No.104821

新たなる外史の道 14

タナトスさん

恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。

2009-11-03 00:10:09 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:8640   閲覧ユーザー数:6586

時代は進む、止め処なく進む。

 

時代が加速するのか、人が時代を加速させるのか・・・

 

反董卓連合が解散となり、諸侯は自分達の領地に引き上げる。

 

董卓、月達は、劉備に保護されたと、諜報員からの連絡が来た。

 

朝廷からは、引き続き幽州とその地域を統治する事を書類で言い渡された。

 

この動乱で朝廷に統治能力が無くなったのは誰の目にも明らかだ。

 

俺達は、この事態にどう対処していくのかを話しあっていた。

 

「最早、朝廷に統治能力は無いに等しいです。我々はこの事は黄布党の乱の時から解りきっていました。そこで我々が取るべき行動はどうすべきなのか、皆さんで話し合います」

 

そう言い、稟は前置きをした後、各自、現在の状況と意見を出すよう求めた。

 

まず、最初に応えたのは佑だった。

 

「ワイの部隊は約七割が訓練完了、新型小銃の試験も済んだ、後は実戦投入するだけや」

 

「残り三割は?」

 

稟の言葉に佑は肩を竦めながら言う。

 

「狙撃部隊の運用は狙撃銃が揃うとるから何とかなるけど、例の物が完成したから例の部隊は運用試験を残すのみや。狙撃銃は完成しとる」

 

そう、俺達は小銃のノウハウを元にスナイパーライフルを精製した。

 

薬莢を最新型にし、装弾数を5連発にした事、遠くを見るために、4倍倍率のスコープを装着した物を採用した。

今の、技術では4倍が限界だ。佑が使うような16倍~26倍など精製は難しい。

 

佑の言葉に稟はホッとしながら答える。

 

「なんとか実戦配備に間に合いそうですね・・・」

 

「おう、何とか間に合うで・・・」

 

佑は星に、星の部隊の状況の説明を求めた。

 

「私の大隊の仕上がりはほぼ十割がた完了、後は実戦投入するだけだ」

 

「解った、頼むで星、お前等が前守ってくれるから、俺等はお前等の後守れんねやから」

 

佑は星にそう言うと、星は楽しそうに言う。

 

「任せろ、お前の前は私が守ってみせる。その代わり、私の後を頼む」

 

「ああ、任せとき」

 

佑はニヒルに笑いながら親指を立ててそう言う。

 

組ませて正解だったな、この二人・・・

 

俺は愛紗と鈴蘭に現在の状況を聞く。

 

「私達の部隊はほぼ訓練が完了、これで鈴蘭に前衛部隊を預ける事がようやく出来ます」

 

愛紗は嬉しそうに答える。

 

そう、鈴蘭には海兵隊のような突撃により、戦端を開く部隊の運用を任せた。

 

「解った、鈴蘭、お前が先鋒の突撃部隊だ。戦闘の時は真っ先に敵の真正面に出る。気は抜くな」

 

「はい!!」

 

鈴蘭はそう応えた。

 

「風、予算運用状況は?」

 

「ZZZZZZZZ・・・・」

 

寝てるし・・・

 

「風! 起きろ! 風!」

 

「おお、ついついウトウトと・・・」

 

まあ、いい。

 

「予算運用状況は?」

 

「そうですね・・・今年度予算の4割で全軍の運用が可能かと~」

 

「余裕は残してか?」

 

「勿論です~余裕がないと突発的な事態の対応が取れませんから~」

 

そういい、飴をしゃぶる風。

稟が次の議題に入ろうとした時、文官が大慌てで入ってきた。

 

「も、も、申し上げます!! 袁紹が公孫賛を攻め滅ぼしました!!」

 

おい、おい、おい、おい!?!?

 

あの馬鹿・・・ヤリやがった・・・これでもう戦乱は止まらなくなるぞ・・・

 

「何ですって!? 袁紹これで憂いを絶った事になる。大陸全土の戦争は避けられないわ!!」

 

稟は動揺しながらいう。

 

「・・・袁紹が開いた戦端はやがてこの大陸に広がる・・・本人は理解してるのだろうか?」

 

星は考えながら呟く。

 

「まあ、ええ・・・俺等がする事は決まっとる・・・袁紹が曹操を攻めるにせよ、俺等を攻めるにせよや・・・国境付近は第一次戦備体制、その他は第二次戦備体制に意向せなならん。ちゅうこっちゃ・・・」

 

佑は溜息を吐きながら答える。

 

まったく・・・やる事が一気に増えた。

 

「申し上げます!!!!!!!!」

 

今度は何だ!?

