No.1099795

恋姫英雄譚 鎮魂の修羅45

Seigouさん

焦眉の修羅

2022-08-10 17:45:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1251   閲覧ユーザー数:1102

虎牢関第三陣が終わり、虎牢関に撤退した一同を待っていたのはお叱りだった

 

風鈴「もう、何をやっているのよ、あなた達!」

 

楼杏「考えなしに突出するのは止める様にと、あれほど言ったでしょう!」

 

蒼「うう、ごめんなさい・・・・・」

 

鶸「うちの母が、粗相を・・・・・」

 

翠「にしても母さんも無茶が過ぎるぜ・・・・・」

 

蒲公英「そうだよ、御遣い様と恋を戦わせるとか、有り得ないし・・・・・」

 

葵「しゃーねーだろ、あいつと恋の戦いをどうしても見たかったんだからよ」

 

傾「それで一刀が死んだら、どう責任を取ってくれたのだ?」

 

葵「う、悪かった・・・・・次からは勝手な真似はしねぇよ・・・・・」

 

音々音「まったく、虎牢関を生かさないとか有り得ないと言っていたのに、何なのですかその様は」

 

雅「それを言うなら、ねねとて同じであろう」

 

霞「せやな、また悪い癖出てたで」

 

音々音「う、それは、面目次第もないです・・・・・」

 

騎馬隊であるが故に機動力を生かしたいと思う気持ちは分かるが、かといってこの戦いは相手を全滅させれば勝ちとか、そんな単純なものではない

 

そもそもそんなことは最初から出来っこないし、仮に全滅させたとしても、それで誰かが喜ぶという訳でもない、喜ぶのは十常侍くらいである

 

音々音の悪い癖というのは、恋が活躍する様を見ると頭に血が上ってしまい、軍師としての仕事を疎かにしてしまうところだ

 

過去にそれで大失敗をしでかしたことがあり、詠も音々音のこの弱点を矯正しようと教育をしているが、根本が恋至上主義の音々音である、たまにああいった形で暴走してしまうのだ

 

本来であればあの場は、一刀との戦闘を避け雷針砲を撃たせないよう矢で牽制しつつ虎牢関にゆっくりと引き上げるのが最良であったのだが、多くの将達を一人で圧倒する恋にあてられ気分が高揚し、正しい判断が出来なかった

 

恋「うっ・・・・・く・・・・・」

 

腹を抑え、方天画戟を杖代わりにしつつ、恋は階段を上がって来た

 

音々音「ああ、恋殿、大丈夫でありますか!!?」

 

恋「う・・・・・うぅ・・・・・」

 

音々音「申し訳ありませぬ、恋殿・・・・・ねねが、ねねが間違ってしまったせいで、この様な事に・・・・・」

 

霞「・・・・・こないな恋、初めて見るで」

 

雅「ああ、北郷の奴、一体どんな技を使ったというのだ・・・・・」

 

辛そうに足を引きずる恋を見て、相当なダメージを負っていることが見て取れる

 

二人で肩を貸すも、一歩一歩が重かった

 

かつてかすり傷一つ負わず、黄巾党3万を単騎で一蹴せしめた飛将軍に陰りを見せるに至った一刀の力に感嘆とするしかなかった

 

恋「お腹減った・・・・・」

 

霞「・・・・・あはは、なんや腹が減っただけかい」

 

雅「杞憂であったか、やはり恋に心配は無用か」

 

恋「(フルフル)・・・・・こんなにお腹減ったこと無い・・・・・」

 

霞「は、そりゃどういうこっちゃ?」

 

恋「あいつ、凄い、強い・・・・・恋、こんなに疲れたこと、無い・・・・・」

 

「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」

 

やはりかなりのダメージを受けている様だ

 

しかし、これでもまだマシな方である

 

今回の一刀は拳に包帯を何重にも巻き、その威力を殺しているのだ

 

これが抜き身のベアナックルだったら、一体どんなことになっていたか

 

槍の様な矢を放っていた時もそうである

 

目標を一刀一人に絞っていたにも拘らず、一発も当たることは無かった

 

回天丹田のお陰というのもあるが、こっちは当てるつもりでやっていたのにだ

 

もちろんこれは、氷環と炉青の話も考慮に入れての策だ

 

相手の腕を信じていたからこそ出来ただけの話である

 

鶸「お母様、もうこれくらいでいいでしょう」

 

蒼「うん、一刀さんの力は分かったはずだよね」

 

葵「ああ、この恋をここまで追い詰められるんなら充分過ぎるぜ、俺達の婿になる資格は余り有る・・・・・だが、もう一つでかい問題があるな」

 

蒲公英「え、これ以上何か問題があるの?」

 

葵「あいつを婿に狙っているのは、俺達だけじゃないってことだ・・・・・孫呉の奴らも天の血を狙ってやがるのさ」

 

霞「あ、それ氷環と炉青から聞いたことあるで」

 

雅「なんでも、孫呉に婿に来いと孫堅からせがまれていると、一刀が愚痴を零していたとか・・・・・」

 

鶸「そういえば、桃香さんも一刀さんに主になってほしいってせがんでいたよね」

 

蒼「うん、ご主人様になってご主人様になって~って・・・・・一刀さんって本当にモテモテだよね~♪」

 

翠「げ、あいつ一体何人の女から慕われてんだよ!!?/////////」

 

蒲公英「う~~~ん、魅力があり過ぎっていうのも考え物だね・・・・・」

 

葵「一番厄介なのは炎蓮の野郎だ、あいつの執念深さつったら俺の知る中で一番だからな・・・・・かといって孫呉と戦をするってわけにもいかんだろうし」

 

風鈴「そんなことをしたら、逆に一刀君から嫌われるだけよ」

 

楼杏「そうね、そもそも一刀さんは陛下から召喚の意を賜っているのですから、いずれ洛陽が一刀さんの家になるでしょうね」

 

傾「一刀の血を独占したいと思っているなら諦めることだ、もはやあ奴はどこぞの勢力が独り占め出来るものではない、瑞姫の言う通り新たな帝として君臨してもらうより他はない」

 

葵「くぅ~~~、陛下の意向ならしゃーないか・・・・・孫呉に独占されることは防げそうだし、それで手打ちとするしかないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・ここは」

 

氷環「あ、隊長様、起きられましたか!!?」

 

炉青「心配したどすよ、あに様~!!」

 

菖蒲「良かった、このままずっと目を覚まさないのかと・・・・・うぅ」

 

目を覚ますと、自分は公孫軍の天幕の寝台で横になっていた

 

起きて真っ先に視界に入ったのは、心配そうに自分を見つめる氷環、炉青、菖蒲だった

 

一刀「っ!!?・・・・・俺は、どれくらい寝ていた!!?」

 

星「丸二日は寝ておりましたぞ」

 

一刀「丸二日って・・・・・虎牢関はどうなった!!?」

 

