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聖剣伝説2 another 第13話 ~最大のピンチ~

※全90話程度。オリキャラ・独自設定多数。
 聖剣2の世界観・キャラを使った、オリジナルストーリーに近いです。
 聖剣シリーズ以外の要素も、度々登場します。

※pixivにて完結済の、同タイトルの作品の再掲です(ごく一部に修正点あり)。

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2023-06-24 18:30:17 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:141   閲覧ユーザー数:141

第13話 ~最大のピンチ~

 

<黄金島から北東の島>

 

目的地についた巨大鳥は、和樹と姫花を乱雑に振り落とす。

 

ブンッ ドサァッ!

 

和樹「いたたっ…!」

姫花「ちょっと…!そんな乱暴な下ろし方ある!?」

 

グルーロード「…フン。余計なものまで 連れてくる気はなかったのだがな」

 

ヒュオッ

 

グルーロード「まあいいだろう。

       いずれは全員 消すのだからな」

和樹「!?ここで戦う気か…!?」

グルーロード「当然だろう。その為に連れてきたのだぞ?

       孤立させて1人ずつ 確実に始末する為にな」

 

姫花「……!!それが、あんた達のやり方なの…!?」

グルーロード「…部下を連れてきていないことを

       せめてもの情けと 受け取って欲しいのだがな。

       まあ、何とでも思うがいい。

       これは上からの命令でな。残念だが、

       もうお前達と遊んでいる場合ではなくなったのだ」

 

和樹「上…って?」

グルーロード「知る必要はない。

       お前達が今すべきことは ここで生涯の幕を閉じることだけだ」

ザッ ザッ

 

グルーロード「言い残すことでもあるなら 聞いてやるぞ」

和樹(…本気で殺る気だ…!)

 

姫花(和樹、どーすんの!?戦う、逃げる!?)

和樹(に、逃げるって言っても…!)

姫花(……そうだね。すごく小さな島みたいだし、逃げ場なさそう…

   でもあんた、あいつに勝てる…?

   もうあの技、出せないんだよね…)

和樹(……)

 

ザッ ザッ

 

和樹(ランディさんはいない、他のみんなもいない…

   誰にも頼れない……)

 

ザッ ザッ

 

和樹(俺が………俺が守らなきゃ……姫花ちゃんを!!!)

 

パアアアァッ

 

グルーロード「むっ?」

姫花「か、和樹…!それっ…!?」

 

カアアアアアァッ

 

和樹「波・動・弾ッ!!」

グルーロード「ぬうううう!?」

 

ゴオオオオオッ ガキイイイイッ!!

 

和樹が渾身の力で撃ち出した光弾を、グルーロードは剣で受け止める!

 

姫花「和樹……和樹、すごいよ和樹!!」

和樹「あはははっ…で、できたっ…」

 

ドサッ

 

姫花と、膝から崩れ落ちた和樹の2人は、勝利を確信して光弾を見守る。

だが……

 

グルーロード「くっ…ぬうううううん!!?」

姫花「えっ?ちょ、ちょっと……」

 

ギリッ……ギギギギギギギギッ

 

グルーロード「ぬううっ…おおおおおおおっ!!!」

 

ガギッ バシイイイィィンッ!!

 

光弾の圧に必死に耐えていたグルーロードは、

ついに光弾を 後方へ弾き飛ばしてしまった!

 

バギンッ! カランカラン…

 

グルーロード「はっ…はあっ…」

和樹「う……ウソ…だろ…?」

 

グルーロード「くくくっ…剣が折れてしまったな。

       流石の威力といったところか…」

姫花「なん……で…?」

グルーロード「愚かだな。

       同じ技を バカ正直に正面から撃って

       二度も通用すると思ったのか?」

 

ザッザッ スッ

 

グルーロードは、柄だけになった剣を投げ捨てると

折れた刃を拾い上げる。

 

グルーロード「ウォーズラーから、お前がその技を使えなくなったと聞いて

       まさかと思っていたが…

       くくく、受ける覚悟をしておいて良かったよ」

和樹「……くっ!」

グルーロード「さて…もう動けないようだな。打つ手なしか?」

 

ザッ ザッ

 

折れた刃を手に、無慈悲に再び近づいてくるグルーロード。

姫花(和樹が……あの和樹が、あれだけ頑張ったんだ…

   ……あたしが、あたしが何とかしなきゃ……!!)

 

クルクルクルッ ビュンビュンビュン!

 

グルーロード「!!!」

姫花「エンジェルバスタール!!」

 

姫花が目の前で 鞭を大きく回転させると、

鞭から金色の、極太のビームが照射される!

 

ゴオオオオオッ!!

 

グルーロード「はっ!!」

 

ババッ ズザザザアァッ!

 

姫花(!!?は、はずした…!?)

 

グルーロードは 凄まじい瞬発力で瞬時にバク転をし、

ギリギリの所でビームを回避した!

 

グルーロード「くくくく…想定していなければ

       避けられない攻撃だったぞ…見事な技だ」

姫花「……!!」

 

グルーロード「お前達の他の仲間も

       強力な技を使ったと聞いていたのでな…

       くくく、切り札が一つだけのはずはないと思っていたぞ…

       それも流石に打ち止めか?」

姫花「……」

 

ドサァッ

 

姫花「はっ……はあっ、はあっ……!!?」

 

姫花(何これっ…校庭10周、全力疾走したみたい…!?

   もう一歩も動けない…!!)

グルーロード「…どうやらそのようだな」

 

ザザッ

 

2人の目の前まで来たグルーロードは立ち止まり、刃を振り上げる。

 

ガタガタガタガタ

 

姫花「……!!い……いやっ……」

グルーロード「……」

姫花「お、お願い、やめて……ま、まだ…まだ死にたくないよっ…!!」

 

ポロッ ポロポロッ

 

和樹(……っ!!姫花ちゃんっ…!!)

 

グルーロード「…フン、泣いて命乞いか。所詮は子どもだな。

       だが悪く思うな。恨むなら、己の運命を恨むのだな」

 

カツン

 

グルーロード「…ん?」

 

カツン カツン

 

地面に這いつくばりながら、和樹の投げつけた石が

1つ、また1つ…グルーロードの足に当たる。

 

和樹「はな……れろ」

グルーロード「……」

和樹「……姫花ちゃんから……離れろ!!」

姫花「…か………ず、き……」

 

バギッ!

 

和樹「ぐふぅ!?」

 

グルーロードに顔面を蹴り飛ばされた和樹は、為す術なく地面を転がる。

 

グルーロード「……フン。和樹といったか?

       ならば望み通り、お前から殺してやろう」

和樹「ぐ……あ、ぐ……」

姫花「!?や、やだっ、やめて!!」

 

グルーロード「お前のその精神力に敬意を表し、

       一瞬で楽にしてやろう」

姫花「いや、いやいやっ……やめてお願いっ…!!!」

 

姫花(パパッ、ママァ……ランディ、ちーちゃん……!!

   誰か、誰か助けてっ……!!!)

 

最早指の一本すら動かせない和樹に、グルーロードの凶刃が襲いかかる。

 

グワァッ

 

                     (続く)


 
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