No.894330

九番目の熾天使・外伝 ~短編EX~

竜神丸さん

リビングデッド・ライダーズ

2017-02-21 05:21:57 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:9167   閲覧ユーザー数:2087

死者は再び、現世に蘇る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、実験を始めようか…」

 

海鳴市、とある真っ暗な倉庫。その内部にて、白服を纏った黒人風の男は、右手に持っていた黒いガシャットを起動しようとしていた。

 

≪リビングデッド・ライダーズ!≫

 

起動音と共に、その黒いガシャットが謎の装置の挿し込み口にセットされる。すると装置のモニターに映し出された巨大なゲーム画面から、4人の仮面ライダーが飛び出し、黒人風の男の前に着地する。

 

かつて一つの街を、死人だらけの地獄に変えようとした戦士―――仮面ライダーエターナル。

 

一度は人間を見限り、怪物として生きていく事を決意した戦士―――仮面ライダーオーガ。

 

愛する者を生き返らせる為に、生と死を引っ繰り返そうとした戦士―――仮面ライダー幽汽。

 

肉体という呪縛から解放するべく、全人類を幽霊に変えようとした戦士―――仮面ライダーダークゴースト。

 

かつて正義の仮面ライダー達に敗れ、二度の死を遂げた闇の仮面ライダー達。そんな彼等が今、突如としてこの現世に復活を遂げた。

 

「さぁ行け、三度目の生を得たライダー達よ」

 

「「「「……」」」」

 

黒人風の男の命令を受け、4人の仮面ライダーはコクリと頷いて倉庫から瞬時に姿を消す。その数秒後、黒人風の男の背後からも一人の青年が無音で姿を現した。

 

「ん、君か。身体の調子はどうかね?」

 

「…絶好調、何時でもいけます」

 

「では、君も彼等と共に行きたまえ。せっかく生き返ったんだ、肩慣らしが必要だろう?」

 

「…了解」

 

そしてこの青年もまた、黒人風の男の命令により倉庫を後にしていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

その右手に、謎の黒いベルトを持ったまま…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事が起きているとは露知らず、人気の無い真っ暗な地下道では…

 

 

 

 

 

「あぁ~荷物が重い…」

 

ユウナの元教え子の1人―――湯島刀奈は食材の買い出しを終え、真っ直ぐ帰宅しようとしている途中だった。時間帯が夜である為、こういった真っ暗な地下道を通るのはあまりオススメの出来るような事ではないが、彼女の場合は自宅からスーパーまで買い出しに向かう際、この地下道はどうしても通って行かなければならないらしい。

 

(これも全部、自転車のタイヤがパンクしたせいね……明日、自転車屋で直して貰わなきゃ)

 

買った食材の入ったビニール袋を重たそうに持ちながら、刀奈はさっさと地下道を通り抜けようとするが…

 

 

 

 

 

 

-カツン……カツン……-

 

 

 

 

 

 

「…!」

 

背後から聞こえて来る足音。刀奈は思わず足を止め、後ろを振り返る……が、振り返った先には誰もいない。

 

「…気のせい?」

 

刀奈は首を傾げつつも、すぐにまた歩き始める……しかし。

 

 

 

 

 

 

-カツン……カツン……-

 

 

 

 

 

 

「…!」

 

またしても聞こえて来る足音。刀奈は何となく嫌な予感がするのか、食材の入ったビニール袋を両手で持ちながら歩くスピードを速めていく。

 

 

 

 

 

 

-カツン…カツン…カツン…カツン…-

 

 

 

 

 

 

しかし彼女が歩を速めてみると、謎の足音も一歩一歩の間が小さくなっていく。これは明らかに何かが後ろから追いかけて来ている。

 

(嘘、まさかストーカー…?)

 

流石の刀奈も、もしや自分がストーカーに狙われているのではないかと疑い始める。そう考えている間も、後ろから追いかけて来る足音は少しずつ大きくなっていく。

 

 

 

 

 

 

-カツン…カツン…カツン…カツン…-

 

 

 

 

 

 

(近付いて来てる…!)