白蓮「安心しろ、この二日間、虎牢関は攻められていない」

 

星「一刀殿が意識を取り戻さないと分かった途端、連合全体が怖気付きましてな・・・・・まったく現金な奴らだ」

 

白蓮「ああ、最初の威勢はどこに行ったのやら・・・・・」

 

一刀「・・・・・そうか、よかった」

 

五斗米道という保険が利かない事が、連合全体の勢いを削いだようだ

 

虫のいい話であるが一刀の立場からすれば、それが一番いい報告である

 

自分が寝ている間に無駄な犠牲が出る方が、余程苦痛である

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

安心感に浸りながらも、一刀は意識を失う前の状況を思い出す

 

呂布、とんでもない強さであった

 

回天丹田を駆使し戦闘力を倍加しても、彼女の攻撃を躱すだけでやっとだった

 

一刀「・・・・・っ!」

 

菖蒲「あ、一刀様、もう少し休まれてください!」

 

炉青「起きられたばかりどすよ、横になってください!」

 

氷環「まだ疲れが取れていないのではないですか!?」

 

険しい表情で体を起こし、寝台から起き上がろうとする一刀を制しようとするが

 

一刀「心配はいらない、二日も寝れば回天丹田の疲れは回復する・・・・・これ以上寝ていると運動不足になって、逆に体に悪い」

 

炉青「そう、どすか・・・・・」

 

菖蒲「無理はなさらないでくださいね・・・・・」

 

氷環「お腹が空かれていますでしょ、今食べ物を持ってきますわ」

 

一刀「いや、それは後でいい・・・・・今は、少し外を歩きたい・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪「・・・・・ここは」

 

沙和「あ、凪ちゃん気が付いたの~」

 

真桜「ようやっと起きたか、寝坊助やで」

 

一刀が目を覚ますと同時に、凪も目を覚ました様だ

 

凪「私は・・・・・そうだ、私はどれくらい寝ていた!!?戦いはどうなった!!?」

 

沙和「落ち着くの、凪ちゃん!」

 

真桜「凪は三日寝とったで、虎牢関はここ二日攻められてへん、なんせ一刀はんが寝込んでまってるからな」

 

凪「寝込んでるって・・・・・」

 

沙和「一刀さん、呂布と戦って無茶したらしいの・・・・・」

 

真桜「なんでも呂布と一騎打ちしたらしいからな・・・・・んでもって、皆それ知って浮き足立っとるんや」

 

沙和「でも、その気持ちも分かるの・・・・・凪ちゃんも一刀さんの治療を受けなかったら危なかったの~・・・・・」

 

凪「わ、私も・・・・・はっ!!?」

 

その言葉に気が付き、自分の体を確認する

 

傷跡が残ってはいるが、ほぼ完治していると言ってもよかった

 

あれだけの傷が三日そこらでなるとは思えない、ということは答えは一つだろう

 

凪「そんな、華琳様のご意向を差し置いて何をやっているんだ、お前達は!!」

 

沙和「怒らないでなの、華琳様にはちゃんと許可を取ったなの~!!」

 

真桜「相変わらずの強情っぱりが、一刀はんが治してくれんかったらどうなってたか、考えてみい!!」

 

凪「・・・・・・・・・・」

 

あれだけの大怪我を負っていたのだ、いかに治療を受けたとしても五斗米道と比較したらどんな治療も霞んでしまう

 

状況からして、これまで自分の面倒を見くれていたのはこの二人である

 

二人も医療には明るくないため、出来たのは応急処置くらいであろう

 

そして、凪は自分が寝込んでから起きるまでの過程を、二人から聞かされたのだった

 

沙和「今頃、死んじゃってたかもしれないの~・・・・・」

 

真桜「後で華琳様に、一刀はんにも礼言うんやで」

 

凪「ああ、分かった・・・・・ありがとう、すまなかった」

 

主の為とはいえ、自分の意地が周りにどれだけの迷惑をかけるか

 

そのことを痛感し、今後同じことが無いようにしようと己を省みるのだった

 

その時、天幕の外から何やら声が聞こえてきた

 

真桜「なんや、なんかあったんかいな?」

 

沙和「みたいなの、ちょっと見てくるの~」

 

凪「待て・・・・・私も行く」

 

真桜「寝起きで平気なんかい?」

 

沙和「そうなの、病み上がりなの~」

 

凪「大丈夫だ、これ以上寝ていると流石に体が鈍る・・・・・」

 

真桜「・・・・・無茶すんなや」

 

沙和「凪ちゃん、肩を貸した方がいいなの~?」

 

凪「いや、自分で歩ける・・・・・」

 

そして、三人は天幕を出て声がする方向へ向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斗詩「一刀様、起きられましたか!!?」

 

真直「体は大丈夫なの、一刀!!?」

 

桃香「一刀さん、もう大丈夫なんですか!!?」

 

一刀「ああ、なんとかな・・・・・」

 

梨晏「そっか、無理しないでね」

 

蓮華「まだ疲れているなら、休んでちょうだい」

 

巴「一刀の身は、一刀一人のものではないことを忘れないでください・・・・・」

 

その後結局、公孫軍一同が出歩く一刀に付いていった

 

聞いた話では、呂布との戦いで気を失った自分の見舞いに連合の主だった者全てが見舞いに来たようだ

 

なにせこの連合で一刀の世話になっていない陣営などいないのである

 

見舞いの一つも無しでは、流石に礼を欠くというものだ

 

鴎「もう、心配させ過ぎよ」

 

明命「よかったです、でもまだ本調子じゃないようですね・・・・・」

 

思春「蓮華様を心配させるなど、不届き千万なり!」

 

明命「いえ、思春殿も一刀様が心配で夜も眠れていなかったかと」

 

鴎「そうね、その目の下にうっすら付いている隈がいい証拠よ♪」

 

思春「う、よ、余計なことを言うな!///////」

 

兼元を杖代わりにして歩く一刀は、全快しているわけではないことを物語る

 

空は暗く、月明かりが辛うじて辺りを照らしている

 

時間帯は、深夜になる前といったところであろう

 

今起きているのは、寝ずの番か一刀が心配でたまらない者くらいであろう

 

炎蓮「お、一刀の奴、随分遅い目覚めだな」

 

華琳「ようやく起きたのね、この私の謝礼を受けずに死ぬなんて許されないわよ」

 

粋怜「自分で歩けてるから、もう心配はないみたいね」

 

桂花「ちっ、生き返りやがったか、そのまま死んでればよかったのに」

 

彩香「そのようなことは言うものではありませんよ、桂花」

 

この五人だけは、別の所で一か所に固まり何かを話し合っていたようだ

 

遠目に一刀の姿を確認し、話を一時中断する

 

炎蓮「んじゃ、貴様の国の在り方とやらは、また後で聞いてやる」

 

華琳「ええ、中身の濃い話が出来そうね」

 

どうやら今後この国の進む道について議論をしていたようだ

 

