No.118206

恋姫✝夢想~乱世に降り立つ漆黒の牙~ 第四話

へたれ雷電です。

最近すさまじくパソコンとキーボードの調子が悪いです。ヨシュアと打とうとしたら、よしゃ、になったりyしゅあになったり…それとパソコン自体も重いです

2010-01-12 17:26:20 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:6619   閲覧ユーザー数:5670

黄巾党の本隊を撃破した雪蓮の名は大陸全土に広がった。雪蓮は江東の麒麟児と呼ばれるようになり、それに憧れたり、尊敬したりする若者が集まるようになっていた。それと時を同じくして、有力者の援助もはいるようになり、その軍勢は規模を大きくしていった。だが、そうなれば当然袁術の耳と目を警戒しなければならず、ヨシュアたちは今まで以上に気をつけていた。そしてそのような状況の中、霊帝の死をきっかけとした騒動が洛陽で起こり、各地の諸侯が動きを見せ始めた。それこそ雪蓮たちの望んでいた独立へのきっかけだった。

 

そして洛陽を不当に占拠した董卓をやっつけてしまおうというような檄文が袁紹から届き、雪蓮はうまく袁術をのせて反董卓連合に参加することになった。そして準備も整ったころ、袁術から出陣の命令が下った。そして屈強な兵士で構成された軍団を連れ、連合の合流地点へと向かっていた。

 

「冥琳、反董卓連合にはどれぐらいの諸侯が参加しているの?」

 

「発起人である袁紹、そして袁術、北方の雄公孫賛、そして最も警戒すべき相手であり、着々と勢力を伸ばした曹操。そして、先の乱において頭角を現し、平原の相となった劉備。それに我らを付け加えたものが主な諸侯だ」

 

「他にも涼州連合とかいろいろな人が集まっていますけどね~」

 

雪蓮の問いに答えた冥琳の言葉を穏が補足する。ヨシュアは、先に挙げられた諸侯の中で、このさきの動乱をどの勢力が生き残って来るのかを考える。

 

「この先生き残るとすればまずは曹操。そして僕たち、そして劉備、といったところかな」

 

言葉の中に袁術は自分たちが倒すということを前提にヨシュアは言葉を紡いだ。蓮華と祭がその仕込みの為に動いていて今はこの場にいない。雪蓮はヨシュアの言葉に少し嬉しそうな顔で応えた。

 

「流石ね、ヨシュア。曹操は当然として、劉備は天の時を得ているわ。それに勇将、知将が揃っているって噂だし、人の和もある」

 

「今のところ劉備に無いのは地の利だけがなく、劉備の周りを考えれば領土の拡大はできん。だが、英雄となる人物かもしれん」

 

雪蓮の言葉に、冥琳が否定的な意味も込めた意見を言うが、やはり冥琳も劉備のことは気にかかるようだ。

 

「なら、一度話してみるのがいいわね。時機を見て接触しましょう」

 

「そうですね~。でも当面の問題はいかに兵の損失を抑えて最大限の勝利を挙げるかですね~」

 

「難しいがやらねばならんな」

 

「ま、今回は新人や若者たちの修練の場ということにしましょうか。ヨシュアには失礼かもしれないけどね~」

 

ヨシュアを悪戯っぽい目で見て雪蓮は笑う。ヨシュアはそれに苦笑だけを返した。雪蓮のいう新人や若者というのは、ヨシュア、明命、思春に穏のことだった。修練とは言ったが、呉の中でも抜き出た武を持つヨシュアには当てはまらない、と雪蓮は言いたいのだろうが。戦場や死線を潜り抜けた経験ははっきり言って雪蓮など比べ物にならない。祭が相手でも比べる事は出来ないだろう。雪蓮は知らないが、ヨシュアは一度その寿命を全うしているのだから。そしてそうこうするうちに、雪蓮たちは合流地点へと到達していた。

「それじゃ、私はヨシュアと話してるから、冥琳は軍議よろしく~」

 

つくなり仕事を押し付ける雪蓮に冥琳は溜め息をつきながらも、その顔は苦笑を浮かべていた。こういわれることは既に予想していたのだろう。

 

「貸し一つよ」

 

