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真・恋姫†無双 外史 ~天の御遣い伝説(side呂布軍)~ 第九十八回 第五章B:御遣い奪還編⑭・馬の手配ならお任せあれっス!

stsさん

みなさんどうもお久しぶりです!初めましてな方はどうも初めまして!

今回で長きにわたる一刀君奪還作戦が終わりを迎えます。

果たして結果やいかに、、、!

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2016-11-27 00:04:56 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2589   閲覧ユーザー数:2174

 

 

郭嘉「(・・・ぅぅ・・・・・・)」

 

 

 

郭嘉が意識を取り戻した時、ぼんやりした頭を何とか働かせ、ようやく自身が床に転がっていることを思い出した。

 

周囲を見渡せば、裏切り者も含めた兵士たちが多数転がっており、

 

自身が意識を失った後も激しい戦闘が繰り広げられたことを物語っていた。

 

しかし、そこに裏切りの首謀者である魏続、宋憲の姿はなかった。

 

 

 

郭嘉「(・・・不甲斐ないですね・・・もはや華琳様に顔向けできません・・・)」

 

 

 

郭嘉は魏続の縛り技によって体中を縄でぐるぐる巻きにされており、身動きが取れない状態にあった。

 

伝令兵の報告に動揺した一瞬の隙を突かれたのであった。

 

しかし、そのような言い訳などは無意味である。

 

裏切り者に逃げられた。

 

しかも自身は殺されることもなく生きながらえている。

 

郭嘉は己の無力さに歯噛みしながらも、頭の中は伝令兵の報告がぐるぐると渦巻いていた。

 

 

 

郭嘉「(援軍として華琳様が全軍を率いて戻って来られる・・・)」

 

 

 

そう、伝令兵が告げたのはその一言。

 

内容はいたってシンプル。

 

郭嘉も当然理解できないわけではないが、しかし、あまりに自身が予想していた答えとかけ離れていたため、動揺してしまったのである。

 

いや、正確にはよぎってしまったのである。

 

想像だにしない最悪の事態が。

 

 

 

郭嘉「(つまりは、南征が終わったということ・・・まさか、これほど早期に決着がつくとは・・・)」

 

 

 

孫劉同盟と大規模な戦闘を展開しているはずの本隊に対して本拠が危ないと救援を求めたところ本隊全軍が戻って来た。

 

状況を説明すればそういうことになるのだが、当然郭嘉は賊の規模を3万ほどと概算で伝えているし、

 

侵攻中、本拠防衛のため一部の兵を回すならまだしも、普通に考えれば曹操が20万規模の全軍を援軍としてよこすなど考えにくい。

 

つまり、戦闘が何らかの形で終了したため戻って来たと考えるのが自然であった。

 

長期にわたる遠征が予想されただけに、このあまりにも早期の決着は郭嘉の予想をはるかに超えていた。

 

 

 

郭嘉「(果たして勝利を収めての凱旋なのか・・・それとも・・・・・・・・・)」

 

 

 

 

 

 

【豫洲、許城西部】

 

 

呂布「・・・臧覇、元気だった?」

 

臧覇「この通りですぜ!」

 

 

 

高順たちが走っていくのを横目に、呂布は久方ぶりの忠臣との再会に声をかけるが、本当なら大いに喜びを表し、

 

たくさん語らいたい所を、状況を鑑みて、臧覇は力こぶを作って健在ぶりをアピールするにとどめた。

 

 

 

徐晃「・・・臧覇、よくも華琳様を裏切りましたね」

 

 

 

徐晃は落ちている二本目の両刃斧をつかむと、一対揃った獲物をゆらりと構え、臧覇を睨み付けた。

 

その瞳は、先ほどまでの重く冷たいものとは全く色の違う、

 

明らかな軽蔑と憎悪の色の混ざった鋭い殺意を前面に押し出したものとなっている。

 

 

 

臧覇「裏切ってなんかいないぜ。俺の主は生涯奉先様ただ一人。それは昔も今も変わらないぜ」

 

 

 

それでも臧覇は怯まなかった。

 

徐晃が自身に向ける視線が裏切り者を見るそれであるとは理解できたが、そもそも自分は呂布の部下であるため裏切った自覚もなく、

 

そのような視線を向けられるいわれはないと自信をもって主張できるからであった。

 

 

 

呂布「・・・臧覇も、後は恋に任せて、ななと一緒に、先に行け」

 

 

