No.1062040

スマブラ Stern des Lichts 71 ~囚われの師~

Nobuさん

ベル一行も順調に冒険は進んでいます。
誰が捕まっているのかは、タイトルで判断してください。

2021-05-17 11:53:56 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:429   閲覧ユーザー数:429

 こうして、ダーズに操られたブラックピットは、ジョーカー達により正気に戻った。

「お前らと協力する気はねぇが……仕方ねぇな」

 ブラックピットは文句を言いながら、ベル一行に入って三階に降りる。

 しかし、五階に行くための階段にはルフレのボディに宿った死神のスピリッツが立ち塞がっていた。

「さあ、勝負よ!」

 エース級の死神には、もちろん、本物の死神であるベルが挑んだ。

 死神の鎌をギリギリでかわしながら、ベルは死神の解放に成功した。

「伊達に私は死神と呼ばれてないわよっ!」

「さっすが~」

 くるくると鎌を回すベル。

 白い服に軽い性格と、とても死神には見えないベルだったが、実力は本物だった。

 こうしてベル一行は五階に上がり、レオン・ベルモンドをオリマー、お面屋をトゥーンリンクで倒して先に進む。

 階段を降りると、ベルは巨大な歯車と砲弾、そして闇の鎖に縛られた男女のファイターがいた。

「あれは……ルフレさん!?」

「見かけない人ね……」

 銀髪で黒い服を着た男はルフレだが、黒い服を来た長身の女は初めて見る人物だ。

 だが、その先には幽霊がたくさんいる。

「でも、幽霊がたくさんいますね……」

「しかも、歯車が邪魔しているわ。私がどうにかするから、待ってて」

 このまま銀の砲弾を発射すると、歯車に阻まれてしまう。

 まずはこの歯車をどうにかするために、ベルは一番上の歯車を歩き、梯子を登ってレバーを倒した。

 すると、下にあった壁の向きが変わった。

「幽霊に触らないように……」

 ベルは幽霊にぶつからないように梯子を下り、一番下の大砲に銀の砲弾を入れ、発射。

 銀の砲弾は壁にぶつかって反射し、上にいた幽霊と、幽霊ごと歯車を攻撃した。

 歯車は意外に脆く、銀の砲弾一発で崩れ落ちた。

 これにより道が変化し、ベル一行は先に進めるようになった。

「やりました! ベルさん!」

「どんなものよ」

 

 一行は壊れた歯車の上を通り、逆側の歯車まで移動した。

 そして、大砲の近くにいた狼男のスピリッツをケンが解放し、大砲に銀の砲弾を入れて発射する。

 砲弾は真っ直ぐになった壁にぶつかって跳ね返り、邪魔な幽霊を撃退する事に成功した。

「後はルフレさんと知らない女性を助けるだけですね……」

 ベル一行は梯子を上り、ルフレと女性がいた場所に行く。

「……ごめんなさい、ルフレさん!」

 ルフレと女性を縛る闇の鎖を、ルキナは裏剣ファルシオンで切り裂く。

 案の定、ダーズに操られたルフレと女性がルキナに襲い掛かってきた。

「また、戦うなんて、信じられませんが……。……やるしか、ないようですね」

「そうよ、あんたの仲間なんでしょ? あんた自身が助けなきゃ!」

 ベルも大鎌を抜いて、戦闘態勢を取る。

 彼女の勇気を見たルキナは、勇気づけられる。

「あなた達の母体は、私(わたくし)が保護します」

「私だって、やる時はやるんだからね!」

「今度は俺が、仲間を助ける番だ」

 ドリィは杖を持って祈りを捧げている。

 ピーチもフライパンを構え、ケンはファイティングポーズを取っている。

「僕は、すま村の村長なんだ。ここで逃げるわけにはいかない」

「りょうさん……! はい……決めました。ルフレさん、必ず私が助けます!」

 ルキナは真剣な表情で裏剣ファルシオンを向ける。

 闇に操られたルフレに刃を向ける、それはルキナにとって辛い事だった。

 だが、五人の後押しがあって、迷わなかった。

 

