No.1172976

英雄伝説~黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達~

soranoさん

第69話

2025-08-31 01:50:00 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1314   閲覧ユーザー数:1065

 

ハミルトン邸にお邪魔したヴァン達はカトルが用意したコーヒーやお茶請けで一服していた。

 

~バーゼル・ハミルトン邸~

 

「へえ、桂皮(シナモン)珈琲(コーヒー)ってヤツか。独特の香りだが悪くねえな。」

「博士が好きで、僕もよく飲んでいてね。中東じゃ結構馴染みの味なんだっけ?」

「はい、故郷でもよく飲んでました。ミルク入りですけど…………」

「ふふっ、クセになる香りですね。」

「ああ、コイツがまたチョコレートにも合うんだ♪」

仲間達がそれぞれコーヒーの香りを楽しんでいる中、ヴァンはお茶請けのチョコレートをコーヒーに入れて飲み、その様子を見ていた仲間達はそれぞれ冷や汗をかいて脱力した。

「躊躇ねぇなコイツ…………」

「コーヒーの味を完全に台無しにする行為ですね…………」

アーロンとメイヴィスレインはそれぞれ呆れた表情でヴァンを見つめ

「甘い物好きなんだっけ?エンガディーナもそうだったけど。」

「あはは…………まあ、大目に見てください。」

甘い味に徹底しているヴァンを興味ありげな様子で見つめているカトルにアニエスは苦笑しながら指摘した。

 

「…………なんだか不思議な気分かな。いつも一人だった家が賑やかなのは。ヤン兄やエレ姉も忙しくてたまに訊ねてくるくらいだったから。」

「…………小さい頃に博士に引き取られたんだってな?」

「うん…………とある事情で。血も繋がっていない僕にも本当の孫みたいに接してくれて…………学問や技術に興味を持つようになると忙しい中、自ら指南もしてくれてさ。その頃から、博士の研究室でもある天文台に通い詰めるようになって…………天体観測を通じて、ヤン兄やエレ姉からも色んなことを教わって…………何者でもなかった僕を、”家族”の一員にしてくれたんだ。」

「…………素敵な人達ですね。」

「はい、カトルさんが留守を守りたくなるのもわかります。」

カトルの過去を知ったアニエスは微笑み、フェリは静かな笑みを浮かべて呟いた。

 

「…………でも、結果的にアウローラは壊されてリゼットさんにもあんな目に遭わせて…………どう博士に顔向けしたら…………」

「まあ、リゼットの言ってた通り、お前には大切な人間が大勢いるだろう。この機にもうちょっと周りを頼ることを覚えてもいいとは思うがな。」

「カトル、一人ジャナイ。」

「BOW。」

ヴァンの助言に続くようにFIOとXEROSはそれぞれカトルに声をかけた。

「…………うん、それは本当に痛感してるよ。FIOとXEROSを完成させた時に学んだはずだったんだけどな…………グランマ(おばあちゃん)はもちろん、ヤン兄やエレ姉、ジスカール親方…………キャラハン先生の手も借りなければきっと完成させられなかっただろうから。」

「え。」

「あのキャラハン教授も導力ドローンの製作に協力を…………?」

「ハン、ライバルだがたまに天文台に顔を出してたらしいが。」

カトルの話からFIOとXEROSの製作にキャラハン教授も関わっていたことを知ったフェリとアニエスはそれぞれ驚き、アーロンは興味ありげな様子で呟いた。

「…………昨日も言ったけど、昔はあんな風じゃなかったんだ。物理工学の第一人者にして両カルバード州軍の現世代兵器の設計者…………かつては一門のライバルとして尊敬し合い、高め合えていた存在で…………あの”アウローラ”にしたって、博士と彼が手を取り合ったからこそ――――――…………もしかして…………」

「カ、カトル君?」

「どうしたんですか…………?」

アーロンの疑問に答えたカトルは何かに気づくと突然どこかに向かって走り出し、カトルの行動にアニエスは戸惑い、フェリは不思議そうな表情を浮かべた。

 

