアは逆に俺に背を向けて必死に逃げようとしキメラやSシリーズを差し向けてくる。
俺は左足を軸に時計回りに回転しながら『残火の太刀』を横一閃に思い切り薙ぎ払った。
透「『北……天地灰尽(てんちかいじん)』!!」
途轍もない熱量が、斬撃となり放たれる……………まさに天と地、すべてを灰にし尽くさんばかりに。
『北……天地灰尽(てんちかいじん)』を放った俺の周囲は文字通り焼け野原のように何も残らなかった………キメラ達やSシリーズは勿論建物類全て…………ヒエンとハウエンクアはユーハバッハのように上半身だけになっていた……中々にしぶとい。
俺は二人に近付きながら卍解を解いた…………すると、奪われていた水分が一気に回復するかのように雨となって降り注いできた。
ヒエン『ハァ………ハァ………み、見事…………』
ハウエンクア『ヒャッ…………ハッ…………ハッ…………』
ハウエンクアは既に心が折れているからか、碌に言葉を喋れていない状態だ。
ヒエン『………殺せ』
透「当然」
言われるまでも無く、俺は降りしきる雨の中で『流刃若火』を振り上げ、そのまま業火を纏わせヒエンに向け振り下ろした。
雨の中でも『流刃若火』は衰えず、猛々しく焔を纏い続ける
透「っ!?」
しかし振り下ろそうとした瞬間、突如光の柱が二人を覆い尽くすが俺は構わず刀を振り下ろした、次の瞬間ヒエンとハウエンクアはいなくなっておりヒエンがいた場所は黒く焦げた地面だけがあった。
透「……………逃げられた?」
状況としては逃げられたという方が正しいのだろうが、俺としては誰かに連れていかれたと言われた方がシックリくる。
透「…………チッ」
しばらくの間、降りしきる雨の中周囲に気を配り感知をしてみた…………が結果は皆無。
全ての気配が無い事を感知で探ったが、本当に何の気配も感じられず俺は『聖王の眷属』を解除し、仮面を拾い『神威』でミッドチルダの『あの場所』へと飛んだ。
………………………………………………
………………………………
………………
~隠れ蓑にしていた孤児院~
『神威』で到着した俺はまず周囲を見渡した…………既に無人ではあるものの、建物自体が崩壊していた。
透「酷い有様だ…………」
以前に管理局がハルたちを捕まえようとして以降、ココは放棄していた……その為なのか管理局側がココを荒らしたのかと思いながら外へと出た…………がそれだけではないとすぐに思い至った。
透「外も酷い状況の様で」
外へ出ると事故車両や建物が崩壊していたり、あちこちで黒煙が上っているのが見て取れた。
透「なのは達やクロノ達を先に行かせて正解だったな「きゃぁぁぁ!!」「うわぁぁぁ!?」……ん?」
いざ動こうという時に俺の目の前でガジェット・ドローンに襲われている一般市民が何組か逃げていた、何人かは小さい子供を抱えながら走っている…………アレでは恰好の的だ。
俺は特に何も考えず、仮面を付け直し『瞬歩』で一気にガジェット・ドローンの真横に移動し、時計回りしながらそのまま横っ面を後ろ蹴りで蹴り飛ばし破壊する。
透「………………」
男「…………あ、あの……ありがとう……………ございます?」
助けられた男性は俺の姿に驚き、素直に礼を言うべきか迷う感じで礼を疑問形で言って来た。
俺はその印象を保たせる為、『謎の仮面の男』という立ち位置を維持する為、特に何も言わず左腕を上げながら人差し指を伸ばしながら言う。
透「行け、避難所に…………」
???「………………」
ふと、一人の少女…………ヴィヴィオ位の歳の子か?が俺を見ているような気がしたが、俺は気にせず背を向ける。
女「コロナ、大丈夫?」
男「二人ともケガはないか?」
夫婦…………いや、親子で逃げていたようだな…………無事に済んでまぁよかったが。
女「えぇあなた、私達は大丈夫……………「オイッ!また来たぞ!?」えっ!?」
子供を抱えた女性が声を上げる方向を見ると多数のガジェット・ドローンとSシリーズが多数押し寄せてきた。
避難してきた奴等はパニックに陥っている、俺を見ていた少女も不安そうな顔で母親に抱き着く。
透「………………」
俺は無言で逃げてきた人たちの前に立ち、ガジェット・ドローンを阻む壁となった。
透「次から次へと………………こちらも忙しいんだ、あまり時間は掛けんぞ?」
