No.117913

継い姫†無双 2

こひさん

対姫†無双、追姫†無双の続編です。
二話目です。
短いです。
話が全然進んでません。

2010-01-11 11:00:23 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4739   閲覧ユーザー数:4008

 

 

scene-漢女塾

 

 

「いいなぁ霞ちゃん。兄ちゃん! ボクのもお願い!」

「そうだぞ。わたしのも考えろっ!」

「せやなあ。姐さんズルいわ」

 漢女塾へ戻ってきた一刀達。

 霞から名前のことを聞いて騒ぐ武将たち。

 

「ちぃたち鈴木なの?」

「わ~い♪」

「一刀さんが考えてくれたのなら」

 霞と同じ姓となる張三姉妹と鈴々はすぐ納得した。

「鈴木鈴々か~。鈴がいっぱいで面白いのだ」

 

「佐藤、ですか。ご主人様に決めてもらえないのが残念ですけれど、仕方ありませんね」

「さとう? 甘いの~?」

 一方、既に神主によって佐藤姓となっていた祭と同じ黄姓の親子は不満も喜びも見せず、静かに納得した。

 

「一刀、皆のも考えなさい」

 華琳がそう一刀に言う。

「その前にいいか? 知ってるだろ、こっちじゃ真名なんて風習ないからさ。真名で呼ばれるの嫌だったら名前は自分で考えてくれ」

「そでしたね~。でしたら、こっちで名乗る偽名がたまたま真名と同じとすればいいのです。真名を教えたり、呼ばれるわけではないのです」

「俺、風の真名勝手に呼んですごい怒られた覚えがあるんだけど……まあいいか」

「それとも霞のように、この国の読み方があるのでしょうか?」

 稟に言われて皆の顔を見る一刀。

「桂花ぐらいかな。けいか、がいいと思う。……天和たちは、親が麻雀好きだったってことにすればなんとか」

 

 

 買ってきた食材を冷え始めた冷蔵庫などにしまい、掃除の終った教室へ向かう一刀。

 まだ掃除の終っていない場所もあるが、皆、自分の名前が気になってついてきた。

「え~と、曹……そ……曽我。うん、字も似てるし」

 決まった姓を黒板に書いていく。

「曽我華琳。ふむ。まあいいでしょう」

 黒板に書かれた名前を見て頷く華琳にホッとして、次の名づけを開始。

 

「夏侯……かこう……加藤」

「おお、加藤春蘭か」

「似たような音の姓があるものだな」

 春蘭と秋蘭もそれで決まった。

 

「次は桂花か。荀……荀……え~~」

「早く決めなさい」

「って言われてもなあ……猫耳頭巾、いや無理があるな」

 ぶつぶつと呟きながら悩みだす一刀。

「王佐の才……佐……佐竹。これでどうだ!」

「佐竹桂花?」

「そう。荀って筍に似てるし」

 

「次ボク! 兄ちゃん早くぅ!」

「ちょっと待てって。電話帳でも借りてくりゃ良かったかな?」

「面倒であれば北郷姓でもよかろう?」

 祭がそう言った途端。

「北郷季衣……」

 口に出してからボボッと紅色に染まる。

「一刀殿の妹になるということですか?」

「お兄さんならそれもさらに欲情させる要素になるのですよ~」

「変態!」

 軍師達の疑問に祭が説明する。

「この国では結婚すると同一の姓になるのじゃて」

「うん。兄ちゃんのお嫁さん……わ! わ~~!!」

 恥ずかしさのあまり逃げ出そうとする季衣を捕まえる華琳。

「だいじょうぶよ季衣。ちゃんと一刀はあなたの姓を考えてくれるわ。そうでしょう?」

 口調は優しかったがジトッとした目で一刀を見る。

「も、もちろんだ」

 冷や汗と心拍数の上昇を感じながら必死に考える。

「許……きょ……きょ? う~ん、きよ……清原!」

「清原季衣? うん、わかった………………ちぇ」

 名前が決まったのに落ち込んだ季衣を、捕まえたままの華琳が優しくなでるのだった。

 

「次は流琉か。秘密兵器を使おう」

 さっきの話題で焦った一刀は携帯電話を操作し文字入力の変換候補から選ぶことにした。

「典……てん、っと」

 天道流琉と黒板に書いていく。

「えっ?」

 驚いた顔になる流琉。

「嫌なら他のを考えるけど」

「い、いえ、……天の字が入ってたから。いいいんですか? 兄様」

「嫌じゃないならいいんじゃない?」

「嫌じゃないですよぅ」

「そら天の御遣いが天の道、って名前くれたら嫌やないよな~。なんやカッコエエな~」

 霞がそう茶化すと流琉は照れていた。

 