「――――――あった…………!」

ヴァン達がカトルを追って書斎に入ると、カトルはあるほ本の写真の部分を広げていた。

「あれ、その写真は――――――」

「少し違う気もするが…………昨日破壊された中央端末か?」

「いや…………”アウローラ”には設計段階で断念された別の構想があったんだ。人間の右脳と左脳をモデルとした”ツインコアターミナル”構想―――――方向性の違う演算をさせ、連動させることで人の思考に近い処理を実現するという…………予算の都合で見送りにはなったけど対になる試作器が存在していたはず…………!」

「!そいつは…………」

「あの中央端末のプロトタイプ版が何処かにあるということですか…………!」

カトルの話を聞いてあることに気づいたアーロンとアニエスはそれぞれ真剣な表情を浮かべ

「…………彼らの目的を考えると、中央端末を破壊したのはおかしいという話だったわね。キャラハン教授が製作者の一人となると試作器を確保してた可能性は十分に考えられるわね。」

「そうなるとその”試作器”の行方を追えばキャラハン教授達がいる場所がわかるのじゃないかしら?」

「うん、その仮定を元に”条件”を当てはめれば候補地が判明するかも!みんな、今から言う資料を手分けして探してもらえないかな!?」

マルティーナとユエファの推測に頷いたカトルはヴァン達に自分への協力を頼み

「はいっ、モチロンですっ!」

「指示してください、カトル君…………!」

「ハン、メンドくせーがしゃあねぇ。突き止められなかったらマッパでストリーキングでもしてもらおうか?」

「アーロン、貴方ね…………」

カトルの頼みにフェリとアニエスがそれぞれ答えている中冗談交じりで口にしたアーロンのカトルへの罰にヴァン達がそれぞれ冷や汗をかいて脱力している中マルティーナは呆れた表情で頭を抱えた。

「はいはい、いくらでもどうぞ。それじゃあアニエスさんはこのあたりの七耀脈の分布図を――――――」

「チッ…………すっかり調子を取り戻しやがって。」

「うふふ、貴方よりよっぽど大人じゃない♪」

対するカトルはアーロンの言葉を軽く流してアニエス達に指示を始め、その様子を見て苦笑しているアーロンにユエファはからかいの表情で指摘した。

 

その後カトルはヴァン達の協力によってキャラハン教授達の潜伏場所の最有力候補を見つけた。

 

「”オールト廃工場”。――――――多分、ここだ。」

「旧世代のガンシップの研究開発が行われたっつう場所か。老朽化で閉鎖されたそうだが…………”可能性”はどのくらいある?」

地図に印(しるし)を付けたカトルにヴァンはキャラハン教授達がいる可能性を確認した。

「87――――――いや90%かな。ネット網と供給網の揺らぎの波形…………七耀脈の分布と照らし合わせた。加えてアウローラ並みの端末を隠しつつ導力ネットにもギリギリ干渉できる座標…………バーゼル近郊の他のどんな場所――――――唯一の例外である”オージェ要塞”を除いて比較してもここしか考えられないと思う。」

「ハッ、言い切りやがったな。」

「ですが入手したどんな情報とも矛盾していないのは確かです…………!」

「人里離れた廃工場…………アルマータの潜伏場所として相応しいかと。」

カトルの説明にアーロンが感心し、アニエスとフェリがそれぞれ納得するとヴァンがカトルの頭を撫でた。

 