そう宣言すると同時に敵の大群の中に突っ込んだ、『神威』で今まで使っていた鉄の大剣を取り出しガジェット・ドローンやSシリーズを切り刻んだ。
そして手を銃の形にし、一体のSシリーズの頭部に人差し指と中指を押し当てる。
透「『ザケルガ』」
ガッシュのレールガンに似た呪文『ザケルガ』を放つと、見事に頭部に穴が開き、俺はその穴の開いたSシリーズを他の敵の集団の中に蹴り飛ばし、大剣を『神威』に仕舞い、続けて呪文を言い放つ。
透「『ジケルド』」
相手を強力な磁石のように磁力を与える術を穴の開いたSシリーズ目掛け放つと、周囲の……というよりも殆どのガジェット・ドローンは穴の開いたSシリーズに吸い寄せられていき、次第に大きなドーム状の物体になっていった。
透「仕上げだ……………『ディオガ・ゾニスドン』!!」
両手を突き出し呪文を唱えると、巨大な竜巻上の高エネルギーがガジェット・ドローン目掛けて飛び敵を粉砕する。
向かってくる敵がいないことを確認すると、俺はそのまま避難した来た市民に背を向けたまま言葉を放つ。
透「これでしばらくは追っては来ないだろう………早いところ行け、いつまたさっきの奴が来ないとも限らん」
男「ハ、ハイッ!皆さん!行きましょう!」
旦那の方が先導していたのか、先頭に立って離れていった。
透「(親父だったか……………成程な)」
コロナと呼ばれた少女「オジサン!ありがと!」
去り行く中、少女は母に抱かれながら俺に礼を言ってくる。
透「………………フッ」
俺は集団に背を向けながら、左腕を横に伸ばし、左手でサムズアップして見せた。
ちなみに俺は『オジサン』と呼ばれようとも気にしないタイプだ、どこぞの年増やら年齢を気にするアホ共とは違いますよって。
去っていった集団が離れた事を感じた俺は、感知に集中した。
透「(……………『見聞色の覇気』とまではいかなくとも……………成程な、コッチはなのは達………というより『聖王のゆりかご』か?)」
俺は感知の幅を広げ、現状の把握に努めた……………とはいえ、ただ魔力の強弱、集まり具合、衝突といった事でしか感じられず、誰が何処に?というのは未だ出来ないでいた。
透「…………この感じだと、まだ大丈夫かな……………俺は俺で、手前(テメェ)の対処をしないとな」
俺はそう言い残し、周囲に敵影や避難民がいないことを確認すると『瞬歩』でその場を離れた。
走りながら俺は念話と通信を試みた。
透「念話はダメか………………通信の方はどうだ?」
リコ『こちらもダメですね、ミッドに着いてから試みてはいましたが、一向に繋がりません』
ライラ『恐らく何らかのジャミングが施されているとみるべきかと』
透「…………だろうな、今ジャミングを探すのは現実的じゃないな」
ビル群を跳躍しながら道路付近を確認すると地獄絵図とまではいかなくとも、さながら戦場といった具合だった。
透「やりたい放題か……俺達『暁』以上の無法っぷりじゃないか……………クソが」
俺の向かう所は一つ、『聖王のゆりかご』……………ではなく、勿論最終的に向かう場所ではあるが、その前に行かなければいけない場所。
聖王教会。
感知でわかったが、既にクロノの艦もあり、尚且つ戦闘しているのか魔力を持った者達が固まって集まっているのを感じ、『瞬歩』や身体能力を駆使しビル群の屋上を『ワンピース』の『カク』のように走ったりジャンプしたりミッドチルダを駆け抜ける。
クロノ Side
クロノ「敵を絶対に突破させるな!!」
現在、僕の部隊と聖王教会の騎士達とで、敵のガジェット・ドローンと交戦中であった。
透と別れた後、早々にミッドへと戻った我々は聖王教会へと来ていた………途中、ゼスト隊と108部隊を各避難所や戦闘が激しい所へと向かわせた。
早めに『聖王のゆりかご』の方へと向かい援護したかったが、ヴィヴィオがいた聖王教会の方でも襲撃が行われていた為、救援に向かうことになった…………元々ハル博士達にも用があったしな。
多数のガジェット・ドローンが攻めて来た為、バリケードを作りながら遠距離での砲撃で応戦し、僕もBJを着て参戦しつつ一般市民を退避させていったが、数の暴力には如何ともしがたく…………しかも、遠くからでもわかるくらいの巨大な兵器が見える。