「楽……がく……岳? う~ん、岳凪じゃ語呂が微妙かな……がくがく……」

 がくがくがくがくと言いながらがくがくと首を振って悩む。

 心配する凪。

「だ、大丈夫ですか隊長!」

「がくが……くが……玖珂」

「玖珂凪ですか?」

「どう?」

「ありがとうございます!」

 凪は頭を深く下げる。

 

「李……り……理科ってのはないだろうしなあ……り……り……」

 携帯片手に悩む一刀に真桜が愚痴る。

「たいちょ、こんなこともあろうかと、って用意しといてな」

「あのな~。んなこと言ってると真田しか思いつかないぞ」

「真田? 真田真桜? ええやん!」

「いいのか? ならそれで」

 一瞬、真桜の眉毛が無くなった顔を思い浮かべたが、別の名を悩むのも大変そうだったのでそれで決めた。

 

「次は沙和なの~♪ カワイイのがいいの~」

「って可愛い姓って言われてもなあ……于……う……于禁……うきん……うき」

「うっき~? おサルみたいでカワイイのだ!」

 鈴々がそう言うが。

「いや、さすがそんな姓はない……と思う……雨季……梅雨……梅か。梅ならカワイイか? 梅……梅沢」

「それでいいの~♪」

「いいの? 梅沢沙和って音がかぶってない?」

「それがいいの! カワイイの~♪」

 喜ぶ沙和。

 

「程? て? むぅ」

「ぐ~」

 居眠りしている風に溜息つきながら考える一刀。

「眠り……いや、夢野……なんかますます寝そうだな。夢野だから当然なのですよとか言って。パスパス……夢と言えば日輪を支えてとか言ってたな」

 携帯を操作して候補を探す。

「日……日向かな?」

 でいやぁぁぁぁぁ! 叫びながら日向風と黒板に書く。

「……はっ! …………不思議なのです。いつのまにか名前が決まっているのです」

 

「郭……偽名だから戯志才の方でもいいか。ぎし……きし……岸田」

「岸田稟ですか。それでいいですよ」

「む?」

「神主さん?」

「きす、だぁりん、だとぅ!」

 物凄い形相で睨む卑弥呼。なぜか上半身は裸だった。

 いや、正確には白いビキニを装備していた分、裸より性質が悪い。

「……はぅっ!」

「ああ、また鼻血だして~。ほら稟ちゃん、とんとんしますよ、とんとん~」

 あまりの驚きに鼻血を噴いた稟を介抱する風。

「驚いた時にも鼻血が出るのか? 神主さん、区切りが違います。岸田、です」

「そ、そうか。勘違いであったか」

 一刀の説得に落ち着いたのかいそいそと上着を着る卑弥呼。

 

「あとは……明命か」

「はぅあ! わたしも考えていただけるのですか!?」

「うん。いいよね?」

「はいっ! お願いします!」

 ぺこりと頭を下げる。

「周……しゅう……しゆ……し……清水、でいい?」

「清水明命……ありがとうございます、綺麗な名前なのですっ!」

 

 

 

 

「ふむ。皆、その名でよいのだな」

 卑弥呼が皆の顔を見、そして頷く。

「ならば儂はその名で役所で手続きを済ませておく。その間皆は風呂が沸き次第、入浴し巫女服へと着替えるがよい」

「兄ちゃん、一緒に入ろ~」

「そ、そりゃ無理だろ」

 季衣の発言に焦る一刀。

「え~、なんで~。前みたいに一緒に入ろうよ~」

「せや。また一緒に入ろ?」

 霞まで一緒になって一刀を誘う。

 

「な、なんか視線が痛い……」

「北郷殿」

「は、はいっ!」

 卑弥呼に呼ばれ慌てる一刀。

 先程の卑弥呼の形相を思い出し、ガタガタ震える。

「も、もちろん巫女さんと一緒に入浴とか、ましてやお風呂でハッスルなんてしませんっ!」

「がははは。若いオノコがそう簡単に我慢できるものか。しかし、避妊だけはしっかりしておくのだぞ」

「へ?」

「そ、それともまさか! 巫女よりも神主の方がいいと申すのか!? 儂にはだぁりんがおる! ……しかし滾る若いオノコを受け止めるのも……」

 赤面しながら見つめる卑弥呼に先程とは違う寒気を感じる一刀。

 

