No.891630

九番目の熾天使・外伝 ~改~

竜神丸さん

βテスト(ウォーロックゲーマー変身編)

2017-02-03 11:31:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1078   閲覧ユーザー数:412

『ギャオォォォォォォォォォォォンッ!!!』

 

「うぉ危ねっ!?」

 

「はぁ!!」

 

とある海岸。ナナリーの母親を取り込んだ巨大な怪物―――バグスターユニオンに対抗するべく、レベル1の姿に変身したスニークとPDエグゼイドが挑みかかっていた。バグスターユニオンが砲台から放つ砲弾をPDエグゼイドが寝転がって回避し、スニークは砲撃をかわしながら的確にバグスターユニオンだけをガシャコンカービンで狙い撃つが、バグスターユニオンは勢いが収まる気配が無い。バグスターユニオンの体当たりを跳躍してかわし、両者は着地してからバグスターユニオンを見据える。

 

「チッ、大して効いてねぇな…!」

 

「いや、攻略法なら何となく分かって来たぜ」

 

「何…?」

 

「相手は戦車だ。戦車なら、真上からの攻撃には対応出来ないだろう?」

 

「…なるほど。それなら上から攻めれば…ッ!?」

 

「という訳で、悪いが肩借りるぞ!!」

 

「ッ…テメェ…!!」

 

既に攻略法を見抜いていたPDエグゼイドは、スニークを踏み台にする形で大きく跳躍。上手くバグスターユニオンの真上まで跳んだPDエグゼイドは、右手に持っていたピコハンマー型の武器―――ガシャコンブレイカーに取り付けられているBボタンを3連続で押した後、バグスターユニオンの上部に着地し…

 

「どぉりゃあっ!!!」

 

『ギャオォォォォォォォォォォォォッ…!?』

 

バグスターユニオンの砲塔部分にガシャコンブレイカーの一撃を勢い良く叩き込み、バグスターユニオンが苦しそうな咆哮を上げる。それと同時にボディに亀裂が生じるのをPDエグゼイドは見逃さず、すかさず左手を亀裂の中に突っ込み、取り込まれていたナナリーの母親を引っ張り出す事に成功する。

 

「うし、1つ目の難関はクリア! 後は…」

 

PDエグゼイドがナナリーの母親を抱えて地面に降りると同時に、ナナリーの母親を分離させられたバグスターユニオンは形が変化していき、複数のバグスター戦闘員を形成。そして複数現れたバグスター戦闘員を率いるかのように、戦車のような灰色のボディ、胸部に装備した大型の砲身、両足のキャタピラなどが特徴的な怪人―――ティーガーバグスターが姿を現した。

 

『おのれ、作戦の邪魔をする気か!!』

 

「んん? アイツは確か…」

 

「戦車操縦ゲーム―――『ブラストパンツァー』のゲームに登場する敵兵の戦車だな。なるほど、戦車の特徴を忠実に再現してるからこそ、上からの攻撃に弱い事に気付けた訳か…」

 

『作戦の障害は全て排除する!! かかれぇ!!』

 

『『『『『ゲッゲッゲッ!!』』』』』

 

「んじゃ、俺はこの人を守るから攻撃よろしく」

 

「はっ!? …たく、人を顎で使いやがって…!!」

 

≪ズ・ダーン!≫

 

ティーガーバグスターの差し向けた歩兵型のバグスター戦闘員達を、ガシャコンカービンを火力重視のグレネードモードに切り替えたスニークが狙い撃つ。彼がバグスター戦闘員達を引き受けているその後方で、PDエグゼイドは抱えていたナナリーの母親を優しく地面に寝かせ、とあるガシャットを取り出し、左腰のスロットホルダーに装填する。

 

≪爆走バイク!≫

 

≪ガシャット! キメワザ!≫

 

「PD、患者の護衛は任せて良いな?」

 

≪私にかね? 一体どうやって……あぁ、そういう事か≫

 

「そういう事さ!」

 

≪BAKUSOU CRITICAL STRIKE!≫

 

するとPDエグゼイドの真横に大きな黄色い画面が出現し、そこから1台のバイクが姿を現した。PDエグゼイドやスニーク同様の瞳を持った仮面、座席の前部に取り付けられたゲーマドライバーなどが特徴のエグゼイド専用ライダーマシン……否、バイクの姿をした戦士―――仮面ライダーレーザー・バイクゲーマーレベル2が召喚される。どうやらPDの人格がこちらに乗り移ったようだ。

