No.1060400

スマブラ Stern des Lichts 第53話 ~ 拳を磨く男達

Nobuさん

リュウ救出回。
ルカリオを武闘家っぽくしてみました。
オリキャラはちょっとだけ出ますが、タグをつけます。

2021-04-29 10:34:03 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:272   閲覧ユーザー数:272

 キーラに操られたデデデ大王は、カービィ、ランス、ストームとその仲間により解放された。

「ワシとした事が、またもや操られるとは……まったく、面目ないゾイ」

「何度もあったんでしょ? 気にしないで」

「お前がよくてもワシは全然よくないゾイ!」

 デデデはカービィの悪意なき発言に怒っている。

「あはは、ごめんねデデデ。でも、これで仲間はみんな見つかったよね?」

「いいえ」

 ベルは首を横に振った。

 キーラを倒すには、まだ戦力が不十分なのだ。

「う~ん、まだまだ仲間が残っているのかな?」

「ええ。でも、この光の世界に残っている仲間は後二人よ」

「後二人!? やったあああ!」

 この世界に残された仲間が後二人と聞いて、カービィは歓声を上げる。

 他のメンバーも、一部を除いて喜んだ。

「その仲間がどこにいるかは、自分の足で何とかしましょう。というか、まずはここを出てからね」

「はーい」

 

 一行はシャドウのカオスコントロールで空を後にして、再び地上に戻った。

 高いところがあまり好きではないマックは、ふう、と一安心する。

「それで、これからどうすればいい」

「とりあえず、地上は粗方探索し終えたし……海を渡りましょう」

「よし、僕に任せて。ベル、スピリッツボールを開けて」

「分かったわ」

「かっぺい、出てきて!」

 りょうが叫ぶと同時に、スピリッツボールの中からかっぺいが飛び出してきた。

 乗る順番と人数は、アローラ島でラプラスに乗った時と同じなので省略する。

 

 かっぺいはボートを運転しながら、一行を目的地へと運んでいく。

 道中では魚やマーメイドのスピリッツがいて、それらをキーラの魔の手から解放しながら進む。

 それ以外に障害はなく、一行は無事に目的地に到着した。

 

「ち、地球!?」

 一行が着いた場所は、なんと地球そっくりだった。

 ユーラシア大陸やアフリカ大陸などの大陸が多くあり、島もたくさんある。

 今、自分達が立っている場所は、中国大陸だ。

 そして中国大陸には、青いチャイナドレスとシニヨンが特徴的な女性が立っていた。

 皆が困惑する中、女性は笑顔でこの世界について説明した。

「ここはワールドツアーという小世界よ。この小世界で七人の強者達と勝ち抜き戦をして、七連勝すれば決勝に進出できるの。

 この試合に参加できるのは一人だけ。そして最初の相手は私、春麗(チュンリー)。さあ、誰が相手かしら?」

「……俺だ」

「おい、ルカリオ……」

 立候補したのは、ポケモンの中でも格闘に秀でたルカリオだった。

 ピカチュウは、ルカリオの一人称がいつもと違う事に違和感を抱く。

「なんで『俺』って言ってるんだ?」

「武闘家として使っている言葉だからだ。勇者としては『私』、武闘家としては『俺』。今はこのワールドツアーで戦う身だからな」

「……ああ、分かったぜ。頼むぞ、ルカリオ」

「来い!」

「望むところよ!」

 ルカリオが波導を纏った拳を春麗に振るい、春麗はすらりと伸びた脚でルカリオを蹴る。

 二人は距離を取った後、渾身の一撃を放つ。

「お前、なかなかの美脚だな」

「あなたもいい腕をしているわ」

「だが、勝つのは俺だ! はっけい!」

 ルカリオは掌を突き出し、高密度の波導を発して春麗を打ち据える。

 その一撃は強く、春麗はそれにより倒れた。

 

「よく頑張ったわね。一回戦突破よ!」

「ああ、ありがとう」

 ルカリオと春麗は、互いの健闘を称えて握手した。

 この大会が「スポーツ」である事の証明である。

 