臧覇「御遣いなら高順殿に任せていれば大丈夫ですぜ!相手は徐公明。奉先様の方がお強いですが、ヤツは追い詰められればしぶとい。

 

今はここから逃げられたらこちらの勝ちなので、数で勝った方が強引にやりやすいですぜ!」

 

 

 

すると、呂布は臧覇の前に一歩出ると、臧覇にも先に行くよう促すが、臧覇は数でごり押しした方がいいと主張し、呂布の隣に一歩出た。

 

 

 

魏続「ハァ、その通りですよ。ここはまともにぶつかって時間をかけるところではありません」

 

宋憲「はっ!なら、数で押してさっさと片づけて早々にずらかろうぜ!」

 

 

 

そして更に、臧覇の主張に呼応する声が聞こえてきたかと思うと、

 

呂布と臧覇の後ろに魏続と宋憲が城の上部から縄を使って飛び降りてきた。

 

 

 

呂布「――――――ッ!?」

 

 

魏続「ハァ、呂布殿、再開はもう少し後になるかと思っていましたが、とにかく、言いたいことは山ほどでしょうが、謝罪と償いは後日。

 

今は脱出を優先させましょう」

 

 

宋憲「はっ!だから、いきなりソイツで斬り捨てるとかは勘弁してくれよ!」

 

 

 

二人の姿を確認した瞬間、呂布は驚きと戸惑いの混在したような表情を浮かべ、

 

方天画戟を握る手を強めたため、魏続と宋憲はすぐさま訳は後で話すから斬り捨ては勘弁と説明した。

 

 

 

臧覇「お前らどっから・・・!」

 

 

 

そして、臧覇もまた、二人が隠し通路から出てくるものと思っていただけに、

 

全然関係ないところから降って来た二人を見て驚きを隠せずにいた。

 

 

 

魏続「ハァ、隠し通路の入り口は封じてしまいました。なので、この縄を命綱に外へ飛び降りたという次第です」

 

 

宋憲「はっ!郭嘉なら魏続の縄に縛られてねんねしてるぜ!なんか伝令の報告を聞いて動揺してたようだったから捕縛は楽勝だったよ!

 

おっと、なんで殺さなかったとかは愚問だぜ?女は殺さねぇってのが俺の信条だからな!」

 

 

 

どうやら、臧覇たちと別れた後、郭嘉の元によからぬ報告が届いたらしく、

 

そのせいで動揺し隙が出来たところを魏続お得意の縛り技で郭嘉の身動きを封じ、

 

その後、バンジーよろしく城の外へとダイブしたらしかった。

 

 

 

魏続「ハァ、下邳では軍師殿の首を曹操殿への手土産に降ろうとしていたのに説得力のかけらもありませんよ?」

 

宋憲「はっ!そう言うなよ魏続!あの時は脅しで済ませるつもりだったんだ!」

 

 

 

確かに宋憲は下邳で呂布を裏切った際、曹操軍に降る手土産として陳宮の首を獲ろうとしていたが、

 

宋憲は当時から女性は殺さずの信条は変わらず、脅しだったとぶっきらぼうに言ってのけた。

 

 

 

徐晃「・・・魏続・・・宋憲・・・あなた方もですか・・・!」

 

 

 

臧覇の裏切りだけでなく、魏続や宋憲まで裏切り自身の前に現れたことに、徐晃は怒りで震え上がっていた。

 

体中から発していた闘気に怒気が混ざり合い、禍々しく周囲に解き放たれている。

 

常人では立ち向かうことさえ不可能にさせる徐晃の気合だが、しかし臧覇達は一切臆することはない。

 

やはりかつて呂布という規格外の武将と共に戦った八健将だからこその耐性なのだろうか。

 

 

 

臧覇「動揺して隙を見せたな?もうアンタは終わりだぜ徐公明。今から俺らの連携を見せてやるぜ!」

 

 

 

すると、真っ先に動いたのは臧覇であった。

 

臧覇は魏続、宋憲の登場で怒りに震え上った徐晃の一瞬の隙を逃さず、地を蹴り一気に距離を詰めると、双戟による渾身の重撃を放った。

 

 

 

臧覇「ぉりゃぁああああああッ!!!!」

 

徐晃「くっ――――――ッ」

 

 

 

とっさに反応し防御した徐晃であったが、

 

 

 

臧覇「どっっっせぇええええええええええい!!!」

 

徐晃「―――ッ!?」

 