「イイネェ、ソノカオ。ダーズサマニミセタイヨ」

「……デモ、ソレモココマデダカラ」

 ダーズに操られたルフレと女性は、剣を構える。

 

「行きますっ!!」

 ルキナ、ベル、ピーチ、ケン、りょう、ドリィは仲間を助けるために戦った。

「……」

 ベルは鎌を持って精神を集中する。

「ド・ゲイト・デ・テラ・マ・ギ」

 ルフレと女性は、赤緑騎士のソールとソワレ、ペガサスナイトのスミアとティアモが守っている。

 彼らを倒さなければ、ルフレと女性に攻撃は届かない。

 ドリィはソワレに魔力の矢を放って攻撃した。

 ソールは身を守り、相手の出方を伺っている。

「コノオッ!」

「きゃっ!」

 ソワレはドリィに槍で反撃する。

「君の戦術を見せてもらうよ」

 りょうはルフレをじっくりと観察し、何を行動するのかを予測した。

「目を覚ましてね?」

 ピーチはラケットでソワレを攻撃するが、ソワレはギリギリで防御して大してダメージを受けなかった。

「たあっ!」

「……」

 ケンはスミアに正拳突きを放つが、スミアは舞うように攻撃をかわす。

「あらよっと」

「……」

「!?」

 ピーチはルフレの攻撃をかわすが、それはフェイントだったようで一時的に混乱する。

 その隙に女性はドリィにデクの実を投げ怯ませた。

 ティアモは槍でベル達を薙ぎ払う。

「ソールさん……恨まないでください!」

 ルキナはソールを裏剣ファルシオンで斬りつける。

「きゃぁっ!」

 ルフレと女性の攻撃がピーチを襲う。

 ピーチはドレスを切られないように慎重に動いた。

「やっ!」

「波動拳!」

 りょうはスミアにパチンコを放って攻撃し、ケンはソールに波動拳を放つ。

「ナイトメア!」

「ウッワ!」

 ベルは思いっきり大鎌をソワレに投げつける。

 ソワレは攻撃を回避するが、ブーメランのように戻ってきた大鎌がソワレを切り裂いた。

 スミアは槍を振り回し、ベル以外の全員を攪乱させる。

「コレデ、トドメヨ」

「させないわ!」

 ティアモがとどめを刺そうとするが、ベルが闇の力を使って痺れさせた。

 能力の反動で、ベルの体力が削られた。

「イクヨ、ソール」

「アア!」

「ぐわぁっ!」

「きゃぁっ!」

 ソールとソワレはドリィとケンに連携を放ち、そこそこのダメージを与える。

「みんなげんきになあれ!」

 ピーチは癒しの光を振り撒いて、全員の体力を回復し状態異常も治す。

「ありがとうございます、ピーチさん」

「うふふ、どういたしまして」

「昇竜拳!」

「ウワアアーーーーーッ!!」

 ケンはソワレを昇竜拳で吹っ飛ばした。

「……」

「うっ!」

 女性はルキナを相性の良い槍で突き刺す。

 ピーチはソールの攻撃をかわし、ビンタで反撃。

「闇の力よ!」

 ベルは闇の力でスミアとティアモを妨害した。

「相手の攻撃は激しいわ。守ってあげる!」

 ピーチは呪文を唱え、味方全員を不可視の壁で包んだ。

 これにより、攻撃で受けるダメージが減少した。

「……クラエ」

「痛っ! ……くない?」

 ルフレはドリィに渾身の一撃を放ったが、魔法結界のおかげでドリィはけろっとした。

「……チッ」

 ルフレは舌打ちして、サンダーソードを構え直す。

 ケンはソールにギリギリで会心の一撃を放った。

 ルキナはスミアの撹乱攻撃で混乱している。

「ド・ゲイト・デ・テラ・マ・ギ」

 ドリィはスミアに魔法の矢を放つ。

 が、ペガサスナイトは魔防が高く、スミアも抵抗したので大したダメージにはならなかった。

 続けて、ティアモがりょうを槍で突き刺し、りょうがボウリングの玉で反撃する。

「闇の力のしもべ達よ! とっととお家に帰りなさい!」

「ウ、ソワ、レ……」

「ソンナ……」

 ベルは鎌を大きく振り、病毒の炎を振り撒いた。

 ルフレ達は炎に触れ、表皮が弱り痛みが増幅する。

