No.114581

真・恋姫無双  江東戦記 第4記・反董卓連合-4

赤銅さん

間が1月以上空いてしまいましたがようやく反董卓連合も最後です。
しばらくは月毎の投稿になると思いますが最後まで書ききれるようがんばります。

12/29・一部書き直し。
闇羽様、だめぱんだ♪様ありがとうございます。

2009-12-26 19:40:11 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:9754   閲覧ユーザー数:6506

 

虎牢関からの強行行軍より1日が過ぎ、遂に洛陽の姿が目で見れるようになった。

 

そしてこの戦いの幕を落とす最後の仕事が残っていた。

 

 

 

「…静かだな」

 

「……ええ、全く警戒されてる感じがないわ」

 

「なあ霞、内部で何かあったと考えられるか?」

 

俺は先ほど劉備軍に降った張遼(すでに真名は預けてもらった)に尋ねてみた。

 

「ん~~、もしかしたら涼州に帰るつもりなんかなぁ?」

 

「え!? 涼州に?」

 

「いまさら洛陽を捨てるというのか?」

 

たしかに今、洛陽を持っていても董卓にしたらただの重しにしかならない。

だったら諸侯の前の洛陽というエサを置いて自分は故郷に帰るか……。

 

しかし……。

 

 

「それでホントにこの戦いが終わるんでしょうか?」

 

明命の言葉は此処に居るみんなが思っている事だろう。

そしてその答えは…。

 

「まず、無理だろうな」

 

静かに冥琳が答えた。

 

「世論はすでに董卓を悪としている。

 逃げた所で董卓は追われ続け、今回の戦を収めるための贄にされるだろう」

 

「「「!!」」」

 

ざわつきが見える、皆頭で分かっていても言葉にされると見えてしまったんだろう。

 

 

「だったらなおさら早く一刀さんの作戦を実行しなきゃ!」

 

重くなった空気を振り払うように桃香が声を出した。

 

「そうだな…」

 

「そうなのだ!」

 

「そうです!」

 

「皆おおきに……」

 

周りからも答える様に声が上がり董卓救出作戦が決行された。

 

 

 

「ぜ~~~ったい、嫌よ!!」

 

「………」

 

目の前のメガネをかけた気の強い子が大声を上げている。

理由としては大した事じゃない、かいつまんで今までの事と合わせて説明すると、

 

 

まず明命と鈴々が城内に偵察に行った。

 

 

鈴々が董卓らしき女の子とドジそうな女の子を見つけた。

 

 

霞に特徴を告げると間違いなく董卓とその懐刀の賈駆に間違いないと言われた。

 

 

そこで俺と蓮華、明命、桃香、愛紗、鈴々、そして霞で彼女達に会いに行った。

 

 

多少抵抗があったものの霞が前に出てくれた事で大人しく話を聞いもらい。

 

 

結局死んだ事になって劉備の軍に身を寄せてくれる事。

 

 

死んだ事にする以上真名で呼び合う。

 

 

そう此処までは多少詠が反論したが月の説得もあって頷いてくれた。

ではなぜ彼女は嫌がっているのかと言えば…。

 

 

「何で軍師のボクが侍女!

 しかもこ~んなヒラヒラした〝萌趣味〟丸出しの服を着なくちゃいけないのよ!!」

 

………よく〝萌〟なんて言葉を知っているな。

第一意匠は俺の趣味なんかじゃないんだからね!

 

 

「ん~~~、この服可愛いと思うんだけどな。

 愛紗ちゃんはどう思う?」

 

「え! そ、その私にこんな可愛いのは似合わないといいましょうか……」

 

「え~? 愛紗は何着てもよう似合うとるって。

 それにしても月はほんま可愛ええな~」

 

「へうぅ…、あ、ありがとうございます……」

 

「あうぅ……、とっても可愛いです。

 お猫様以外でこんなにモフモフ衝動に駆られたのは初めてですぅ~~。

 …蓮華様も着てみたいですか?」

 

「な! 何故孫呉の姫である私が侍女の服など!!

 け、けど一刀がどうしてもと言うのなら着てあげても……」<ボソ>

 

 

「………」

 

「にゃ~、早くしないと袁紹達が追いついてきちゃうのだ」

 

……この中で一番状況が分かってるのは一番子供っぽい鈴々のようだ。

 

 

 

結局詠も(霞に強制的に)メイド服に着替え。

それぞれの軍で行なう洛陽の復興作業のため分かれた。

 

劉備軍は炊き出しを行ない。

 

呉軍は仮設天幕の設営を始めた。

 

また俺達が洛陽に到着してから1日遅れでやって来た魏の曹操は大長秋を経由して道路等の整備に取り掛かった。

 

 

「ふう、さすがに疲れたな」

 

天幕による仮設住宅(?)を立てた後は洛陽の治安回復のために街を回っていた。

 

「うう~、お猫様~」

 

「…別にモフモフしてもいんだけど」

 

「! だ、ダメです!!

 ちゃんと警備の任をまっとうしないとダメなのです!!」

 

「ならいいけど…」

 

「ああ…、ま、待ってくださいお猫様~~!」

 

舌の根も乾かぬうちに仔猫を追い出した明命に仕方ないといった思いで俺も跡を追った。

……はずなんだがはぐれてしまった。

 

しかたないと思って一人で見回りをする事にし、歩いていれば月達と会った付近まで来ていた。

 

そして近くから何か強い力を感じた。

 

「……これは!?」

 

力の方向に足を進めるとそこには井戸があった。

ただしその井戸から光が放たれていた。

 

「一刀!?」

 

俺を呼ぶ声の方を向くと蓮華が思春と穏をつれてやってきた。

 

「蓮華!? なんで此処に?」

 

「さっき巡回中の兵士から連絡があったのよ、妙な光を放つ井戸があるって。」

 

「それで私達が調べにきたんですよ~」

 

「お前こそなんでここに居る?