 

≪やれやれ、まさか爆走バイクガシャットまで使えるとはねぇ……という事は、ギリギリチャンバラも使えるのだろう?≫

 

「イグザクトリー」

 

≪ギリギリチャンバラ!≫

 

≪ガシャット! ガッチャーン! レベルアップ!≫

 

≪爆走! 独走! 激走! 暴走! 爆走バイク!≫

 

≪アガッチャ! ギリ・ギリ・ギリ・ギリ・チャンバラ~!≫

 

レーザーの座席部分のゲーマドライバーに2本目のガシャットが装填される。すると背後に出現したゲーム画面から一頭身の鎧武者型パーツ―――チャンバラゲーマが出現し、レーザーのボディと合体。チャンバラゲーマの分解されたパーツがレーザーの手足となり、レーザーは等身大の姿―――チャンバラバイクゲーマーレベル3の姿となる。

 

≪ふぅ、これでまともに動ける≫

 

「んじゃ、後は任せるぜ。俺はスニークの援護に向かう……大、変身!!」

 

≪ガッチャーン! レベルアップ!≫

 

≪マイティジャンプ! マイティキック! マイティマイティアクション…(エックス)!≫

 

PDエグゼイドもまた、自身のゲーマドライバーのレバーを開いてその場から跳躍。レベル1のボディパーツが一斉にパージされ、等身大の人型ボディを手に入れたPDエグゼイドはアクションゲーマーレベル2への変身を完了させ、地面に着地する。

 

「んでもって更に…」

 

≪ブラストパンツァー!≫

 

≪ガシャット!≫

 

そこから更に、PDエグゼイドのゲーマドライバーにも2本目のガシャットが装填。背後のゲーム画面から二台の砲身を持った戦車型パーツ―――パンツァーゲーマが飛び出す中PDエグゼイドはその場で右腕を数回ほど大きく振り回した後、閉じたレバーを再度開く。

 

「大・大・大変身!」

 

≪ガッチャーン! レベルアップ!≫

 

≪マイティジャンプ! マイティキック! マイティマイティアクションX!≫

 

≪アガッチャ! ブッ飛ばせ! 直撃! ブラストキャノン! ブラストパンツァー!≫

 

音声と共にパンツァーゲーマが分解され、二台の砲身を両腕に、キャタピラを両足に、小口径機銃とミサイル砲の搭載された装甲を胴体に、スコープ状のパーツやリベット留めされた装甲パーツを頭部に装着し、PDエグゼイド・パンツァーアクションゲーマーレベル3への変身が完了。PDエグゼイドは片足を後ろに下げ、両腕に装備した砲身『ブラストキャノン』を同時に構える。

 

「さぁ、砲撃用意と行くか…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『目標確認…撃てぇっ!!』

 

「ふん…!!」

 

一方、ティーガーバグスター逹を単独で相手取っていたスニークは、既にレベル2の姿で対峙していた。ティーガーバグスターの指示でバグスター戦闘員達がスニークを狙おうとライフルを乱射するも、戦車の弱点である上方向からの攻撃に徹底しているスニークは飛んで来る銃弾をかわしつつ、何度も跳躍してティーガーバグスターの頭部ばかりを攻撃し続けていた。

 

『ぐぬぅ!? おのれ卑怯者め、真正面から挑みに来んかぁ!!』

 

「集団で挑みに来てる奴に言われたかねぇよ」

 

「スニーク、伏せろ!!」

 

「あ? 何だ…うぉっ!?」

 

『んな…ヌオァァァァッ!?』

 

『『『『『ゲゲェエッ!?』』』』』

 

スニークがその場に伏せると同時に、ブラストキャノンを構えたPDエグゼイドが砲弾を同時に発射。敢えて斜め上の方向に撃ち上げた砲弾はそのまま落下していき、1発はティーガーバグスターのボディに命中、もう1発はバグスター戦闘員達をまとめて吹き飛ばした。

 

「ッ……テメェ、危ねぇ事しやがって…!!」

 

「当たってないんだから良いだろ? ほらほら、もっともっと撃ちまくるぜ!!」

 

『『『『『ゲゲゲゲゲゲ!?』』』』』

 

「…たく、ムカつく野郎だぜ」

 

