No.969872

スマブラ Abandon World 42「ゼルダを救え!」

Nobuさん

いよいよリンクとゼルダが対決します。
果たして、リンクはゼルダを元に戻す事ができるのでしょうか。

2018-10-10 17:33:04 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:950   閲覧ユーザー数:950

「……終わったようだな」

 ようやく、ゼルダがぽつりと呟いた。

 何が終わったのだろうか……リンクはその事が少し気になっていたが、

 今はゼルダを止める事を優先し彼女に近付く。

「ネールの愛」

「ぐぁぁっ!」

 だが、ゼルダはリンクをネールの愛で弾き飛ばす。

 それでもリンクは諦めず、次に魔法を放とうとしたゼルダの腕を押さえ込んだ。

「くっ……何をする!」

「みんな、今のうちにクラウド達を助けてくれ!」

「うん!」

 リンクとゼルダが取っ組み合いになっている間に、マリオ達は捕まっている三人の縄を外した。

 自由になったクラウドとカムイ、そしてベヨネッタはゆっくりと倒れ込む。

 リンク以外の全員は大急ぎで三人に駆け寄った。

「大丈夫か、クラウド」

「カムカム! しっかりして!」

「ベヨネッタ……」

 気を失っている三人に、マリオ、カービィ、フォックスは声をかけた。

「ああ……マリオ、か」

「クラウド!」

 最初に目を覚ましたのは、クラウドだった。

「こ、こは、どこ、だ」

「穴の中、と言ったら単純だよな。お前はここに捕まっていたんだ」

「うぅ、そうか……。自由にしてくれて、ありが……と、っ」

 立ち上がろうとしたクラウドが再び意識を手放そうとする。

 マリオはクラウドを抱きかかえ、安全な場所に彼を寝かせた。

「カービィさん、あれ……ここは?」

「おっはよ~! カムカム!」

 こんな危険な状況なのにも関わらず、カービィは明るくカムイに挨拶する。

「よかった……私、生きてるんですね……」

 生きているのを確認したカムイはほっとする。

「あっ、そうだ。ベヨネッタさんは?」

「カムカム、無茶しちゃダメ! ベヨ姉は生きてるよ!」

「本当……ですか?」

「本当だよ! 僕を疑う気!?」

 カービィの言葉と表情に裏表はなかった。

 カムイは「よかった」と言って、その場で気絶するように寝た。

 ゼルダが洗脳され、ベヨネッタが火あぶりにされ、自分も捕まって殺されそうになった。

 今、その状況から解放されたため、カムイはすっかり安心したのだろう。

「……ぅ……わ……私、は……?」

 先ほど、ゼルダに火あぶりにされたベヨネッタがゆっくりと起き上がる。

 彼女の服はボロボロになっていて、身体中に火傷の跡がついていた。

「ベヨネッタ……生きていて、よかった」

「……私が、あんなんで、死ぬわけ、な……」

「何を言ってるんだ! マリオ達が助けなければ、お前は死んでたんだぞ!」

 フォックスはウルフの悲劇を見た事から、仲間を助ける事に専念している。

 しかし、自分一人だけでは仲間を助ける事はできなかった。

 この言葉も、マリオ達仲間がいたからこそ言えたのだ。

「クラウド、カムイ、ベヨネッタ。お前達は無理をしないで休め。ゼルダは、俺達が相手する」

「応援してますよ!」

 マリオ、カービィ、ピカチュウ、フォックス、ブラックピットは、

 三人を安全な場所に匿わせてリンクのところに行った。

 

 一方のリンクはというと、今もゼルダと取っ組み合いになっていた。

「ゼルダ……俺達がここに来たのは、お前を元に戻すためでもあるんだ」

 今、ゼルダはハオスに洗脳されている。

 つまり、望んで三人を捕らえたわけではない。

「ただ『正気に戻れ』と言っただけじゃダメだよな。

 俺は……ゼルダが戻ってきてくれればいい。ゼルダ、お前は……何がしたいんだ?」

「……」

 リンクの言葉に反応しないゼルダ。

 ゼルダはリンクの手を振りほどいた後、魔法を詠唱すると、無数のグールが現れた。

「ならば、貴様はここで死ね!」

 ゼルダの指示と共にグールがリンクに襲い掛かってきた、その時。

 