一刀に話しかけようと近付いていくが、どうも様子がおかしい

 

何やら周りの人間と二言三言話した一刀が連合から離れていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白蓮「どうしたんだ、一刀」

 

一刀「すまない、少しだけ一人にしてくれないか・・・・・」

 

菖蒲「でも、そっちは崖ですよ」

 

星「ええ、落石の危険がありますぞ」

 

炉青「ここの崖は脆い所があるどすよ、近付くと危ないどす」

 

駐屯地から離れようとする一刀を諫めるが、一刀は足を止めない

 

一刀「心配ない、確かに全快はしていないけど、落石くらいなんてことは無い・・・・・少し考え事をしたいだけだ」

 

白蓮「分かった・・・・・でも、余り無茶はするなよ」

 

一刀「ああ・・・・・誰か、兼元を預かってくれないか」

 

氷環「では、僭越ながら、私が・・・・・」

 

兼元を氷環に預け、一刀は一人連合を離れていく

 

連合から虎牢関に向かって右側の崖に辿り着き、右腕を岩壁にもたれかかせ体を支える

 

駐屯地から遠目で一刀を心配する一同を尻目に、一刀は悲愴感に打ちひしがれる

 

十常侍の横暴を許してしまったこと

 

反董卓連合が起きてしまったこと

 

無駄な犬死が数多出てしまったこと

 

この世のあらゆる人殺しの武器を否定している自分が兼元を抜かされ、いや、抜いてしまったこと

 

そのおかげでこうして生きていること

 

おまけに、勢いとはいえ無刀術の奥義まで使ってしまう有様

 

回天丹田などという邪道な技に頼り切ってあの様である

 

一体呂布はどうなったのか、あの技をまともに食らえば人間は只では済まないはず

 

包帯で威力を殺していたとはいえ、気がかりでならない

 

一刀「~~~~~~っ・・・・・くそっ!!!」

 

ドシンッ!!!!

 

なにもかもが口惜しく、憤りのままもたれかけた右腕を岩壁に叩き付けた

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

そして、ふと顔を上げ、岩壁を見上げると

 

バアンッ!!

 

途端に、岩壁の天辺部分にある、少し飛び出た岩が砕け散った

 

どうやら無刀術の奥義を微妙に、無意識的に使ってしまったようだ

 

叩き付けた右の掌を見つめ、一刀は己の力を嘆いた

 

一刀「こんな野蛮な力・・・・・・・・・・っっっ!!!!!」

 

ズドンッ!!!!

 

左拳の正拳突きを岩壁に叩き込む

 

衝撃により岩壁が崩れ、一刀の頭上に様々な形や大きさの石や岩が降り注いでくる

 

一刀「はあああああああっ!!!!」

 

ドガドガドガドガ!!!!シャギャギャギャギャギャギャギャ!!!!!

 

崩れ落ちてくる石や岩が、地面に落ちる前に拳、肘、足、あらゆる打撃技によって砕かれていく

 

全身に氣を纏い、縮地を駆使した目にも止まらぬ早業は荒々しくも芸術的である

 

今の一刀の拳は包帯が取られているため、ベアナックルの破壊力をこれでもかと見せ付けられる

 

パワー、スピード、テクニック、これらが一体とならねば出来ない芸当に駐屯地にいる者達からは感嘆の声が聞こえてくる

 

しかし

 

一刀「どうしてどいつもこいつも、どうしようもない奴らしかいないんだ!!!??」

 

当の一刀は、真逆の意味合いを込めていた

 

一刀「人に迷惑をかけるのがそんなに楽しいか、人を殺してそんなに楽しいか、戦争をしてそんなに楽しいか!!!??こんな力があったって何も意味なんてないんだぞ、いい事なんて何もないんだぞ、どうしてそれが分からないんだ、くそったれ共が!!!!」

 

どうしようもなく募ってくる悲愴感を拳に籠め、岩を粉砕していく

 

あの打撃を頭に食らえば、最低でも脳挫傷、下手をすると頭が吹っ飛びそうである

 

彼はその気になれば、息をするように人を殺せるのである

 

普段は、例え戦場であろうと、拳に包帯を幾重にも巻きその殺傷力を抑えに抑え込んでいるのだ

 

華琳「まったく、どうしてあれほどの力をひた隠しにするのかしら、こんな時代でこそ役立つものなのよ」

 

炎蓮「確かにそれは尤もだが、俺はある意味あいつを尊敬するぜ、あれだけの力を見せびらかさず、今日まで誰一人殺してこなかったってことは、それほどまでに自分を戒め、律しているってことだからな」

 

華琳「そんなもの何の意味があるというの?自由に自分らしく生きる、それが出来てこその人生じゃない、只生き永らえるだけの中身のない腐った人生と、人々に道を示す魂の籠った人生、どちらに価値があるかは明白よ」

 

炎蓮「おいおいおいおい、それこそ愚劣極まるだろうが、皆が皆、俺らみたいな生き方してたら、それこそ直ぐにこの世は崩壊しちまうだろうがよ、そいつは為政者である貴様が一番よく分かっているはずだよな」

 

華琳「・・・・・それは」

 

炎蓮「まさか、自由奔放自分勝手に生きることが、自分たち為政者にだけ与えられた特権だとでも思ったか?・・・・・こりゃ、仮に貴様がこの世をものにしたとしても、その後貴様の作った国はかつての秦帝国と同じ末路を辿るなこりゃ」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

かつてこの大陸を初めて統一した始皇帝が建国し、栄華を極め、僅か二代で終わった秦帝国

 

華琳とて、為政者の身である以上、自分の国の歴史には精通している

 

秦帝国が滅亡したきっかけ、過程、原因、その全てを熟知しているため、自分が作ろうとしている国に同じ轍を踏ませない自信はある

 

しかし、果たしてそう上手くいくか?

 

実際、目の前に王朝を再生しようとして失敗した人物がいる以上、華琳とて他人事では決してないのだ

 

彼の行動の根源は、性善説に基づいたものがある

 

それは、人の善意に訴え頼ったもので、真心が通じる相手にのみ通用するものである

 

しかし、華琳の行動の根源は、逆の性悪説である

 

確かに、人間は生まれた時は何も知らない無垢な性善性を持っていることは否定しない

 

だが、一度成長し世の中を知ればどうだ?

 

大人になり、戦争を起こしたり、人様を不幸に追いやったりしていたらどうだ?

