No.803595

「VB STUFF」

蓮城美月さん

ベジブル、ベジ一家のショートストーリー。
ダウンロード版同人誌のサンプルです。
B6判 / 054P / \100
http://www.dlsite.com/girls/work/=/product_id/RJ161567.html

2015-09-22 08:11:19 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2770   閲覧ユーザー数:2770

◆CONTENT◆

 

ベジブル小ネタ 其の一

ベジブル小ネタ 其の二

ベジブル小ネタ 其の三

ベジブル小ネタ 其の四

ベジブル小ネタ 其の五

ベジブル小ネタ 其の六

「おはよう」

「おやすみ」

「怪盗と令嬢」

「学生&兄弟」

「新撰組」ルマ

「幕末騒動譚」

 

ベジブル小ネタ 其の四

 

お茶の間

「ちょっと、ベジータ。寝転んでソファを独り占めしないでくれる?」

「なにか問題があるのか?」

「今からあたしが座るの。だから半分よけて」

「横のソファを使えばいいだろう」

「テレビを見るから、正面のソファがいいの」

「…ちっ」

「ほら早く。ドラマが始まっちゃう」

「ドラマだと? またくだらない話だろうが」

「失礼ね、くだらなくなんかないわよ」

「女は無駄に時間を浪費する生き物だな」

「あんただって、トレーニング以外は家でゴロゴロしてるじゃない」

「ゴロゴロだと?」

「こんなことで揉めてる場合じゃないわ。最終回なのよ、今日」

 

プロポーズ大作戦

「終わっちゃった、最終回。プロポーズしてハッピーエンドか。やっぱりそうだよね」

「フン、ありきたりな結末だな」

「なによ。ちゃっかり見てるんじゃない」

「見たくなくても、目の前でいれば嫌でも目に入る」

「こういうのが地球の文化よ。実体験では味わえない想像の物語とか」

「そんなもの、現実のほうが…」

「えっ?」

「いや、なんでもない」

「…そういえばさ」

「なんだ」

「あたし、プロポーズされた記憶がないんだけど。おかしいわよね。結婚はしてるのに」

「別になくても問題ないだろ」

「既成事実は変わらないけど、気持ちの問題?」

「…気持ちの問題なら、気にしなければいいだけじゃないのか」

「でも孫くんでさえ、ちゃんとプロポーズしてるのよ」

「カカロットが? ……そ、そんなことオレには関係ない」

「孫くんでもできたことが、あんたにはできないの。そうなんだ」

「――――…」

「数年遅れでも、言うだけ言えば聞いてあげるわよ?」

 

お見合い結婚

「よく考えてみれば、順番が違うもんね、あたしたちって」

「順番?」

「普通は、告白して付き合って、プロポーズして結婚でしょ?」

「……………」

「一回もデートしたことがないのに、子どもが最初って逆転しすぎっていうか」

「……地球の常識など、オレの知ったことじゃない」

「ウェディングドレスくらいは、着てみたかったな」

「着ればいいだろう」

「じゃあ、あんたもタキシードを着て、結婚式してくれるの?」

「…ドレスを着たいなら、着ればいいと言っただけだ」

「ウェディングドレスは結婚式に着るものなの」

「なら、一人でやってろ」

「結婚式は、夫婦が揃ってなきゃ意味ないでしょ!」

「――――――」

「あ、来週から新しいドラマが始まるんだ。あんたも一緒に見たら?」

「どうせ同じような内容だろうが」

「お見合い結婚だって。正しい結婚の手順、勉強になるんじゃない?」

 

正しい結婚のススメ

「なんで結婚するのに、そんな段取りが必要なんだ」

「そういう流れが普通っていうか…」

「あの紙切れ一枚で済む話じゃないのか」

「まあ、形式的にはそうだけど」

「だったら問題ないだろう」

「でも結婚となると、本人だけの問題でもないじゃない」

「だれの問題だ?」

「家族が認めてくれるかどうかも重要よ?」

「…そんなもの」

「あたしたちは既成事実が先だから、認めるしかなかったけど」

「普通はどうだと言うんだ?」

「一般的には、両親に『お嬢さんをください』って頭を下げるの」

「おまえの両親なら、むしろ勝手に持っていけと言いそうだが」

「そうかもしれないけど。大事にするという、約束みたいなものよ」

「今さらだな」

「そうかしら」

「……………」

「ねえ」

「断る」

「まだなにも言ってないんだけど」

「言わなくても想像がつく」

「ちょっと、なに逃げようとしてるのよ」

「重力室でトレーニングしてくる」

「待ちなさいよ」

 

