No.835734

九番目の熾天使・外伝 ~短編27~

竜神丸さん

okaka、惑星にやって来るの巻

2016-03-06 06:00:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3536   閲覧ユーザー数:1040

これは、あるちょっとした出来事である…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪Elek On≫

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラ喰らえやゴラァッ!!!」

 

「ギャアッ!?」

 

「ガガガガガガ!!」

 

「うし、そろそろだな…!!」

 

≪Winch On≫

 

「「「グゲッ!?」」」

 

いつも通り発生したモンスターを退治するべく、某次元世界で活動していたokaka。彼はPDフォーゼ・エレキステイツに変身し、向かって来るリザードマン逹を電撃棒ビリーザロッドで次々と叩き伏せている真っ最中だ。残りの数も少なくなってきた為、PDフォーゼは左腕に召喚したウインチモジュールのワイヤーを巻きつけ、残る三体のリザードマン逹を纏めて拘束する。

 

≪Elek Winch LIMIT BREAK≫

 

「ライダー電気ショーック!!!」

 

「「「グガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!??」」」

 

最大まで電力の上がったビリーザロッドをウインチモジュールのワイヤーに叩きつけ、ワイヤーを通じて拘束されているリザードマン逹が纏めて感電。その強力過ぎる電撃に耐えられなかったリザードマン逹が消炭となっていくのを確認し、PDフォーゼは変身を解除してokakaの姿に戻った。

 

「うし、一丁上がり! ウィザードやフォーゼの力も順調に使えて、最近あのプロトドライブとやらのくれたドライブの力も万事OKだ……で、問題が一つ」

 

okakaがライドブッカーから取り出した一枚のカード。それは『GAIM』という名前の書かれた、未だ色が無いブランク状態のカードだ。

 

(仮面ライダー鎧武……支配人と違って、俺はまだこの仮面ライダーには出会った事が無い。この戦士が一体何者なのか、どんな力を秘めた存在なのか、早く知りたいところだが…)

 

「…ま、変に欲張っても仕方ないか。さて、とっとと楽園(エデン)帰るとしよ―――」

 

-キィィィン…-

 

「―――へ?」

 

その時だ。ライドブッカーに収納しようとした鎧武のカードが、突然「待ってました」と言わんばかりに光り出したのだ。そしてその光は、驚いて反応出来なかったokakaを遠慮なしに包み込んでいく。

 

「ちょ、待…!?」

 

okakaが我に返るも時既に遅し。放たれた光はokakaの全身を完全に包み込み、そのまま別世界へと彼を転移させてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

「okakaさ~ん、そっちは終わりましたか……あれ、okakaさん?」

 

 

 

 

 

 

この日、一緒に任務に出ていたディアーリーズを放置してしまう形で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、とある惑星…

 

その惑星は、普通の惑星とは構造が違っていた。巨大な樹木で支えられているその惑星には、それぞれ大きさの異なる階層が何層も存在している。上の階層に存在する滝の水が下の階層の湖へと流れ落ちていく中、緑豊かな大自然の中を鹿や兎が駆け、小鳥の群れが自由に飛び回る。まるで神話にでも登場しそうな美しい惑星だった……大自然の中に、おかしな植物もいくらか混じっているようにも見えるが。

 

「―――ぷは」

 

そんな惑星の一番下の階層に存在する湖。その綺麗な水面からは一人の少女が、一糸纏わぬ姿で勢い良くその顔を出した。

 

金髪のショートヘア、赤と緑のオッドアイが特徴的な少女。その手足はスラリと細く、腰は程よく括れ、肌は透けているかのように白く美しい。穢れを微塵も知らないその少女の身体は、水に濡れる事で更に艶と輝きが増し、まさに“女神”と呼んでも言い過ぎではないくらい美しい物だった。

 

水浴びを終えてサッパリした少女は水面から出て、岸に上がろうと移動を開始した……その時だ。

 

 

 

 

-ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…-

 

 

 

 

「…?」

 

何処からか聞こえて来る落下音に、少女は何事かと思い空を見上げる。その瞬間…

 

 

 

 

-ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!-

 

 

 

 

「ッ!?」

 

湖の近くにある森に、その“何か”がとてつもない轟音を立てて落下した。その際に発生した地響きで森の木々にいた小鳥逹が一斉に飛び立ち、地面を駆け回っていた動物達も慌てて森から飛び出して来る。

 

「今のは一体…!?」

 

湖から上がった金髪の少女は、自身の両手を胸元へと持っていく。すると少女の全身が光り出し、ワンピース状の白装束と茶色のブーツ、そして銀色の首飾りなどが瞬時にその身に纏われた。

 

「舞!」

 

そこへ突如、銀色の鎧を全身に纏った金髪の青年が、白いマントを靡かせながら飛来してきた。青年が飛んで駆けつけて来るのを見た金髪の少女―――(まい)は彼の下まで駆け寄る。

 

「紘汰! 今、空から何かが落ちて来て…」

 

「あぁ、俺にも見えた! まずは落ちて来た物の正体を確認しなきゃな…!」

 

金髪の青年―――紘汰(こうた)は舞を連れて落ちて来た森の中へと移動する。草木を掻き分けながら進んで行く二人は、その落ちて来た“何か”の落下地点と思われる大きなクレーターの目の前まで到着する。その煙が出ているクレーターの中央には…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐ、ぁ……くそ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロトディケイドライバーとライドブッカーを腰に装備したまま、地面に減り込んでいるokakaの姿があった。

 

「いき、なり、人を飛ばしやがって……ふざけん、じゃ……ね…」

 

自分がいきなり飛ばされた理由も分からず、苛立ちを隠し切れないでいたokaka。ボソンジャンプに失敗した時と同じくらいの衝撃で全身が痛む中、彼は苦しげに歯軋りしてから少しずつ意識が闇へと落ちていく。

 

 

 

 

 

 

その手には未だ、色が無い鎧武のカードが握られたままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは始まりの男と始まりの女に出会った、太古の破壊者の力を操りし青年の物語である…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued…

 


 
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