No.1086489

【獣機特警K-9IIG】狙われた海域(4・終)【交流】

古淵工機さん

2022-03-07 22:14:22 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:267   閲覧ユーザー数:256

さて、ここはファンガルド海軍パンゴリン・バレー基地……。

顎ひげを蓄えたテラナーの男性が来客に応じた。

 

「陸軍ラミナ司令本部特務隊 ニコ・タカハラ大佐入ります」

「これはこれは陸軍の。はるばるご苦労」

ニコを出迎えたこのテラナーの男性はアーグ・ラッズ准将という。

 

「しかしラミナ特務隊が来るとは穏やかではないな。何かあったのかね?」

「ええ、この石のことで」

ニコは手元にあった鉱石を取り出してラッズの目の前に置く。

「……これは!?」

「あなたもご存じでしょう?これは精製すれば高いエネルギーを秘めた爆薬になるっていう」

「そうだが、その鉱石がどうかしたのかね?」

 

すると次の瞬間、ニコはラッズを睨みつけながら言った。

「……とぼけるのもいい加減にしてくださいよ。ネタは上がってるんだ」

「ネタだと?」

「この映像ですよ」

ニコが取り出したのは一本の映像記録である。

……そう、あの時トリッカーズが盗み出した、裏取引の一部始終だ!

「御覧の通り……ブラッドファミリーと一緒にアンタの姿が映ってるんだ。どう説明つけるんだ?」

「フン、はったりに決まっとる!言いがかりもほどほどにしたまえよ」

「果たして言いがかりかな?」

ニコの眼光に一瞬たじろぐラッズだが、次の瞬間手元の受話器を取り、基地内に放送を入れる。

「全士官に告げる!反乱兵が侵入した。直ちに確保しろ!!」

 

しかし放送が終わるや否や、ニコは不敵な笑みを浮かべる。

「……フフフ……」

「な、なにがおかしい貴様!!」

「残念だがアンタの部下はここには来ないってことさ」

「なに!?」

 

すると扉が開き、アルマが出てきた。

「大佐!ラッズ准将の取り巻きどもは全員気絶させときました!!」

「ご苦労!」

「……ぐっ……!」

「ブラッドファミリーに漁船を襲わせてまんまと手に入れたその石で何するつもりだったか……トリッカーズからの情報で全部筒抜けなんだ」

「ふ、ふん、それが何だというのだ?こんなものはただの作り話に決まっとる!」

「……じゃあこの書類はなんだい?こいつもトリッカーズが盗んでわざわざこっちに寄越してくれたんだ」

「馬鹿な、偽物に決まっているだろうが。茶番はここまでだ、いいか!これ以上あらぬ疑いをかけるようなら司令部に……」

 

しかしニコはひるむ様子も見せずになおも続ける。

「そういやあたしがここに来る直前……怪盗ノワールに会ってねぇ」

さかのぼること数時間前、ニコたちが輸送ヘリに乗り込もうとした時のこと。

「やぁ、ニコ大佐。勤務中失礼しますよ」

「怪盗ノワール!?なんで基地内に!?」

「まぁそれは秘密ということで。……それはそれとして、差し出がましいとは思いますがアーグ・ラッズ准将とやらの身辺を洗ってまいりました」

ノワールが取り出したのは何やらリストのようなものだ。そこに載っていたのは人名ばかり……。

「……花村京子、12歳、ウサギ型ファンガー、健康状態よし……オードリー・ジーン…16歳、キツネ型ロボット。体格よしだが気性荒く商品にはやや難……これって!?」

「そのまさかでした。背筋も凍りつくほどに恐ろしい……。彼は身寄りのない少女たちを集めて売り飛ばそうとしていたのです」

「そうか……ますますもって腹が立ってきた。ノワール、ひとまず礼を言うよ」

「……そうして手に入れたのがこのリストだ。海軍基地の司令官という立場を悪用して裏でこんなことまでやってたとは……落ちたもんだ」

するとラッズは俯いて黙りこくってしまう。

「どうした?ぐうの音も出ないか?ついでに言わせてもらうとさっきアンタは海軍司令部にあたしらのことを報告しようとしたらしいがそれも無駄だよ。あたしには海軍本部にも顔が知れてるやつがごまんといるんだ」

「……クックク……そこまで知られたんでは……生かしてはおけないようだな!!」

ラッズは対物ライフルを取り出してニコめがけて撃ちまくる!

 

「ここで貴様が死ねば証拠は残らん!!消えろぉ!!」

しかしニコの身体には決定的なダメージを与えられない。

ニコの身体はは高度にサイボーグ化されており、生半可な攻撃ではダメージを与えられないのだ。

「くそっ!くそっ!なんで攻撃が通らん!!」

「とりみだしてあたしがサイボーグだってことも忘れてやがるのかこのヒゲが……。残念だがいくら撃ったところで無駄だ!!」

その掛け声とともに、ニコはラッズの懐に飛び込み、CQCによる打撃を浴びせる!!

「ぐはっ……!?」

みぞおちに深い一撃を食らい、ラッズは気を失った。

「まったく、世話が焼けるおっさんだ……。おい、連れていけ!!」

「はっ!!」

ニコが増援として呼んでおいた海軍警務隊の隊員に担がれ、ラッズは連行された。

 

その後、アーク・ラッズ率いるパンゴリン・バレー海軍基地の面々はテロへの加担や

ブラッドファミリーとの密約などが明るみに出たことで次々に失脚していったそうである。

翌週、ラミナ市内、とある喫茶店にてお茶を飲みながら話し合うトモエ、エルザ、ニコの3人。

「おかげさまで漁師たちも安心して海に出られるようになったと大喜びだよ」

「しかしブラッドファミリーと密約していた部隊がいたとは……まだまだあたしらの仕事は終わりそうにないな……」

「まったくだ。我々プラネットポリスも依然としてそういう報告が後を絶たん。秩序を守るべき立場の者がこれでは世間に顔向けできないというのに」

「だけど今回のニコさんの活躍のおかげで軍の内部は少しはきれいになったんじゃないかな?」

「よせよ、礼ならあいつらに言ってくれ。……決して正義の味方じゃないけど、嘘だけはつかないあいつらにさ」


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