タニグチリウイチの出没!
TINAMIX
タニグチリウイチの出没!

クルマおたくの諸相

いっけぇぇぇ!マグナァァム!!(まちがい)
しゃがみこんでマシンを調整する姿はすでにいっぱしのメカニック。でも整備マンにはならないんだよね、きっと。

対象への熱さという部分以外でも、たとえば『ジオブリ』ファンと「モーゼル好き」が重なるように、「武道始め」に来ている肉体的に頑健な男女でも、「スーフェス」へと足を踏み入れれば男だったら格闘ゲームの主人公のフィギュアだったり、女性だったら「リカちゃん」のような人形に強い関心を示すのかもしれない。武道とトイ、ジャンルは違っていても細かなカテゴリーでは重なっていたりする部分があるような気がして、世間一般が見ているような方や健全、こなた不健全といった違いは本当に正しいのかと思えて来る。同じ日のほとんど同じ場所で繰り広げられた2つの対照的なイベントが、あらためて「おたく」の意味について考えさせてくれた。

同様のことは、1月13日に会場こそ「東京ビッグサイト」に「幕張メッセ」という、同じ東京湾沿いで開催されていた2つのイベントからも感じられた。まずはお台場の「東京ビッグサイト」でのぞいた冬恒例のイベント「次世代ワールドホビーフェア」。ミニ四駆が下火になった代わりにタミヤが送り込んで来た流線型のマシンを走らせて楽しむ「ダンガンレーサー」がブレイクしてて、ミニ四駆の時と同じように大きな工具箱にいっぱい部品を放り込んでは、会場でゲシゲシと組立やら改造やらをしている子供に元子供がブースの回りを取り囲んでいた姿が見えた。

烈豪のマグナムはゼロヨンQ太へのオマージュとみたがどうか?
ここまで壮麗なコースを組み立ててみたいもの、問題はお金と場所かあ。

レース物への人気再来を予感しているのか、トミーにも似たようなスピード感重視の新しい車の玩具が登場して、そこそこに人気を集めていた。「ビットレーサー」という名前の商品は、超小さいモーターを内蔵した全長で5センチあるかないかという小さい車を走らせて楽しむ遊びで、形だけならミニミニ四駆ってな印象を受ける。改造をして楽しむというコンセプトも「ミニ4駆」と同様で、ギヤ比にしてもタイヤの固さにしてもいろいろといじっては走りを変えて楽しめるらしい。広げても部屋をはみ出てコースが延びる可能性が小さい分、「ミニ四駆」よりも狭い日本の家庭事情に合った遊びなのかもしれない。もっともワンルームのほとんどがゴミに占拠されて寝る場にも困る某氏(自分だ)の部屋では、「ビットレーサー」すら遊ぶこと能わずな商品になってしまっているんだけど。

考えてみれば「ホットウィール」の昔から、走らせて楽しむレーシングゲームの人気こそ下火になっても商品が途切れたことはあまりなく、男の子を中心とはしながらも人間の本能には、乗り物で早く走ることへの潜在的な渇望が擦り込まれているのかもしれない、弾が出る「拳銃」と同様に。そして大人になった時に、拳銃をフックにしてアニメへと乗り換えなかった人が、道を究めてミリタリーマニアになるように、子供の頃はトイとして「ダンガンレーサー」や「ビットレーサー」を遊んだ人がトイを極める道へと進まず、クルマを極める方向へと流れるのだ。結果生まれるのが「トイコレクター」と「カーマニア」という異なるジャンル。これは「エンスー」とか「暴走族」とか「走り屋」といった種族に細分化して考える必要があるかもしれないけれど、いずれととっても"お宅"なトイのコレクターよりははるかにアクティブで、社会的認知もプラスマイナスの違いはあっても相当に大きなものがある。>>次頁

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