 

結果的に地球上の他の生命を絶滅に追い込んだり、地球環境に何らかのマイナス作用を与えていたら、それは間違いなく性悪なのだ

 

華琳は儒教を憎んでいる節がある、とりわけこの時代には一般的な風潮となっている儒教の偽善性を憎んでいる

 

また、今の時代では出来上がりつつある門閥尊重の気風にも抵抗している

 

今、国を蝕んでいる宦官の台頭には、この儒教の偽善性や、昔からの家柄を格とする習慣も一役買っているのだ

 

だからこそ、華琳は能力主義であり実力主義であり、努力する者を寵愛し無能な者を忌み嫌っているのだ

 

しかしかといって、儒教の全てを否定していては炎蓮の言う通り、この世は阿鼻叫喚の地獄絵図のままとなってしまう

 

そう考えると、自分がこれから歩もうとしている覇道も、作ろうとしている国も、一刀の構想と同じく欠陥だらけの穴だらけに思えてくる

 

華琳「・・・・・そうね、私もまだまだ詰めが甘いわね」

 

桂花「そのようなことはありません華琳様、このような山猿の言を真に受けてはなりません!」

 

華琳「桂花、自重なさい、この世に完璧なものなど何一つ無いことは、貴方とて分かっているはずよ」

 

桂花「それは・・・・・」

 

華琳「礼を言うわ孫堅殿、私もまだまだだということを思い知らされたわ」

 

炎蓮「おっと、余計な助言を与えちまったか♪」

 

華琳「かもしれないわね♪・・・・・行くわよ、桂花、綾香」

 

桂花「・・・・・はっ」

 

今の華琳と炎蓮の会話に、桂花なりに考えさせられる所もあったため、黙って華琳の後をついて行った

 

彩香「一刀君・・・・・」

 

彩香は、そんな一刀を心配そうに見つめながら、華琳と桂花の後に続いたのだった

 

粋怜「一刀君、あなた一人が自分を厳しく律したところで、何も意味はないのよ・・・・・」

 

炎蓮「だな、皆が皆、一刀の様に自制が利きゃいいが、そうじゃねぇからこの世は苦労が絶えないんだろうが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪「・・・・・・・・・・」

 

沙和「す、凄いの~・・・・・」

 

真桜「よくあないなことが出来るな・・・・・」

 

遠目で一刀の演武を目視し、三人はその場を動けなかった

 

真桜「凪も修行ガチガチにしたら、あんな風になれるんちゃうか♪」

 

沙和「そうなの~、一刀さんも凪ちゃんには才能があるって、褒めてくれてたの~♪」

 

凪「・・・・・・・・・・っ!」

 

しかし、その芸術的な演武観戦を直ぐに切り上げ、凪はその場を立ち去ろうとする

 

沙和「あれ、どこ行くの、凪ちゃん~!?」

 

真桜「せや、まだ一刀はんに礼言っとらんで!」

 

凪「私は、あんな風にはなりたくない!!」

 

沙和「え、それどういう事なの~!?」

 

真桜「ちょっ、待ち~な、凪!」

 

普段の凪らしからぬ態度に、二人は困惑を隠せなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・」

 

憤りを発散するかのような激しい演武が終わり、辺りを確認する

 

一刀「・・・・・くっ!」

 

当たり散らしもいいところである、こんなものはただの環境破壊でしかない

 

風景の一部を無駄に変えてしまった自分のみっともなさに、自己嫌悪しか湧いてこない

 

一刀「・・・・・はぁ~~~~~」

 

深い溜め息をその場に残し、一刀は駐屯地へと戻っていく

 

氷環「隊長様・・・・・」

 

炉青「あの、あに様・・・・・」

 

斗詩「一刀様・・・・・」

 

真直「え、っと、一刀・・・・・」

 

桃香「ご主人、様・・・・・」

 

蓮華「その、一刀・・・・・」

 

思春「・・・・・・・・・・」

 

一同は、一刀にかける言葉が見付からなかった

 

一刀「すまなかったな、みっともない所を見せた・・・・・」

 

菖蒲「いえ、一刀様にだって我慢できないことはあります・・・・・」

 

巴「ため込み過ぎは、体に良くありませんよ・・・・・」

 

星「その通り、気負い過ぎは毒ですぞ・・・・・」

 

白蓮「いつ見てもひやひやさせられるな・・・・・」

 

梨晏「やっぱり無茶をしたね・・・・・」

 

鴎「でもまぁ、あれだけ動けるんならもう心配はなさそうね」

 

明命「でも、何だか切ないです・・・・・」

 

その後、騒ぎを聞きつけ連合全体がざわめきだす

 

一同は、ざわめく連合を諫めつつ、それぞれの駐屯地へと戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、天幕に戻る一同

 

一刀「すまなかったな、皆・・・・・」

 

白蓮「もういいさ・・・・・」

 

菖蒲「気にしないでください・・・・・」

 

星「お互い様ですぞ・・・・・」

 

相も変わらず一同の表情は暗かった

 

氷環「隊長様、お返ししますわ・・・・・」

 

一刀「ああ、ありがとう・・・・・」

 

炉青「まだ、完全に回復してないでしょう、もう少しお休みになってくださいどす・・・・・」

 

兼元を返してもらい、一刀は寝台に座った

 

氷環「あの、隊長様、つかぬ事をお聞きしますが、よろしいでしょうか・・・・・」

 

一刀「なんだ・・・・・」

 

氷環「その、今回で隊長様は、どれくらい寿命をお縮めになられたのでしょうか・・・・・」

 

「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」

 

いきなり核心を突く質問に、一同は全身から血の気を引かせる

 

しかし、これは聞いておいた方がいい、なにせ今回一刀が使った回天丹田は最後の一瞬を含めて、計四回である

 

一刀「そう、だな・・・・・大体、一五年程か・・・・・」

 

「「「「「!!!!!???」」」」」

 

この数字に、一同は度肝を抜かされる

 

この時代の天寿は、五,六十年もあればいい方

 

一五年というのは、余りに手痛い数字である

 

つまり単純計算で、一回上限を超える毎に五年の歳月を捨てるという事である

 

氷環「隊長様、今後回天丹田は二度と使わないで下さいませ!!!」

 

炉青「そうどす、これ以上あに様が犠牲になる必要は無いどす!!!」

 

白蓮「いくら何でも己を省みなさ過ぎだぞ!!!」

 

星「一刀殿の身は、もはや一刀殿一人のものではないのですぞ!!!」

 

菖蒲「約束してください、でないと怒りますよ!!!」

 

一刀「ああ、分かっている・・・・・俺もあんなに痛くて苦しいのは御免だからな・・・・・」

 

全てが終わったら、こんな邪道な技に頼らないよう修行に打ち込むことを決意する

 

基礎的な力が足りていないから、この様なへまをしでかすのだ

 

猛省しながら、横になってもう一眠りしようとしたとき、天幕に来客があった

 

沙和「一刀さん、お見舞いに来たなの~♪」

 

真桜「もう心配ないみたいやな、さっきの見とったで♪」

 

凪「・・・・・・・・・・」

 

氷環「あなた方は、以前にお会いしていましたわね・・・・・」

 

炉青「確か、于禁さんに李典さんに楽進さんどすな」

 

かつて黄巾の乱にて共闘したことがあるため、二人は三羽烏の顔を覚えていた

 

白蓮「すまないが、一刀はこれでもまだ本調子じゃないんだ・・・・・」

 

