十三帝将の禁域につながる鍵がそろった。
「今から十三帝将の所へ乗り込む」
「……本当に、大丈夫でござるか?
草薙お兄ちゃん……」
「天代にはいってある。
戻ってこなかったら、後は頼む」
「それはできない。
誰もお前の……草薙悠弥の代わりはできない。
私達には……草薙悠弥が必要なんだ」
「……草薙悠弥が必要、か」
だが……
◆
―久世様……私の……私達の英雄―
彼女達、帝令は違う。
本当に必要としているのは草薙悠弥ではなく……
◆
十三帝将十三位。
『最凶』の――
◆
「――」
迷いを断つように鍵を掲げる。
鍵は意志に応じるように鍵は虚空に扉を描く。
「――開け」
命じる。
”帝将”の言葉に応えるように鍵が光を放った。
虚空に浮かんだ扉光が、鮮明になる。
カッ!
空気が、世界が、“反転”した。
空が揺れる。地が軋む。
空間が歪み、周囲の建物が“揺らいで”見える。
重苦しい圧が空間を満たし、視界に裂け目が走った。
異界へと通じる力。
そして――
――目の前に扉が現れた。
扉の先からは、禍々しい力の気配が伝わってくる。
「封帝禁域の扉か。
やはり、質が違うな」
十三帝の封印領域であり、今はあいつらの領域。
この封印鍵を開く事ができるのは……十三帝だけ。
「まだ"帝将"として認識してくれてるみたいだな」
上等だ。
「……行くか」
迷いを払い、一歩進み出る。
後ろで声が響いた。
「帰ってくるよな……『草薙』は……」
「……あぁ」
光の中へ踏み込む――
そして……
◆
~封帝禁域~
封帝帝域に到着する。
ここは十三帝将が封印された禁域の一つ――
その中ではマシな部類。
だがあまりにも異様。
空間には禍々しい、ド外れた力の理がうずまいてる。
その時、通神がはしった。
「長殿、聞こえるか」
「今、着いた所だ。
だが……進行は予想以上だ」
「封帝禁域……凄まじいものじゃな……
これで『核』の力を全て解放したとしたら……」
「……長殿、本当に行く気か?
今のお主は力を失っておる。
その状態で、十三帝と対峙すれば……」
「いくさ。
ここでいかなければ、民は核の脅威にさらされる。」
「長殿、しかし――」
「大丈夫だ」
ナニカの言葉が口に出た。
「友達、だからな」
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