 

 

金属同士が激しくぶつかり合う中、臧覇はさらに一歩踏み込み、双戟を振りぬき、徐晃のバランスを崩し、吹き飛ばした。

 

 

 

魏続「ハァ、いらっしゃいませ徐晃殿。歓迎しますよ」

 

 

 

そして、徐晃が吹き飛ばされた先には、なぜか魏続がすでに待ち構えており、

 

ため息交じりに大仰な身振り手振りでお辞儀すると、次の瞬間には徐晃は見事に縄で亀甲縛りの状態に陥っていた。

 

 

 

徐晃「・・・・・・なっ、破廉恥です・・・!」

 

 

 

いつの間にか縛られていることに驚くよりも、その縛られ方に徐晃は羞恥で顔を真っ赤にしながら魏続を睨み付けた。

 

 

 

宋憲「はっ!いい感じにそそられるが今日は我慢してやる!あばよ!おらぁあああああああああああああああああああッッッ!!!!」

 

 

 

さらに、宋憲が身動きの取れない徐晃の背後にいつの間にか立っていたかと思うと、

 

縄の先端をつかみ、ハンマー投げよろしく徐晃を遠心力に任せてぐるぐると回転しながら投げ飛ばした。

 

 

 

徐晃「ぁぅ―――ま、まさか・・・!」

 

 

 

ぐるぐる回されることで縄が締め付けられ、徐晃は苦悶の表情を浮かべながら思わず声を漏らすが、

 

投げ放たれたその瞬間、それまでの刺激など一気に吹っ飛んでしまうような寒気に襲われ、顔を青ざめさせた。

 

投げ飛ばされた先にいるのは、方天画戟を構える呂布。

 

 

 

呂布「・・・・・・これで終わり」

 

 

 

呂布は目を閉じ静かにその時を待っており、徐晃が飛ばされあと少しで呂布と交錯しそうになったその刹那、

 

ゆっくりとその深紅の瞳を開けると、方天画戟を一振りし、徐晃を打ち返した。

 

 

 

徐晃「ガッ!?」

 

 

 

方天画戟の刃の餌食にはならなかったものの、野球のボールのように軽々と一人の人間が飛んでゆき、

 

ライナー性の当たりはそのまま城壁まで一直線。

 

激突するとそのまま城壁を砕き、城内まで吹き飛ばされ、バウンドしながら中の壁に激突したところでようやくその勢いは止まった。

 

 

 

呂布「・・・逃げる」

 

臧覇「了解ですぜ!」

魏続「ハァ、了解です」

宋憲「はっ!了解!」

 

 

 

そして、徐晃が動かなくなったことを確認し、呂布を先頭に、四人は西門へと急ぐのであった。

 

 

 

 

 

 

高順「しかし、臧覇の言っていた協力者とはいったい誰の事なのでしょう?」

 

北郷「ああ、そ、そのことなんだけど・・・たぶん、ななの良く知っている人物だと・・・思うよ・・・」

 

高順「??」

 

 

 

高順は走りながらも、臧覇の言っていた協力者というのに思い当たる節がなく、誰なのかと不思議な顔をしていたが、

 

北郷には思い当たる節があり、しかし、その人物は高順と因縁があるため教えた方が良いものかどうしたものかと言葉を濁していると、

 

 

 

??「おーい!早くするっス!」

 

 

 

前方、西門の前で曹操軍の兵士が手をぶんぶん振ってこちらに合図を送って来た。

 

 

 

徐庶「わわわ、見つかってしまいました!」

 

北郷「いや、大丈夫だよ。あのしゃべり方は・・・」

 

 

 

聞き覚えのある気安い口調。

 

そして何より、高順はその人懐っこい童顔の人物を知っていた。

 

かつて呂布を裏切り、そして呂布に切り伏せられた、元八健将第八位。

 

 

 

高順「まさか、侯成!?侯成なのですか!?」

 

侯成「あれ?高順さんじゃないっスか!?何でこんなところに!?御遣いさん、臧覇さんはどうしたんスか!?」

 

 

 

侯成はいるはずのない高順が目の前にいることに驚き、また、北郷と一緒にいるはずの臧覇がいないことの訳を尋ねた。

 

 

 

北郷「すぐに合流するよ!で、君は臧覇に脱出の準備を頼まれていたんだよな!?大丈夫なのか!?」

 

侯成「そうっス!馬の手配ならお任せあれっス!すでに外に馬を用意してあるっス!」

 