真桜「嘘やろ、あれだけのことが出来るんにまだ調子出ないんかい!!?」

 

菖蒲「はい、ですから早く一刀様に休んでいただきたいのです」

 

星「要件があるなら、手短に頼む」

 

一刀「いや、要件は分かっている・・・・・凪の再治療に来たんだろ・・・・・」

 

沙和「そうなの、疲れているのにごめんなさいなの~・・・・・」

 

一刀「いや、中途半端とはいえ治療をしているからな、後は傷跡を消すだけで大して手間はかからない・・・・・」

 

真桜「良かったな、凪、これでこの傷跡ともおさらば出来るで♪」

 

凪「・・・・・いや、その必要はない」

 

真桜「は、なんやて?」

 

凪「これ以上の治療は必要ないと言ったんだ」

 

沙和「凪ちゃん、何言ってるの~?」

 

凪「私がここに来たのは、別の要件です・・・・・一刀様、あなたに言いたいことがあって来ました」

 

真桜「ああ、せやな・・・・・何を置いても、まずは礼から言わんとな」

 

沙和「これで二回目なの、ちゃんとお礼は言わないとなの~♪」

 

正確に言えば黄巾の乱に続きこれで三度目である

 

しかし

 

凪「あなたは、只の馬鹿です、狂人と言ってもいい!!!」

 

沙和「・・・・・え?」

 

真桜「・・・・・は?」

 

二人は、一瞬思考停止に陥った

 

凪「私は、あなたのような人の治療など受けたくはありません!!」

 

白蓮「こいつ、何を言い出すんだ!!?」

 

星「なんという無礼千万、貴様何様のつもりだ!!?」

 

菖蒲「ご自身の立場というものを分かった上での言動ですか!!?」

 

真桜「ちょっ、な、凪、いきなりどないしたん!!?」

 

沙和「凪ちゃんがおかしくなっちゃったの~!!」

 

普段の凪とはかけ離れた発言に、二人は混乱状態である

 

氷環「・・・・・覚悟はよろしいですわね」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

炉青「命はいらないどすね」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

ユラァ、と幽霊の様な動きをしながら、全身から妖術の邪気が湧き上がり、片眼を紅色に輝かせ、凪を睨み付ける

 

その様は、楽には殺さない、散々痛めつけて泣き喚き、許しを請わせながらゆっくりと殺してやる、と言わんばかりである

 

ドスの利いた声が更に恐怖を引き立たせ、冥王でも降臨したかのようだ

 

一刀「待て、二人共」

 

氷環「隊長様、止めないでくださいませ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

炉青「ウチ等の前で堂々とあに様を侮辱したんどす、嬲り殺さんと気が済まんどす」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

一刀「凪は、俺に言いたいことがあるんだろう・・・・・だったら話を聞いてやるさ」

 

氷環「・・・・・仰せのままに」ゴゴゴゴ

 

炉青「命拾いしたどすね」ゴゴゴゴ

 

殺気と邪気を滲ませつつ、二人は一刀の傍らに寄りそう

 

いつでも襲い掛かる体制万全であり、その迫力に沙和と真桜が震えているにも拘らず凪は構わず一刀に食って掛かる

 

凪「あなたのやり方では、何も成すことは出来ません!!あなたでは、この大陸を平和には導けません!!」

 

一刀「なら、凪は誰ならこの大陸を平和に導けると思っているんだ?」

 

凪「決まっています、曹孟徳様です!!」

 

一刀「前に言ったはずだぞ、華琳のやり方は単なる蛮行だと」

 

凪「仮に蛮行であったとしても、その先の平和を作ることは出来ます!!」

 

一刀「譫言だな、そんなやり方じゃ本当の平和は永遠に来ない」

 

凪「あなたの言う本当の平和というのは、恒久の平和なのでしょう、それこそ譫言です!!百年、二百年の太平の為に私達は戦うのです!!」

 

一刀「違うな、失われた命の対価からしたら百年二百年なんて全く割に合わない、それでまた次の戦乱が始まるんじゃ、まるで意味がない」

 

凪「それでいいのです、それで満足しておかないといけないんです!!それ以上の高みを望むのは只の強欲です、十常侍と何も変わりません!!」

 

白蓮「おい、今の言葉は聞き捨てならんぞ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

星「お主、ここにいる全員に喧嘩を売りに来たと見えるな」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

菖蒲「生きて帰れると思わないことですね」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

氷環と炉青の邪気が伝染したかのように、この三人の瞳も怪しく輝く

 

あの傍若極まる十常侍と同類呼ばわりされては、流石に腸が煮えくり返るというものだ

 

沙和「ヒイイイイイイ、なのおおおおおおおお!!」

 

真桜「あかん、ウチ、ちびりそうや・・・・・」

 

五人の猛烈な殺意に当てられ、この二人はお互いに抱き付き合い、へたり込んでただただ震え上がっている有様である

 

一刀「それで、お前の言う百年二百年の平和でさえも来なかったらどうするんだ?」

 

凪「来ます、きっと来ます、それを信じて私達は戦うのです!!」

 

一刀「なんだその希望的観測は、行き当たりばったりもいいところか」

 

凪「先のことなど分かりません、分からないからこそ、私達は戦うのです!!」

 

一刀「そんないい加減な推量で、数えきれない多くの人々を不幸にする気か?」

 

凪「そうです、恨まれる覚悟など、当に出来ています!!」

 

一刀「ならお前は、理性も何もない獣となり果てるか?」

 

凪「構いません、あなたの訳の分からない理屈に縛られるくらいなら、いっそ獣の如く生きた方がまだマシです」

 

一刀「そうか・・・・・凪、お前には失望した」

 

凪「お互い様です、かつて私は貴方に憧れ尊敬の念を抱いていました・・・・・しかし、それもこれまでです・・・・・失礼します!」

 

真桜「ちょっ、凪、待ちいな!!」

 

沙和「ご、ごめんなさいなの一刀さん、失礼しますなの!!」

 

戸惑うばかりの二人は、急いで凪を追いかけて行った

 

氷環「その言葉、覚えましたわよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

炉青「後悔する日が来ないことを願うどすよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

白蓮「まったく、何様のつもりだ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

星「十常侍と同じであるだと、無礼極まりないな」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

菖蒲「礼儀知らずにもほどがあります、あれだけ一刀様のお世話になったくせに」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

皆が殺気をみなぎらせている中で、一刀だけは凪の素行を憂いていた

 

今後、凪が誤った道を突き進むのを防ぐには、自分の行いの正しさを証明する他ない

 

全ては、今後の自分次第である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沙和「待ってなの凪ちゃん、あんなこと言って良かったの~!!?」

 

真桜「せやで、命の恩人にかける言葉ちゃうで!!」

 

凪「そんなことは言われなくても分かっている!!だが二人はこのままでいいと思っているのか!!?」

 

沙和「・・・・・・・・・・」

 