今度はPDエグゼイドの背中に装備されているミサイル砲『ブラストランチャー』から4発のミサイルが同時に発射され、バグスター戦闘員達を次々と葬り去って行く。その間に地面を転がってPDエグゼイドの射線上から外れたスニークは、苛立った様子で別のガシャットを取り出し起動する。

 

≪マジカルザウォーロック!≫

 

「!? その力は…!!」

 

≪ガッチャーン! レベルアップ!≫

 

PDエグゼイドが驚く中、スニークは取り出したガシャット―――マジカルザウォーロックガシャットをゲーマドライバーに装填。目の前に出現したゲーム画面を通過し、その姿を変化させる。

 

≪シャバドゥビタッチで変身!(ナウ!)マジカル・ザ・ウォーロック!≫

 

黒い魔法衣を纏ったボディ。

 

青い宝石のような装甲。

 

両腰の黒いローブ。

 

青い宝石とライオンの牙を模した仮面。

 

仮面ライダースニーク・ウォーロックゲーマーレベル2は、ディアーリーズの変身する仮面ライダーウォーロックその物だった。

 

「さっさと潰させて貰うぜ」

 

≪チェイン・ナウ≫

 

『『『『『ゲゲッ!?』』』』』

 

ウォーロックゲーマーとなったスニークが右手を翳した瞬間、バグスター戦闘員達の周囲に出現した複数の魔法陣から一斉に鎖が伸び、バグスター戦闘員達を纏めて拘束。その間に、スニークは自身の目の前に出現させた魔法陣に右手を突っ込み…

 

≪ジャイアント・ナウ≫

 

「ほらよ」

 

『んな…で、でかあぁぁぁぁァァァァッ!?』

 

「へ? いやちょ、待っ…あだぁ!?」

 

巨大化させた右手でティーガーバグスターを吹き飛ばし、その先にいたPDエグゼイドに激突させる。本来なら簡単に回避出来る筈のPDエグゼイドも、流石にレベル3の重装甲を纏った状態ではすぐに動けなかったようだ。

 

「痛ってぇなオイ、何しやがる!?」

 

「さっき踏み台にされた分だ」

 

≪バリアー・ナウ≫

 

PDエグゼイドの文句も無視し、スニークは目の前に魔法陣を展開。飛んで来たティーガーバグスターの砲撃を難なく防ぐ。

 

『貴様等ァ!! この俺をコケにしおってぇぇぇぇぇっ!!』

 

「うざいんだよ、テメェ」

 

≪アクセル・ナウ≫

 

『な!? き、消え…グオォォォォォォォォォッ!?』

 

≪…あの男、ディアーリーズ君よりも使いこなしてないかい?≫

 

今度は高速移動を発動したスニークが、ティーガーバグスターを一方的に攻撃してから華麗な回し蹴りで大きく吹き飛ばし、未だ拘束中のバグスター戦闘員達の下まで転がす。初めて使う筈のウォーロックの魔法をフルに使いこなしているのだから、レーザー(PD)がそう呟いてしまうのは無理も無い事だろう。

 

「さて、これで終わりにしてやる…!」

 

「おいおい、俺を忘れて貰っちゃ困るぜ」

 

≪≪ガシャット! キメワザ!≫≫

 

ティーガーバグスター逹にトドメを刺すべく、スニークとPDエグゼイドはゲーマドライバーから抜き取ったガシャットを左腰のスロットホルダーに装填。ボタンを押した後、更にもう一度ボタンを押す。

 

≪MAGICAL THE!≫

 

≪BLAST!≫

 

≪≪CRITICAL STRIKE!≫≫

 

『や、やめろぉぉぉぉぉぉぉォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!??』

 

≪会心の一発!≫

 

スニークは高く跳躍したまま必殺のライダーキック―――ストライクウォーロックを発動し、繰り出した一撃がティーガーバグスターのボディを貫く。そしてPDエグゼイドは全身の砲台から一斉に砲撃を放ち、未だ拘束されたままのバグスター戦闘員達を1体も残さず粉砕してみせた。

 

≪GAME CLEAR!≫

 

結果として、ナナリーの母親を蝕んでいたバグスターウイルスは完全に消滅したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ここまでか。まぁ、確認だけ出来れば充分かな?」

 

そしてスニークとPDエグゼイドを監視していた人物も、彼等が海岸から転移するのを確認した後、用の無くなった海岸を後にするのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――よし。これでゲーム病は完治した」