 

 

北郷の問いかけに侯成は童顔をほころばせ得意げに胸を張った。

 

侯成は普段から馬の世話をしていることから、臧覇に脱出するための馬の手配を任されていたのである。

 

 

 

高順「なぜあなたが・・・恋様を裏切ったあなたが今更どういう風の吹き回しですか?」

 

 

 

しかし、当然侯成ら裏切り者たちの事情など知る由もない高順にとって、

 

侯成はただの憎むべき裏切り者であるため、敵意をむき出しになぜ協力するのかと問いただした。

 

 

 

侯成「ぅぅ・・・それを言われると返す言葉もないっスけど、とにかく、今は脱出を最優先させてほしいっス!罰なら脱出してから潔く

 

受けるっス!」

 

 

 

高順の芯から冷え切った冷たく刺すような鋭い視線に侯成は身を震わせ怯えるが、何とか勇を奮って訳は後でと流そうとした。

 

 

 

北郷「なな、今は辛いかもしれないけど、ここは侯成の手を借りて脱出しよう!」

 

高順「・・・わかっています。少し戸惑っただけです。皆が命を張って今も陽動役に徹していてくれているはず。今は脱出が先です」

 

 

 

侯成の言葉に北郷がフォローを入れることで、高順も優先すべきことを選択し、

 

陳宮たち陽動組が体を張っている中、少しでも早く脱出をと気持ちを切り替えた。

 

 

 

北郷「それにしても、西門に門兵すらいないなんて、君が始末したのか?」

 

侯成「まぁそんなところっス。今はちょっと眠ってもらってるっス」

 

 

 

すると、侯成の指さす方を見ると、数名の曹操兵がグーグーいびきをかきながら眠りこけていた。

 

 

 

高順「酒ですか・・・なるほど、あなたらしいですね」

 

 

 

元々侯成は人懐っこい性格と酒好きが相まって、よく人に酒をふるまってはよい関係を気付くということが得意な人種であり、

 

今回もその性格が応用されたと言ったところなのだろう。

 

 

 

侯成「で、どうするっスか?先に行くっスか?それとも待つっスか?」

 

高順「待ちますよ。恋様に臧覇も残っているのです。すぐに追いつきます」

 

侯成「ぅぅ、やっぱり呂布さんも一緒に来ているんスね・・・古傷が疼くっス」

 

 

 

高順の口から呂布の名前を聞き、何となく予想はしていたが、やはりいざその名を聞くと、

 

以前裏切ってしまったことが思い出されるのか、かつて呂布に斬られた古傷をさすりながら縮こまっていた、その時・・・

 

 

 

どかーーーーーん!!

 

 

 

東の方でものすごい轟音が鳴り響いたかと思うと、もやもやと砂埃が舞い上がった。

 

 

 

高順「どうやら決着がついたようですね」

 

 

 

高順が確信したようにフッと笑みを浮かべてから数分後、東の方から四人の人影が見えた。

 

徐々に近づくにつれて露わになったのは呂布、臧覇、魏続、宋憲の四人である。

 

 

 

臧覇「恋様!みんな集まってるみたいですぜ!」

 

呂布「・・・侯成・・・!?」

 

侯成「呂布さんお久しぶりっス!あぁそんな幽霊でも見たような目で見ないでほしいっス!とにかく今は脱出最優先っス!」

 

 

 

西門に到着し、呂布は侯成の姿を確認すると、

 

北郷と再会した時とはまた一味違う目の見開き方をしており、顔を青ざめさせながら驚いていた。

 

自身がかつて斬り捨てたはずの人間が目の前に立っているのだから無理はない。

 

しかし現に生きている。

 

もしかしたら、呂布は心のどこかで、たとえ裏切り者とはいえ、

 

仲間である侯成に対して必殺の一撃を見舞うことができなかったのかもしれない。

 

 

 

高順「魏続!?宋憲!?」

 

魏続「ハァ、お久しぶりです高順殿」

 

宋憲「はっ!詳しい問答は後にしろよ!」

 

 

 

高順は高順で、これまた侯成同様裏切り者の魏続、宋憲が堂々と呂布と共に協力して脱出を図っていることに驚きを隠せずにいた。

 

 

 

北郷「よし、全員そろったな!脱出するぞ!」

 

高順「ちょっと待って下さい!その前に皆に撤退の合図を送ります!」

 

 

 