「それじゃ、この飛行機に乗ってね」

「ああ」

 ルカリオ達が飛行機に乗ると、あっという間に南米のブラジルに辿り着いた。

 ブラジルで待っていたのは、ドンキーコングのボディに宿るブランカだった。

 ルカリオは二回戦の相手であるブランカを瞬時に撃破した後、飛行機に乗ってロシアに到着した。

 三回戦の相手は、真っ赤なパンツが特徴的なレスラー、ザンギエフだ。

「オレが相手だ!」

「……相手のボディはガオガエンか。俺には不利だが……逃げるわけにもいかないな。いくぞ!」

 ルカリオとザンギエフは互いに構えを取った。

 

「よく頑張ったな! 三回戦突破だ!」

「ありがとう」

 ルカリオとザンギエフは互いに握手した後、別れを告げて次の場所に向かった。

 飛行機に乗って着いた目的地は、超大国アメリカ。

 そこには、シャドルー幹部の一人、マイク・バイソンがいた。

「Don't Stop Me!」

「立ち止まるな、という事か。相手に不足はない!」

 

 ルカリオとマイク・バイソンの戦いが始まる。

「はっ!」

 最初に攻撃を仕掛けたのは、ルカリオ。

 驚異的な速度による一撃――しんそくは、攻撃しようとしたバイソンに大きなダメージを与えた。

 ルカリオは常に先制を取り、攻撃を受けながらも相手の体力を削る。

 その後、ルカリオ優位なまま、マイク・バイソンとの戦いは終わった。

 

「流石は波導の勇者……いや、今は武闘家だったかしら。やるじゃない!」

「ルカ兄、すご~い!」

 ベルはルカリオの活躍を見て笑顔になる。

 カービィも、ぱちぱちと拍手していた。

「ここにも仲間が囚われているのだろう? 救出のために俺は戦っているに過ぎない」

 ルカリオは相変わらず冷静だった。

 そしてマイク・バイソンを撃破した後、一行は飛行機に乗ってスペインに辿り着く。

 五回戦の相手は、仮面の戦士バルログ。

 メタナイトのボディに宿っている彼は、爪の代わりに剣でルカリオと戦った。

「こいつ、速いな」

「我が美に酔いしれるがいい……」

 ルカリオはバルログの速さに苦戦する。

 しかし、ここで負けてしまっては、キーラに操られた仲間を助ける事ができない。

 ルカリオは相手の隙を伺いながら、波導の力でバルログを攻撃していった。

「インファイト!!」

「ぬおおぉぉぉぉぉっ!!」

 そして、ルカリオのインファイトがバルログに炸裂し、彼は戦闘不能になった。

 

「……五回戦突破だ。だが、次の相手は私よりも強いぞ……。心してかかるがいい……」

「……無論」

 バルログに勝利したルカリオは、仲間と共に飛行機に乗り、タイに到着。

 六回戦の相手は、帝王サガットだった。

「ここまで辿り着いたという事は、かなりの強者という事か」

「お前は……」

「サガットだ。お前に勇気があるなら、見せてみろ。退かぬ、媚びぬ、省みぬ。帝王に逃走はないのだ」

 そう言って、サガットは静かに構えを取る。

 ルカリオは彼の波導を感知するが、バルログよりも遥かに強い波導だった。

「……来るがいい!!」

 

「バレットパンチ!」

 ルカリオはまず、バレットパンチで先制攻撃する。

 サガットはルカリオを蹴ろうとするが、ルカリオは上手く彼の攻撃を防御する。

「はどうだん!」

「タイガーショット!」

 ルカリオとサガットは互いに距離を取り、気弾を放って攻撃する。

「タイガーアッパーカット!」

「見切った!」

 ルカリオはサガットの対空技を見切ってかわし、サガットに近付いて投げ飛ばす。

 そして、ルカリオがインファイトを放つと、サガットは倒された。

 

「流石だ。帝王に勝利したか」

 サガットはルカリオの肩に手を置く。

 彼は試合に敗れたのだが、ルカリオの強さを認めてくれたのだ。

 今までのキーラに操られたスピリッツとは、全く異なっていた。

 これは戦いではあるが、スポーツでもあるのだ。

 