「巫女さんの方がいいに決まってる! そうじゃなくて……避妊してればやっちゃっていいの?」

 恐怖のあまりそんなことを聞いていた。

「なんだ、そんなことか。この神社の漢女神(めがみ)は膜の有無で巫女を差別などはせんぞ」

「こ、子種を戴くことはできないのですか?」

 明命が任務に関わる事項だけに真っ赤になりながらも、なんとか質問する。

「うむ。それはできん。何故ならばあちらの外史に帰る際に、胎児や赤子がいてはその意思で行き先が上手く固定できん」

「そ、そうなのですか……」

 落ち込む明命。

「それに学生が妊娠するのは世間体が悪いでのう」

 世間体を気にするなら、髭と髪型をまずなんとかした方が。とは言えない一刀であった。

 

 

「よかったね、兄ちゃん。一緒にお風呂入ってもいいって!」

「だから、なんでそう……って、もう風呂沸かしてるの?」

「うん。お風呂場の掃除終ってすぐ、あ!」

 季衣が慌てて教室を飛び出す。

「どうしたんだ?」

「風呂の水を張ってる途中だったのを思い出したのじゃろう」

 祭がそう答える。それから暫くして季衣が戻ってきた。

「水の量はちょうどいいよ~。沸かすのはどうやるの?」

 

 

 

 

 湯沸かし器の操作を教えた後、卑弥呼は出かけた。

 風呂が沸くまで掃除の続きをすることにするが。

 

「せや! 酒買うてこんと!」

 霞が騒ぎ出す。

「一刀、酒買いに行くで! あと何人か荷物持ちについてき!」

「ならば儂もいかねばならんの」

「未成年者に霞が欲しがるほど、酒売ってくれないし」

 祭と一刀がそう話し合う。

「そうなの? まあ、祭がついていってくれるのならなんとかなるでしょう。凪、真桜、沙和。あなたたちも行きなさい」

 華琳も天の酒が気になるのか北郷隊の三人に荷物持ちを命じた。

「了解です」

「こっちの酒ってどんなやろな~」

「お掃除よりはそっちの方がいいの~♪」

 

 

 

 

scene-酒屋

 

 

 小さな酒屋ながらそれなりに種類も多く取り揃えており、北郷隊の三人はビールや缶チューハイの冷蔵庫などに驚いていた。

「冷たい?」

「これが冷蔵庫か~。缶? 薄い鉄板、器にしとるんか」

「綺麗なの~」

 

「な~、どれがオススメなん?」

 陳列された酒瓶を見ながら霞が聞く。

「こっちのって言うと、やっぱり日本酒かな」

「うむ。儂は焼酎も好きじゃがの」

 祭にそう言われて。

「とりあえず、予算の範囲内で一通り買っていこうか」

 ビール、日本酒、焼酎、缶チューハイ、ウイスキー……と、適当に選んでいく。

「な~、たいちょ、これはどれがええん?」

「あ~、ワインか。それは全然わからん。止めておくのが無難かな。変なの選ぶと華琳に怒られそうだ」

「ならばコレがよかろう」

 祭が迷わずに青い瓶に黒猫のラベルのワインを選んだ。

「それほど高くもなく、コレならば明命が喜ぶじゃろうて」

 

「結構あるけど……予算足りる?」

「足りん時はツケてもらうわい」

「馴染みなの?」

 慣れた祭の様子に一刀はそう聞いた。

「まあの。試飲もよくするでの。こちらの酒のこともいろいろ教えてもらったわい」

「巫女さんが酒屋に来るのは珍しいのかも。……それとも祭さん美人だから下心かな?」

「年寄りをからかうものではないぞ」

 一刀の言葉に祭は笑う。

「いや、今の一刀の本心やで」

「相変わらずですね」

「下心あるんは隊長やろ」

「おっぱいばっかり見ているの~」

 霞たちは溜息とともにそう言うのだった。

 

 

 

 

<あとがき>

 名前はこんなものでどうでしょう?

 たぶんこの先、姓を使うことはあまりないと思いますし。

 

黄蓋(祭) 佐藤祭

黄忠(紫苑) 佐藤紫苑

璃々 佐藤璃々

 

張遼(霞) 鈴木霞(かすみ)

張角(天和) 鈴木天和

張宝(地和) 鈴木地和

張梁(人和)  鈴木人和

張飛(鈴々) 鈴木鈴々

 

曹操(華琳) 曽我華琳

夏侯惇(春蘭) 加藤春蘭

夏侯淵(秋蘭) 加藤秋蘭

荀彧(桂花) 佐竹桂花(けいか)

許緒(季衣) 清原季衣

典韋(流琉) 天道流琉

楽進(凪) 玖珂凪

李典(真桜) 真田真桜

于禁(沙和) 梅沢沙和

郭嘉(稟) 岸田稟

程昱(風) 日向風

周泰(明命) 清水明命

 

 

 宴会編は次回。

 あとワインはメジャーなんで名前出してもよかったかな?

 

 

 


 
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