No.105956

夢現(ゆめうつつ) ~番外短編~

LEGANさん

オリジナル小説「夢現」の短編小説。

2009-11-08 14:49:04 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:364   閲覧ユーザー数:364

「紫鳴様ーーー!! お話、聞いておられましたかぁ!? 聞いてるわけないですよね…」

自分の師である人物に泣きながら話しかけている男がいた。

 

 

「ZZZzzzzzz」

「お願いですから起きてくださぃーーー!!!」

 

お偉い方々が集まるその場所で師が堂々と眠りこけ、弟子が平謝り状態なのは。

 

「申し訳ございませんーー!! 創世(つくよ)様ーー!」

「いや、いつものことだろ? 紅鳴」

 

そう、いつもの事であった。

 

お偉い方々の中に、その紫鳴も入っているのだから問題になることはなく。

周りもまたか?くらいにしか思っていない。

 

「問題ないわけないじゃないですかぁーーー!」

こうも騒がしいこの中でも、紫鳴は眠っていた。

 

 

 

「手荒な事して起こしゃいーだろ?」

「炎焔(ほむら)様!? 僕にそんな事できるわけないじゃないですかーーー!!」

「あーー……、悪かった」

 

 

そう言って紫鳴の肩を引っつかんでグワングワンと揺すりだした。

 

((充分に手荒だ………))

 

 

 

 

パチッ。

 

「………………」

 

 

 

「うっ、変な体勢で背骨が……」

 

バキバキッッ、ポキッ。

やっと起きたと思ったら、こった体をほぐし始めていた。

 

「紫鳴様ーー!! やっと、起きましたかぁーー!!」

「うるさい」

 

ピシャリと言い放たれた師の言葉に固まった弟子であった。


 
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