No.790683

女神異聞録~恋姫伝~ 第四十六話

ヘイロンさん



真・女神転生世界に恋姫無双の北郷一刀君を放り込んでみたお話
人の命はとっても安い、そんな世界
グロや微エロは唐突に生えてくるもの

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2015-07-20 11:45:12 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:900   閲覧ユーザー数:879

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  女神異聞録~恋姫伝~

 

                    第四十六話

 

                   「天使の軍勢」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本来の目的とは違うこととなったが事前に決めたとおりの二手に分かれることとした一

 

刀達は急いでいた。

 

天使たちの行動も速く、街へと向かおうとする神々しくも禍々しいとしか言いようのない

 

白き群れが街へと向かっているのが遠目からでも見ることができた。

 

幸いというべきかロッポンギは既に街として機能しておらず、向かうべき場所のひとつと

 

して認識されていなかった為にすぐにこちらに来ることはなく、魔法により傷を癒し、疲れ

 

を残したままとなるが迅速に行動へと移った。

 

「ラムは足の速さを生かしてサイクロプス、メタトロンと共にシィ、コロナをつれてイケブ

 

クロの方にあるスガモプリズンに向かってくれ」

 

「わかった」

 

「はい」

 

「了解しました」

 

一刀は鏡身の残した真剣、名刀コテツを腰に挿しメタトロンを見る。

 

「アリスとは共にいけませんか、残念ですが………アリス、一刀のいうことをよく聞き頑張

 

ってきなさい」

 

「うん、アリスがんばる。赤おじさんまたね」

 

「別れは大丈夫か?」

 

「まさかいきなり分かれさせられるとは………恨みますよ」

 

「最大戦力なんだ………無理を言わないでくれ」

 

一刀は天使、それも最上位のものともなれば個を殺し全を生かすための行動をするものと

 

思っていたが、どうもこのメタトロンは個が強すぎる気がしてきていた。

 

「確かにアライメントとしては約一名を除き問題はありませんが………シィさんとメノウ

 

さんのトレードを要求します」

 

「それは重要なのか?」

 

「連携の問題もありますし、説得の指向性が一貫していなければやはり難しくなることで

 

しょう………真逆の拠点に行くというのですから」

 

「わかった」

 

シィとメノウを見ると快諾してくれるようだ。

 

シィとしてもメタトロンが指摘した部分はやはり気になっていたのだろう。

 

「交代してもらえるか?」

 

「はい」

 

「イエッサー」

 

「終わった後に再び逢おう」

 

一刀は軽いつもりで再会を期した意味を込めての言葉を送ったのだが、その言葉は仲間の

 

六人に瞳の奥に強い意思が灯る。

 

再会を期するということは一つの前提が存在する。

 

その前提は六人に強い意味を持ち、意思を新たに覚悟させるだけの意義を持っていたと言

 

うことになる。

 

前提とは会う前に必ずあるもの、それは一度別れるということ。

 

離別の時に一体何があったのかそれはそれぞれが知るだけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シブヤまで戻る一刀達、急ぐ為休むことなく走るという普通に考えれば無茶をして強行

 

していく。

 

イケブクロに向かった人間は祭と雪蓮と星、今向かっているのは恋と蓮華とねねと一刀。

 

仲間はリンゴとシィとアリスとアラクネとミント。

 

空の雲は晴れることなくまだ黒く灰色の空を見せていた。

 

この空はいつか遮るものなく再び日の明かりを差し込むことがあるのだろうか。

 

「はぁ………はぁ………」

 

尋常では無い速度で走りぬけようとする二人に追従することが難しい二人。

 

普通の人よりは体力はあるがやはり、前の二人に追いつけるものではない。

 

既に息も途切れ途切れで足ももつれ始めているのか進める速度は落ち始めていた。

 

「蓮華、ねね、大丈夫か?」

 

「だ………大丈夫よ。このくらいで弱音を吐いてちゃ姉さんに笑われてしまう」

 

「はぁ………ふぅ………」

 

蓮華はまだ何とかしゃべるだけの余力はあるが、ねねは体格の差もあるためかそういうわ

 

けにはいかない様だ。

 

一刀は無言で、二人を背負う。

 

「ま、まだ大丈夫よ!?」

 

「はぅ!?」

 

驚き降りようとするが、一刀はそれを無視して前に駆ける。

 

そして一刀に弁明していた声は次の瞬間に掻き消される。

 

背後に起こった爆音によって。

 

