No.1062200

メイドと冥土と鳴動と 第一話

メイド達が日常を堪能する話。

2021-05-19 17:06:41 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:242   閲覧ユーザー数:242

冥土の土産とは、良く言ったものだ。

 

実に、メイドとは?

良心を司る女性、メイド服を着たつまりは、かわいいという特徴が魅力の女の子である。

実に、メイドとは、西洋の最先端であった。萌えというものに興味があるなら、メイドをやるのもアリだ。男には、出来ないからこそ、魅力的なのだ。萌えというものは、そういうものである。

男には、出来ない職業それが、メイドである。

だからこそ、神秘に満ち溢(あふ)れている。それら全てをメイドと言う。

鳴動とは、雷の事である。

天の鳴動が叫ぶのだ。

「メイドを流行らせろ」と。仮谷に。弥栄 仮谷(いやさか かりや)、彼女こそ、メイドの中のメイドである。冥土中のメイドの中で最も、メイドなのである。

冥土とメイドと鳴動と。

苦労せずして、文を書くのは、案外楽しい事である。

時に良作を創ったり、駄作を積み重ねたりして、傑作が出来ていくものである。

今作で出て来るのは、メイド達による冥土の中での出来事である。

冥土を踏んだ事があるか?

このメイドにはあるのである。

 

主人公・弥栄 仮谷。

本当は借宿と付けたかったのだが、女性名っぽいのでやめた。

そんなこんなで、主人公の名前が決まった。

だが、早速問題が生じた。

 

彼女の家はどこか?

 

普通(と言っても、メイドの中の普通であるが、オタク界隈の人なら、思い付く普通である。)、メイドは主人の家に仮暮らしするものである。

主人の名前は、或家 鹿波(あるや かな)。

15歳ぐらいに見える、成人である。ただし、神だが。

彼女が若々しいのは、冥土の住民だからではなく、神固有の若々しさである。幻想の神ゆえ、致し方ない。

メイド・仮谷は、従者ではある。

年齢は年相応に13歳である。

しかし、この冥土では、年を取らないばかりか、永遠に死なない。

天国そのものが冥土なのである。

 

物語を始めるのは、天の鳴動が「メイドを流行らせろ。」と言った場面からである。

雷が喋るとは、不思議な現象だがともかく、喋るのである。

流行り廃りは数知れず、けれども成就した願いは、案外少ないものである。

その流行りを見てみよう。

 

「はい。」

 

仮谷は願いを承諾した。

仮谷は勘違い(必ずしも勘違いだとは限らないが。)をしていた。

その鳴動が神の声と信じていたのである。

実は、これがイエス・キリストなのだが、ともかく、雷様として、神だと思っていたのである。

焦燥に駆られながら、仮谷は仕事を休み、布教活動をしていた。

平日の真昼間に仕事をしていない彼女は浮いていた。

メイド教の勧誘である。

メモ書きで書き上げた文章を読み上げる。

メイド教の基礎的な教理である。

 

「まず、第一に、主人を敬う事、それに、他のメイドを愛する事。これが基礎的なメイド教の教理です。次に・・・・・・。」

 

そこへ、メイドを従えて現れたるは、彼の主人・鹿波である。

仮谷の主神(しゅじん)である。

往来には、お使いらしきメイド達と虫も殺さない様な雰囲気の人達、いわば、聖徒らが闊歩していた。

その往来は、普通の往来であったから、それが普通の冥土の風景なのだろう。

しかし、他の風景が懐かしく成る程、聖徒とメイドしかいないのである。

聖徒は同郷であるこの冥土を好んでいたが、メイドには普通の風景であった。

罪悪感に対して、敏感な人達であり、しかも、メイドの方は良心の体現であった。

 

「どうして、あなたはメイド教などとのたまうのか?」

「神様がそうおっしゃるからです。」

「誰の事か?」

「雷様です。」

 

ふーむ。鹿波は考え込んだ。

(彼女は何がしたいのだろう。

神様に従いたいのか?

自己主張をしたいのか?

それとも、宗教心があるのか?

それに、仕事をやすんでまで、熱意あふれているのはなぜなのか?

何故、私に反応しないのか?顔を覚えられていないのか?

そもそも、何故メイドなのか?)

 

「あなたはなぜここにいるのだ。」

 

威厳あふれる声で、と言っても少女の声だが、鹿波は、仮谷に尋ねた。

 

「布教の為です。それ以外に理由はありません。」

「それでその「神様」は一体どなたなのか?」

「それは分かりかねます。」

「あなたはなぜここにいるのか?」

 

冥土とは言え、道端。

それに用事もないのに、メイド服を着ている。

明らかに(冥土にしても)「異常」である。

それに気付いたのか、仮谷はあたふたし出す。

 

「これは・・・・・失礼しました。」

 

メイド教は流行らず、収束するのだった。


 
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