 

「袁紹軍が宣戦布告と同時に軍を進撃、国境付近の村を襲撃しています!!」

 

一気に第一次戦備体制かよ、一気に赤とは・・・

 

やられた・・・諜報機関の情報伝達が遅い・・・今後の課題だな・・・

 

「敵の兵数は?」

 

「約三万です!」

 

少ない・・・

 

「敵後方の部隊配備は?」

 

「約三万が後方展開しています」

 

「旗は?」

 

「文醜と顔良です」

 

「袁紹は?」

 

「いません」

 

「侵攻状況は?」

 

「我が軍の国境で警備が手薄な所を襲撃、ここ幽州に迫っています」

 

「ご苦労、下がって休んでくれ」

 

「は!!」

 

俺は皆に向き直り言う。

 

「という訳だ、総員、第一次戦闘配備!! 袁紹の馬鹿に我々を攻めた事を後悔させてやれ!!」

 

「「「「「「了解!!」」」」」」

 

所変わり袁紹軍では・・・

 

「しかっし、何で麗羽様は北郷の方を攻めるのかね・・・? 攻めるんなら曹操かと思ってたけど・・・」

 

ボヤキながら文醜が呟く。

 

「仕方ないよ文ちゃん・・・麗羽様の命令なんだから・・・」

 

顔良はそれを困った様に答えた。

 

「北郷さんとこの軍勢は精強で知られるのに・・・武将も超一流揃い・・・北郷さん自身も超一流だし・・・知略、武略どれをとっても超一流・・・そんなとこ攻めるんだよ・・・確かに、兵数は約五万と少ないけど小銃なんていう兵器まであるし・・・兵数だけ上回っても倒せない気がする・・・」

 

文醜はニカッと笑いながら答えた。

 

「斗詩も心配性だな・・・まっ、何とかなるって、戦は出た所勝負、てね」

 

斗詩はゲンナリしながら答える。

 

「文ちゃんはもう少し考えて行動してよ・・・」

 

そう、この二人袁紹の命で動いていたのだ。

 

その命令内容とは・・・・・・

 

「何だか最近調子に乗っている天の使い~何て言う恥ずかしいあだ名のある北郷さんが最近人気者で気に食いませんわ!! 文醜さん、顔良さん、やっつけて差し上げなさい。おっほっほっほ~!!」

 

早い話が、一刀の評判がうなぎのぼりなのが妬ましいそうな・・・

 

 

そんな事とは露知らぬ一刀達は軍備をイソイソ進めていた。

 

(まったく・・・袁紹のせいで余計な仕事が増えた・・・

 

この後の予定では、稟と風と鈴蘭にそれぞれ用意した狐耳と猫耳と狼耳尻尾付きバージョンを使って閨でイチャイチャ楽しむ予定が・・・

神も呆れる低脳袁紹のせいでご破算だ・・・

 

・・・コノウラミ・・・ハラサデオクベキカ・・・)

 

コッチはコッチでなんか神も素足で逃げ出す種馬振りを発揮しつつ軍備を夜遅くまで進めていた・・・

 

全軍の配備を僅か一晩で済ませた俺達は早朝、進軍を開始した。

 

袁紹のヤロウにFuckしてやるぜbaby!!

 

『・・・一刀様・・・カナリ思考が壊れてませんか?・・・悪い方向に・・・』

 

愛紗から体内通信がかかってきた。

 

『愛紗よ・・・細かいことを気にしちゃ~いけない』

 

俺はそう答えた。

 

『・・・・・・徹夜と“予定”がご破算になったのがそんなに頭にキますか・・・・・・』

 

あ、愛紗よ・・・何故それを!?!?!?!?!?

 

『解らない訳ないでしょう・・・まったく・・・私という者がありながら・・・』

 

愛紗よ、そんな顔するな折角の美人が台無しだぞ。

 

『・・・愛紗、すまない・・・俺が調子に乗っていた・・・気を付ける・・・』

 

今回はマジで反省した・・・愛紗の寂しそうなあの顔は俺には耐えられない・・・

 

体内通信を切り、俺は愛紗に近寄り、肩を抱く。

 

「あ・・・」

 

「・・・スマン・・・心配かける・・・だからそんな顔するな・・・俺はお前を愛しているんだから・・・」

 

愛紗は拗ねた様に呟く。

 

「私“だけ”とは言わないのですね・・・貴方は卑怯だ・・・」

 

「解ってる・・・俺が卑怯なのも、ズルイのも・・・でもお前にだけは・・・愛紗にだけはどんな事があっても嘘はつきたくないんだ・・・」

 

「解ってます・・・貴方が・・・一刀様がそういう人なのも、全て・・・だからこそ私は・・・私だけは、どんな事があっても貴方を、貴方だけを愛し続けます・・・」

 

「・・・愛紗・・・」

「・・・一刀様・・・」

 

「あ~お取り込み中悪いんやけど・・・今の状況解ってイチャついとんのかお前等・・・」

 

佑が俺達を止めた。

 

「解っている・・・行軍中だろ・・・」

 

俺は憮然とした態度で答える。

 