呂布たちが無事合流したことで準備は整い、いざ脱出戦と北郷が号令をかけようとするが、

 

高順が待ったをかけ、無駄に長い袂をごそごそと漁り始めた。

 

 

 

北郷「撤退の合図?」

 

呂布「・・・ねね達に知らせる」

 

高順「そういうことです」

 

 

 

そして、目当ての物が見つかると高順は天目掛けてそれを構えた。

 

取り出したのは高順の腕ほどの長さの円筒形の物体であった。

 

筒の先からは縄がチョロッと顔を出している。

 

すると、高順は流れるような手つきでその縄に火をつけた。

 

そして・・・

 

 

 

ヒューーーーーーーーーーン・・・・・・・・・ドドンッパラパラパラ!!!!

 

 

 

筒状のものから何かが音を立てて上空に跳び出すと、はるかかなたで大きな音を立てて弾けた。

 

それは北郷にとっては懐かしい、そしてまさかこのようなところでお目にかかろうとはと思うもの、要は打ち上げ花火であった。

 

 

 

呂布「・・・・・・きれい」

 

徐庶「わわわ~~~!」

 

魏続「ハァ、これはまた奇怪な代物ですね」

 

宋憲「はっ!高順、てめぇはいつも変な武器ばっか持ってるな!」

 

侯成「びっくりしたッス!」

 

臧覇「なるほど、遠方の味方にも合図を送れるってことか。狼煙よりも工夫が出来そうだし、さすがは高順殿ですぜ」

 

 

 

打ち上げ花火など見たことのない呂布はじめこの世界の面々は、驚きの表情で、あるいはその美しさに感嘆の声を漏らし、

 

あるいはそのような未知のものを使用する高順を、また、花火そのものの性能について称賛した。

 

 

 

北郷「オレが教えた花火をそういう風に使うとは、さすが戦乱の世を生きてるだけはあるな・・・」

 

 

 

一方の北郷は花火が消えゆくのを眺めながら、自分が祭りなどのイベントで使用される花火の話を以前成都でしたことを思い出しながら、

 

ちゃっかり戦闘仕様に応用されていることに感心しながらも何だかなぁとしみじみ感じるのであった。

 

 

 

高順「お待たせしました。さぁ、成都に帰りましょう」

 

一同「応!」

 

侯成「開門っス!」

 

そして、高順は筒を再び袂の中にしまうと、侯成たちが門を開き、外に用意されていた馬に乗り、成都目指して脱出したのであった。

 

 

 

 

 

 

【豫洲、許城東側】

 

 

高順の打ち上げた花火は、満寵の新兵器がやりたい放題に暴れる中でも大きな音を立てて花を咲かせていた。

 

 

 

満寵「さてさてー、あれは何なんだね~?火薬玉の亜種?実に興味深いんだね~?」

 

 

 

次々に涼州兵たちを針の筵にし、嬉々として書簡に実験データを書きなぐっていた満寵であったが、

 

遠方で弾ける花火を目撃し、満寵は攻撃の手を止めると、変なスイッチが入ったのか、グルグル眼鏡を輝かせ、

 

ウサミミをビョーンと引っ張ったりねじったりしながらはぁはぁと荒い息を吐いていた。

 

 

 

馬岱「お姉様!」

 

馬超「あぁ、あれが高順の言っていた合図で間違いないな」

 

鳳徳「撤退っ!」

 

 

 

一方、満寵のとっておき “移動型回転式連弩砲” に手も足も出ず、激しい射撃から逃れるのに精いっぱいだった馬超ら涼州軍は、

 

未知の花火が高順の仕掛けた撤退の合図であると瞬時に悟り、次なる行動に移った。

 

 

 

馬超「全軍!撤退の合図だ!これ以上の攻城は不可能!速やかに退くぞ!」

 

涼州兵「ウェエエエエエエエエエエエエエエエエエィッッッ!!!!!」

 

 

 

すると、馬超が息を大きく吸って、ややわざとらしく満寵にも聞こえるような大きな声で撤退の号令をかけた。

 

 

 

満寵「さてさてー、もう皆逃げちゃうだね~?こっちはまだまだ試したい兵器がたくさんあるからもう少し遊んでいってほしいんだね~?」

 

 

 

突然涼州軍が撤退を開始したものだから、まだまだ新兵器の実験に付き合ってほしい満寵は、

 

花火に対する興奮を抑え、弩砲を前進させ、再び激しい猛攻を開始した。

 