巨大な半人半機械の物体がこちらへと迫る、僕達の攻撃が足止め程度にしかならないのが歯痒かった。
クロノ「くっ………………っ!?」
決定打に欠け攻めあぐねていた僕の目の前に一枚の桜の花弁ようなものが通り過ぎ、そして数枚…………数十枚…………数百枚と花弁のようなモノが増え、敵の方へと流れていき、奇妙な巨人をなのはの魔力色のような桜が球状へと包み込まれていった。
クロノ「コレはっ…………」
透「『吭景・千本桜景厳』」
バリケードを越えた所に突如として姿を現したのは、つい数十分ほど離れていた位置に出現した巨人のような兵器が瞬く間に消し去られた。
桜色の花弁のようなものが球状が解かれると同時に、僕達の目の前に一人の男が空から刀身がない状態の刀を握り、片膝をついた状態で突然現れた。
クロノ「透!」
僕は透の名前を呼ぶと、透は立ち上がりながら刀身を元に戻していった。
透「スマンな、遅くなった」
透は『テオザケル』と言いながら巨大な雷を放ちながら他のガジェット・ドローンを破壊しながら僕の方へと近づいてきた。
未だ信じられない局員や騎士達は透の事を警戒してはいた………………まぁ仕方ないと言えばそうなんだが…………。
クロノ「すまない透」
透「いやいい、しかしどこもかしこも襲われているな……………」
クロノ「僕達も驚いている」
そう言いつつも、次の敵が遠くからこちらに向かってくるのが見える。
透「………話は後だな………向こうの多い方は俺が片付ける、反対方向は任せていいか?」
わざわざ敵が多い方を自分が受け持ち、比較的少ない方を僕に任せる辺り、透は変わっていないな。
クロノ「誰に向かって言っているんだ?あまり僕の部隊を舐めるなよ?」
透「フッ………………そら失敬」
鼻で嗤った透は敵陣に向かって飛び込んで行った、こちらも負けじと敵の殲滅に当たる。
僕達の後ろには避難をしている市民たちが大勢いる、老若男女問わずだ。
学生くらいの青年、歩くのに難儀する老婆、ヴィヴィオという少女と同じ年代くらいの少年少女など、数多くの市民がこちらを見つつ避難をしている。
そんな彼等を守るために、僕や僕の部下達、そして透は絶対に負けることはない!!
………………………………………………
………………………………
………………
粗方の敵を殲滅完了し、部下達と他の局員、そして騎士達が協力してケガ人の手当てや避難誘導など行動していた。
僕は透と話す為、教会内の敷地を歩いていた。
クロノ「さっきはありがとう透、またお前に助けられたな」
透「あんなのは助ける内に入らんだろ?それよりも久々にお前のBJを見たな、もはや懐かしいとさえ思えるわ」
くっくっくっと透は僕の先程の恰好を見て笑う、既に艦長服の姿に戻っている。
クロノ「まぁ…………基本的にはこの格好だからな、あまり前線に立つことが無いしな…………それよりも透、お前の方こそ大丈夫か?」
透「??…………大丈夫とは?」
クロノ「いや、その………向こうで………その……………親御さんを…………」
透「あぁ………えっ、何?わざわざ気にしてんのか?やめろやめろ、吹っ切れたとかじゃないが俺としては既に割り切っている、それに目的も達成できたしな」
クロノ「確か、遺骨だったか?それの回収だったんだよな…………まぁ………お前が本当に割り切っているのなら、何も言わないさ…………ん?アレは…………」
カリム「透さん!」
奥の方からカリム・グラシアがシスターシャッハと共に僕達の方へと走ってきた。
透「グラシアさん、シスターシャッハ………お二人ともご無事で」
シャッハ「ハイ、申し訳ありません………先程の戦闘に参加せず…………」
クロノ「『せず』というのは少々語弊があります、お二人は市民の避難などを行っていたのです」
透「クロノの言う通り、寧ろそんな荒事は俺のような奴に任せてればいいんですよ」
シャッハ「ですが…………」
透「グラシアさん達にはグラシアさん達のやる事が、俺達には俺達のやる事があるんです…………割り切れとはいいませんが、適材適「透さん!」…………ハイ?」
突然、透の話を遮るようにカリム氏が割って入ってきた。
カリム「私、怒っています」
分かり易く、頬を膨らませるカリム氏。
透「怒って?………ぇ……えっと……?」
