No.1176025

サバナクローで勧進帳をやってみた

Nobuさん

子供の頃に勧進帳を見た事があったので、ツイステでも演じられないかなと思って。
サバナクローとポムフィオーレによる歌舞伎を、どうぞご覧ください。

2025-10-28 14:24:44 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:148   閲覧ユーザー数:147

 兄・頼朝との不和から逃れる途上、源義経は僅かな従者と共に奥州を目指していた。

 その一行には、剛勇無双の武蔵坊弁慶、そして伊勢三郎らがいた。

 逃亡の道中、彼らは安宅の関に差し掛かった。

 関を固めるは、富樫と名乗る役人である。

 

 関所を前に、弁慶は一計を案じた。

 自らは山伏に、義経と三郎は荷物持ちに身をやつし、変装しての通過を図った。

 

 門前で、富樫(ヴィル・シェーンハイト)が声をかけた。

「ちょっと待ちなさい。アンタ達、本当に山伏なの?」

「俺は山伏だ」

「その荷物持ちだ」

「それがどうかしたッスか?」

 弁慶(ジャック・ハウル)が威厳をもって答える。

 義経(レオナ・キングスカラー)は素っ気なく言い、三郎(ラギー・ブッチ)が続く。

 しかし、富樫は疑いの眼差しで一行を見据えた。

「それで、何をしてるのかしら?」

「東大寺が燃えただろ?」

「それで、オレ達はそれを立て直すためにお金を集めてるッス」

「だから早いところ、ここを通してくれ」

 弁慶が口火を切り、三郎が説明を補い、義経が催促した。

 しかし、富樫は冷めた声で要求する。

「それなら『勧進帳』を見せてくれるかしら? 山伏なら、それくらい持ってて当然でしょ?」

 勧進帳とは、寺への寄付を募る目的を記した巻物である。

 しかし、変装の義経一行が本物を持っているはずもない。

 弁慶は即座に機転を利かせ、白紙の巻物を本物の勧進帳に見せかけた。

 

「……これでどうですか」

 ジャックは、まるで巻物に内容が記されているかのように、流暢にそれを読み上げた。

 ヴィルは感心したような口調で言う。

「へぇ、よく読めたわね。でも、それだけじゃ、通せないわよ」

「な、何だと? 勧進帳を見せてくれと言ったのに……」

「落ち着いてください、義経さん」

 焦る義経を、三郎が抑える。

 富樫は、一行が本物の山伏かを見極めるため、難解な質問を弁慶に浴びせる。

「アンタ達が本物の山伏かどうか、聞かせてもらうわよ」

 

 弁慶は、その質問全てに淀みなく答えた。

 山伏に変装するに辺り、彼は事前に徹底的に知識を叩き込んでいたのだ。

 これは、弁慶を演じた努力家のジャック・ハウルらしい準備だった。

 

「疑ってごめんなさい。通ってもいいわよ」

「ありがとうございます」

「では、俺達はこれで……」

 ジャックは礼を述べた。

 レオナが安堵の息をつき、歩き出そうとした、その時。

 

「ちょっと待ってくれ」

 役人(ルーク・ハント)は富樫に、義経一行がこの地へ逃げ延びている事実を知らせた。

「え……本当に義経達だったの……?」

 富樫は役人の情報を聞くと、驚愕の表情を浮かべた。

 義経達は絶体絶命の危機を迎える。

 その瞬間、弁慶は手に持つ杖を振り上げ、義経を容赦なく何度も打ち据えた。

「この役立たず! どうして荷物を持てないんですか! それだから疑われるんですよ!」

「いて、いてて、いてててて」

「弁慶君は遠慮しないッスね……それが弁慶君らしいッスけど」

 義経が痛みに呻く中、三郎は状況を冷静に見つめる。

 

(なんで部下が主君を遠慮なく殴るのかしら。信じられないわ。いくら演技だとしても、相当な信頼関係がないと無理だわ)

 弁慶の行動は、富樫に大きな衝撃を与えた。

 

 弁慶と義経の行動により、ようやく疑いが晴れた。

 こうして、義経一行は無事に安宅の関を通り抜ける事ができた。

 

 関所を越えた後、弁慶は主君を殴りつけた罪悪感に苛まれていた。

「本当にすみませんでした、義経先輩」

 弁慶は頭を下げる。

 その時、富樫が柔らかな表情で告白した。

「アタシ、実はアンタ達が義経と弁慶だってとっくの昔に気づいていたのよ」

「富樫!?」

「さ、一緒に楽しみましょう」

 

 義経(レオナ)、弁慶(ジャック)、三郎(ラギー)、富樫(ヴィル)はそれぞれ好物を口にする。

 ジャックは、サバナクローの百獣の王に心からの感謝を捧げるのだった。


 
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