No.1034542

【獣機特警K-9ⅡG】復讐の爆弾魔(作戦篇2)【交流】

古淵工機さん

次回いよいよ完結…!

■出演
クオン:https://www.tinami.com/view/551025
イシス:https://www.tinami.com/view/609970

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2020-07-04 16:30:46 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:716   閲覧ユーザー数:701

さて、事件発生からさらに数時間後。

ナインチョッパーはとある地方都市の高校のグラウンドに着陸した。

 

「しかしビックリするほど誰もいないな…」

現金のトランクを持ったクオンはあたりの人っ気のなさにため息をつく。

万一の時に備え、アーマージャケットを着用していた。

 

ふと、クオンの耳に内蔵されていた通信機に極秘音声通信が入る。

『今お前が向いている方向にそのまま500メートル進め』

 

クオンは半信半疑になりつつも指示通りに進んでいく。

 

『その交差点を左に行くとガソリンスタンドの跡に旗が立っている。旗のたもとにトランクを置いたら直ちに去れ』

クオンは握りしめていたトランクを旗の近くに置くと、すぐにナインチョッパーへ戻っていった。

「お帰りなさい、隊長」

「犯人サイドから指示があった通りに置いてきたが…あれで犯人を釣れるんだろうか?」

「さぁ…?…それより、聞きました?」

「なにを?」

「FREX3375に幻獣部隊のキリカさんが乗ってるそうで…」

「ああ、知ってる。キリカが何をしてるのかはわからないけれど…テイクオフ!」

「了解!」

ナインチョッパーが飛び立った数分後。

 

スタンドの裏手に隠れていたハリー・グラントはトランクが置かれているのを確認する。

そして金が入っているのを確認すると、近くに隠していたバイクを動かし去っていった。

だが彼は気づいていなかった。トランクにはある仕掛けが施されていたことに…。

その頃、FREX3375列車では…。

「よし、いいぞ…速度を86km/hに落として固定しろ」

並走する救援列車がFREX3375列車に横付けされ、完全に並行したところで速度を合わせる。

 

車掌が訪ねる。

「これからどうするんですか?」

「…荷物室は空だね?」

「え!?…あ、はい…」

 

FREXには荷物室があるが、今回の列車ではあまり大きな荷物がなかったために荷扱いをしていなかった。

そのため荷物は積まれておらず、荷物室は空だったのである。

 

「でも、なんでそのことを…」

「乗客が乗り降りする乗降ドアを開けたら非常ブレーキがかかる。そしたらこの列車は爆発だ。

 …だけど荷物室のドアにはブレーキと直結する回路がない。だからさ…。相手の列車には荷役に使う着脱式の幌を積み込ませてある。それで…」

と、言いながらキリカは荷物室のドアを開けた。

「よーし!いいぞ!つないでくれ!!」

 

荷役用の幌が開いて列車の荷物室から延ばされ、3375列車に固定されていく。

無線連絡を受けた後方車両でも職員が幌をつないでいった。

キリカは、乗客全員を隣の列車に移し取ろうとしていたのである!!

「落ち着いて!順番に並んでください!具合の悪い方や子供連れの方を優先します!!」

車掌の指示で一人、また一人と幌を渡り隣の列車へと移っていく…。

 

そして数分後、乗客全員が移ったのち、キリカは乗務員に告げる。

「よし!次はあんたらだ。隣の列車に移ったらすぐに幌を外して荷物室のドアを閉めるんだ」

「ちょっと待って!じゃあキリカさんは?」

「こっちの列車のドアは開け放しておく。あとはあたしに任せな」

「でも!」

「心配するなって。あたしは幻獣部隊の隊長…遺伝子操作で生まれたドラゴン女だからね…何とか脱出するさ」

 

「…わかりました、どうか、どうかお気を付けて!!」

乗務員は隣の列車へと移り、しばらく後に幌は相手方の列車に引き込まれ、やがて救援列車の荷物扉が閉じられたのだった。

 

その様子を見届けたキリカは運転台へと上がる。

 

「…指令室、こちら3375のキリカだ…乗客乗員は全員救援車両に移しとった。一番近いポイントを操作してくれ」

『一番近いポイントって…今は使用していない貨物線か!?そんなことをしたらあんたは…』

「寸前で飛び降りる。どのみちこの先は上り勾配だ。それに貨物線の先はゴーストタウンでほとんど何もない…だろ?」

『わかった。…転轍機を操作しろ!!』

 

キリカ一人だけになった3375列車は切り替えられたポイントを通過し、本線を外れていく。

「どうせ爆発するなら…思いっきりだ!!」

 

キリカはマスコンに手をかけ列車を急加速させていく。

「…3、2、1…いまだ!!」

マスコンから手を離すと同時に、幻獣…『竜人』の姿へ変身したキリカは、跳躍力を利用して列車の外へ飛び降りる。

竜人形態なら、高速で走行する列車から飛び降りても大したけがを負う心配もない…。

近くの草むらに飛び降りたキリカは、そのまま岩陰に隠れる。そしてその数十秒後だった。

 

車止めを突破した無人のFREX3375列車は、廃ビルに突っ込んだのち爆発したのであった。

その頃、マッシュ・マイトのアジト。

「親父さん、兄貴、やったよ。金だ!」

「ついに俺たちにも自由が…」

「そうだな…あとはこの金で…」

 

マッシュがトランクを開けた瞬間だった。

「うわっ!?」

「…!?な、なんだ、これは!?」

「時限炸裂式のカラーインクだと!?…ああっ!畜生!これじゃせっかくの金が使い物にならねえ!!」

「くそっ!ハメられたんだ!!…まあいい、そうなれば列車の乗客の命を見捨てるだけ…」

すると、近くにおいてあったラジオのニュースが彼らに追い打ちをかける。

 

『爆弾が仕掛けられたFREX3375列車ですが、乗り合わせた警察官の機転により乗客乗員は救援に向かった別の列車に移しとられ、

 ケガ人はなかったということです…』

 

「…あいつら…どこまでも俺たちを馬鹿にしやがって!!」

廃工場エリア上空。

「特殊カラーインクの炸裂を確認。奴らの拠点を特定しました」

「…よし、これであいつらの計画は筒抜けだ。…イシスさん、他のK-9隊員に連絡を。暗号通信で待機ポイントを指示して!」

「了解!」

 

ついにマッシュ・マイト一味の隠れ家が割れた!

悪の陰謀を阻止するため、吼えろ!K-9隊!!


 
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