「わわっ…………?」

「やるじゃねえか、少年。これならあの天才教授も合格点をくれるんじゃねぇか?」

「…………はは、どうかな。あくまで”仮説”―――――後は足を運んで検証してみないと。」

ヴァンの称賛にカトルははずかしそうに笑いながら答えた。

「ま、ここまで来りゃあ後は突っ込んでみるだけだろ。」

「はい、午後2時…………あまり時間もありません!」

「ギルドやGID、エースキラーや先輩達にも一応連絡した方がよさそうですね。」

「オールト廃道は都市外の最下層、封鎖されたゲートの向こうにある。僕のカードなら通れるはずだからいつでも行けるよ。」

「わかった――――――そんじゃあ諸々準備できたら早速に向かうぞ。」

そしてギルドにGID、レン達にオールト廃道へ向かう事を連絡するとエースキラー――――――セレーネの方から合流と共闘の申し出があった為、その申し出を受けたヴァン達は準備を整えた後待ち合わせ場所であるオールト廃道へと向かった。

 

~オールト廃道~

 

「ハン…………大分荒れてやがるな。転がってるのはガンシップのパーツか?」

「随分と苔むしてますね…………確かに何年も使われてないみたいです。」

「僕も来るのはほとんど初めてかな。地質調査によれば、この一帯の地下には大規模な七耀脈が通っているらしいけど…………」

初めて訪れる廃道にアーロンやアニエス、カトルが周囲を見回している中何かを見つけたフェリがヴァンに報告した。

「ヴァンさん、これ…………」

「大型運搬車のタイヤ痕か。比較的新しいな。…………どうやら相当、重い物を運び込んだみたいだが。」

「それって…………」

地面についているタイヤ痕を調べて呟いたヴァンの推測を聞いたアニエスがゲネシスを取り出すとゲネシスは光を放っていた。

「当たり――――――だな。」

「…………この現象が…………」

「はい――――――あの時見かけたものと共鳴しているんだと思います。」

初めて見るゲネシスの反応を目を丸くして見つめているカトルにアニエスは昨日の出来事――――――何らかの装置に嵌め込まれていたゲネシスを思い返して答えた。

 

「エースキラーの連中はまだのようだが、どこで道草食ってんだ?」

「フフ、お待たせてしまったようで申し訳ございませんわ。こちらに来る前にサフィナ総督閣下から連絡がありまして、その対応の為に少々時間を取ってしまったのですわ。」

セレーネ達が到着していない事についてアーロンが口にしたその時、セレーネの声がヴァン達の背後から聞こえ、声を聞いたヴァン達が振り向くとセレーネ、レジーニア、アンリエットがヴァン達に近づいてきた。

「アルフヘイム卿、それにレジーニアさんとアンリエットさんも。」

「俺達も今来たばかりだから気にすんな。それより南カルバード総督から連絡があったとの事だが…………」

「大した話じゃないよ。君達も既にジスカール技術長から”新型兵器”の部品が行方不明になっている話は聞いているだろう?あたし達も工房を訊ねてその情報を知ってレン皇女を通じてマーシルン総督に報告した後、マーシルン総督から『敵はその行方不明になった部品を組み立てて”新型兵器”もしくは何らかの”兵器”を君達やあたし達への迎撃としてぶつけて来る可能性も考えられる』から気を付けろという警告だよ。」

「レ、レジーニアさん。”当事者になる可能性が高いヴァンさん達にとって”は、とても聞き流せる話ではありませんよ…………」

「って、オイ!?そこの幽霊学生の言う通り大した話じゃないどころか、俺達にとって滅茶苦茶重要な話じゃねぇか!?」

ヴァンの問いかけに対して”大した話ではない”と前置きをしていながら実は重要な話であったレジーニアの話にアンリエットは冷や汗をかいて困った表情でレジーニアに指摘し、ヴァン達がそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アーロンは思わず声を上げてレジーニアに指摘した。

 

「工房も”行方不明になった新型兵器の部品”がどのくらいか把握できていないとの事ですから、言われてみればマーシルン総督閣下の警告は十分に考えられ事態ですね…………」

「うん…………しかも”新型兵器”の開発に関わっていなかったとはいえ、AI化したキャラハン先生なら”新型兵器”の構造をすぐに理解して組み立てる指示を出す事も容易…………いや、AI化という自分自身で機材を操作して組み立てる事もできるだろうね。」