土煙の中から出てきたのは肉が隆起して何処が何処の筋肉なのか判らなくなるほどに鍛え

 

抜かれた巨躯をほこる男のような存在だった。

 

「天使、じゃなさそうだな………」

 

「………」

 

言葉をかけながら、そっと二人を下ろす。

 

爆音を鳴らしクレーターを作り上げた場所は、二人が歩いていた場所だった。

 

「何者だ?」

 

「カイト」

 

それだけ名乗るとカイトと名乗った筋肉の身体がぶれた。

 

ゴ、ギ、ガン。

 

とカイトが拳を突き出した姿で、一刀が二振りの武器を抜いた状態で対峙していた。

 

その姿が確認できた後に激突した音が響いた。

 

それを認識できたのはアラクネと恋だけだったのかもしれないが。

 

「バロウズ、アナライズ」

 

「魔人カイト………種族名こそ同じですがモンスターのようです」

 

「ほぅ………」

 

左右から諸手突きからの肘の打ち下ろし、そのあとの正拳突きそれを知覚できたのは一刀

 

だけだった。

 

「まったく………一字違いでここまで姿が変わるのか」

 

「お前の名前は………」

 

「一刀」

 

それを聞き何かを納得したのか、カイトは頷き。

 

「なるほど………」

 

そんな一言を呟いた。

 

そして連続した衝撃音と爆音が続いていく。

 

二人は動いているようには見えないが、周りから音は確かに響いてくる。

 

「糸で絡め取れるか?」

 

「プチプチ切られてるわよ?張り巡らしてみたけど」

 

合成チタンをも超える硬度を持つアラクネの糸が容易く切られているという。

 

周りから見ている存在ではそのスピードを捕らえる事はできない、だからこそ張り巡らし

 

たのだがあっさりと破壊された。

 

「こっちはお手上げだから先にシブヤに行ってるわね」

 

「あぁ、頼む」

 

「致し方あるまい、お前を抜かねば後ろのものを倒すことは出来ぬようだ」

 

しゃべり終えた頃、響いていた音は止み、アラクネたちの姿も無かった。

 

蓮華たちがぐずっていたが、アラクネが糸で絡めとって連れて行ったのだろう。

 

一刀とカイトが同時に上空に目を向ける。

 

そこには埋め尽くすような天使の軍勢が居た。

 

「「邪魔だな」」

 

それは同時に放たれた言葉で、同じ敵を持つ存在であると言うことの証明でもあった。

 

魔人は天使を敵視している。

 

そして一刀もまた、この天使たちを野放しにするつもりは無い。

 

拳の最強と今世の剣の極みがタッグを組む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白い羽根が舞う。

 

地は血に染め上げられる。

 

魔法が飛び交う。

 

天使たちが二十と向かうならカイトが拳を十と振るう。

 

その穴を補うように一刀が互いに背をあわせ廻る様に弐つの刃を振るい十を屠る。

 

カイトに天使たちの攻撃は通らず。

 

一刀に天使たちの攻撃は当たらない。

 

「やはり魔人、無敵結界を破ることが出来ない!」

 

「でもなにあの人間!?私たちの攻撃を全部避けてるよ!?」

 

「それなら必ず当たる攻撃をすれば良いのよ!」

 

「いい?合わせる………きゃあぁぁぁぁっっ!?」

 

ちゅどーん。

 

目の前で大技の相談というアホなことをしながら散り散りにされていく天使の軍勢。

 

「愚かな」

 

「敵の目の前で大技放とうとするとはアホだな………」

 

集められて放つ前の力を少し妨害して暴走させてやれば、結果は火を見るよりも明らかだ

 

った。

 

「興が殺がれたか」

 

カイトは一刀に背を向け去ろうとしていた。

 

そんな背に一刀は声をかける。

 

「なんでこの世界に来たんだ?」

 

「………緑病………」

 

一瞬の逡巡の後にただの一言だけを残し去っていった。

 

「特効薬か何かを探しているのか?」

 

言われた物がいったい何なのかわからないまま一刀は一応の納得をしてみる。

 

カイトの居た世界ではおそらくそれはなかったのだろう。

 

だから、この世界に赴いたのだと。

 

「ラムの奴に治せないものかね………」

 

万能薬として有名なユニコーンである仲間の無事を祈りながら、先に行った仲間に追いつ

 

くために駆けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一刀の離れたリンゴたちの前には女性が立っていた。

 

「あ、ユリコだ~」

 

「久しぶりね、リンゴちゃん」

 

「「「誰?」」」

 