「了解。今度、閨で返しましょうか」

 

「雪蓮、それは男の僕がいないところで言ってくれるかな。二人の関係にどうこう言うつもりはないけど」

 

「ヨシュア、変な想像をするんじゃない!…はぁ、私は軍議に行ってくる。穏、部隊への指示はお前に任せる。ヨシュア、雪蓮のお守は任せたわ」

 

「は~い。では皆さ~ん、天幕を張っちゃいましょう~」

 

既になにやら疲れた顔でその場を去った冥琳を見送ってから、相変わらずほんわかとした口調で穏は陣地設営へと移っていった。

 

「それで、ヨシュアはもうここの生活には慣れた?」

 

「うん、もう慣れたかな。雪蓮たちがよくしてくれているっていうのもあるとは思うけど」

 

穏が陣地の設営に移ったのを見届けると雪蓮はヨシュアへと向き直る。

 

「それで、一つ訊いていい?ヨシュアってかなり戦闘なれしてるわよね?天の国でもやっぱり戦争ってあったの?」

 

「…戦争は僕がまだ幼い子供だったころにあったよ。まだ全てを話す決心はついてないから言えないけど…僕が場馴れしているのは、僕は遊撃士という、人を守る仕事をしていたんだ。その中で僕はS級という最高位の位にいたんだ。僕の世界はこの世界で言う妖みたいな生物がそこら中にいて、それを討伐したりするのも仕事だったからね」

 

教授の下で暗殺者として行動していたということはまだ云う決心がつかなかった。雪蓮ならば過去のこと、ということで笑い飛ばしてくれそうだったが、もしそうでなかったら、という考えがヨシュアの中にはあった。

 

「へぇ、じゃ、ヨシュアってあっちの世界じゃかなり強かったの?」

 

「確かに戦闘力でいえば僕はそこらへんの相手には引けを取るつもりはないよ。だけど、僕の知り合いにはもっと強い人もいたし、僕の兄のような人はさらに強かった。噂の呂布って人が相手でも圧倒できると思えるほどに。それに僕の知ってる人は石でできた城門を素手で破壊する人もいたしね」

 

「なにそれ、そんなの反則じゃない。というか、人間のやることっていってもヨシュアのその速さも人間の出すもんじゃなかったわね」

 

「まあね、僕の速さについてこれる人はいない、それだけは自信がある」

 

雪蓮の呆れたような言葉にヨシュアは苦笑しながら、そして珍しく自身のことを誇る言葉を口にした。

「でも、ヨシュアがいてくれて本当に助かるわ。戦力の面でも、精神的な面でも。ヨシュアって戦闘が終わったらみんなのところを回って話し相手になってくれてるんでしょ?それだけで私たちは自分たちがまだ人間だって思えるの。蓮華もあなたのおかげで随分と肩の力が抜けてきてるみたいだし。これならもし私に何があっても安心して逝けるわ。そのときに「ないよ」…え?」

 

突然、真剣な、それでいて重みのある声で雪蓮の言葉を遮ったヨシュアに雪蓮は目を瞬かせた。ヨシュアはいつも相手の話をすべてきちんと聞いたうえで反応を返してくる。相手の話を遮るなど非常に珍しいことだった。

 

「雪蓮に何かあるなんてこと絶対にないよ。雪蓮は僕が絶対に守る。相手が誰であろうと、何であろうと。それは蓮華たちも同じだ。仲間を、大事な人たちを僕は絶対に死なせない」

 

それはヨシュアにとってはとても重要なこと。今のヨシュアの力はレーヴェに追いつくために、自身が大事だと思う人を守り抜くために鍛えぬいたもの。漆黒の牙としての経験と技術、遊撃士としての思い、そして剣帝たる兄から受け取った思い、自身を最後まで守ってくれた姉への感謝、自身が殺めてきたものへの謝罪、そして最愛の女性であり、自身を変えてくれた人への誓い。それらが籠ってできた力だった。

 

「あは…」

 

ヨシュアの言葉とその真剣な顔に雪蓮は顔を僅かに赤くして照れた顔で笑った。そして雪蓮はヨシュアへと近づき、ヨシュアが逃げ出さないうちに口づけをかわそうとして…

 

