No.1167781

女装したお化けに注がれた酒は美味しいか?

新人さん

醍醐天皇を呪詛したと して 藤原時平に冤罪をかけられ 九州に左遷され京の都を去ることになった菅原道真は、去り際 庭の梅の木に「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」 という和歌を詠んだ話は有名だ。しかしこの時「京都の人々が 女性に変装して ひそかに酒を酌み交わし別れを惜しんだ」という話が、何故か 京から遠く離れた山形にだけ伝わっていたようなのだ。話というのは、又聞きを繰り返すうちに内容が変化していくからだと 僕は思うのだが、その伝聞にならい 女装して酒を注ぐという奇祭が山形県鶴岡市にあるという。祭りは鶴岡天神祭(化けものまつり)といい、毎年5月25日に鶴岡市の鶴岡天満宮で行われている。化けものに扮した姿で 3年間 誰にも知られずに鶴岡天満宮でお参りすると 願いが叶うと言われているようだ。  名前が似て非なる神社には鎌倉の鶴岡八幡宮がある。八幡宮は武運や厄除けを願う神様を祀る神社であり、天満宮は学問の神様菅原道真(天神様)を祀る神社だから、明確な違いがある。武と文では全く御利益も異なるので お参りに行くなら気を付ける必要があるだろう。試合の祈願と試験の祈願は違うのだ。 全国に天満宮は多いが、その理由は 菅原道真が903年に亡くなり 道真の敵扱いにされた藤原時平が909年に亡くなり、そして 930 年に醍醐天皇が崩御されると 周囲に病気や事故で亡くなる不幸が立て続けに起きたそうだ。そのため朝廷は菅原道真の怨念のせいだと考えたらしく、道真を鎮魂するために全国に天満宮を作らせたというのだ。現在は約 12,000 社の天満宮があるらしい。中でも福岡県にある太宰府天満宮, 京都の北野天満宮, そして山口県の防府天満宮の3社は三大天満宮と呼ばれている。道真の鎮魂が目的だから本社というものはないようだ。 一方八幡宮の方は 八幡神(源氏の氏神として信仰され のちに武家の守護神とされる。一般的には応神天皇を主座とし 神功皇后 比売神(ひめがみ)または仲哀天皇を合わた三神)を祭神とする神社で、八幡神社、八幡社、八幡さま、とも言われている。大分県宇佐市の宇佐神宮を総本社としており、古代より全国に創建されて現在では約44,000社もあるそうだから、日本人はとても戦いが好きらしい。因みに 伊勢神宮をはじめとする天祖神社は、最高神の天照大神を祀る神社で、皇室の祖神として 全国に75社が祀られていて、重要な地位を占めているらしい。 他にも日本には多くの神社があるが、鬼まつりはあっても 化け物まつりを行っているのは鶴岡天満宮だけのようだ。だから奇祭であるのは間違いない。他の天満宮では聞いたことが無いから 鶴岡に伝わる故事は眉唾物だとも思えるが、祭りは楽しければ良いのだ。しかし今の時代は 祭りとは関係なしに どこにでも女装している男はいる。女装した祭りを化け物まつりと呼ぶことで SOGIハラスメントにならないかと心配に思ってしまう。

2025-05-25 14:19:28 投稿 / 978×734ピクセル

2025-05-25 14:19:28 投稿
総閲覧数:70 閲覧ユーザー数:70
978×734ピクセル

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択