リンゴとシィを除いた皆から疑問の声が上がる。

 

出会った事がなかったのだから当然といえば当然なのだが、その疑問に応えようとするの

 

がリンゴとシィしか居ないというのが問題だったのかもしれない。

 

「ユリコだよ?」

 

「ユリコさんです」

 

「ごめんなさいね、まだ一刀には知られたくないのよ」

 

微笑み、彼女を知らないままの仲間達は頭の上に疑問符を浮かべたままだった。

 

「それで渡してもらいたいモノがあるのよ………ベリアルを封じた壷をこちらに渡してち

 

ょうだい」

 

「え?無いよ?」

 

「無いですよ」

 

「え?」

 

「え?」

 

「ベリアルって黒おじさんが消しちゃったって聞いたよ?」

 

「最上級の魔王が消された?」

 

リンゴやシィ、アリスがユリコの質問に答えていくがその度にユリコが驚愕し固まる。

 

「え?待って………それじゃ黒おじさんは誰?」

 

ネビロスまで消滅していると聞き更に疑問が出てきたのだが、それに答えるのは壷に封じ

 

られた筈の存在だった。

 

「私ですが、貴女もご健勝そうで何より」

 

開いた口が塞がらないとはまさに今のユリコの状態のことなのだろう。

 

ポカーンと口を開けたまま固まってしまっていた。

 

「このような姿なので姿を見ることは出来ませんが」

 

蓋のされた壷から声が響いてくるというこんな世界でもなければ怪奇現象ともなる事が起

 

きていた。

 

むしろこんな世界ですら封じられながら話すことが出来るというほうが怖ろしいのかもし

 

れないが。

 

「おにーさんの知り合いでも私の黒おじさんだから渡せないんだからね!」

 

ぷーっと頬を膨らませアリスがユリコの視界から壷を隠す。

 

「あ、おにーちゃんがそろそろくるけどどうする?」

 

「うん………今回は帰っておくわ」

 

そういって姿を消すユリコ。

 

それを見ていたほかのメンバーは一部を除いてこう思っていたことだろう。

 

結局誰だったのかと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詠「詠と」

月「月の」

詠&月&へ「「「あとがきコーナー」」」

へ「今回はちょいと短くなってしまって申し訳ありません」

詠「急な仕事が入ったものね」

へ「いや、マインクラフトが面白くて」

月「ナニカイイマシタカ?」

へ「(矢が額に突き刺さる)」

詠「返事が無い、ただの屍のようね」

月「そうみたいですね。今回の最後で判るとおり女性最強武器火龍剣は作れません」

詠「魔神の無敵結界に関してはアリスソフトのランスシリーズをやれば多分わかるわよ」

月「アリスソフトからの参戦は数名ですが、レベルそのものが三桁四桁な世界になるので」

詠「討伐目標にはいいってことで選ばれてるわよ」

月「ランスシリーズ最新作ではレベルというものが取り払われてますのでお気楽に」

詠「強化という面では真・女神転生Ⅳでも香の量産や周回で強化できるから言いっこ無しね」

へ「アリスソフトのランスシリーズを選んだのは………」

月「召喚ドアというものがあり異世界に繋がっているからです」

詠「中には現実世界に酷似したものから呼ばれたという設定の子も居るわよ」

へ「なので………」

月「なので逆説的にランスシリーズから呼ぶことも可能では?ということです」

詠「召喚プログラムのバグとかという設定になってるから深く気にしちゃダメよ」

へ「しくしく」

月「作者が泣いてますが、ファンタジー要素にツッコミは野暮というものですよ」

詠「恋姫世界でも時代考察がおかしいところはちらほらあるのよ」

へ「演技と史実が混じってたりもしてます」

月「歴史通り進んでいないのは既に当たり前ですしね」

詠「次回は小ネタとして真・女神転生シリーズの魔人に関して軽く触れていくわよ」

へ「質問というかマザーハロットやトランペッター居るじゃない。と意見貰いましたので」

月「この作品で出てきても違和感はまったく無いですが、後ろ盾にならない理由と」

詠「背景を顧みた時のアライメントの調整説明になるわね」

へ「ペイル、僧正、バイオリンのレ………」

月「ネタバレダメ(再び矢を放つ)」

詠「ではそろそろページも無いので」

詠&月「「お休みの間アクマに身体を乗っ取られませんようお気をつけて」」

詠&月「「ではまた次回でお会いしましょう」」

へ「台詞がとても少なかったでござる」


 
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