「そういうことは人に面倒事を押し付けているときには控えてもらいましょうか」

 

背後からかかった怒りの籠った声によって邪魔をされた。

 

「は、早いお帰りね。それで~、軍議はどうだった?」

 

「総大将は袁紹に決まったが、裏で袁術が糸を引いているだろう。そして連合は一致団結して洛陽を目指すそうだ。…それだけだ」

 

「は…?作戦みたいなのは?」

 

雪蓮の言葉に冥琳は頭を押さえて呻くように言った。

 

「作戦と呼ぶには軍師として許せんようなものしかない。連合軍は力づくで汜水関、虎牢関を通って洛陽へと向かう」

 

「無能だね」

 

「ヨシュアってはっきり言うわね。その通りだとは思うけど」

 

ヨシュアが冷めた声で一言で切り捨てたのを聞き、雪蓮は苦笑を浮かべた。冥琳はもうなにか言う気も起らないという感じだった。

「それで、冥琳。先陣はどうなった?」

 

「劉備だ。完全に捨て駒だな。しかも受けざるを得ない状況だったからな。だが、この苦境を乗り越える事が出来ればあの勢力は大きくなると見た。英雄の人の和と天の時、それをこの目で確認したからな。英雄の一人となるだろう。だが、曹操よりは与しやすい」

 

「味方に引き込む?」

 

「可能だろうな」

 

冥琳の言葉に雪蓮は少しの間考えると、口を開いた。

 

「なら、劉備を助けましょうか。ま、私が会ってみて気に入らなかったら捨てるけどね」

 

「それもありだと思うよ」

 

「では、劉備の陣に使者を出しておきましょうか」

 

そういって冥琳は伝令を呼び、劉備へと使者を向かわせ、自身たちも劉備のところへ向かった。

 

 

 

「待て!お前たちは何者だ?なぜ我らの陣地に入って来る?」

 

劉備の陣に行くと、黒髪の美しい少女が険しい表情で道をふさいできた。見た感じ、先の蓮華よりも融通がきかなさそうな感じだった。その隣には小さい子供のような少女がいるが、ただの子供ではないとヨシュアはふんでいた。それに対して、冥琳が一喝する。

 

「控えろ。こちらにおわすは我らが呉の盟主、孫策様だ。陣を訪れることは先触れの使者から伝わっているはずだが?」

 

「ああ、あなたが江東の麒麟児か」

 

「なにそれ?」

 

「雪蓮のことを、最近は皆そう呼んでるんだよ。予想はしてたけど知らなかったみたいだね」

 

「お姉ちゃん、かっくいいのだ!」

 

小さい少女が笑顔で口を開く。黒髪の少女のように無駄に相手を威嚇して意味なく空気を悪くするようなことはないようだ。

 

「ありがと。それで、あなたたち二人の名は?」

 

「我が名は関羽。字は雲長」

 

「鈴々は張飛なのだ」

 

「へぇ、あなたたちがそうなんだ。ね、劉備ちゃんいる?ちょっとお話したいから呼んでほしいんだけど」

 

「呼ぶことは構いませんが、一体どのような御用でしょうか」

 

濃度の高い警戒を浮かべたうえに張り付けたにこやかな笑顔にヨシュアは目を細くする。そして雪蓮も、大したことではないが、少し気分を害したのが分かった。

 

「…下がれ下郎」

 

「なにっ!」

 

「我は江東の虎が建国した孫呉の王!王が貴様の主に面会を求めているのだ。家臣である貴様はただ取り次げばよい!」

 

雪蓮は関羽に対して一喝する。ヨシュアには雪蓮が本気でないのは分かっているので雪蓮のやりたいようにさせておく。だが、関羽の方はやはり融通が利かないようで途端に顔を険しくした。張飛の方は特に何をするでもなくそのやり取りを眺めていた。

 

「我らには主を守る義務がある!例え王といえども不信の者を桃香様に会わせられるか!」

 

(それで門前払いをしてその桃香とやらの立場が危うくなったらどうするんだろうね)

ヨシュアは彼女の行動を見て、そう思った。それに、相手がどういった相手なのか、ということを見抜けないのも問題があるのではないだろうか。そういった柔軟性といった面ではこの張飛という子供のほうが優れているだろう。

