タニグチリウイチの出没!
TINAMIX
タニグチリウイチの出没!

対立するジャンル、重なるカテゴリー

重なる部分もあるけれど本質的には違うもの、または本質的には重なっていないように見えて案外と近い所もありそうなふたつのジャンルは結構あって、時々に応じて付いたり反目しあったりしている。例えばトイファンと武道ファン。方や“お宅”なコレクターでこなた肉体派といった違いはあるけれど、精進を重ねて道を究めるという意味では共通する部分も少なくない、まあそう言われるのは心外だと怒る人も沢山いそうだけど。どちらに? もちろん武道ファンに。

でも本当にそれほど違う種類の人たちなんだろうか。という疑問は最初からあった訳じゃなく、それこそわき上がるトイへの関心から、東京は北の丸公園にある「科学技術館」で1月8日の「成人の日」に開催された中古のトイや最新のフィギュアなんかを販売する「スーパーフェスティバル」に向かっていた途中、たまたま見かけた「鏡開き式・武道始め」という看板に興味を覚えて、「スーフェス」のサイン会までの時間待ちを利用して潜り込んだ日本武道館の中で目にした光景からちょっと思い浮かんだこと。何かしらの根拠がある訳ではない。

弓道女子は萌え。
相撲合気道薙刀空手柔道弓道銃剣道少林寺拳法が1つフロアで合同練習、いや壮観でした。

その「鏡開き式・武道始め」で目の当たりにしたのは、剣道柔道合気道空手相撲といった古くからある伝統的な武道を極めようとする人たちが一堂に集まって、功労者表彰を受けたり鏡開きを行ったり稽古をしたりする菅。方や玩具や人形に熱中する文化系おたくたちがあって、こなた肉体の鍛錬や技の習得に勤しむ体育会系おたく(熱中する人、という意味)たちという世間一般の認識からすれば対極にある両者が、同じ敷地内でそれぞれにそれぞれの関心に向かって熱中している様を見るにつけ、彼ら彼女らを客観的主観的に分け隔てているものは何だろうかと考えてしまった。

参議院議長が鏡開きの際に武者のコスプレ(違う)で登場して大将を務めて喝采を浴びる武道の側の、なるほど伝統と格式が世間的な評価の上でモノを言っているのは分かるけど、だったら「スーパーフェスティバル」が100年なんて伝統を持った暁には、会場を武道館、とは言わないまでも国立劇場なり国立競技場へと移して「玩具道功労表彰式」なんてものを開いてくれるんだろうか。文化庁だって数年前からアニメやゲームを表彰するようになった位だし、何十年後かに「文化勲章」とか「文化功労賞」とかをアニメの監督が受賞したって不思議はない。実際に宮崎駿監督なんか遠からず何か受賞しそうだし。>>次頁

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