No.1144522 2年寮長が児童書の次回作が長続きしない理由を語るそうです。Nobuさん 2024-05-17 09:12:05 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:154 閲覧ユーザー数:154 |
リドル「翼の世界(角川つばさ文庫)や未来の世界(集英社みらい文庫)の移行作戦は、結局、ボク達が見た限りではほぼ失敗続きだったね」
アズール「確かに次回作のほとんどが、前作よりも早く終わってしまっています。
これは作者も編集も、移行に関してはかなり下手だと認めたようなものです」
カリム「『オンライン!』から『ウラオモテ世界!』は3巻で終わり。まあ当然だよな、『オンライン!』と似たような展開だし」
リドル「『生き残りゲーム ラストサバイバル』から『絶滅世界 ブラックイートモンスターズ』は4巻で終わったみたいだね」
カリム「『1%』から『スキ・キライ相関図』は5巻で終わっちゃったか。絵も同じだったのに、いや、絵が同じだったからかな?」
アズール「そうですね。内容が前作と似ていたからでしょう」
リドル「『いみちぇん!』から『星にねがいを!』、『恐怖コレクター』から『怪狩り』、
『こわいもの係』から『キミト宙へ』はいずれも前作より短い7巻で終わったようだね」
カリム「『オンライン!』は引き延ばしに引き延ばしてやっと27巻で終わったけど、『生き残りゲーム ラストサバイバル』は20巻まで続いてる」
アズール「『1%』は16巻で終わりましたね」
リドル「『いみちぇん!』は19巻で終わったし、『恐怖コレクター』は23巻まで続いてるし、
『こわいもの係』は14巻で終わったから、確かにみんな、早く終わってるようだ」
カリム「じゃあ前作も次回作も10巻以上続いた成功作って?」
アズール「スピンオフ以外ですと、僕が確認した限りでは『こちらパーティー編集部っ!』から『スイッチ!』のみですね」
カリム「マジかー……。でも、どうしてなんだ?」
アズール「恐らく、構造は同じですがコンセプトが異なるからだと思います。
『こちらパーティー編集部っ!』は、パーティーという雑誌を復活させたい明るく活発な女子が主人公です。
一方で『スイッチ!』は児童書では珍しく男子が苦手な女子主人公が、男子アイドルのマネージャーになるというお話です。
そういう変わった設定が、成功の理由ではないかと僕は推測します」
カリム「じゃあリドル、『キミト宙へ』は前作とジャンルが全然違うのに、どうして前作の半分の巻数で終わっちゃったんだ?」
リドル「ボクなりに解説しよう。まず、主人公のポップが地味すぎて、剣術大会準優勝という実力はあるのに活躍した描写が全然ない。
それと、どうせ冒険ものを出すなら、ネージュのようなライバルや、エース達のような親友も出してほしかったね。
それに、前作にも登場したこわいもの係を出したのが、『キミト宙ヘ』にとどめを刺した要因だったとボクは思うよ」
アズール「それでその作者の三作目を見ましたが、全て前作、前々作と似たような題材でしたね。
『しゅご☆れい探偵』は地味な主人公が不思議な子と共に事件を解決しますし、
『レジェンド☆ファイブ』は地味な女子がゲーム世界で『えー!』というほど事件に巻き込まれますし、
『サバイバー!!』は男子と女子のコンビが困難に立ち向かいますし、
『海斗くんと、この家で。』は、大人しい女子がヒーローと恋仲になる話ですし、
『呪ワレタ少年』は男子の主人公が都市伝説が蔓延る町を旅する話ですし」
カリム「案の定だよな」
アズール「『海斗くんと、この家で。』は、絶対に叶わない恋というキャッチコピーが『1%』と被っていますし、
『呪ワレタ少年』は骨組みと主人公の性別や性格が『恐怖コレクター』と被っていますので、僕はもう三作目には期待していません」
カリム「勝手に期待するお前が……」
アズール「何か言いましたか?」
カリム「ナンデモアリマセン」
リドル「……まあ、それはそれとして、こんなに似たような作品が続いたら、作者にはこう言いたくなるよ。『キミが書きたいネタはそれだけ?』って」
カリム「リドル、酷いなぁ」
リドル「同じような作品が何度も続けば、こう言うしかないだろ。それとも」
カリム「リドル、これ以上そんな事を言ったら、消されるぞ!」
リドル「……仕方ないね」
カリム「それじゃあ、辛気臭い話は無しにして、オレの番!
『少女マンガじゃない!』から『ぜったいバレちゃいけません!!!』と『ソライロ♪プロジェクト』から『時間割男子』はその逆だよな。
前者は6巻で終わったけど、後者は10巻以上続いてる」
リドル「前作が短命でも次回作は長続きか。これはどういう事だ?」
アズール「どうして長続きしなかったのかを反省したからだと思います。どちらも、女子が男子のために頑張る、というのが人気の要因だと思います」
リドル「編集はこの二人の作者の失敗と反省を分かってない奴だよ」
カリム「うーん、編集とか、オレにはよく分かんないんだけど、反省はしたいって思う」
アズール「では、もしもあなた達が作者の立場なら、それぞれの次回作はどうしましたか?」
カリム「オレだったら『ウラオモテ世界!』の次回作は男子を主人公にしてゲーム世界じゃないものにするし、
『星にねがいを!』の次回作はコンビじゃなくて、四人一組の主人公にする!」
リドル「ボクなら『キミト宙ヘ』の次回作は、主人公をもっとかっこよく描くね。
たとえ編集が『主人公を地味にしろ』と言っても、それに従わないのが正しいんでね」
アズール「では、僕からはこんな提案をしましょう。長くなりますが、ちゃんと聞いてください」
カリム&リドル(ごくり……)
『スキ・キライ相関図』の次回作:ホームランハート!
リトルリーグに所属する唯一の少女が主人公。
恋はした事がなかったが、少年が少女のためにお弁当を作った事で、少しずつ彼に惹かれる。
主人公は男勝りで、自分の意見をはっきり言えるが、失敗を根に持つタイプ。
少年は心優しく家庭的な性格で、失敗しても何とかなるさと言えるタイプ。
『怪狩り』の次回作:魔法の守り手
生まれつき強い魔法力を持った少女が主人公。
世界各地に現れるモンスターを、選ばれた仲間と共に退治していく。
アズール「以上が、僕なりに考えた『スキ・キライ相関図』と『怪狩り』の次回作です」
カリム「おー! ナイトレイブンカレッジは男子校なのに、よく言えたな! 流石アズール!」
アズール「作者の作風を確認した上で、こんな感じの方がいいと思いましたから。
しかし実際にそうならなかったため、児童書作家も編集者も、能力はたかが知れたものですね」
リドル「しかもプロの児童書作家や社会に出ている編集者がこれだもんね。アマチュア作家で挑戦するのが正しいと思うんだけどな」
カリム「それじゃあ、オレ達2年寮長が、児童書の次回作が長続きしない理由を結論するぜ!」
リドル「ボク達はただの一読者。児童書だから内容は子供に寄り添うものばかりなのも分かってる。
所謂『大きいお友達』と呼ばれる読者が『期待外れだ!』と失望するのも身勝手なのも分かってる」
アズール「ですが、作者はそういうものを専門に書いていき、それ以外のものを調べない。良く言えばやり込んでいて、悪く言えばネタ切れ。
編集もそういう風に彼らを導いている。児童書の作家や編集者は、そういうものだと認識しておきましょう」
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※薔薇族向けではありません。
※あくまで私の意見を代弁しただけですので、不快になっても責任は負いません。
どうして児童書の次回作が長続きしないのかを、彼らに語ってもらいました。