真桜「・・・・・・・・・・」

 

凪「このままじゃあの人の為にならない、私の名誉が汚れてあの人が改心してくれるなら、憎まれ役も買って見せる!!」

 

真桜「なんちゅう遠回しな愛情表現や、ぶきっちょもええとこやで・・・・・」

 

沙和「なの、皆本当に不器用なの・・・・・」

 

こんな事をしているから争いはこの世から無くならないのであるが、果たして人類が自分達のその本質に気付くのはいつになるのであろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、再び一刀達が眠りについた夜、虎牢関ではとあるトラブルが起こっていた

 

それは、涼州からもたらされた報告だった

 

翠「なんだって、五胡の活動が活発になってきているだと!!?」

 

「はっ、このままでは国境を越えられるのも時間の問題かと!」

 

早馬の伝令は、急を要するものだった

 

五胡の軍団が万里の長城を乗り越え、涼州に雪崩れ込む寸前だというのだ

 

鶸「まさか、私達の留守を狙って・・・・・」

 

蒼「えーーーー、早く戻らないと拙いんじゃないの!!?」

 

蒲公英「う~~~ん、こんな事してる場合じゃないんじゃない・・・・・」

 

葵「・・・・・・・・・・」

 

国境警備の為にある程度の兵を残してきたが、そのような大規模な攻勢に対処できるような戦力ではない

 

ここ最近は、月のお陰もあってか、五胡民族は大分大人しかった

 

そのおかげで葵も療養に専念出来ていたのだが、その油断を突かれた様だ

 

風鈴「このままじゃ、この洛陽にまで五胡が攻め寄せてくる可能性もあるわね」

 

楼杏「ええ、この攻勢が国家存亡に関わるかもしれないわ」

 

葵「そうは言うがな・・・・・」

 

理屈は分かるが、かといってここで投げ出し帰るというのもどうかと思う

 

国家存亡というなら、この反董卓連合だって十分国家の存亡がかかっている重大な問題なのだ

 

漢王朝に忠節を誓っている身としては、洛陽防衛とて決して無視はできないし、なにより空丹と白湯の身命が気がかりだ

 

しかしこのままでは、反董卓連合どころの話ではなくなるかもしれない

 

重大な選択を前に、葵は決断を渋っていた

 

霞「・・・・・しゃーない、帰ってええで」

 

葵「おいおい簡単に言うな、お前達だけで洛陽を守り切れると思うのか・・・・・」

 

霞「んじゃ聞くけど、あんたら涼州連合がいて守り切れるんか?」

 

葵「・・・・・・・・・・」

 

雅「ああ、我々と涼州連合が束になったところで、連合の戦力には及ぶまい」

 

傾「そうであるな、それに・・・・・」

 

目線を階段の方へ向けると

 

音々音「恋殿、次を持ってきましたぞ!」

 

恋「ん・・・・・(モグモグモグモグ)」

 

そこには、黙々と糧食を頬張る天下無双がいた

 

一刀に与えられたダメージを回復させるために、普段よりも更に大量の糧食が胃袋に流れ込んでいた

 

傾「肝心要の天下無双があれではな・・・・・」

 

雅「恋も今回ばかりは堪えている様だ・・・・・」

 

風鈴「あの勢いだと、糧食は今夜中に無くなってしまいそうね・・・・・」

 

楼杏「虎牢関は多めに用意していたつもりだったけど、これは想定外ね・・・・・」

 

通常であれば、あと三日はもつ算段であったが、その三日分の糧食がここ二日で底を尽きつつあった

 

それほどまでに、恋に回される糧食が膨大であることを物語る

 

楼杏「こっちの事は、私達に任せて、あなた達は自分の果たすべきことを果たしてください」

 

風鈴「ええ、後は私達に・・・・・一刀君に託してください」

 

傾「陛下の事は、必ず余等が何とかして見せよう」

 

葵「・・・・・すまん、後は頼む・・・・・お前ら、撤収するぞ!!」

 

翠「おう!」

 

蒲公英「分かったよー!」

 

蒼「ごめんね皆さん、後の事はよろしく!」

 

鶸「陛下を、一刀さんを・・・・・よろしくお願いします!」

 

そして、涼州連合は牙門旗をしまい、反董卓連合に気付かれぬよう蹄の音を立てないよう、涼州へと帰還していったのだった

 

それを見送り終え、虎牢関には董卓軍と官軍の面子だけが残される

 

傾「では、余等も引き上げるとするか」

 

風鈴「月ちゃんと詠ちゃんに報告しないといけないわね」

 

楼杏「ええ、予定と少し違うけど、問題はないでしょ」

 

雅「氷環と炉青は、大丈夫であろうか」

 

霞「心配せんでええやろ、今回の策も分かっとるやろうし・・・・・月と詠とは暫くお別れか・・・・・」

 

雅「後はお主達に託すぞ」

 

風鈴「ええ、任せて」

 

楼杏「結局この虎牢関は、一度も使わなかったわね・・・・・」

 

風鈴「籠城戦なんて、今回の戦いからしたらあまり意味はないけど、惜しいわね・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌朝、連合は虎牢関に一つの旗も立ってないことに驚く

 

真直「どういう事なの、これは・・・・・」

 

猪々子「うっひゃ~~~、見事に何にもないな・・・・・」

 

悠「人っ子一人いやしねぇ、どうなってるんだ?」

 

斗詩「そんな、一体どうして・・・・・」

 

怪しむ連合を他所に、我先にと勇んだ麗羽が虎牢関へと飛び込んだ

 

何かの罠ではないかと慎重に近づくも、何の攻撃もなく門も閂もかかっておらず、あっさりと入ることが出来た

 

中はもぬけの殻で、空城の計ですらなかった

 

麗羽「決まっていますわ、この袁本初に恐れをなして逃げて行ったに違いありませんわ、お~~~~っほっほっほっほ♪♪♪」

 

真直「そんな馬鹿な・・・・・」

 

斗詩「うん、こんなの絶対おかしいよ・・・・・」

 

猪々子「でもよう、これってまたとない好機なんじゃないか?」

 

悠「ああ、今のうちに洛陽に乗り込もうぜ♪」

 

麗羽「そうですわね・・・・・陛下ーーーー、袁本初がただ今参りますわよーーーー♪♪♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「まさか、本当に誰も居ないというの?」

 

桂花「そんな、まだ籠城戦を一回もしていないのに!」

 

風「う~~~~ん、天下無双と謳われる虎牢関をこうもあっさり捨てますか~・・・・・」

 

稟「虎牢関を捨てなければならないほどの問題が起きたという事でしょうか?」

 

彩香「なんにせよ、このままでは拙いですよ、華琳」

 

秋蘭「はっ、袁紹に洛陽一番乗りを許してしまいます」

 

華琳「そうね、春蘭!」

 

春蘭「ははっ、総員騎乗、騎乗!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炎蓮「おいおい、葵の野郎、俺との決着をほったらかして逃げただと!?」

