No.756914

真・恋姫無双 別たれし御遣い 第十二話

ZSANさん

洛陽での籠城戦

2015-02-07 23:09:33 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3277   閲覧ユーザー数:2863

 

~一刀視点~

洛陽に撤退した俺達は月と詠に経緯を報告した

「華雄の無謀さを計算に入れてなかった僕の失策だわ

 アンタ達には悪い事をしたわね」

苦渋の表情で詠が言葉を続ける

「もう、事ここに至っては悪あがきと言われても交戦を続けるわ

 皇帝の御膝元で長く戦をする訳にもいかないから長期戦になれば朝廷が停戦の勅を出すかもしれない

 若しくは連合軍が和睦を申し出るかもしれない

 限りなく零に近い可能性に掛けるしかないわ」

俺達は頷く

その時、扉の外がやけに騒がしい 

そして扉が勢いよく開かれて一人の人物が入って来た

「今は大切な軍議中よ!

 緊急時以外は将以外は入ってこないのが常識でしょ!

 直ぐに出て行きなさい!」

詠がその人物を叱責する しかし

「いえ、どうしても申し伝えなければならない事が有ります

 私は華雄将軍の副官 胡軫 

 そこに居る北郷は連合軍の内通者です!

 直ちに処断を!」

「何ですって!」

 

胡軫は俺が内通者と疑った華雄の言葉を信じきって、華雄が討ち取られたのは俺が内通した為だと詠に訴えた

胡軫の説明を聞いた詠は額を抑えて

「呆れて物が言えないわね

 確証も証拠も無い 単なる思い込み

 しかも少し考えれば間違っている事が分かる

 そんな話を鵜呑みにするなんて」

心底呆れかえった口調で詠が言う

「出て行きなさい!

 今はアンタの戯言を聞いてる余裕は無いわ」

胡軫は他の兵に無理やり連れて行かれた

~鞘華視点~

2日後、連合軍が洛陽に到着した

先鋒は袁紹だった

 

「おや、城門が開いてますわね

 董卓さんも流石に観念しましたか お~ほっほっほっほっほ~

 では、洛陽に入り董卓さんを捕えますわよ」

そう、洛陽の城門は開いていた

「何かの策なのは間違いないわね」

華琳の意見に私も同感だった

「多分、城門に近づいたら城壁の上から・・・」

私の言葉が終わらないうちに、城門に近づいて行った袁紹軍は

「今だ、斉射!」

と云う号令の元、城壁の上から一斉に斉射された矢の雨を喰らうことになった

「だ、だ、だ、騙しましたわね~」

袁紹が喚いているが騙したというより、袁紹が不用意すぎるんじゃないの?

「華琳、袁紹ってもしかして馬鹿?」

「今頃気付いたの?

 もしかしなくても馬鹿よ」

「むしろ大馬鹿だろ」

「底抜けの馬鹿だな」

「救いようのない馬鹿です」

華琳、春蘭、秋蘭、桂花の辛辣な意見が出された

「でも、私の覇道の役に立つ事をしたのは事実ね」

結局”馬鹿と鋏は使いよう”という事なのだろう

 

先鋒の袁紹が混乱に陥ったため、この日の戦闘は終了した

~一刀視点~

初日を乗り切った俺達だったが、翌日からは籠城戦を強いられた

強いられたというより流石に打つ手が無い

しかも連合軍は豊富な物量を生かして、2刻ごとに交替して1日中攻めて来た

これは此方にとっては何よりも辛い

 

3日この状態が続き、将兵諸共に限界が来ていた

「このままでは、どうしようもないわ

 打って出るわ!」

詠も決断せざるを得なくなった

おそらく、董卓軍最後の出陣となる戦いに打って出た

 

恋の部隊が正面から突撃して相手をわずかに怯ませる

その隙に俺と霞の部隊が出撃する

恋はそのまま正面に進んで行き、俺と霞は左右に散る

恋の部隊は劉備、袁紹の軍に突っ込んで行く

霞の部隊は曹操軍とぶつかっている

俺の部隊は孫策軍とぶつかった

 

俺と共に出陣した静里が部隊指揮を執り、俺は孫策に向かって行く

しかし、孫策の脇には程普さんと太史慈がいた

「三対一なんて本意じゃ無いけど、万が一にも孫策を討ち取られる訳にはいかないからね

 戦だし卑怯とか言いっこなしだよ!」

正直言いたいけれど、程普さんの言う事は正論だ

程普さんの攻撃を躱し、反撃するが防がれる

動きが止まった所に孫策が斬りかかって来る

「今度は孫策か」

速く鋭い斬撃を紙一重で躱し反撃を試みると、そこに太史慈の射た矢が飛んできた

後ろに跳び、避けたがそこに程普さんが攻撃して来る

躱しきれずに浅手とは言え、傷を負った

それから、何度も攻防を繰り返すが明らかに不利だ

一対一でも互角の相手が連携を取って三対一で来ては勝ち目が無い

と言っても撤退する場所も、もう無い

「全く、自信無くすわ

 三対一で仕留められないなんて、とんでもない武ね」

「お褒めに預かり恐縮です、と言っておいた方が良いのかな?」

軽口を返すが、負傷と疲労で息が上がっていた

 

「孫策、取引しないか?」

俺は刀を鞘に納めて、孫策に語り掛ける

「取引?」

孫策が興味を持った いけるかもしれない 

「この連合は袁紹の嫉妬から始まった

 董卓と賈詡は暴政なんかしていなかった

 だから董卓と賈詡を孫策が保護して匿って欲しい」

「そんな事をしたら私達が滅ぼされるんだけど」

孫策が呆れたように言う

「死んだ事を偽装すれば大丈夫だろう

 どうせ、董卓が死んだ”事実”があれば”真実”なんて全ての諸侯は興味が無いだろうからな

 後は名を捨てれば何とかなる」

「確かに不可能じゃないわ

 でも私達がそれをして、なんの得が有るの?」

乗って来たな ならば

「俺が孫策に仕える!

 これでどうだ!?」

俺の言葉に孫策は少し考えて

「貴方を此処で倒して、従えさせれば無駄な危険を取り込まなくても済むんじゃ無いの?」

孫策は意地の悪い笑みを浮かべている

「それは無理だな それなら俺は孫策に仕えない」

そこで、二人共無言になる

「交渉決裂だな」

俺は、このままでは一日経っても孫策が条件を飲まない事を悟った

腰を少し落として、抜刀術の構えに入る

「何なの、この尋常じゃない闘気は?」

孫策のその言葉を合図にしたかのように俺は孫策に突っ込んで行く

そして抜刀術を放つ

その斬撃を振り切った

~あとがき~

 

反董卓連合も大詰めです

 

胡軫は演技では華雄の部下だったと思います

「恋姫」は演技寄りの話なので

 

”あの事態”は次回です

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 


 
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