 

 

馬超「玲衣、殿を頼む!」

 

鳳徳「了解っ!」

 

 

 

馬超に殿を任された鳳徳は、いつもの無表情で短く、そして力強く了解すると、

 

一人満寵に向き直り、手にした大きな黒棺で矢を弾き飛ばし、満寵の前に立ちはだかった。

 

 

 

馬岱「きぃーーーーー悔しいぃぃぃ!!何なのあの変態強すぎだし!!いつか泣かせてやるんだから!!」

 

馬超「やっぱり許城は簡単には落ちないな!!曹操軍本隊がいない今が絶好の機会だと思ったけど、なかなか上手くいかないもんだ!!」

 

 

 

鳳徳に攻撃を防いでもらい、馬岱と馬超は大きな声でわざとらしい負け犬の捨て台詞的なものを吐き捨てながら戦場を離脱した。

 

 

 

満寵「さてさてー、君が遊んでくれるんだね~?」

 

鳳徳「拒否っ!」

 

 

 

そして、鳳徳だけが残ったところで、満寵が引き続き兵器の実験に付き合うよう催促するが、

 

鳳徳はきっぱりと拒否すると、黒棺を背に担ぎ、一目散に逃げだした。

 

その瞬間、満寵の弩砲が鳳徳に襲い掛かるが、鳳徳はすっかり黒棺に隠れてしまい、全ての矢を黒棺が受けきってしまった。

 

そうなってしまえば弩砲と鳳徳との純粋な速さでの勝負となるわけだか、

 

速度では鳳徳の方が勝っており、結果、涼州軍は戦場から離脱することに成功したのであった。

 

 

 

満寵「さてさてー、見事に追払っちゃったんだね~?けどここで無理に追いかけても兵器の実験ができないんだね~?まぁそもそも城の

 

防衛が出来ればいいんだし追いかけなくてもいいんだね~?」

 

 

 

兵器とともに一人戦場に残された満寵は、ここで無理をして追撃してもここにある兵器の実験にはならないし、

 

そもそも郭嘉には防衛を任されたのだから任務は達成しているしということで、それ以上涼州軍を深追いするということはしなかった。

 

 

 

満寵「さてさてー、今の戦いでかなりの情報を得ることが出来たんだね~!?あぁ、やりたいことがありすぎて全然時間が足りないんだ

 

ね~!?」

 

 

 

そして、戦闘中夢中になってデータやらのメモを書き留めていた書簡を取り出し眺め、グルグル眼鏡越しに恍惚の表情を浮かべ、

 

どういう仕組みかウサミミをプロペラのようにぐるぐる回転させ、口をだらしなく半開きにしてニヤニヤしながら、

 

兵器の更なる改造に着手すべく、嬉々として自室である実験室へと赴くのであった。

 

 

 

 

 

 

【豫洲、許城北側】

 

 

高順の打ち上げた花火は、大量の伏兵に囲まれ悪戦苦闘している陳宮たちのいる城下の南にも届いていた。

 

 

 

曹操兵1「うわっ!?何だあれは!?」

 

曹操兵2「空中で爆発したぞ!?どうなっているんだ!?」

 

曹操兵3「また満寵様が何かやらかしたのか!?」

 

 

 

突然遠方で未知なるものが爆発し、十面埋伏の計で陳宮たちを追い込んでいた曹操兵たちはいっせいに攻撃を中断し、

 

花火の上がる方向に注目し、戸惑いながら口ぐちに騒ぎ立てていた。

 

 

 

張遼「お!ついに花火が上がったで!」

 

 

 

一方、厳しい状況に顔を歪ませていた張遼は、待ってましたと花火の方を指さしながら表情を綻ばせた。

 

 

 

公孫賛「合図っていうのはこれのことか!初めて見たけど、天の知識っていうのは本当にすごいな・・・」

 

 

 

成都では北郷の功績もありすでに花火は既知のものなのだが、

 

当然公孫賛にとっては初めて見るものであり、改めて天の知識の有能性を感じるのであった。

 

 

 

陳宮「恋殿、なな、やったのですな・・・!」

 

 

 

高順から合図があった、つまりは呂布と高順が北郷を奪還したことを意味することであり、陳宮は美しい花火を眺めながら、

 

まだ直接確認したわけではないが、目に涙を浮かべ、グッと小さくガッツポーズを作った。

 

 

 

陳宮「皆!もはやこれまでです!攻城はあきらめ、ここからは全力で撤退することだけを考えてくださいです!敵が花火に虚を突かれて

 

いる隙を突くです!」

 

 

 

こうなれば後は撤退を装って無事ここから脱出するだけ。

 

陳宮はゴシゴシと涙をぬぐうと、一変軍師としての鋭い表情に戻り、大声で全軍に撤退命令を出した。

 

 

 

張遼「何でや!逃げるなんて選択肢はありえへん!折角曹操ら主軍が留守なんや!ここは無理してでも強引に城を落としに行くべきや!