透は戸惑いながら僕の方に寄ってきてヒソヒソと声を潜め聞いてくる、カリム氏の側にいるシスターシャッハもカリム氏の言動に『え?』みたいな顔をしている。
透「お、ちょ…………俺なんかしたか?特に何もしてねぇよな?」ヒソヒソ……
クロノ「の………はずだけど?」ヒソヒソ………
カリム「カリムです!」
透「………………ハイ?」
透の顔は仮面で隠れていたからわからないが、恐らく……………というか間抜け面をしているだろうが、僕も同様な顔をしているに違いない………………シスターシャッハも『ん?』みたいな顔してカリム氏を見ていた。
カリム「ですから、呼び方です!グラシアさんなんて、そんな余所余所しく、しかも他人行儀な呼び方しないでください!カ・リ・ム!です!シャッハも『シスターシャッハ』なんて呼び方嫌よね?」
シャッハ「わ、私に振らないで下さい!!」/////////
二人の仲睦ましさは僕も透もいいとは思ったが、今は緊急時。
透「えっと………………グラ「ハイ??」………カ………………カリムさん」
カリム「ハイ♪」
透「で…………えっと…………シャッハさんでいいんです?」
シャッハ「ハ、ハイ………」//////////
とりあえず、呼び方は落ち着いたらしく、僕達は並んで敷地内を歩きつつ、これまでの経緯や情報を交換し合った。
カリム「そうですか、やはり他も似たような状況に…………」
クロノ「えぇ、ミッドに到着してすぐにナカジマ陸曹らを各避難所に向かわせ、私達の方はすぐにこちらに到着した次第…………という感じですね」
シャッハ「私達も騎士はやて達と妨害を受ける直前まで通信しておりましたが、あちらも戦力を分散させられている様子でした…………」
透「でしょうね、まずもって数に違いがあり過ぎます………感知出来たのでも、差があり過ぎました」
カリム「こちらからも人手をと思いましたが………………御覧の有様で、しかも先程のように襲撃されては……………」
透「だから俺が来ました……………ハルはいますよね?」
カリム「ハイ、エメリッヒ博士なら奥に…………今『機動六課』の隊員さんと作業をされてるようで」
はやて達もやはり人員を割いたのか、余裕が無いはずなのにな…………。
シャッハ「騎士カリム……………」
カリム氏にシスターシャッハが耳打ちをする、少々思いつめたようすだったがカリム氏は頷き僕達の方を見て言った。
カリム「お二人とも、少々お時間をくださいませんか?……………会っていただきたい方がいます」
クロノ「私は構いませんが……………」
僕は透の方を見た、透としては早く離れたいとかではないだろうが、
透「………俺も構いませんよ………それで、会うって誰なんです?」
シャッハ「こちらです…………」
僕と透はカリム氏に連れられ、テントが並んでいる所まで案内された。
???「先生!!」
丁度真横から先生という言葉と共に、一人の少女が透に抱き着いた…………その後ろには数名の少女たちがこちらに駆け寄ってきていた。
透「っ………レン!?それにシュテル達も…………ってそうか、お前達がここにいるのは何ら不思議ではないな」
シュテル「透先生!」
ユーリ「すみません!ヴィヴィオが連れていかれて……………」
透「聞いている、文字通りいきなりだったんだろ?一度謝ればそれでいい、それに俺がすぐに連れ戻す、お前達はココを頼むぞ?ただでさえ人手が不足しているし、戦力も不足している…………暫定ではあるし、俺の一存だが………………お前達を『暁』のメンバーとして扱う………………守るモノは守り、俺達の敵を悉く殲滅する………いいな?」
ディアーチェ「任せろ!我らが完璧にやってみせる!!」
透「フッ…………だろうな」
一見微笑ましい?場面なんだろうが…………一応世間的にというか、管理局的には未だ『暁』に対する忌避感というか、敵対感情は拭えていないので、この子たちの『暁』加入を素直に喜べないのだが…………。
レヴィ「てゆーか、先生は何で来たの?僕に会いに来てくれたの!?」
透「そう………と言いたい所だが、実は会うのは別の人なんだ」
シュテル「別の人?」
透「今から会いに行くから、お前達はもう戻れ」
レン「………………レンも行く」
アリシア似(?)の少女、レンという子は透から離れようとしない。