 明命はどうした?」

 

「な~るほど、でも心配いらないよ。

 危険な物じゃないから」

 

?顔になった三人を置いて俺は井戸に飛び込んだ。

井戸の底に光が放っている物が綺麗な布に包まれている。

俺は中の物を確認し、井戸から脱出した。

 

「一刀! どうだったの?

 ケガはない?」

 

井戸からでると蓮華が心配そうに駆け寄って着てくれた。

 

「心配してくれてありがとう蓮華」

 

「べ、別に一刀の事なんか……」

 

「心配してくれなかったの?」

 

「心配は…、す、少しはしたわよ」

 

赤くなってそっぽを向いてしまった蓮華だった。

 

「あの~、いい所でもうしわけないんですが~。

 結局何があったんですか~?」

 

「ん~。 そうだな、俺が天からの御遣いである事を証明する物…かな?」

 

「なんなのだ胡散臭さを証明する物とは?」

 

悪辣な思春にもいいからいいからと言ってその場を離れた。

そう、おそらくあるとは思っていたが実際に手に入るとは思わなかった。

 

天の意志、天の力と云われている〝玉璽〟を………。

 

 

 

洛陽の復興も大方の目処が着き。

俺達も荊州に戻るため、桃香に挨拶に行こうと再び蓮華、明命と共に劉備軍の駐屯所に向かった。

 

前は曹操が居て険悪な空気だったけど今回は「無礼者!!」………またこのパターンか。

 

「ああ、もう!!」

 

走って行ってみると再び曹操が夏候惇と弓を持った長身の女性。

後、鈴々ぐらいの色々小さ……ゴホンゴホン! 三人の少女を連れてやって来ていた。

 

 

「今度はなんだ!?」

 

大声を上げた俺に視線が集まり、これまた再び先頭で争っていた愛紗と夏候惇が逸早く反応した。

 

「一刀様!!」

 

「お前はほ……………、本堂!!」

 

「誰がお寺やねん!!」

 

「北郷ですよ春蘭様~」

 

本気で言ってる夏候惇につい突っ込んでしまった俺と許緒。

 

「良え、ツッコミや。

 くそ! もっと早よ一刀と出会っとたら大陸一の漫才芸人になれとったのに」

 

霞も何悔し涙流して言ってますか!?

 

 

「あら、北郷。

 私に降る気になったの?」

 

「寝言は寝てから言えよチビッコ」

 

「な! あ、あんた華琳様に何て事を!!」

 

「おのれ! ほ、本城!!」

 

ええ、もう突っ込みませんよ。

 

 

「まあ、いいわ。私は今劉備軍に新しく入った〝めいど服〟とやらを着た可愛らしい娘を向かえに来たの。

 全ての美しい少女は私の元に居て幸せになれるの。」

 

……まあ、確かに月は「何処が暴君?」って思ったほどの保護欲全開の美少女だったからな。

詠は………、まあ黙ってたら……な…。

 

しかしここで月に会わせるのは不味いし……、追い払うか。

 

 

「『私の元』ねえ…、虎牢関で袁家並みのバカにしか効かないと思っていた策に嵌った無能の元で幸せか~~」

 

「!!」

 

「なにー!!」

 

「なんだとー!!」

 

「なんですってー!!」

 

いい感じに熱くなってくれた夏候惇と許緒、あと猫耳頭巾。

 

 

 

「まあ、途中で気付いた様だけどそれも曹操本人じゃなく部下の進言からだろ。

 さしずめ……、アンタかな?」

 

俺はそう言いながらゆっくりと弓を持っている女性を指さした。

 

「なぜ私だと思う?」

 

「今、曹操の部下の中で怒り任せに反応したのは論外。

 そしてアンタは怒りを内に秘めながらも恐ろしく冷たい目をしている。

 感情は熱く心は冷静、だからアンタだと思ったんだよ。」

 

「ふむ、褒めては貰ってるようだが『アンタ』呼ばわりは失礼だと思うが」

 

「あ~、それは失礼した。

 よろしければ名を教えてくれると嬉しいんだが」

 

「我が名は夏候妙才、そして真名は秋蘭だ」

 

「しゅ、秋蘭様!?」

 

敵、ましてや今さっき主をバカにした俺に真名を名乗った夏候淵に周りの人間全てが驚いた。

 

「……いいのか真名まで?」

 

「かまわんよ。

 どうせ北郷、お前は私の得物だからな」

 

「へぇ」

 

「お前は間違いなくこの先華琳様の障害になる、だからお前は必ず私が殺る。

 自分を殺す相手の名前ぐらいは知って死にたいだろうからな。

 それとこれは私からの宣戦布告だ」

 

そう言いきった瞬間流れるように弓を構え、俺を目掛けて一本の矢を撃ってきた。

 

 

「「「「「一刀(様)(さん)!!!」」」」」

 

 

<バシ!>

 

 

俺の眉間へと一直線に飛んで来るその一矢を人差し指と中指で挟んで止めた。

 

「……なら俺からも返そうか」

 

捕らえた矢をダーツの様に持ち直し、曹操の足下目掛けて投げた。

矢は曹操の足下手前に刺さり<ビィーン>と細かく震えている。

 

 

そした秋蘭と目が合った時お互いが確信した、

 

 

目の前に居るのが俺(私)の好敵手だと………。

 

 

 


 
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