漫画的男子しばたの生涯一読者
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漫画的男子しばたの生涯一読者

■ 単行本未収録作品をチョケラッチョ!!

「GTO」 【最終回】 藤沢とおる [bk1]

GTO
「GTO」
藤沢とおる

「ラブひな」(赤松健)に続き、また一つ週刊少年マガジンの看板連載が最終回。「湘南純愛組!」の第1巻の刊行が1991年ということで、読者としては不良→教師・鬼塚と10年以上親しんできたことになる。ラストまでしっかりドラマを盛り上げ、潔く綺麗に終われたのは立派だったと思う。ここは素直に「ご苦労さまでした」といいたい。(「週刊少年マガジン」2/13 No.9 講談社)

「ハングリーハート」 【新連載】 高橋陽一

ハングリーハート
「ハングリーハート」
高橋陽一

高橋陽一といえば「キャプテン翼」。で、「キャプテン翼」といえばマジメに読んでると思わず吹っ飛んでしまうようなトンデモな展開がてんこ盛りなことでも有名だが、韓日ワールドカップが開催される今年、週刊少年チャンピオンにも高橋サッカー漫画が進出した。扉ページのアオリ文句からして「メッチャいい蹴りしてるすげぇヤツが現れたァ!!」であり、「11ページにダッシュ!! でもその前に次のページをチェケラッチョ!!」と来る。主人公は路上で気の弱そうなミュージシャンからギターを奪って歌い出すわ、蹴ったボールがオレンジに輝くわと、もう飛ばす飛ばす。毎号掲載ではなく、飛び飛びでシリーズ連載となる模様。とにかく何を持ち出してくるか分からない人なので、今後も楽しみに待ちたい。(「週刊少年チャンピオン」2/7 No.9 秋田書店)

「空談師」 【新連載】 篠房六郎

空談師
「空談師」
篠房六郎

コンピュータのネットワークに存在する仮想の遊戯空間、「ボード」上で繰り広げられる戦いを描く作品。舞台がバーチャルな空間となるとそこでいくら傷つこうとも現実の身体は無傷なわけだから、物語が軽くなってしまうところがあるけれども、この作品ではネットからの切断が不可であるという状況を作って緊迫感を盛り上げている。この「空談師」シリーズはかつて「アフタヌーン」1999年11〜12月号にも読切が掲載されており、満を持しての再挑戦ということになる。非常に作画のしっかりした高い技量の持ち主だけに期待を持たせる。(「アフタヌーン」3月号 講談社)

「カラコカコ〜ン」 【新連載】 こうのこうじ

カラコカコ〜ン
「カラコカコ〜ン」
こうのこうじ

意志薄弱で何をやっても長続きしないいい加減な男が、ようやくありついた仕事がボウリング場の職員。そこで賭けボウリングをやってるにーちゃんに出くわしたことから、彼のボウリング人生が始まっていく……という物語。ヤンマガ系の新鋭らしく、暑苦しくて野暮ったいけれども勢いとパワーがあって、読後感はスカッと妙に爽やか。(「別冊ヤングマガジン」2/1 No.028 講談社)

「トリコ」 【読切】 島袋光年

トリコ
「トリコ」
島袋光年

「世紀末リーダー伝たけし!」を連載中の島袋光年による読切。信じられないくらいモノを食いまくり、なおかつ高い戦闘力を持つ「美食屋」のトリコが主人公。この作品世界では「強ければ強いほど美味い」という実にシンプルで分かりやすい図式が成り立っており、トリコは世界グルメ機構「IGO」の依頼を受け、強烈に強くてそのぶんうまい野性の獣たちと闘う。相手は体長50メートルくらいある怪鳥だったり、スケールがデカくてダイナミック。バトルと食を直結させた着眼点がとても面白いし、お話としてもしっかりまとまっていた。この世界観で一本連載起こしちゃってもいいかも。(「週刊少年ジャンプ」1/23+29 No.6+7 集英社)

「ブーケンビリア」 【読切】 犬塚康生

ブーケンビリア
「ブーケンビリア」
犬塚康生

犬塚康生は、「アフタヌーン」で「イハーブの生活」を連載した小路啓之と同一人物なのだが、新人漫画賞キラーとしても一部で有名。今回「ブーケンビリア」で佳作を受賞したSJ漫画大賞だけでなく、「アフタヌーン」の四季賞やちばてつや賞でも受賞&掲載歴がある。筆者が知っているだけでも10作品近い。何回もこの手の賞で入選しているだけあって、確かにこの人の短編作品はキレがいい。今回はまず、無人島に新婚旅行にやってきたアツアツカップルを描き、夫が抱える秘密にまつわるお話を展開する。ブラックな味付けのきいた作品となっており、なかなかに面白い。いつか新人漫画賞受賞作品だけで単行本出してくれないかなあとか期待してしまう。(「スーパージャンプ」1/23 No.3 集英社)

「脱兎さん」 【読切】 浅野いにお

脱兎さん
「脱兎さん」
浅野いにお

姐御肌で周りからは頼られがちだけど、実はけっこう寂しがり屋さんだったりする女の子・通称トガさんの日常を描く。淡々としているようだけど暖かみのある絵柄はなかなかユーモラス。青春物語としても歯切れが良い。再登場を期待したい。(「月刊サンデーGX」2月号 小学館)

「眼通力」 【読切】 志村宣哉

眼通力
「眼通力」
志村宣哉

他人に有無をいわせない、強力な眼力の持ち主であるセクハラ部長と、同じく眼力者である営業マンが激突。荒削りで大仰な語り口で下らないことやってて、かなり勢いがあるユニークな作品。(「ヤングアニマル増刊 嵐」3/17 Vol.6 白泉社 )

といったところで今月はおしまい。シユアゲーン。

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