 

こんな機会二度とあらへん!」

 

 

公孫賛「あ、あきらめろ張遼!悔しいがそれだけ曹操軍を攻めるというのは一筋縄ではいかないってことだろう!」

 

 

 

張遼の本気か演技か分からない激しい反発に、公孫賛は動揺しながらここは張遼に合わせてなだめる演技をする。

 

 

 

張遼「くっそー、覚えときーや曹操軍!ウチらは必ずアンタらの覇道を止めたるからな!」

 

 

 

張遼は公孫賛の言葉に悔しがると、偃月刀を城目掛けて突き出し、リベンジを高らかに宣言した。

 

 

 

張遼「オラオラオラオラーーー!どかんかいウチらはもう帰るんやアホんだらァ!!あの花火みたいに首を空に打ち上げんぞコラァ!!」

 

 

 

そして、偃月刀を頭上でくるくると回し、花火で動揺した曹操軍の中に先陣を切って突っ込み、

 

キレた感じで喚き散らしながら強引に道を切り開きにかかる。

 

 

 

曹操兵1「あぎゃ!?」

曹操兵2「ぐへぇぁ!?」

曹操兵3「かぺっ」

 

 

 

張遼の突き進む先にいた曹操兵たちは、次々に張遼に切り伏せられ、首を刎ね飛ばされていった。

 

伏兵に囲まれた当初とはまるで動きの違う、圧倒的な突破力で曹操兵を蹂躙していく。

 

それはひとえに、北郷が奪還されたという状況が、張遼に力を与えたのか。

 

 

 

公孫賛「(張遼のやつ演技じゃないだろあれ・・・)」

 

 

 

そのような張遼のノリノリの行動に、公孫賛は演技ではなく素でやっているのではと顔を引きつらせながら張遼の後に続いた。

 

 

 

公孫賛「白馬義従も張遼に続け!撤退するぞ!」

 

公孫兵「ウィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!!」

 

 

 

囲いの一部が破られてしまったら、穴の開いた容器から次々と液体がこぼれ出てくるように、次々に張遼たちは伏兵の囲いを突破し、

 

一部の穴はどんどん広がり、最終的には十面の囲いの内一方向に配された3,4面の陣形が崩壊。

 

結果、一番殿に当たる兵の何人かはやられてしまうも、張遼たちは何とか十面埋伏の包囲網を突破することができたのであった。

 

 

 

曹操兵長「よし!敵将は仕留められなかったが何とか追払った!城は守り切ったぞ!私たちの勝利だ!勝鬨を上げろ!」

 

曹操兵「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

 

張遼たちは討ち漏らしたものの、事実、攻め寄せてきた張遼たちは撤退。

 

許城北側での戦いは曹操軍の勝利に終わり、兵士たちは勝鬨を上げた。

 

しかし、彼らは知らなかった。

 

まさか城内に賊の侵入を許し、天に御遣いや徐庶を奪われ、臧覇ら数名の造反者を出していたことなど。

 

彼らが真の敗北を知ることになるのは、曹操軍の本隊が許城に戻ってからの事であった。

 

 

 

【第九十八回 第五章B:御遣い奪還編⑭・馬の手配ならお任せあれっス! 終】

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

第九十八回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

というわけでご都合主義なゴリ押しによる一刀君救出作戦は無事成功しました。

 

そもそもこの話には無理がありすぎて、途中で挫折してしまったのが蒸発の原因だったりするわけですが、

 

最後は開き直りのゴリ押しで何とか書き上げたと言ったところです。

 

読んでいて納得いかない部分多々あり不愉快な気分にさせてしまったかもしれませんが、

 

所詮その程度の作者なんだから軽い気持ちで読むしいいわとご容赦いただきたく、、、汗

 

 

それでは、また次回お会いしましょう!

 

 

 

次回のエピローグで第五章も終了です!

 

 


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