 さらに、炎によってソールとスミアが倒された。

「リザイア」

 ルフレはドリィに近付き、闇魔法・リザイアで体力を吸収した。

 スミアとティアモは相手の出方を伺っている。

「ティアモさん……別世界では、お父様と結ばれるといいですね」

 ルキナはティアモをシールドブレイカーで貫く。

 流石のティアモもこれには耐え切れず、倒れた。

 

「後は君達だけだね。いくよ!」

「みんなげんきになあれ!」

 りょうは女性に鋭い一撃を放ち、大ダメージを与える。

 ピーチはみんなげんきになあれで全員を回復。

「流石にこれは耐え切れないでしょ?」

「……」

 ベルは闇の渦を呼び出してスミアを飲み込んだ。

「ルフレさん……私はもう迷いません! マーベラスコンビネーション!」

 ルキナは流れるような連撃でルフレを切り裂く。

 それが決め手となり、ようやくルフレは倒れた。

「昇竜拳!!」

 そして、ケンも昇竜拳で女性を上空に吹っ飛ばす。

 これにより、ベル達は勝利したのだった。

「……うーん、まさかまた操られるとはね。ごめんよ、ルキナ。気づけなくて」

「すまない……」

 ルフレと女性は、ダーズに操られた事を謝る。

「ま、いつもの事よ。ところで、あんた誰?」

「ベルさん、失礼ですよ!」

 見ず知らずの人にそんな事を言うのは失礼だ。

 ルキナは「ごめんなさい」と謝った後、改めて女性の名前を聞き出した。

「私はルキナといいます。貴女は?」

「自分はベレス。元いた世界では、士官学校で教師をしていた」

 黒い服の女性はベレスと名乗った。

「つまり(せんせい)って事ね」

「……エル以外にもそう呼ぶ人、いたのね」

 ベレスが言う「エル」とは、アドラステア皇女エーデルガルトの事だ。

 今はこの世界にはいないが、スピリッツとなっている事は言おう。

「よろしく」

「ああ、よろしくね、ベレス」

「あなたの名前は?」

「僕の名はルフレ、自警団では軍師をしていたんだ」

 ルフレもまた、ベレスに名を名乗る。

 異なる世界に生きる者として最初に行うのが、この挨拶である。

「……なるほど。貴方も教え導く者なのか。それは興味深い。是非、貴方を見せてもらいたい」

「君も同じ『師』だろう? もちろんだよ」

 ルフレとベレスは互いに顔を合わせた。

 

「じゃあ、ルフレ、ベレス、行きましょう! いなくなった仲間を見つけて、ドラキュラ城から脱出するために!」

「……ああ!」

「……うん!」

 こうして、ベル一行はダーズに操られた師を、二人とも救い出す事に成功したのだった。

 ~ベルのスピリッツ名鑑~

 

 死神

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 ドラキュラ伯爵の忠実な腹心で、最古参の部下。

 寡黙ながらも曇りなき忠誠心を持っており、ドラキュラが復活するのを全力でサポートする。

 そしてそのたびに、ヴァンパイアハンターが動く。

 

 レオン・ベルモンド

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 中世ヨーロッパで活躍した、ベルモンド家の騎士。

 教会の命を受けて、神と平和を守るために戦う。

 

 お面屋

 出身世界:ハイラル

 性別:男性

 元々はムジュラの仮面を持っていたが、スタルキッドに奪われてしまった。

 穏やかな物腰で、常に笑顔を絶やさないが……。

 

 狼男

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 満月の夜に狼に変身する怪物。

 高い身体能力を持っており、爪での接近戦を得意とする。


 
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