全ての封印の鍵が揃った。
学院の奥、忘れ去られた廃墟へと歩を進める。
ここに「旧校舎があった」と言う者はいない。
記録にも残らぬはずの場所。
――だが、確かに“ここ”にある。
「…………」
(鍵を取り出す)
(光)
それはまるで意思を持つかのように脈動し、手の中で蒼白に煌めいた。
鍵は宙へ浮かび、他の鍵と呼応する。
次の瞬間――
空気が、世界が、反転した。
空が揺れ、地が軋み、建物は輪郭を失い“揺らぎ”始める。
重苦しい圧が空間を満たし、視界に裂け目が走った。
異界へと通じる力。
そして――目の前に扉が現れた。
それは“異界扉”。
幾重にも張り巡らされた法定式による隠蔽。
学院の奥に潜む存在を覆い隠すために仕組まれた“結界”。
(十三帝将……)
彼らは強大すぎる力と共に、生死を問わず異界へ廃棄された。
最後の決戦で滅んだ“最凶”を除いて。
(……ある。これは、あいつらの……異界の理……)
異界の扉から溢れる気配は確かに“彼ら”のもの。
ただ一つ違うのは――それが異界の色に染まり、すでに「己の力」と化していることだった。
「……行くか」
無道が一歩進み出る。
彼の手に反応するように扉は照合し、鈍い光を放った。
光の中へ踏み込む――
◆
※別視点
◆
そこに広がっていたのは、懐かしくも歪んだ光景。
帝令学院、旧校舎。
奥から漂うのは、帝令女戦闘員たちの気配。
先ほどまでの甘く誘う微笑みは、草薙を油断させる策略。
ここから先に現れるのは、十三帝将に忠誠を誓う冷徹な戦士としての本性。
旧校舎は戦場となるだろう。
~関連~
全体公開
目次
2024年1月11日 23:59
目次補足会 十三帝将 ~ 戦いは激しい。 異界の迷宮。 未踏のダンジョン。 異空の空。 荒れ狂う海の迷宮。 魔物に滅ぼされた地。 そこに潜むは凶の敵。 〜あなたは数々の困難に挑む〜
風の旅人@ハーレム王強化開発室~小説、ボイス、全年齢。物語強化
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