No.1102201

【サイバ】アニ飯【交流】

古淵工機さん

2022-09-11 10:31:25 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:418   閲覧ユーザー数:382

営業時間終了後のカルチャースクエア天空。

そのオフィスの片隅にあるキッチンに二人の男が立っていた。

 

「ふぅ、これで出来上がりでござるな」

「独自解釈も入ってはいるでござるが……おおむね再現できたでござろう」

 

彼らはカルチャースクエア天空の社長・部田と副社長・八木。

この企画の読者ならまぁ知らない人はいないであろうオタク界のカリスマである。

オフィス内の小さなダイニングルームには縁天大明神の祭神三柱である美兎、小夜、輝弓、宇宙堂無線店主の星川宇宙、

ツヅヤ堂カメラ店主の堤谷眞金、そしてカルチャースクエア天空の経理担当である篠崎が座っていた。

 

「いやあ、お待たせいたした」

「今回のは自信作でござるよ」

 

部田と八木が出来上がった料理をテーブルに持ってくる。

すでに食欲をそそる香りが漂っていた。

「すごい……もうおいしそうな香りが……!」

「今日の料理はいったい何なの?」

「ぼくもう待ちきれないよ」

 

真っ先に声を上げた三女神に、部田は答える。

 

「デュフフフフ、今回はとあるアニメの劇中に出てきた料理を再現してみたのでござる」

「今回は先日再放送していた『冒険少女チアフル涼狐(りょうこ)』第18話に出てきたアレでござるよ」

 

そのワードに食いついたのは篠崎。

 

「第18話のアレ!よう知ってますわ!……涼狐ちゃんとその友達の凛狸(りり)ちゃんが旅先のレストランで頼んだアレですね!?」

冒険少女チアフル涼狐。198X年に放送していたというテレビアニメだ。

キツネ型の少女・涼狐とタヌキ型の少女・凛狸が財宝や自然の神秘を求めて世界各地を冒険していく物語である。

第18話はドイツの伝説にある『ライン川の黄金』を探す旅に出ていたのだが、その道中で腹を減らした二人が

レストランである料理を注文するのであった。それが……。

「『肉団子とジャガイモのスープ』と『チキンカツ』でござる。ちなみにこれは劇中の呼び名でござるからして」

「現地では『カトッフェル・ズッペ』と『ヒューナー・シュニッツェル』と呼ぶらしいでござるな」

得意げに語る部田・八木。

 

するとコスモが質問する。

「なるほどのう。しかしお二方が料理好きというのはワガハイ知っておるのじゃが……ドイツ料理も作れるのかの?」

「いや、普段はチャーハンとかオムレツぐらいしか作らないのでござるよ」

「今回はドイツ料理ということもあって『フローエ・ツァイト』のカール殿とルイーゼ殿ご夫妻よりアドバイスをいただいた次第」

 

その話を聞いた眞金と篠崎。

「なんか、この人たちは行動力もさることながら人脈もすごいような」

「ホンマやな……」

 

「さて、用意ができたところで」

「皆の衆、いただくと致しましょうか」

「「「「「「いただきます!」」」」」」

 

アニメの中で出た料理……『アニ飯』による夕食会が始まったのだった。


 
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