「ったく、生身で”兵器”との戦闘とかマジで勘弁して欲しいぜ。――――――”兵器との戦闘”なんざそれこそ、セレーネお嬢さんの”お兄様”の専売特許じゃねぇか。」

不安そうな表情で呟いたアニエスの言葉に頷いたカトルは考え込み、溜息を吐いたヴァンが疲れた表情でセレーネを見つめて指摘したその時

「ハハ、”エースキラー”には俺以外にも”起動者(ライザー)”がいますから、”兵器との戦闘は俺の専売特許”じゃありませんよ。」

セレーネ達の背後からリィンが苦笑しながら現れてヴァン達と対峙した。

 

「え…………えええええええええええええっ!?あ、貴方は…………!」

「エ、エレボニア総督――――――”灰の剣聖”リィン・シュバルツァー総督閣下…………!?」

「あ、貴方が3年前の”大戦”を終結に導いた”現代のゼムリアの大英雄”と名高いあの………!」

「ハッ、まさか噂の大英雄サマとこんな形で会う事になるとはな。」

リィンの登場にカトルは一瞬呆けた後信じられない表情で声を上げ、アニエスとフェリは驚きの表情でリィンを見つめ、アーロンは鼻を鳴らして真剣な表情でリィンを見つめ

「ハハ…………――――――初めまして、アークライド解決事務所の助手の皆さん。君達も知っての通り、俺の名はリィン・シュバルツァー。”エレボニア総督”を務めながら”エースキラー”の一員として、アルマータの事件を追っている。――――――お久しぶりです、ヴァンさん。」

アニエス達の反応に苦笑したリィンは自己紹介をした後ヴァンに声をかけ

「ああ、セレーネお嬢さん達同様3年前の”親睦会”以来になるな、リィン。」

声をかけられたヴァンはアニエス達の反応を推測できていたのか、アニエス達を見回した後頭をかいて苦笑しながら答えた。

「なあっ!?ヴァ、ヴァンさん、シュバルツァー総督閣下と知り合い同士なの…………!?」

「シェリド公太子殿下の話でヴァンさんとシュバルツァー総督閣下の関係についてある程度の予想はできていましたが…………」

「まさか灰の剣聖様と直接的な知り合いだなんて、さすがはヴァンさんです…………!」

「ハン、道理でエルザイムの公太子がオッサンの経歴もそうだが、伝手にも目をつけるワケだぜ。」

リィンとヴァンの会話を見守っていたカトルは再び信じられない表情で声を上げ、アニエスは目を丸くし、フェリは尊敬の眼差しでヴァンを見つめ、アーロンは意味ありげな笑みを浮かべてヴァンを見つめた。

「ったく…………”A”の件以外にも俺もそうだが助手達もお前さんに聞きたい事はあるが、それらについては目的地に向かいながらでいいか、リィン?」

「ハハ…………ええ、構いません。」

予想通りのアニエス達の反応に溜息を吐いたヴァンは気を取り直してリィンに訊ね、訊ねられたリィンは苦笑しながら頷いた。

 

こうしてリィン達と合流したヴァン達は”オールト廃工場”へと向かい始めた――――――

 

 

 

 

という訳で予想できたと思いますがバーゼル篇での終盤でリィンがスポット参戦ですwそれともうすぐ空の軌跡のフルリメイクが発売されますが、私はSCのフルリメイクが発売されるまで買わないつもりです。そもそもシナリオはPC版のSCとのセットを買ってプレイした時に最初からわかっていますし、空の軌跡はFCだけだとどうしても続きが気になる為SCとセットで買った方が精神的な意味で安定しますので(それを言ったら閃1,3も同じですが(オイ!))まあ、それ以前に空の軌跡フルリメイク発売されるまでにスパロボ最新作やドンキーコングバナンザを終わらせる事すら無理でしょうし、10月に入ればポケモンにドラクエ、更に11月にはエアライダーが………(遠い目)


 
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