「はぁぁぁぁぁっ!」

 マリオが飛び蹴りを放ち、グールの群れを地に伏せた。

「リンク! ゼルダは俺達と一緒に元に戻すぞ!」

「みんなでやれば、ゼル姉は元に戻るよね!」

「俺達スマブラ四天王の力を見せてやろうぜ!」

「ファルコ……ウルフ……力を貸してくれ。あの悲劇を起こさないために!」

「へっ。こんな化け物、一網打尽にしてやるよ」

 ブラックピットがやる気満々でブラピの狙杖を構える。

「待ってくれ……ゼルダ。お前は、俺が絶対に連れ戻す!」

 リンクは、真剣な表情でマスターソードを握り締める。

 そして、ゼルダに向かって叫ぶと戦闘が始まった。

「まずはグールを倒そうぜ! アイアンテール!」

 ピカチュウが鋼のように固くした尾をグールの群れに叩きつける。

「ディンの炎」

「うおっ!?」

 ゼルダは一瞬無防備になったピカチュウに火炎弾を放つ。

 火炎弾は爆発し、ピカチュウに大きなダメージを与えた。

「はっ!」

「えーい!」

 マリオとカービィのハンマーが、グール達を一撃で倒した。

「貫け!」

「くっ!」

 ブラックピットはブラピの狙杖を構え、そこから光線を放ってゼルダを撃ち抜く。

「ゼルダ! 俺の声が聞こえるか!?」

 リンクがゼルダをマスターソードで斬りつける。

 いくら彼女が操られているといっても、手加減をしては殺されてしまう。

 なので、まずは大ダメージを与えた後、気絶させる作戦で戦う事にした。

「ウァァァァァァ……!」

「よっと!」

 フォックスはグールの攻撃をかわし、回し蹴りでグールを一掃した。

 その後にブラスターを連射しグールを全滅させた。

「グールなど、所詮は駒に過ぎない。……私が貴様らを皆殺しにする! マジカルカッター!」

 ゼルダは魔法で刃を形成し、リンクに斬りつける。

 普段のマジカルカッターは光り輝いていたが、洗脳の影響で禍々しい黒に染まっていた。

 リンクは盾でこれを防ぎ、ゼルダを連続で斬りつけた。

「俺を大切に思うゼルダは、まだいる。俺はそれを信じて、お前と戦う。

 たとえご都合主義であっても、ハッピーエンドは絶対に掴み取る!」

「黙れぇぇっ! シャイニングパームショット!」

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ゼルダは手から閃光を放ち、リンクに大ダメージを与えた。

「くっ……ゼルダ……俺が、分からないのか……!? もう、俺の存在は、見えないのか……!?」

 もうゼルダは元に戻らないのか、とリンクは絶望した。

 だが、この時マリオは見ていた。

 魔法を放つゼルダの手が、僅かに震えていたところを。

「リンク!」

「どうした、マリオ?」

「ゼルダは今、自分を縛っている闇に必死で抵抗しているんだ!

 このまま攻撃を続ければ、きっと思い出せるかもしれない!」

「そっか……ありがとよ!」

 そう言ってリンクはゼルダに近付こうとするが、ゼルダはネールの愛で拒絶する。

「私に近付くな……!」

「でんきショック!」

「そんなもの! ネールの愛!」

 ピカチュウのでんきショックをネールの愛で跳ね返すゼルダ。

 しかし、これは隙を作るための囮であった。

 フォックスはゼルダに突っ込んで蹴りを浴びせ、さらにマリオが零距離でファイア掌底を叩き込む。

「く……何を、する……!」

 急な出来事に対応できず、どんどんダメージを受け続けるゼルダ。

「くそ……やめろ……!」

「お~っと、俺も忘れるなよ!」

「目を逸らせはしない!」

 さらに、ブラックピットが神弓シルバーリップでゼルダを攻撃し、

 目を逸らそうとした彼女をフォックスのブラスターが阻止する。

「ゼルダ……俺の目を……見ろぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 そして、リンクの剣がゼルダを捉え――

 

「……リン、ク……」

 ――彼女を、倒した。


 
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