 

粋怜「別に逃げたわけじゃないでしょう」

 

祭「うむ、洛陽で待ち構えているのであろう」

 

炎蓮「そうか、都を死に場所に選んだか、なら漢王朝の忠臣として死なせてやるぜ♪」

 

雪蓮「う~~~ん、なんだろう、そうはならないような気がするわ・・・・・」

 

冥琳「いつもの勘か?」

 

雪蓮「ううん、虎牢関をこうもあっさり捨てたというのがね、これじゃ洛陽で戦ったところで結果は見えているじゃない」

 

冥琳「確かに、洛陽も守りの作りにはなっているが、虎牢関ほどではないからな」

 

梨晏「多分、雪蓮の言う通りになると思うよ」

 

雪蓮「わぁ、全貌を知っている人間が言うと、説得力が違うわね~♪」

 

冥琳「いい加減話してもらえないか、その全貌とやらを・・・・・」

 

梨晏「ごめん、こればっかりは帰ってからしか話せないんだ、誰が聞いているか分からないし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛里「あわわ、桃香様、虎牢関は無人のようです」

 

愛紗「なんだと、それは本当なのか!?」

 

鈴々「にゃにゃ、鈴々達、虎牢関を一回でも攻めたか?」

 

美花「いいえ、連合は一回たりとも虎牢関に対して攻城戦を敢行しておりません」

 

朱里「・・・・・桃香様、今が好機かと」

 

桃香「そうだよね、今度こそ風鈴先生を捕まえなくちゃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

氷環「虎牢関から旗が消えた、ということは・・・・・」

 

炉青「詠さんの策どす、あに様!」

 

一刀「分かった、他の連合が虎牢関を通ったら、俺達も行くぞ!」

 

星「相分かった!」

 

菖蒲「承知しました!」

 

白蓮「北郷隊、いつでも出られる準備をしておけ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、洛陽に一番乗りを果たす袁紹軍

 

斗詩「え、なにこれ・・・・・」

 

真直「どういう事なの・・・・・」

 

猪々子「あれ~、あいつらいねぇじゃんかよ~」

 

悠「おいおい、拍子抜けだな・・・・・」

 

洛陽の街に入ったはいいものの、董卓軍も涼州連合もいなかった

 

いるのは、洛陽に住まう民と巡回中の官軍くらいである

 

猪々子「洛陽の外にも居なかったし、あいつらどこ行ったんだ?」

 

悠「せっかく早く来たってのに、これじゃ肩透かしも良い所じゃないか・・・・・」

 

斗詩「真直ちゃん、それよりも・・・・・」

 

真直「ええ、綺麗過ぎるわ・・・・・」

 

そこには、暴政など微塵も感じさせない街並みが広がっていた

 

普通暴政を敷いた町や村は、酷く寂れるはずなのだ

 

それどころか、前に来た時よりも活気に満ちた街並みに疑問ばかりが浮かんでくる

 

真直「まずは情報収集を、麗羽さ・・・・・」

 

麗羽「陛下ーーーーーーーー、今参りますわよーーーーーーー!!!!!」

 

真直「ちょっ、麗羽様!!!??」

 

そんな洛陽の状況など全く目に入っておらず、麗羽は馬を走らせ宮殿へと邁進していく

 

斗詩「あーもーー、麗羽様先に行っちゃダメですーーーーー!!!」

 

呼び止めの声は麗羽の耳には入っておらず、家臣達は必至で後を追いかけて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「やはり、董卓は暴君ではなかったようね」

 

稟「分かってはいましたが、これは想像を超えていますね・・・・・」

 

風「これは間違いなく名君のお仕事ですね~」

 

桂花「そうね、暴君じゃこうはいかないわよ」

 

以前とは明らかに改善されている洛陽の街並みに曹操軍の軍師達は感嘆の念を禁じ得なかった

 

炎蓮「かーーーーー、葵の野郎居やがらねぇ、やっぱり逃げやがったか!!!」

 

粋怜「そんなことより、もっと重要な問題があるでしょう・・・・・」

 

祭「うむ、この洛陽の街並み・・・・・」

 

小蓮「うわぁ~~、綺麗だね~・・・・・」

 

蓮華「ええ、これは建業にも引けを取らないわ・・・・・」

 

梨晏「よかった、一刀達の言った通りだった♪」

 

雪蓮「なーるほど、やっぱり彼から聞いていたのね♪」

 

梨晏「あ・・・・・」

 

冥琳「今は咎めないが、建業に帰ったら覚悟するんだぞ♪」

 

雪蓮「そうね、きつぅ~~~い尋問が待っているわよ♪」

 

梨晏「あ、あはは・・・・・お手柔らかに・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「あれ、これってどういう事なの?」

 

愛紗「これが、あの洛陽だというのか・・・・・」

 

鈴々「わぁ~~、皆楽しそうなのだぁ~・・・・・」

 

美花「なるほど、私達は名君を相手に戦っていたという事ですね・・・・・」

 

雛里「朱里ちゃん、予想していた通り董卓さんは・・・・・」

 

朱里「そんなこと、もう関係がないよ」

 

雛里「え・・・・・」

 

いつになく冷たい朱里の言葉に、雛里は背筋が寒くなるのを感じた

 

桃香「そうだ、風鈴先生!!風鈴先生はどこ!!?」

 

恩師の姿を探そうと、洛陽の街に駆け出そうとする桃香だったが

 

朱里「桃香様、陛下の御身が最優先です!」

 

桃香「でも、でも、先生が・・・・・」

 

朱里「帝と将軍の命、どちらが大事ですか?」

 

桃香「それは・・・・・空丹様・・・・・」

 

地位的にも立場的にも選ぶべくもない

 

ズルい言い方だとは思うが、桃香には自分の立場を自覚してもらう必要があるのだ

 

もはや桃香は一介の村娘ではない、多くの民草の命を背負って立つ為政者なのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、公孫軍も洛陽に辿り着く

 

医療班ということで連合の最後尾に位置していたため最後の到着となった

 

しかし、今回の策ではそれはむしろありがたかった

 

洛陽の外に諸侯の軍が駐屯されていて、主だった者が宮殿に赴き公孫軍の動向を誰も見ていない

 

氷環「こちらですわ、隊長様」

 

炉青「すぐそこどす」

 

洛陽に入って直ぐ近くにある民家に氷環と炉青が一刀を案内する

 

炉青「・・・・・っ」

 

民家の扉を炉青が数回軽く叩き、中に合図を送ると

 

一刀「よかった、無事だったか」

 

月「一刀さん、此度は本当に申し訳ありませんでした・・・・・」

 

詠「もうこんな事二度とごめんだよ・・・・・」

 

民家の中から、月、詠、傾、瑞姫、風鈴、楼杏の六人が出てきた

 

今回詠がこうじた策は、あくまで月を逃がす事だった

 