パパと呼ばないで

「都合が悪くなると、トレーニングを口実に逃げるんだから」

「とにかく、腕を放せ」

「嫌よ」

「オレは、そういうのは御免だ」

「だったら離婚して、あんたをこの家から追い出すわ。それでもいいの?」

「――――…」

「少しくらいは妥協してみなさいよ」

「なにをしろって言うんだ」

「せめて、とうさんのこと『お義父さん』って呼ぶとか」

「……………」

「そんなに難しいことじゃないでしょ。何年も家族として暮らしておいて」

「…今さら、そんな呼び方できるか」

「今さらって、本来なら最初からそう呼ぶべきなのよ」

「無理だ」

「やってみなきゃわからないわよ。ちょっと練習してみたら?」

「しつこいぞ、ブルマ」

「いいじゃない、あたししか聞いてないんだし」

「おまえしか聞いてなくても、『お義父さん』なんて呼べるか!」

そこへタイミングよくやってきたブリーフ博士。

「なんじゃ、わしになにか用かい? ベジータくん」

「と、とうさん…」

「――――!」

 

「学生&兄弟」

 

◇ 登場人物 ◇

・ベジータ…名家の子息

・ブルマ…ベジータの彼女

・ターブル…ベジータの弟

・グレ…ターブルの彼女

・ベジータ王…ベジータとターブルの父

 

◇ あらすじ ◇

サイヤコーポレーションという大企業の名家に生まれたベジータは、カプセルコーポレーションの一人娘であるブルマと出会い恋人同士に。なかなか素直になれない二人だったが、徐々に親密さを増していく。

ある日、ベジータが初めてブルマを自宅へ連れてくると、弟のターブルと遭遇した。

「あ、兄さん」

「なんだ、ターブル。もう帰っていたのか」

「はい。今日はお父さんが休みなので、ボクの彼女を紹介したいと思って」

「親父が居やがるのか…。――――なに? おまえの彼女だと?」

家族にも丁寧口調な弟の説明に一瞬聞き流しかけるが、思いがけない内容だったため、ベジータは驚きの眼差しを向けた。

「同じ学校の同級生なんです。ほら、隠れてないで」

ターブルに促されて背後から姿を見せたのは、小柄な女の子。

「はじめまして、グレと申します」

にこやかに微笑まれ、ベジータは曖昧に返事をする。まだ中学生の弟に彼女を紹介されるなど、予想外で戸惑っていた。

「それで兄さん。そちらの人は?」

ターブルが兄の隣にいるブルマへ視線を注ぐ。

「……あ、ああ。こいつはオレの」

「こいつってなによ。ちゃんと紹介しなさいよ」

「オレの…女だ」

「はじめまして、ブルマよ。よろしくね」

それぞれの自己紹介が済むと、ベジータはブルマを自室へ急かした。

「早く来い。親父に見つかると面倒だ」

「どうして? あたしもお父様に挨拶したいわ」

「挨拶なんかしなくていい。とにかく――――」

ブルマの腕を取って連れて行こうとした瞬間、リビングのドアが開く。話題に上がっている本人が姿を見せた。

二十年後のベジータと思えるような風貌の父親は、玄関先に居合わせた息子たちと、その連れの存在に気づく。ベジータが「しまった」と思うよりも速く、父親は女性二人の手を取っていた。

「これは美しいお嬢さんたち。ようこそ我が家へ」

とても手が早い父親のため、ベジータはブルマを会わせたくなかったのだ。

「ど、どうも」

困惑するブルマたちを気にもせず、息子の彼女を口説きにかかる父親に、さすがのベジータも堪忍袋の緒が切れた。

「その手を離せ、バカ親父! こいつはオレの女だ。勝手に触るな!」

 


 
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