 

「それでもまかり通るというのならば、この関羽が相手になろう!」

 

そう言って関羽はとうとう武器を構えた。

 

「ほお、大言壮語だな、関羽。ならば相手になってやろう」

 

そういって雪蓮も南海覇王を持ちだした。そのとき、一人の少女が息を切らして走りこんできた。

 

「愛紗ちゃん!どうしたの!?」

 

「と、桃香さま!?」

 

「愛紗と孫策お姉ちゃんがちょっと喧嘩したのだ。でも二人とも本気じゃなったから心配いらないのだ。孫策お姉ちゃんからは殺気がなかったのだ」

 

「へぇ、やるわね、張飛ちゃん」

 

ヨシュアは張飛の評価を内心上昇させた。流石に執行者であるヨシュアに勝てるほどではないが、かなりの腕の持ち主だろう。それでも彼女はまだ若い。これからさらに伸びるだろう。

 

「愛紗、武器を収めて下がってるのだ」

 

「く…分かった」

 

張飛に言われて関羽は渋々後ろに下がった。これではどっちが年上かわからない。

 

「すみません、愛紗ちゃんがご迷惑おかけしました」

 

「別にかまわないわ。それより、あなたが劉備?」

 

「え、そ、そうですけど…あなたは?」

 

「孫策、字は伯符。孫呉の王よ。今は領土もないし、家臣も少ないけどね」

 

「あなたが…。それで御用の方は?」

 

劉備は雪蓮の名前を聞いて少しだけ口を丸く挙げていたが、すぐに我に返った。

 

「とりあえずは挨拶。それとちょっとした提案なんだけど…あなたたちは先鋒にさせられたのよね?勝てる見込みはあるのかしら?」

 

「正直言って分かりません。そもそも兵の数が絶対的に足りてませんから」

 

雪蓮の問いに劉備は眉を顰めて答えた。やはり、深刻な状況らしい。

 

「そうよね。だったら手を組まない?劉備軍と私たち呉の軍が先鋒を取れば、兵の数も倍以上になる。だったら勝てる見込みも少しは高くなるでしょ?」

 

「それはそうですけど…孫策さんには何の得があるんですか?」

 

「意外としっかりものなのね。…良いわ。あなたを信じて胸襟を開いて見せましょうか。知っているかどうかは分からないけど、呉の土地を奪われた私たちは袁術の客将の身に甘んじているわ。でももちろんこのまま終わらすつもりはないわ。私は呉の土地を回復してみせる。でもそのためには外の味方が必要なの」

 

そして雪蓮は視線で劉備にどういうことか分かるか、と問いかける。

 

「だから私たちに協力するんですか?」

 

「そう、そしてあなたもこれからを生き抜くために、どこかに味方が必要でしょう?お互いの利益は一致していると思うんだけど?」

 

「孫策さんの言うとおりです。でもどうして私なんですか?」

 

「あなたが一番信用できそうだからっていうのと、兵力が五分五分というところね。それでどうする?」

 

「わかりました。でも私には孫策さんが信用できるのかまだ判断できません」

 

「そう、なら信義を見せてあげましょう。孫呉の戦いぶり、その眼に焼き付けておきなさい。もし私が信用できないならそれまで。いつか矛を交えるだけよ」

 

そう言って雪蓮は視線で冥琳とヨシュアに合図をして背中を向けた。それに倣い、ヨシュアたちも背中を向けた。

 

「わかりました。孫策さんの信義、しっかり見させていただきます」

 

「なら一刻後に出発ってことでいいわね」

 

「はい」

 

それだけ交わして雪蓮たちは劉備の陣地を後にした。

「なかなか強かな人物だったね」

 

ヨシュアはしばらくしてから口を開いた。

 

「そうね」

 

「こちらのいうことは全て疑ってかかっているようだったな。しかし、その程度ができないようであれば、未来はないだろうな」

 

冥琳は劉備の対応はできて当然というように口を開く。

 

「だけど、ああいう型の人間は、一度信用できると認めさせたならば、心強い味方になってくれるわ」

 