 

「お母さぁん!」

 

「ナナリー…!! 心配かけてごめんね…!!」

 

その後。廃病院に戻ってから確認してみたところ、ナナリーの母親は無事にゲーム病が完治し、母娘は嬉し涙を流しつつ抱きしめ合っていた。その様子をokakaが温かい目で見ている中、部屋に入って来た秋水は母娘の荷物と思われるカバンをベッドにドサッと置く。

 

「これで治療は終わりだ。用が済んだ以上、さっさと帰って貰う」

 

「え、ですが治療費がまだ…」

 

「どうせ普通の病院にも通えないくらい貧乏だろうが。元からアンタ等の払う治療費なんて期待してねぇ。分かったらとっとと帰れ」

 

「おいおい、いくら何でもそんな良い方は…!」

 

秋水の口の悪さには流石に物を言おうとしたokakaだったが、ある事に気付いたのか言葉が途切れる。すると母娘はベッドから立ち上がってから、二人同時に秋水達に頭を下げる。

 

「このたびは命を救って頂き、ありがとうございました……このご恩は、一生忘れません…!」

 

「ありがとう、お兄ちゃん達!」

 

「…どういたしまして」

 

「ふん…」

 

ナナリーがお礼を言いながら見せた笑顔に、okakaは同じく微笑みながら返事を返し、秋水は鼻を鳴らしつつ視線を逸らすという、それぞれ対照的な反応を返すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪ぶってる割には、随分とお人好しなんだな」

 

「あ?」

 

廃病院出入り口の前で改めて礼をしている母娘に手を振っていたokakaは、椅子に座って足を組んだまま、机を指でコツコツ叩いている秋水に語りかける。

 

「惚けても俺には分かるぞ。あの親子のカバン、中に大金を詰め込んだのお前だろ? あの母親にとって一番のストレスが、自分が死ねば娘を一人にさせてしまう事に対する罪悪感から来てる。だから少しでも親子の負担を減らしてやろうと思った。違うか?」

 

「…さっき麻酔で眠らせた犯罪者。アイツの荷物が邪魔だったから、あの親子に引き取って貰っただけの事。バレなきゃ犯罪じゃないんだよ」

 

「優しいねぇ」

 

「やかましい……んで、あの犯罪者もとっくに治療は終えてる以上、何処か適当な場所に放っぽり出そうと思ってるんだが…」

 

「なら、俺の方で身柄を引き取ってやる」

 

「…何?」

 

「管理局に引き渡すと、お前の事を管理局に喋っちまうかも知れんからな。ゲーマライダーである以上、お前もそれは困るだろう?」

 

「…好きにしろ。悪党の身柄がどうなろうと俺の知った事じゃない」

 

「それとだ。ちょいと聞きたい事があるんだが……お前さん、何で俺達(・・)の事を知ってる?」

 

「……」

 

机をコツコツ叩いていた、秋水の指の動きがピタリと止まる。

 

「お前さん、ディアーリーズから魔力を奪ったよな。ガシャットを使って」

 

「…あの餓鬼の事か。それが何だ?」

 

「その時にお前は言ったよな。これがお前の力の一つか(・・・・・・・・・・・)ってな……ディアーリーズが複数の能力を持ってる事を知ってなきゃ、そんな台詞は出ない筈だ。おまけにウォーロックの力を魔法と認識しているという事は、その魔力源であるファントムの事も知ってる可能性だってある」

 

「……」

 

「お前さんが知ってる事、少しでも教えてくれるとありがたいんだが……教える気は無いか?」

 

「…お前等(・・・)に話す事なんざ何も無ぇよ」

 

「…本当に駄目か?」

 

「あぁ、本当に駄目だ」

 

okakaと秋水の睨み合いが続く……が、それもほんの数秒間だけで、すぐにokakaの方から睨むのをやめた。そこでokakaは自身の名刺を取り出す。

 

「…分かったよ。それじゃ今度は別件なんだが……うちはこういう者でな。最先端の医療機器まで色々な物を取り扱っている会社なんだが―――」

 

「断る」

 

「…まだ台詞の途中だぞ」

 

「生憎、必要な物資は一通り揃ってるんでな。それに新しく買うにしても、お前等に関わると碌な事にならんのは分かり切ってるからな」

 

「…そうか、そりゃ残念だ(チッ、いっぱい毟り取ってやろうと思ってたのに…)」

 