透「………なら………大人しくしているんだな、あまりうるさくするようだったら……………わかるな?」
子供たち「ハイっ!!」
ババっと整列し、子供たち全員がオデコに両手を添えている………………中々シュールな絵だ。
ただレンだけは浮かない顔をしていた。
僕達はカリム氏に案内され、救護テントの中に入り、目的の人物と対面する。
透「……………………レジアス…………」
僕達の目の前には、元中将であるレジアスが胸から出血しベッドの上で酸素マスクをしているが呼吸を荒くさせ、顔色も悪くし横たわっていた、側にはオーリスもいる。
レン「…………レンの所為……」
レンが告白のように、そして懺悔のように言う。
レン「オジサン………レンがヴィヴィオを守ろうとした時に…………割って入って……やられた……………レンに向けられた攻撃………………レンの所為」
自らを責める様に、透のBJの裾を掴み顔を埋めながら……………。
透はそんなレンという少女の頭を優しく撫でた。
レジアス「……………フッ……フッフッフ…………君は……あまり……関係ない……………ワシは………いずれ………消される……………それが……………………今だった…………というだけの話だ…………」
オーリス「父さん!」
意識不明だったレジアスが意識を取り戻したように、弱々しく喋り出した。
クロノ「……………回復の見込みは?………」
僕は透の後ろに隠れ、カリム氏に問いかけてみた。
カリム「……………………」フルフル
カリム氏は首を振り否定する…………やはりあの傷では………………。
レジアス「……………………井上か……………………フッフッフ…………ワシを………………笑いに来たのか?……………」
透「……………………」
後ろからではあるし、更に透は仮面をしているのでどんな顔をしているのかはわからない上に、先程から透は無反応だ。
レジアス「何をしている…………お前には………………お前の……………やる事が………………ある…………だろう…………………こんな所で……………………休んでいる暇は……………………ないぞ」
透「………………………………」
レジアス「見ての通り…………ワシは………………もう…………助からん………………まぁ…………………今までの事を………………考えれば………………当然だ………ワシには…………お似合いの………………最期………………じゃないか……………」
透「っ…………………………………………」ピクッ
レジアス「早く……………………行け……………………………こんな所で……………モタモタして「死に損ないが口を開くな」……………………」
透がようやく口を開いたと思ったら、いきなりケガ人……………………それももう助からないという人に対してあるまじき言動を行った。
透「助からない?当然?最期?何を一人で決めつけている、その程度の傷で……………………無様だな」
オーリス「あなた……………!」
立ち上がろうとするオーリスをレジアスは弱弱しく手を上げ止める。
透「誰が死んでいいと言った?お前は俺やこいつ等、そして犠牲になった奴等に対して何一つ償っていない、レンを助けた事は褒めてやろう……………だがその程度で赦された気になるな、お前はまだまだ償っていかなければならない、それこそ死ぬまで働かせてやる………馬車馬の如くな……………簡単に死ねると思うな?…………そんな傷で死ぬことは俺が許さん、償いが死だと思うな………」
そう言い捨て透は僕達の間を通り抜けテントから出ようとする。
クロノ「オ、オイ透!」
僕は透を引き留めようと肩を掴む。
透「……………………治せる人間を連れてくる……………………それまで休んでいろ老い耄れ」
テントを出た透を僕達は追いかける。
クロノ「オイ透、ケガ人にあの態度は無いだろ!?……………それに彼はもう……………………」
透「わかってる」
シャッハ「え?」
透「アレでは助からんというのは素人目でもわかる…………とはいえ、ハルカなら治せる筈だ………」
クロノ「確かにハルカなら治せるかもしれないが、ハルカははやて達と『聖王のゆりかご』の方に向かった筈だし、それに合流できたとしても連れてくる頃には……………」
カリム「医療班で一応延命治療は施していますが……………傷が深過ぎて………………」
