タニグチリウイチの出没!
TINAMIX
「ネタT」と「萎えカル」の店、少年ジェッター。

告白・「俺はケミカル・ウォッシュを履いていた!」

要するに「少年ジェッター」ってさ、俺思うに「イケてない俺」を演出するためのトイショップなんだよ。でもよく考えたらこれ、そのへんの普通のアメトイ屋とはコンセプトが180度逆なんだよな(笑)。商売として考えたら相当間違ってるんだけど、そこがたまらん(笑)。

最近さ、「萌え」って言葉がオタクのキー概念みたいになってるじゃない? でも彼の場合は違うわけ。「萌え」っつうよりも「萎え」っていうか(笑)。「Hook Ups、萎え萎え〜」みたいな(笑)。ネタTにしたって、あれ、要するにオールナイトとかヤンタンとかのハガキ職人のノリだよね。そういうハガキ職人的というか、「徹夜してハガキしこしこ書いてた中学生時代の俺」的な感覚というか、そういうものを「少年ジェッター」や「ニードルス」に俺は感じるわけ。で、そういうことを彼に言ったらさ、

「あー、中学生は俺の中で今、熱い存在ですよねー。今度ウチのオリジナル商品で、ペナント出そうと思ってるんですよ。三角の、『鳥取』とか書いたやつ」。

見事でしょ(笑)。もうこれ聞いたときはさすがの俺も完全に萎え萎えになりましたよ。あと、特攻服とか出そうと思ってるらしいんだよね。もちろん刺繍入りで(笑)。もーアンタどこまで行くんだって感じなんだけどさ。

んでさ、「ニードルス」とか「犬神商会」とかのネタT着て、イベントとかロックバーとか行くでしょ? 周りは当然大爆笑なんだけどさ、凄いモテるわけよ。そらそうだわな、こんだけインパクト強烈なTシャツって誰も着てないもん(笑)。話題のきっかけも作りやすいしね。オタクなんだけど、「オタクです」って宣言してるような服なんだけど、モテる。しかも周りを萎えさせることによって(笑)。これ、今までのブランドにはなかなかないコンセプトだよね。

精神科医の斉藤環さんが出した本で、『戦闘美少女の精神分析』ってあるでしょ? 今だから言うけど俺、最初あの本読んでさ、かなり怒ってたの。ほら、俺って自分のホームページでオタク批判繰り返してたでしょ? ところがあの本と来たら、身も蓋もないオタク擁護本なんだよね。で、「なんだこの野郎、オタクの肩ばっか持ちやがって」とかって怒ってたわけ(<斉藤先生ごめんなさい)。で、こないだロフト・プラスワンに斉藤さんの出版記念のイベント聞きにいってね、「ことと次第によっちゃ噛みついてやろうか」とか思ってたんだけど、そこで完全に「根本的な態度変更」が起きたの、俺の中で。

どういうことかっつうと、要するにオタクだってさ、おしゃれしたりクラブ行ったりしたいわけだよ、実のところ。でもアニメとかマンガは好きで、コミケも好きでさ。だって、別にコミケ行ったりマンガ読んだりするのが悪いわけじゃないじゃない? コミケもマンガも楽しみながらクラブ行けたら、それでいいわけだよ、実のところ。ところが、クラブ行こうにもどのイベント行ったらいいかよくわかんないし、服買いに行こうにも「この格好で行ったらダサいって笑われるんじゃないか」なんて考えちゃう。で、手持ちの服で精いっぱいおしゃれしたつもりで全能感一杯になって、それで人前に出たら、ケミカル・ウォッシュのジーパンに冷たい視線が飛んできて、とたんに無能感に襲われる(笑)。で、そういう悩める人々に「おしゃれくらいしろよ」って言ったって逆効果なんだよね。「判ってるわい!」っつって発狂モードに入るだけで。オタク批判は正しくはあるが無意味だ。ホントその通りだな、と思ったよ。でもなんでここまで考え方変わったのかな。催眠術でも使ったのかな、斉藤先生(笑)。

写真5
ネタTをたたむ店長バルタンの図。こんなの着てたら格闘技オタクってのがまる判りだが、結構ウケるぞ![拡大]

いや、それでさ、なんでここまで「どオタク」の心理が俺に判るかっつうと、実は俺、高校まで、筋金入りの「どオタク」だったんだよ。カミング・アウトするけど、俺、ケミカル・ウォッシュ履いてバンダナしてたんだよね(笑)。でね、「このままじゃいかん!」とか思いながら501のジーパン買いに行ったんだけどさ、店員の白い視線がビシビシ飛んでくるの、俺のケミカル・ウォッシュに(笑)。いやー、ありゃあキツかったなぁ、マジで。

でもね、今だったらこんな苦労しなくて済むわけ。わざわざ店員の冷たい視線を浴びなくても、「ハンバーグ009」とか「ニードルス」とかを買えば良いんだよ。ネット通販で。良い時代になったもんだよねー。あ、でも「ニードルス」のバルタンは良い奴なんで、店に行っても冷たい視線なんか送らないと思うけどね。>>次頁

page 3/4


==========
ホームに戻る
インデックスに戻る
*
前ページへ
次ページへ