「顔に出てんぞ、考えてる事が」

 

「おっと、察しが良いな……互いに利益があると思ったんだが、仕方ない。今回は諦めるとしよう」

 

「あぁ、とっとと帰れ。お前等の相手なんかしてると色々疲れるんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…身体の事、悟られると色々面倒だしな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あぁ、これで引き下がるとするよ」

 

秋水が小さく呟いた一言。その小さな一言も、okakaの耳は聞き逃さなかった。

 

「だがまぁ、名刺だけでも置いておくぞ。もし何か頼りたい事があったら何時でも連絡してくれ。金次第ではいくらでも手を貸してやる」

 

「はぁ? おいおい、人の話をちゃんと聞いてたのか? 俺はお前等と関わるつもりなんざ…」

 

「まぁまぁ、持っておいて損は無いぞ? 俺が保証する。んじゃあな……身体を労れ(・・・・・)よ?」

 

「…………待て」

 

今も麻酔で眠っているマフィア風の男性を担いで部屋を後にしようとするokakaを、秋水は呼び止める。

 

「ん、何だ?」

 

「…あの餓鬼、ディアーリーズって言ったか? そいつに2つほど、伝えといてくれ」

 

「?」

 

「まず1つ目。お前の魔力で出来たこのガシャットは、しばらくこっちで預かる……そして2つ目」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何事もやってみなくちゃ分からない……その考えを変えない限り、お前はいずれ大事な物を失う事になる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…!? どういう事だ…?」

 

「…それだけだ。これ以上話すつもりは無い」

 

「…分かったよ、俺の方から伝えておいてやる」

 

これ以上、秋水に問いかけても無駄だろう。そう悟ったokakaが部屋を退室し、それを確認した秋水は机の上に残されているokakaの名刺もすぐに破いて捨てようとしたが……破こうとする寸前で手がピタリと止まり、何故か破こうにも破く事が出来なかった。

 

「…チッ、厄介な連中と関わりを持っちまったな」

 

その時…

 

 

 

 

-ブゥン…-

 

 

 

 

「!」

 

秋水の前に、謎の人物が姿を現した。その人物の姿を見た秋水は、懐からマジカルザウォーロックガシャットを取り出す。

 

「…また会ったな。アンタが言っていたのはコレの事だろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、okakaはトライドロンに乗って帰還しようとしていた。助手席には今も眠っているマフィア風の男性を座らせており、きちんとシートベルトもさせている。

 

≪珍しいね、君が大人しく引き下がるなんて≫

 

「今回は別にビジネス目的じゃないからな。それに……前に見たアイツの状態、何となく見覚えがある」

 

≪んむ?≫

 

「…ま、近い内にまた顔を会わせるだろうさ。奴さんがドクターで、かつゲーマライダーである限りはな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――これで、報告は以上だ」

 

深夜0時。クラナガン先端技術医療センターの屋上にて、黒スーツに身を包んだ長いオレンジ髪の女性が、何者かに通信を入れているところだった。この女性、どうやらスニークとPDエグゼイドの戦闘を監視していたのと同一人物のようだ。

 

『なるほど……貴重な情報をありがとうございます、ステラさん』

 

「あの2人のゲーマライダーについて分かった事があれば、僕の方からまた連絡させて貰うよ」

 

『頼みますよ。それでは私は少し忙しいので、これにて失礼します』

 

「あぁ」

 

何者かとの通信を切ったその女性―――ステラは屋上の鉄柵に肘を置き、夜風に当たりながらも不快そうな表情で呟いた。

 

「…相変わらず僕を不快にさせてくれるなぁ、あの男は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

管理局特殊虚数課、特殊衛生隊本部…

 

 

 

 

「旦那、これからどうするつもりで?」

 

「フフフ……決まっているでしょう」

 

先程までステラと連絡を取り合っていた黒スーツの男性は、問いかけて来た白衣の男性の問いかけに答えるかのように、服の袖から何かを暗器のように取り出す。

 

「我々ファミリーの縄張りに入ったからには……取るべき物を取らせて貰うまでの事です」

 

 

 

 

 

 

≪クライムマフィア!≫

 

 

 

 

 

 

服の袖から取り出したそれ―――クライムマフィアガシャットの起動音が響き渡る中、黒スーツの男性は不敵な笑い声を上げ続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

See you next game…

 


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