 

 

 

 

 

 

-カツンカツンカツンカツン…-

 

 

 

 

 

 

(ッ…ちょっと怖いけど、一か八か…!)

 

もうすぐそこまで迫って来ている。刀奈は追いかけられる恐怖に表情が青ざめつつも、一度立ち止まり、勇気を振り絞って後ろにバッと振り返った……が。

 

「…あれ?」

 

振り返った先には、やはり誰もいない。足音も聞こえて来ない。

 

(やっぱり気のせい? でも、確かに足音は聞こえて来たし…)

 

何が何だか分からない様子の刀奈だったが……そこで歩を止めたのがいけなかった。

 

-スゥゥ…-

 

「ッ…!?」

 

それは突然だった。背後から伸びて来た黒い左手が、刀奈の左肩をしっかり掴んだ。不意を突くように肩を掴まれた事でビクッと震えた刀奈は、恐る恐る後ろへと振り返り……自身の背後に立っている、ダークゴーストの姿を視界にしっかり捉えた。

 

「ッ…だ、誰!?」

 

「……」

 

「ひっ……嫌ぁ!!」

 

刀奈に姿を見られたからか、ダークゴーストは黒く禍々しいオーラを全身から放ち始める。それを目の前で見た刀奈は小さく悲鳴を上げ、すぐにダークゴーストの掴んでいる左手を払ってすぐにその場を走り出す。買った食材入りのビニール袋を落としてしまうが、今の彼女にはそれを拾っている余裕など全く無い。

 

「!! お、お巡りさん!!」

 

逃げようとしている先に、棒立ちでいる警察官の後ろ姿が見えた。刀奈はその警察官に助けを求めるべく、警察官に走り寄ろうとしたが…

 

「……ぁ、あ…」

 

「!? き、きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

刀奈は大きな悲鳴を上げる。振り返った警察官の顔が、灰色に変色していたからだ。警察官は刀奈に手を伸ばそうとした瞬間、伸ばした手が灰となって崩れ落ち、警察官の全身も灰となってその場に崩れ落ちる。そんな警察官の死に様に、刀奈は見覚えがあった。

 

(こ、これ……隼が死んだ時と同じ…!?)

 

刀奈の弟―――湯島隼も、かつて海鳴市でゴーストショッカーによる幽霊騒動が発生した際、オルフェノクに襲われた事で灰となって消滅し、死亡している。今回、同じ死に様を見てしまった事でそのトラウマを刺激された刀奈は腰が抜け、その場に座り込んだまま身動きが取れなくなる。

 

「い、嫌、嫌…ッ!!」

 

「……」

 

そんな彼女に追い打ちをかけるかの如く、街路樹の陰からオーガが姿を現す。その右手に専用武器であるオーガストランザーを構えている事から、彼が警察官を殺害した張本人のようだ。

 

「……」

 

「ひっ!? い、嫌、来ないで…!!」

 

そして刀奈の後方からは、追いついて来たダークゴーストが専用武器のガンガンセイバー・ブレードモードを構えて迫り来ていた。前方からはオーガ、後方からはダークゴースト。刀奈の逃げ場は完全に失われた。

 

「あ、あぁぁぁぁぁぁ…!!」

 

「…フンッ!!」

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

振り下ろされるガンガンセイバー。それと共に夜の海鳴市には、少女の悲鳴と肉を斬る斬撃音の二つが、大きく響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――!! 何だ…?」

 

たまたま近くを通りかかっていた事で、刀奈の悲鳴を耳にしていたスノーズ。彼は悲鳴が聞こえて来た方角まで素早く駆け抜け、刀奈が倒れているところを発見する。

 

「!? あの子はユウナちゃんの…!!」

 

ガンガンセイバーで斬られた為、刀奈の背中からは大量の血が流れ出ていた。このままでは彼女の命が危ないと判断したスノーズは倒れている刀奈に駆け寄り、CURE(キュア)というPSIを発動。刀奈が背中に負っている傷の治療を開始する。

 