宮殿にいると見せかけて、実は宮殿から最も遠い正門の近くにある民家に身を潜ませ諸侯をやり過ごす

 

民家の住民は快く匿ってくれた、為政者董卓の善政は確実に洛陽の人々の心を掴んでいた

 

一刀達より先に連合の誰かが押しかけてくるのではと、内心ヒヤヒヤものであった

 

恋と霞と雅は、別行動をしてもらう事とした

 

なにせ呂布隊、張遼隊、華雄隊の面々と居ようものなら逆に目立ってしまう

 

其々の部隊の面倒を見てもらいつつ、暫くは地下生活を強いることになるだろう

 

傾、風鈴、楼杏の部隊は、洛陽の警備に戻ってもらう事とした

 

炉青「それにしても、これはどういう事どすか?」

 

氷環「はい、涼州連合の皆様はどちらに・・・・・」

 

詠「それはおいおい話すよ、今はここから脱出しないと」

 

本来の過程では、涼州連合だけが洛陽防衛にあたり、その混乱に乗じて脱出するつもりであったが、結果オーライである

 

瑞姫「ねぇ、本当に幽州なんてド田舎に行かないといけないの・・・・・」

 

傾「余とて嫌に決まっている、しかしほとぼりが冷めるまでは身を隠すしかない」

 

楼杏「むしろ幽州以上の適材の地は他にないかもしれませんよ」

 

風鈴「陛下を見つけ出すまでの辛抱です」

 

瑞姫「む~~、なら早く見つけてよね一刀君、芋な生活はごめんよ~」

 

一刀「はい、一日でも早く十常侍から救い出して見せます」

 

そして、六人に外套を被ってもらい、洛陽の外にいる公孫軍一同と合流する

 

白蓮「一刀、上手くいったか?」

 

一刀「ああ、六人全員いる」

 

六人を公孫軍に紛れ込ませ、一刀達は騎乗する

 

一刀「よし、すぐ幽州に帰るぞ!!」

 

星「休み無しだ、総員気張れ!!」

 

菖蒲「無駄なものは置いて行ってください!!」

 

荷物にしかならない糧食を乗せた荷車は放置する

 

北郷隊も騎乗し、なるべく身軽になる為に嵩張る盾もこの場に置いていく

 

白馬将軍という異名を持つだけあって、幽州は騎馬の数は事欠かない

 

荷車を引いていた騎馬に氷環と炉青、六人全員が一人ずつ乗り込み公孫軍は来た道を疾走する

 

一刀「・・・・・おっと!」

 

虎牢関に差し掛かった時、北斗の挙動が乱れ鐙から体が跳ね上げられる

 

一刀「あっ!」

 

その反動で、帯に差した兼元が乱れ腰から落ちる

 

手を伸ばすも、兼元は後ろから付いてくる北郷隊が乗る騎馬隊の中に吸い込まれていった

 

一刀「・・・・・・・・・・・・くっ!!」

 

今は一刻一秒を争うため、兼元を諦め一刀は前を向く

 

この時、白蓮を筆頭に星、菖蒲、氷環、炉青、六人の後に一刀が付いて行く隊列を組んでいた

 

この中では、一刀が一番馬術は不得手でこの隊列はいつも通りであったため、誰も気づかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炎蓮「くそがっ、どこにも居やがらねぇ、やっぱり逃げやがったか!!!」

 

粋怜「それよりもこれはどういう事なの・・・・・」

 

祭「ああ、董卓はおろか、帝すらもどこにもいないなど、考えられんぞ・・・・・」

 

小蓮「それに董卓軍もどこにもいないんだけど・・・・・」

 

蓮華「ええ、おかしなことだらけよ・・・・・」

 

つい一昨日辺りまで戦っていた相手が忽然と消えていることに愕然とする

 

洛陽の守りを一切せずどこかにトンズラするなど、最初から洛陽を放棄する気満々だったとしか思えない

 

梨晏「(一刀、皆、上手くやったんだね♪)」

 

成り行きを知っている梨晏は安堵した

 

炎蓮「だーーーーーー、止めだ止めだ、帰るぞてめぇら!!!」

 

雪蓮「は?ちょっと待ってよ母様!」

 

冥琳「まだ何も調べていないのですよ・・・・・」

 

洛陽に来たは良いが、宮殿の状況を見ただけで他に何もしていないのだ

 

これから情報収集をしようという時に帰ると言い出す炎蓮に呆れる

 

炎蓮「戦う相手がいないんじゃ居ても意味ねぇぜ、それにそいつは帰って梨晏に聞きゃいいだけの話だ、違うか?」

 

梨晏「はい、どういう事なのかちゃんと説明しますから」

 

そして、孫堅軍は袁術軍と共に帰っていく

 

その道中

 

蓮華「あ、これは・・・・・」

 

虎牢関の手前で蓮華はあるものを発見した

 

明命「あ、一刀様の兼元です!」

 

鴎「何でこんな所にあるのよ!?」

 

思春「まさかあいつ、落としていったのか?」

 

無くしたらじいちゃんに殺される、と言うくらい大切なものだったはずである

 

それがなぜこんな道の真ん中に落ちているのか、不思議でたまらない

 

祭「いないと思ったら、余程急ぎの用でもあったのか・・・・・」

 

粋怜「ええ、あの一刀君が挨拶も無しだなんて・・・・・」

 

董卓軍に続き、公孫軍も忽然と消えてしまっていたため、更に分からないことが増えていく

 

梨晏「大丈夫です、それも説明しますから、今は早く建業に帰りましょう」

 

炎蓮「だな、こんな所に居たってしょうがねぇ・・・・・どうする蓮華、お前が拾った以上、そいつはお前のものだぞ」

 

冥琳「そうですね、落とした以上それはあ奴の自己責任ですから」

 

雪蓮「なら私に頂戴、それの切れ味を試してみたかったのよね♪」

 

蓮華「・・・・・いいえ、これは私の手で一刀に返します」

 

雪蓮「えーーー、もったいないわよ、武器は使ってこそなのよ!」

 

蓮華「お姉様は分別が無さ過ぎです、これは一刀のものだと分かり切っているんですよ!」

 

雪蓮「もう、真面目ね、どうしてこんな子に育っちゃったんだか・・・・・」

 

冥琳「こんなお方だからこそ、お前と違って内政が出来るのだろう」

 

その後、孫堅軍、袁術軍はまっすぐに建業への帰路を行くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも、Seigouです

 

阿修羅伝に続き、お盆前になんとか鎮魂の修羅を更新できました

 

というのも、お盆になると途端に忙しくなりパソコンに向かっている暇が無くなるのです

 

家の手伝いや色んな催しに参加しないといけませんし、ある意味平日よりも忙しいです

 

連休中に更新がないのはそのためです、連休こそ休みが欲しいのに嫌になりますね

 

さて、半ば強制的に反董卓連合編は終了しました

 

次回・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 
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