『萌え絵の教科書 応用編』の発刊に合わせて、イラストコンテストを開催していただくことになりました。
お題は、「オリジナルキャラクター」です。ぜひ、皆さんが考えたキャラを見せてください。
オリジナルキャラということで筆の向くままに描いてもらってもいいのですが、
せっかくイラスト本の企画なのでヒントを少し。
前著『萌え絵の教科書』からオリジナルキャラに関する講座を抜き出し、修正を加えてTINAMI出張版としたいと思います。
なお、これから解説することは、あくまで発想法の一例。
本音としては、「自分の引き出しに無いキャラ作りを見てみたい」という気持ちもありますので、必ずしも従う必要はありません。
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さて、オリジナルキャラクターの作り方です。
自分なりのキャラクターを考える際、特に重要になってくるのは「どんな特徴を持たせるか」というところ。
別に「ごく普通の女の子」でもいいのですが……
やはり大きな特徴を持たせた方が分かりやすく、また魅力的なキャラクターにしやすいものです。
そこでここでは、持ち物や衣装で「そのキャラクターらしさ」を演出していく方法を紹介しましょう。
小道具を使うということで、ついでに金属の塗り方についても触れます。
金属の塗り方は、意外とシンプルです。複雑に反射するため難しそうに見えますが、実際は逆。
人間の脳はいい加減なもので、複雑なものほどごまかしやすいのです。
もちろん、周囲の反射を正確に再現させるのは至難の業。
しかし、それらしく見せるだけならば単純な方法で塗れるので、身につけておいて損はありません。
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キャラクターを作る!
キャラクターメイキングの方法論を解いた本は、いろいろ売られています。
しかしそれらは多くの場合、マンガやゲームといった複数のキャラが登場するメディアを想定しています。
ここではもっとイラストで使いやすいように、私なりの方法をご紹介。
発想からキャラ立てまで、1人のキャラクターを絵にしていく過程を見ていきましょう。
「Character」という言葉は人物とも特徴とも訳せるように、
キャラ作りというのは、特徴を付けたり消したりしながら、好ましくまた興味を引く人物に仕立て上げていく作業です。
今回は、ちょっと特徴が強めのキャラを作ってみます。
普通の女の子から強烈キャラに
特徴が強いキャラクターを作る前に、ベースとして「普通の女の子」を描いてみましょう。
ここでは、ショートカットのやや子供っぽいタイプをベースとしました。
このどこにでもありそうな女の子から、アクの強いキャラを作り上げます。
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小道具でキャラ立てする
個性の演出に使える要素はいろいろありますが、分かりやすいのは所持品や服装です。
よくあるのは、ネコ耳やメイド服。
これらはもはや一般的なアイテムとなっており、個性的というには“変さ”が足りません。
使うにしても、ほかのものと組み合わせたいところです。
例えば『萌え絵の教科書』のカバーでは、メイド服+日本刀という組み合わせで描いていますね。
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強烈なアイテムで個性を演出
もっと強力な装備を……ということで、ショットガンを持たせました。
「なぜそんなものを持っているのか?」は、特に考えなくても問題ありません。
でもそこに理由を付けていけば、キャラがストーリーを持ちはじめ、ほかの設定も決めやすくなります。
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設定を作り込んでいく
ショットガンというと何に使うものでしょう?
もちろん、ドアをブチ破るためですよね!
……というわけで、この子には凄腕の錠前破りになってもらいます。
普段は針金や合鍵を使いつつ、最後の手段としてショットガンを持っている。
そんな設定を考えながら、鍵をモチーフにしたアイテムを加えました。
鍵とはあまり関係のない首輪も付けましたが、これは趣味なので大丈夫(?)です。
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金属の塗り方
ショットガンに髪飾りとメタル系のアイテムを持たせたところで、金属の塗り方に入ります。
光沢のある金属はアクセントとして使いやすく、髪の毛に勝るとも劣らない便利なパーツだと思います。
曲がったところに光を入れる
急激に曲がった部分は凸面鏡や凹面鏡になり、光を反射しやすくなります。
特に凸部分は、何も考えずにハイライトを入れてしまっても大丈夫。
凹部分は汚れて黒ずんだりくすんだりしやすいので、周囲の状況や絵の方向性を考えつつ、光らせるかどうかを決めてください。
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平らな部分はグラデーション
これは“ごまかしテクニック”です。
本来は周囲のものが写りこむわけですが、深く考えずグラデーションを掛けてしまった方が金属らしさを出しやすいでしょう。
基本色は思い切って暗くして、パリっと白まで飛ばすようにグラデーションを掛けるのがコツです。
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丸い物は上下を明るく
上側は空や太陽、下側は地面からの照り返しで明るくなります。
ショットガンの薬室のような筒状の金属の場合、中央を暗く両側を明るくすればOK。
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ひとまず完成
金属の塗りは、基本的にこれだけで済みます。
アップで見るとアラが目立ちますが、アクセサリ程度の大きさならば十分金属らしく見えるでしょう。
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金属感をアップさせるテクニック
最後にひとつ、より金属らしさを出すためのおまじないを紹介します。
グラデーションの部分に、薄く色を付けるのです。
赤系または黄色系が良いでしょう。
『Photoshop』を使用する場合は、「覆い焼き」ツールやレイヤの「オーバーレイ」を使うと簡単。「レベル補正」を使ってもできますね。
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正解はひとつじゃない!
今回は、小道具を使ってキャラ立てする方法を見てきました。
「強烈なアイテムを持たせる」というのは、単純なだけに使いやすい手法だと思います。
しかし最初に述べたように、キャラクターメイキングの方法はこれだけではありません。
例えばこのイラストの場合は、容姿や目立つ小物というよりは、背景からキャラクター性を感じさせるように描きました。
高級感のある部屋、執事らしき人物、散らばった薬などを加えて、個性を演出しているのです。
「お嬢様」「病気を患っている」「跳ねっ返り」……といった特徴が読み取れると思います。
シチュエーションや背景などで人物の内面を現す方法と言ってもいいかもしれません。
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「萌え絵の教科書」TINAMI出張所は以上になります。
ぜひコンテストの作品制作に役立てて下さい!
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