透「そうだとしても、どの道『聖王のゆりかご』には向かわないとならん、その際……………………何だ今の?」
話している最中に突然透が辺りをキョロキョロ見渡しながら疑問を口にする。
僕は透以外の面々と顔を見合わせたが、誰一人として気付いていない。
ディアーチェ「どうしたんだ?」
透「いや、何か聞こえて…………」
シャッハ「聞こえる?」
ユーリ「何も聞こえませんけど…………」
透「何?…………………………………………っ!!」
不思議がっている我々に、透は仮面越しでも分かるくらいに動揺し腕を振り抜く。
透「今すぐ俺から離れろ!!!」
突然声を張り上げる透、僕達だけでなく働いている管理局員や騎士達も不思議がってコチラを見ている。
シャッハ「ど、どうしたんですか!?」
クロノ「透!何を突然……………まさか!?」
透に聞こうとした瞬間、僕はある事を予想した…………。
透(回想)「『聖王の眷属』の特色としてなんじゃけど、今はこの子………ヴィヴィオは聖王としてはまだ覚醒しとりはせんけど、仮に覚醒したとしたら俺の中の『聖王の眷属』も目覚めてこの子に付き従い、そして護る存在になってしまう……………自我を失っての、要は前に俺が操られとった時と同じような感じかね?」
ハル(回想)『ヴィヴィオが聖王として機能し目覚めてしまえば透はそれにつられ『聖王の眷属』として機能してしまう………………いくら封印術を施しているとは言え、本当に抑えられるかわからないからね………………一応、別のやり方で抑えられそうな物は作ったが』
クロノ「っ!?総員!彼から離れろ!!今すぐだ!!」
透「くっ!」
僕が声を張り上げると同時に透も自身で離れた方が早いと考えたのか、比較的に人がいない所にジャンプした……………………その瞬間。
『――――――――――――――――――』
透「ぐぁぁぁァァぁぁぁぁァァァ!!!!!!」
透の身体から『赤黒い魔力』と『虹色の魔力』が漏れ出し、そして透は頭を抱え苦しみだした。
あとがき
またまた遅くなり、申し訳ありません。
『残火の太刀』辺りは比較的簡単だったのですが、その後が少々手間取りまして……………。
ヒエンに対し説教めいた事を言った所なのですが、原作版ではなくアニメ版を基にしております。
原作版を見た後のヒエンはねぇ……まぁクズでしたね…………ハウエンクアは……まぁね、最初からクズでしたからね。
そしてヒエンに言ったのは、あくまで私の見解でありますので、実際の思いや設定等は別にあるかと思いますので、その辺りはご了承ください。
次のミッドに戻った辺りなのですが、一応『クラウディア』に戻るかどうかでも悩みまして…………当初は『クラウディア』に戻った辺りを書いて(?)おりましたが、話の流れが直接ミッドに戻った時の方が書きやすいと思い、コチラにしました…………『クラウディア』の方は一応没案として扱っております。
そして前回のあとがきでも申しました通り、『Vivid』キャラを出しましたが……………本来出す予定のキャラと違いまして………これからももしかしたら出すかもしれません。
あと原作を知らないので、諸々オリジナル感でやらせてもらってます。
オーリスとか、レジアスに対する反応がわからないので、私の独自の見解で表しました。
近況報告としましては、最近地元のニュースで知りましたが、『おしゃべり唐あげ あげ太くん』というアニメにハマっており、You Tubeでも見ているんですが、バリバリの広島弁であまり若くはない私でも使わないような広島弁で面白かったです。
気になる方は是非ご覧ください………ただこのアニメで広島弁を学ぶのは少々お控えしてほしいと言いますか、割と強めな広島弁なので…………………。
さてさて、順調に?『魔法少女リリカルなのは EXCEEDS Gun Blaze Vengeance』が近付いておりますが……こちら(私の小説)はまったく進まないですねぇ………。
一応終わりには近付いておりますので、気長にお待ちいただければと!!
それでは次回もお楽しみに!!
コメントもお待ちしております!!
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第60話 残り火