No.788351

【サイバ】ある日の天空電鉄【交流】

古淵工機さん

たまには路面電車にスポットを当ててみる。

■出演
佑:http://www.tinami.com/view/748897
千夏:http://www.tinami.com/view/787556

2015-07-08 21:49:28 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:853   閲覧ユーザー数:835

(5:48)

天空電鉄の朝は早い。まだ夜もあけきらない頃から一日が始まる。

市民の足である電鉄は、この頃からすでに動き始める。

「車輌番号3803A、C、B(サンハチマルサン・エー・シー・ビー)…」

詰所から出てきたヒューマンの女性…運転士・油木佑が、電車の前に立ち各部の点検を始める。

 

外観の点検が終われば、次は扉を扱い客室内の点検、そして運転機器類の点検だ。

パンタグラフが上がり、室内灯がともる。コンプレッサーが始動しはじめ、冷たい鉄の塊が使命を帯びて目覚める。

構内をゆっくり動いたところで3803A-C-Bは動きを止めた。

 

車掌台にやってきたのはサウリアンスロゥピィの女性・溝之口千夏だ。

「おはようございます佑さん!」

「おはようございます千夏さん!」

元気に挨拶を交わす二人。

(8:25)

朝のラッシュアワー真っ只中である。

佑の運転する3803A-C-Bは全長およそ28m、そんな3連接車、天空電鉄でもかなり大型の電車であるにもかかわらず、

この時間帯ともなると乗客が押し寄せ、すし詰めの状態になる。乗客を捌くのに必死の千夏。

「ご乗車になりましたら中ほどまでお進みくださーい!扉閉まりまーす!」

扉が閉まり、電車は天空駅前を発車。ほどなく森野中線へと入る。

 

都心から離れる方向であるのにこれほどの乗客がいる理由。それは途中通過する雨天区が工業地帯であることによる。

工場勤務の労働者が多いのに加えて、沿線の学校への通学時間帯も重なる。だから余計に混雑するのだ。

「はい、次止まります」

乗客がブザーを押したのに反応し、アナウンスを入れる佑。

やがて電車は産業団地前駅に停車する。このあたりは新設軌道であり、法規上も鉄道となる区間ゆえ、市内線とはまた違った趣だ。

反対方向のホームからはちょうど、もと札幌市電A820形を譲り受けた2301A-Bが走り出していた。あちらも20mクラスの車内が超満員だった。

(13:10)

風天車庫前・某ラーメン店にて。

「ふぃーっ、今日も激混みだわね千夏さん」

「もうクタクタだよ。こういうときのラーメンってまた美味いんだよね!」

午前の乗務を終えてほっと一息の佑と千夏。このあと16時までは乗務がないため、夕方に備えてがっつりラーメンを食べる。

 

電車の運転士や車掌の業務は、他の人たちが想像する以上にハードでシビアなのだ。

もちろん体力も神経も人並み以上に使う。

だからひとしきり乗務を終えた後は、しばらく休んでおく必要があるのだ。

途中での乗務員交代も決して珍しくない。

 

「さてこれからどうする?」

「そりゃもうこのあとは昼寝でしょうw」

「賛成。…あ、ごちそうさまでした!お代置いていきますねー」

「したー。贔屓にしてるよ大将っ!お代置いとくね!」

二人はラーメン屋を後にした。これが路面電車・天空電鉄の乗務員の日常…そのほんの一部である。

 


 
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