「なら、まずが信用を勝ち取ることが先決だね。まず、まともにやって関は落とせないだろうから…一つは僕が関の中に潜入して敵を排除して混乱させつつ中から門を開放する。そしてもう一つは…、確か関の守将は華雄と張遼だったよね?」

 

ヨシュアの問いに冥琳は頷いて答えた。

 

「華雄って…母様にコテンパンにやられちゃった武将じゃない。大したことないんじゃないの?」

 

「雪蓮、人は失敗から学ぶ生き物だからその油断は命取りだ。それに華雄は武だけなら有能って聞いてる。だから、華雄の武を徹底的に貶めるようなことを言って鬱憤を貯めさせた後、わざと戦いを仕掛けて退いてみる…っていう手があげられるかな。問題は罵倒する人間だけど、雪蓮が適任ではあるけれどそれは最後の手段。それと、あまり目立っては袁術に勘ぐられる可能性があることかな」

 

ヨシュアの挙げた策と、そしてその問題を指摘したということに冥琳は感心の顔を作った。

 

「ふむそうだな。まず一つ目の策は却下だ。万が一にもお前を失うことは避けたい。二つ目の件だが…現在は極力目立つ行動は避けなければならない。だが、劉備にこの策を伝え、実行してもらえば問題なかろう」

 

「あら、劉備に?」

 

「ええ、劉備軍なら上手くやるでしょう。関羽、張飛がいるからね」

 

「それで、僕たちが先鋒を支えるためとか言って駆けつける、と」

 

ヨシュアの言葉に冥琳はその通り、と頷いた。それなら袁術は特に疑うこともなく自分たちの行動を容認するだろうし、そうでなくとも雪蓮が上手く袁術をのせるだろう。納得すると、ヨシュアたちは天幕に戻りすぐに準備を開始した。そしてきっかり一刻後、本人の無能さを主張するような作戦が袁紹から発せられた。ヨシュアが思ったことは、さすがは袁術の従姉妹か、ということだった。そして袁紹の号令と共に行動を開始した反董卓連合は汜水関へと動き始めた。

 

 

峡谷をいくつか抜けると、左右を絶壁に囲まれた広い道へと到着した。

 

「正面からの攻撃を防ぐだけでいいし、相手は大部隊を展開できない。それに横は絶壁。まさに難攻不落といったところだね」

 

相手が執行者でなければ、という言葉は心の中でだけ呟いておく。

 

「でもなんとかなるでしょう~」

 

いつも気楽な穏の言葉が耳に届く。今回も気楽に、とはいっても悪い意味ではないのだが、構えているらしい。

 

「さて、さっさと作戦を実行しましょ」

 

「分かったわ。なら私は劉備のところへ行ってくるわ。雪蓮たちは戦闘準備を」

 

そう言って冥琳は劉備のいる方向へ向かっていった。それを見送ると雪蓮は他の武将へと向き直った。

 

「さて、私たちも準備を始めましょうか」

 

「御意、前曲は我らが仕りましょう」

 

「頼んだわ。あとは作戦の結果次第で臨機応変にね」

 

「ヨシュア様はどうしましょうか?」

 

「明命、僕のことは気にしなくても大丈夫だよ。僕はこっちで考えて明命や思春が動きやすいように行動するから。もちろん、雪蓮のことはちゃんと守る」

 

「そうか。ならばヨシュア、雪蓮様を頼む」

 

思春はそうヨシュアに声をかけ、その場を後にした。

 

「へぇ、思春に気に入られたみたいね」

 

「なんとか仲良くやらせてもらってるよ」

 

「ま、あなたには色々と期待してるわ。私たちも隊の編成を急ぎましょ」

 

「分かった」

 

そしてとうとう、汜水関攻略のための戦闘が開始されようとしていた。

あとがきという名前のなにか

 

四話にしてすでに反董卓連合…早い、展開が早すぎる!と思いつつ治らないダメダメなへたれ雷電です。反董卓連合編が終われば拠点フェイズ的なものをやろうと思っています。ようやくネタ?のようなものが思い浮かんだので。

 

それにしても最近寒いですね。自分がいえたことではありませんが風邪には気をつけましょう。

それでは今回も短くこの辺で


 
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