No.76843

真・恋姫✝無双 魏ENDアフター 凪編

kanadeさん

真・恋姫無双 魏ENDその後のお話。
あのエンディングで終わりというのがなんか嫌なので書いてみました
キャラ崩壊の恐れがあるのでご注意ください

2009-06-02 03:31:59 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:36169   閲覧ユーザー数:24883

 

_真・恋姫無双 魏ENDアフター 凪編_

 

 

 

 

 

 

 『天の御使い、北郷 一刀はその役目を終え、天に帰ったわ』

 

 三国の戦が終わり、三国が手を取り共に歩むこととなった翌日に華琳様が魏の武将たちを集めそ 

 う仰った。

 

 私は、その言葉をどこか遠い出来事のように聞き、ただ呆然としていた。

 

 その事情を説明をされていたにもかかわらず、私の耳には全くといっていいほど入っていなかっ

 

 た。

 

 霞様や真桜たちが傍で抗議していたが、それすらも他人事でしかなかった。

 

 だが。

 

 『いい加減、受け入れなさい!一刀はもういないのっ!!』

 

 その言葉を聞いた瞬間、私の中ですべてが弾けた。

 

 『黙れっ!!』

 

 『『『『『!!!!!!!』』』』』

 

 叫んだ私の声に皆が絶句した。

 

 しかし、頭に血が上りきっていた私にはどうでもいいことだった。

 

 『隊長が・・・隊長が私たちを置いていくなどと、そのような事信じるものか!!』

 

 『いいえ、事実よ凪。一刀は私の覇道を成就させるために天が遣わした男。

  

 ならば、我が覇道が成った以上元いた世界に帰るのは必然なのよ』

 

 『っ!!!!』

 

 そこまでが私自身が覚えている出来事だった。

 

 次に私が目覚めたときには、すっかり月が昇りきったころだった。

 

 様子を見にきた真桜と沙和から事情を聞いた私は、自身の犯した事の大きさに思わず息を飲んで

 

 しまったが、最後まで話を聞くとその事を罪には問わないと華琳様が言い、他の武将たちもその

 

 決定に安堵したという。

 

 そのことに疑問を持った私に。

 

 『みんな同じやったんや』

 

 真桜がそう言った。

 

 『みんな凪と同じ気持ちやった。隊長がおらんようになったなんて信じれるわけないやろ?せや

 

 けど大将の手前、何にも出来んかっただけや』

 

 『でもでも、凪ちゃんがみんなの代わりになってくれたのー』

 

 『・・・沙和』

 

 『華琳様もおんなじだったのー。だから凪ちゃんを責めなかったのー』

 

 『華琳様・・・』

 

 『せやけど、あん時はまじでビビったで。まさか、あの凪が大将に殴りかかろうとしたなんて誰

 

 も思わんかったやろからな』

 

 『沙和もびっくりしたのー』

 

 『///』

 

 私は何も言えず、恥ずかしくて思わず俯いてしまった。

 

 

 

 

 

 「ここにいたの?凪」

 

 「か、華琳様」

 

 声をかけられた私は回想をやめ、声の主に応える。

 

 大陸の覇王・曹操 孟徳その人が眼前にいた。

 

 「月を見ながら何を思っていたのかしら?」

 

 「隊長がいなくなったと告げられた時のことを思い出していました」

 

 「そう・・・あれから暫くの間の貴女は見ていられなかったわね」

 

 「その節は申し訳ありませんでした。隊長がいない・・・そのことを受け入れるのが恐ろしく

 

 て、受け入れてしまったらもう二度と、会うことが出来なくなってしまうような気がして」

 

 「そう思ったのは貴女だけではないわ。春蘭、秋蘭、季衣、流琉・・・霞、真桜、沙和、風、

 

 稟、天和、地和、人和・・・みんなの前でこそ見せなかったけど、桂花だって一刀がいなくなっ

 

 たことに悲しんだいたのよ。もちろん私もね」

 

 「はい」

 

 「だから、あの時の貴女を罪に問うことなんてできなかったのよ。もし一刀が聞いていたら『頼

 

 む、悪いのは俺なんだ!だから凪を許してやってくれ』って言うに決まっていたもの」

 

 「そうですね、隊長なら間違いなくそうおっしゃると思います」

 

 「なにせ、〝魏の種馬〟だものね」

 

 「悪かったな種馬で」

 

 「「!!」」

 

 私と華琳様がお互いに笑った時だった。

 

 「無視かよ・・・なら」

 

 声が聞こえる。

 

 だが、私も華琳様も振り向く事が出来なかった。

 

 振り向いてそこに誰もいなかったら、今度こそ立ち直れなくなる気がしたからだ。

 

 「これでどうだ」

 

 ぎゅっと抱きしめられた。

 

 伝わってくる温もりが現実であることを教えてくれて、自然と肩が震え始めていた。

 

 「覇王たる私との約束を反故にして戻ってくるなんていい度胸ね」

 

 「ごめん。だけど、俺はもうどこにも行かないよ。

 

 だってここが俺の居場所なんだ。華琳や凪達がいるこの世界が、俺の居場所なんだ。だから、俺

 

 は今、こうしてここにいるんだ」

 

 「許すのは今回限りよ。次もこんなことをしたらその首を刎ねてあげるわ」

 

 「約束する。俺はもう、どこにも行かないよ」

 

 「いいわ。その言葉、今一度信じましょう」

 

 「ありがとう華琳」

 

 「いいから、もう一人のほうにも何か言うことがあるんじゃない?その子、貴方がいなくなった

 

 ことに一番悲しんでいたんだから」

 

 「ああ、そうだな」

 

 振り向いた視線が私のことをまっすぐに見つめるが、私の方はというと色々な感情が入り乱れ

 

 て一歩も動けずにいた。

 

 「ただいま、凪。遅くなってごめん・・・だけど俺はもういなくなったりしないよ。だからそん

 

 な悲しい顔をしないで。凪は、笑っている方がずっと可愛いよ」

 

 そう言って私をもう一度抱きしめてくれた。

 

 「うう、うわああああああああああああああん」

 

 思いが、溢れた。

 

 堪えることが出来なかった。

 

 ただ嬉しくて、それだけでこんなにも涙があふれ出た。

 

 この人は、こうして今ここにいる。

 

 ならば、それに応えるのが自分の役目だ。

 

 だから、精一杯の想いをこめて私はこう言った。

 

 

 

 「おかえりなさい、隊長!」

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 如何だったでしょう?初めてのことだったので至らぬところも多くあるとは思いますが、最後まで読んでくださってありがとうございます。感想なんかも頂けるとありがたいです。それを糧に精進していきますので、どうぞよろしくおねがいします。

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
173
84

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択