 サガットがスピリッツボールの中に入った後、ルカリオは次の対戦相手を待つ。

「……さあ、次の相手は誰だ!?」

 ルカリオが構えを取ると、突然、ワールドツアーを眩い光が包み込む。

 そして光が治まると、ルカリオの目の前には、倒れているマントを纏った赤い服の男と、男を倒したと思われる赤い鉢巻を巻いた白い道着の男がいた。

「……」

「お、お前は、(リュウ)!?」

 ルカリオが驚いていると、ガノンドロフのボディからベガのスピリッツが抜け出てスピリッツボールの中に入る。

 その後、ベガのスピリッツと入れ替わりで春麗のスピリッツが飛び出してきた。

「七回戦を飛ばして決勝戦に突入したみたいね。決勝戦の相手は、不断の探求者、リュウよ!」

 春麗がそう言うと、ガノンドロフのボディは消滅。

 キーラに操られたリュウは、ゆっくりと構える。

「お前もキーラに操られているのか……。だが、俺は必ず、この大会で優勝する。俺の精神力と不屈の心は、決して消えはしない!」

「……」

 ルカリオとリュウが互いに拳を振るう事で、ワールドツアー決勝戦が始まった。

 

「たんだ!」

 ルカリオはリュウを掴み、波導の力で前方に押し出す。

 続いてはっけいでリュウを吹っ飛ばし、距離を取ってはどうだんを放つ。

 リュウは防御を固めて攻撃を防ぎ、波動拳で反撃、蹴りを放ってルカリオを攻撃する。

「はどうげき!」

 ルカリオは波導を纏った拳を力強く放つが、リュウはジャンプでかわし、三連続でパンチする。

 それでもルカリオは攻撃を続け、リュウに反撃の隙を与えない。

 そしてリュウが場外に飛んだ隙にルカリオも場外に飛び、リュウを蹴った後、しんそくで復帰する。

 リュウは竜巻旋風脚と昇竜拳で復帰しようとするが、かなりの距離があったようで復帰できず、そのまま場外に落下した。

 

「終わった、か」

 ワールドツアーは、ルカリオの優勝で幕を閉じた。

 キーラの呪縛から解放されたリュウは、ゆっくりと目を開ける。

 彼の目に最初に入ったのは、ルカリオの顔だった。

「……ここは……?」

「大丈夫か、リュウ。……いや、俺ももう疲れてしまった。話は外に出てからにしよう」

「そうね。じゃあ、戻りましょう」

「ああ……」

 

 一行がワールドツアーを後にする中、外ではキーラが怒りに震えていた。

「おのれ、おのれおのれおのれ……! 我が駒をこうも容易く解放するとは……!

 スマッシュブラザーズめ、絶対に許さんぞ……! 必ずや討ち取って見せる……!」

 ~ベルのスピリッツ名鑑~

 

 魚

 出身世界:とある小世界

 性別:不明

 水中にいる、この小世界の人間よりも大きい魚。

 誰かが水の部分に近づくと出現し食べようとする。

 

 マーメイド

 出身世界:海と空の世界

 性別:女性

 貝殻に入っている、桃色の髪の人魚。

 スタフィーが触れると元気(ライフ)を全回復してここまでのデータをセーブしてくれる。

 

 春麗(チュンリー)

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:女性

 失踪した父を探し、シャドルーを追っている女性刑事。

 華麗な足技を得意とし、素早い攻撃が魅力。

 身長169cm、Eカップ。

 

 ブランカ

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 アマゾンのジャングルで育った野生児。

 外の世界に興味を持ち、ジャングルから出てきた。

 

 ザンギエフ

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 旧ソ連(ロシア)出身のレスラーで、「赤きサイクロン」の異名を持つ。

 男気溢れる性格で、誰よりも愛国心が強い。

 必殺技は「スクリューパイルドライバー」。

 

 マイク・バイソン

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 ベガに仕えるボクサーの男。

 金を目当てにベガに協力しているが、シャドルーの環境には満足している。

 

 バルログ

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 ベガの部下で、白い仮面をつけているナルシスト。

 世界征服には興味がなく、強く美しい相手と戦う事を好む。

 

 サガット

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 かつてリュウに敗れ、そのリベンジを狙う男。

 戦いの勝敗にこだわらず、強敵と拳で語り合う事を望んでいる。

 

 ベガ

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 秘密結社シャドルーの総帥。サイコパワーを操る。

 その強大な力に肉体が耐え切れないため、新たな肉体(器)を探し求めている。

 元メンバー含む女性メンバーの服装を見る限り、嗜好はちょっと変わっているらしい?


 
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