No.938096

【東方】かぐやべや

初音軍さん

終始イチャイチャまったりな輝夜と永琳のお話。
始まりの辺りは【ふたりべや5巻】から参考にしました。
意外とこの二人に合いそうだなぁと思ってました。

2018-01-19 14:29:12 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:855   閲覧ユーザー数:855

かぐやべや

 

「ねぇ、輝夜。今日作ってみたマッサージクリームがあるんだけど…」

「え~…」

 

 永琳が目をギラつかせながら私の部屋に入るとすぐその話題を持ち掛けてきた。

 

「目が怖いんだけど…」

「輝夜のお手入れさせて!」

 

 部屋には永琳と二人きり。ウサギたちの前では絶対に見せない姿をさらけ出していた。

 

「私より自分のお手入れしたら?」

「輝夜じゃないと意味ないのよ!」

 

 二人きりになると時々この調子になる。普段からお世話してもらってるから

無下にしにくいとこはあるけれど。私は一つため息を吐いて永琳に言った。

 

「まぁ、いいけど…好きにすれば?」

 

 私の言葉を聞いた永琳はギラつかせていた目をパッと輝かせて私に聞いてきた。

 

「好きにしていいの? どこでも?」

「あー、なんか昨日人里まで歩いたから足が疲れたかもー!」

 

 身の危険を感じた私は咄嗟に理由を考えて永琳に伝える。すると永琳は嬉しそうに

私の足をマッサージし始めた。熱いタオルで脚を温めて血行を良くしてから

脚を揉んで解してくる。

 

「んふ…」

「どうしたの、輝夜?」

 

「なんか…くすぐったくて…」

「ふふっ、今の声。いやらしくてなかなかいいわね」

 

「この変態!」

「天才たるもの、変態でもなきゃやってられないわ」

 

「どういう理由なのよ…?」

「つまり日ごろのストレスを輝夜で癒してもらうってことね」

 

「これが癒しになるの…?私にはなってるけど」

「お互いに癒しになるなら問題ないわね」

 

 そう言うと永琳はドヤ顔をしながら優しく大事なものを扱うかように

マッサージを続けた。その後すっかり揉み倒された私は畳の上でまったりしてしまう。

 

「ほら、お姫様がだらしなくしないの」

「永琳がマッサージ始めるからでしょ…!」

 

 必要な緊張感すらも解けて力が入らなくなるほど気持ちよかった。

 

「輝夜がそんなだらしないことしていると…欲情しちゃうでしょ…」

「うん!大丈夫だから!」

 

 自分でも驚くほど素早くキチンと座りなおした。そして私の隣に永琳が近づき

顔を寄せてきながら他愛のない話を始めた。

 

 私も最近はよく出かけてるからちょっとしたことなら話すネタもあった。

異変の噂めいたものとかね…。あくまで噂でそれ以上のことはなかったけど。

平和な日々。平和だからこそ、異変などの刺激を人は欲しがる。

 

 でも私はそのくらいがちょうどよくて、こうして永琳と何事もなく過ごす日々が好きで、

好きでたまらない。だから敢えて自分から異変に向き合おうとは思わないのだ。

 

 たまに鈴仙辺りが解決しようと自分から首を突っ込んでいこうという節があるけれど…。

 

「平和ね…」

 

 永琳が少し疲れた声で呟く。その疲れた声にはやや色っぽさも含まれていた。

私は昔から仕事で疲れて私に甘えにくる永琳の声が好きだった。

 

「そうね」

 

 気づけば顔を近づけるどころか優しく抱きしめていたりするけれど仕方がない。

私が永琳にしてあげられるのは癒しだけなのだから。

 

 悲しいかな、私には永琳がやっているほとんどのことができない。

手伝うことができないのは少し悔しいかも。

 

「輝夜は輝夜のままでいてね」

「はいはい」

 

 そうして永琳の気が済むまで私は永琳の好きなようにされるのだった。

 

 

**

 

「ところで永琳」

「何よ、輝夜」

 

「私にもマッサージさせてよ」

「…いいわよ。好きなようにしなさい」

 

 満足気な表情で私からちょっとだけ離れた後、永琳に聞くとそう答えを返された。

だから私は前から気になっていた部位に触ってみる。

 

 むにゅっ

 

「…!」

 

 一瞬びくっとなる永琳の体。私が触れたのは永琳のたわわに実っている二つの果実。

おっぱいである。ほどよく熟成された永琳の胸はちょうどいい柔らかさで気持ちいい。

 

「…っや!くすぐったいから…!輝夜…!」

 

 むにゅっもにゅっ

 

「むむっ、指が沈んでいく柔らかさ。…ずるい!」

「何が…?」

 

「スタイルいい上にこのおっぱいの大きさはけしからん級だよ!」

「そんなこと言われても…それに」

 

 揉まれて顔を赤らめる永琳はそのまま笑みを浮かべて私の顔に手を当てる。

 

「私は輝夜のこの柔らかい頬が好きかしらね。ぷにぷにで気持ちいい」

「太ってると言いたいの!?」

 

「いえ、私が管理してる以上それはないわ!生まれ持った極上のぷにぷになのよ。

それに…」

 

 永琳は手を私の胸元に移して直に触れず服の表面だけをそっと撫でてくる。

 

「私は輝夜のこの控えめな胸も好きよ」

「嫌味か…!」

 

「…褒めてるつもりだったのに」

「それだったら私は永琳の体も性格も全てが大好きよ!!」

 

 言い放った後、私は我に返って両手で真っ赤になった顔を隠した。

全身熱くなってきて永琳の顔も見れない状態になっていた。は、恥ずかしすぎるぅ…!

 

「あ、ありがとう…?」

「ふうぅぅ…!」

 

「ふふっ、輝夜ったら可愛いわね。今更恥ずかしがらなくたってわかってるわ」

 

 そして私の反応を待たずに永琳は私を力強く抱きしめた。

 

「貴女の気持ちを知っているからこそ嬉しいのよ。その言葉は…」

「永琳…」

 

 永琳の香りと薬品の臭いが混じった独特な感じ。私の好きな匂い。

その匂いに包まれながら私はうとうととし始めた。小さい頃に戻ったような感覚。

そういえばあの頃から私は永琳のことを好きだったんだっけ…。

 

 

 私は気が付くと永琳が微笑みながら私の顔を覗き込んでいた。

どうやら私は永琳の膝の上に頭を乗せて寝ていたらしい。

 

「おはよう、輝夜」

「おはよう…。永琳の好きなようにさせるどころか私の枕にしてしまったなんて…」

 

 ぐぬぬっと悔しさをかみしめながら呟く私を見た永琳は笑っていた。

 

「いいのよ。これも私のしたかったことだから」

 

 そう言ってから私が永琳から離れた後、彼女は立ってから伸びをして一息吐いた。

そして私の方へ振り返ってすっきりした顔をして言うのだ。

 

「今日はたっぷり輝夜分を摂取できたから。また仕事がんばれるわ」

「そう…」

 

 そう言われると少し照れてしまう。永琳はそのまま部屋から出ていって部屋の中は

すっかり静かに寂しい場所になっていた。

 

「やっぱり仕事をしている貴女も素敵だと思うわ」

 

 誰に向けるわけでもない言葉と笑顔を入り口に向けて私は彼女の顔を頭に浮かべていた。

戸を開けて耳を澄ますとイナバたちの声と竹林の葉の擦れる音が聞こえる。

 

 いい風が吹いていて私は座って目を瞑りその音を愛で楽しんだ。

 

 今日も永遠亭は平和だと。

 

お終い。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択