(何があったのかは分からないけど、他の皆にも知らせた方が良さそうだね…!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、別の場所でも惨劇は起きていた…

 

 

 

 

 

 

「~♪」

 

高町家の風呂場にて、高町美由希は気持ち良さそうにシャワーを浴びていた。この日掻いた汗を流す事でサッパリしようと考えていた彼女だったが…

 

-スゥゥ…-

 

シャワーの音のせいで、彼女は風呂場のドアがゆっくりと開けられた事に気付けなかった。そして開いた先の暗い空間からは、禍々しい形状の大剣―――サヴェジガッシャーの刀身が伸び…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美由希~、何時までも入ってないでそろそろ上がりなさ…」

 

それから少しした後、母親の桃子は風呂場から出て来ない美由希に声をかけようと風呂場のドアを開けた。しかしそんな彼女の目に映ったのは…

 

「!? 美由希!?」

 

背中から血を流したまま、風呂場の床に倒れている美由希の姿だった。桃子は表情が青ざめながらも急いで美由希に駆け寄る。

 

「あなた、急いで救急車を呼んで!! 美由希が、美由希がぁ!!」

 

そんな状況の中、今もシャワーからはお湯が出ている状態のまま。そのシャワーのお湯は風呂場の床を流れ、美由希の赤い血と共に排水溝へと流されていくのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に別の場所でも…

 

 

 

 

 

 

「さ~て。任務の帰りに買ったお土産、ルイちゃんに届けるとしよっかねぇ」

 

「おいコラ、その土産を買ったのは俺だって事を忘れんじゃねぇぞ」

 

任務を終えたばかりのハルトとシグマの2人が、任務の帰りに寄り道して買ったお土産を持ってタカナシ家まで向かおうとしていた。そんな時…

 

「…んお?」

 

「あ?」

 

突然、電柱の陰から黒服の青年が姿を現し、2人の前に立ち塞がった。

 

「…あのぉ。おたく、どちらさん?」

 

「何の用だ? 俺達ゃそこを通りたいんだが…」

 

言いかけたところで、シグマは表情が一変した。それは黒服の青年の素顔を見たからではない。黒服の青年が右手に持っている、黒いベルトを見たからだ。

 

「おいテメェ、何だそのベルトは…!!」

 

「!? …ありゃりゃ。もしかして、おたくも同業者って奴?」

 

「…そういう事になる」

 

ようやく黒服の青年が口を開いた。その口調はほとんど棒読みに近く、青年の機械的な雰囲気を印象付けるのに充分な効果を発揮していた。

 

「…ひとまず聞こうか。俺達に一体何の用だ?」

 

「…お前達を使って、確かめに来た。俺自身の性能を」

 

「何…?」

 

黒服の青年は右手に持っていた黒いベルトを、自身の腰へと装着。そしてベルトのドライバー部分に取り付けられている2本のグリップの内、左側のグリップを握って捻り…

 

≪SIGMA≫

 

「…アマゾン」

 

「「ッ!?」」

 

黒服の青年が告げた「アマゾン」の一言、それと共に黒服の青年を中心に衝撃波が発生。ハルトとシグマが素早く後退する中、衝撃波が収まったそこに立っていたのは…

 

「な…!?」

 

「おいおい、何だありゃあ…!!」

 

ハルトとシグマは驚愕した。

 

 

 

 

 

 

体表面が銀色になっているボディ。

 

 

 

 

 

 

少しだけオレンジ色に染まっている胸部装甲。

 

 

 

 

 

 

両腕や背中に生えている数本の棘。

 

 

 

 

 

 

紫色の複眼。

 

 

 

 

 

 

その姿は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アマゾンだと…ッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正義の仮面ライダーの1人―――仮面ライダーアマゾンの姿に酷似していたからだ。

 

 

 

 

 

 

「…まずはお前だ」

 

 

 

 

 

 

アマゾンそっくりの姿をした戦士―――仮面ライダーアマゾンシグマは、ハルトの方を指差しながら告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は、5手で詰む」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この海鳴市に、再び鮮血が舞い上がろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued…?

 


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