「――十三帝将」
「!?」
「それともこういった方がいいか?
『核兵器』とな」
「……」
沈黙が一瞬、張り詰める。
だが――次の瞬間、彼女の唇が艶然と笑みに歪む。
「ふふっ……ふふふふふ……」
十三帝将、その言葉に、彼女の瞳がわずかに細められる。
空気が、ピリリと緊張を帯びた。
「あははははははははははっ!」
澄んだ、狂ったような笑い声が響いた。
嘲笑か、賞賛か。あるいは、哀惜か。
その声音からは、どれも確信はできない。
ただ底に眠る狂気が露出していた。
笑った後に、彼女はゆっくりとこちらを見た。
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「……面白い事をいいますね。
旧校舎に核兵器、ですか?」
「十三帝将は核武装している」
「えぇその通りです。
肉体に『核』を埋め込んだ超神。
核兵器と呼ばれる超越者……それが十三帝将です。
日本が神聖国リュシオンとの戦争に勝つために……彼らは絶大な力を手にしました」
そして彼女は重々しく続けた。
「でも……日本は戦争に負けました」
言葉の端に宿る、苦い記憶。
彼女はただ、静かに目を伏せた。
「…………」
「そして彼らは裏切られた……この国に……この民に!」
揺るぎない言葉。
美しい瞳の奥にあるのは怒りと深い哀しみが交わっていた。
だが……
「彼らは帰ってきます、墜ちた英雄として。
この国に……世界に復讐するために」
一瞬、時が止まる。
あらゆる音が消え、世界が一瞬、その息を潜めた。
「……」
彼女は、淡く微笑んだ。
「……冗談、ですよ。そう怖い顔をしないでください。
帝令の地が十三帝将の施設だったのは戦時中の事です」
優しい視線で彼女は旧校舎跡を見た。
「ここは残骸です。かつての誇りも力も失った……この国と同じです」
その声音は、どこまでも静かで、どこまでも冷たい。
だがそこには、過去への憐憫と、今への侮蔑が共存していた。
彼女は、くすりと笑った。
「……いけませんね。敬意を欠いた物言いでした。先人は敬わねば。
そうでないと……」
彼女は顔を近づけた。熱を感じるような距離で警告するように。
「――恐ろしい事になりますから」
艶やかな唇から漏れる危険な言葉。
それはこれから起こる事を予感させた。
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