「佑、この二人は何時もああなのか・・・付き合いが長い佑なら解るだろ?」

 

星が興味津々に佑に聞いてくる。

 

「おう、止めんかったら行き着くとこまで行ってしまうで・・・この二人なら・・・」

 

頭を抑えて佑が呟く。

 

「お主も大変だったんだな・・・」

 

「解ってくれるか・・・ワイの苦労を・・・今度一杯ヤロや・・・」

 

「うむ、それはいい、いい店を知っている。酒とメンマがよく合う店だ」

 

「ソイツはいいね~♪ 気が紛れるわ~ほな、戦い終わったら行こか?」

 

「ウム♪」

 

なんか佑と星がデートの約束してる・・・

よし、愛紗と2人でカラカイ倒そう。

 

俺達は要塞に入り、袁紹軍が遅れて要塞前に来た。

 

「どうやら、袁紹も合流したみたいだな・・・ここで一気に俺達を叩くみたいだ・・・」

 

「さて、袁紹はどんな戦略で来る事やら・・・」

 

佑がそう呟きながら腕を組む。

 

「無いでしょう」

「いや、無いだろう」

「無いな」

「無いです」

「無いですね~」

 

上から愛紗、星、鈴蘭、稟、風の順番だ。

 

「さり気に酷いな君達・・・いいぞ~♪ もっと言え~♪」

 

俺は煽る様に言う。

 

「・・・・・・なんや・・・エライ言い様やな・・・」

 

佑は呆れながら呟く。

 

そんな時だった、袁紹が木で作った移動式の櫓から舌戦を仕掛けてきた。

 

「おーほっほっほっほっほ!! 北郷さんお久しぶりですわね」

 

「袁紹か!! 久しぶりだな!! 貴様が攻めてくるとはな!!」

 

「貴方も白蓮さんと同じようにしてさしあげますわ」

 

「楽しみにしているよ」

 

俺は袁紹との舌戦を終え皆の所へ帰る。

 

「愛紗ちゃん・・・なんで止めたんや? 折角敵将のドタマぶち抜けるチャンスやったのに・・・」

 

佑は狙撃銃を持ったまま、愛紗をいぶかしむ様に見る。

 

「この世界にはこの世界のルールがあります・・・」

 

「解った・・・従うわ・・・」

 

そう言い佑は銃口を下に向ける。

 

「各自、要塞防御戦用意!! 砲兵隊!! 砲撃準備!!」

 

俺は兵士達に準備を命じる。

 

そう我が軍は大砲の開発に成功した。

 

砲弾は現代に近い、カートリッジ方式を採用。砲身にライフリングを施し、ライフル砲にした。

 

「目標!! 敵櫓!!」

 

「目標!! 敵櫓!! 了解!!」

 

兵達の怒号が要塞内部に響きわたる。

 

「て!!」

 

俺は発射を命じた。

 

 

鉄の砲身から耳を劈く轟音と共に砲弾が発射される。

 

用意した大砲5門から砲弾が発射され、袁紹軍の櫓が吹き飛んだ。

 

轟音と共に打ち崩れる櫓、しかし、戦場はソレと反比例して静まり返る・・・・・・

 

それも、両軍である・・・・・・

 

「ぼさっとすなや!! 次弾装填!!」

 

佑は怒鳴りつけるように命じる。

 

「り、了解!!」

 

兵達は我に帰り次弾の装填に掛かる。

 

「まさか・・・大砲がこれほどの威力とは・・・」

 

星は唖然としながら呟く。

 

「凄まじいな・・・」

 

鈴蘭も驚愕を隠せない。

 

俺は鈴蘭に次の発射と同時に敵軍に突撃を命じた。

袁紹軍は轟音と共に崩れた櫓を呆然と見つめていた。

 

「な、な、な、な、なんですの!?!?!?!? これは!?!?!?!?」

 

最初に我に返ったのは袁紹だった。

 

「わ、解りません」

 

「て、敵軍突撃を開始!!」

 

「な!?」

 

鈴蘭の軍が敵の動揺を更に深刻にさせた。

 

「麗羽様、ここは一時撤退しましょう!! もう戦線維持できません」

 

そう、顔良が袁紹に進言してきた。

 

「・・・解りました・・・撤退しますわ・・・」

 

こうして、袁紹軍は敗走した。

 

 

袁紹敗走は、瞬く間に大陸全土に響き渡った。

 

袁紹はこの戦いで兵の五割失い、曹操に滅ぼされ、劉備に保護された。

 

 

おまけ

 

佑と星がデートの約束をしていた時だった。

 

「稟ちゃん、鈴蘭さん・・・」

 

風が、4人を見ながら2人に語りかける。

 

「何ですか、風?」

「どうした、風?」

 

「一人身は寂しいですね・・・」

 

「「それは言っちゃだめ~~~~!!」」

 

二人の声はむなしく響いた・・・

 


 
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