No.756544

真・恋姫無双 別たれし御遣い 第十一話

ZSANさん

虎牢関の戦い②

2015-02-06 20:15:51 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3431   閲覧ユーザー数:2965

 

~一刀視点~

「馬鹿げてる、自殺行為だ!」

「一刀の言う通りや」

明日の戦いの為の作戦を話し合っている席で、俺と霞は声を荒げて音々から提案された作戦に反対する

その作戦とは虎牢関から出て、連合軍を待ち受けると云う物だった

「良い作戦ではないか

 今日の戦いでも分かっただろう

 連合軍など我等の敵ではないんだ」

「数が多くても、一塊で来る訳でもない連合軍など恋殿が居れば物の数ではないですぞ」

華雄は音々の作戦に賛成している側だ

だが、それで汜水関を落とされた事を忘れてれるのか?

音々は恋の強さを崇拝しすぎている

客観的な判断が出来ないのは軍師としては致命的だろ?

二人は今日の作戦成功で調子づいている(尤も作戦を考えたのは静里なのだけど)

今日の戦果は連合軍を奇襲で混乱させたのが大きい事を考えていない

「それでも数が違いすぎるっちゅうとんのや!」

霞が尚も反対するが

「ならば、霞と一刀の部隊は虎牢関に引き籠ってればよかろう

 私と恋の部隊で野戦を挑む」

「阿保か アンタらの部隊が壊滅させられたら、うち達の部隊だけで虎牢関を守らなあかん

 今でさえ苦しいのに更に状況を悪化させる気か!」

華雄の意見を霞が直ぐに打ち消す

「私達の部隊が易々と壊滅させられるものか!」

「間違いなく・・・」

俺は、華雄の反論を否定しようとした霞の肩を叩いて止める

「霞、この二人は何を言っても明日出撃する

 ならば、戦力の分断を避ける為にも俺達が合わせよう

 可能性は低いが、連合軍の先鋒の部隊を全て受け止められれば守れる可能性は有るんだから」

俺の苦渋の決断を霞も渋々了承した

~雪蓮視点~

「汜水関の戦いは何の成果も無かったけど、昨日の戦いは充分な利が有ったわね」

私が少し浮かれて冥琳に話しかけると

「確かに袁術の兵力を大きく削る事が出来たからな

 だが、我等が名声を得なければ意味が無い

 その為にも虎牢関を私達で落とさないとな」

「分かってるわよ~」

何でいい気分に水を差すのかな~

本当に嫌味を言わせたら右に出るものは居ないんだから

「失礼な事を考えているな

 浮かれたお前に釘を刺すのも私の仕事だ」

なんで考えてることが分かるのよ~?

そうして虎牢関の前に進軍して来た私達は信じられない光景を見た

 

~鞘華視点~

董卓軍が野戦を挑んできている?

「連中は籠城戦と云う言葉を知らないのかしら?」

華琳の言葉に同感ね

中央に張遼と一君の部隊、左に呂布の部隊、右に華雄の部隊

私達が張遼と一君の部隊の相手か

一君を捕えれば助ける事も出来るから、運が良かったと考えよう

呂布の相手は劉備か 関羽と張飛と趙雲が居れば何とかなるのかな?

昨日見た呂布の武は尋常じゃなかったんだけど

華雄の相手は孫策か これは孫策軍が有利ね

孫策は会っただけだけど、身に纏った覇気は半端じゃなかった

華雄とは戦ったから分かるけど孫策の方が上だろう

おまけに華雄は部隊の運営をまるで考えていなかった

戦は一対一ばかりじゃないんだから

 

董卓軍が突撃してきて戦闘が始まった

張遼の騎馬隊が先手を取るが直ぐに春蘭の部隊が勢いを止める

張遼の相手を凪、真桜、沙和の三羽烏がしている

春蘭は部隊の指揮をしている

この辺、華雄よりマシね 脳筋だけど

私は部隊の指揮を秋蘭に任せて一君の前に立つ

「一君、今度は見逃す訳にはいかないわよ

 力づくで此方に来てもらうわ(貴方を助ける為に)」

「此方もそう云う訳にはいかないんだ」

私達の戦いが始まる

私と一君では速さは私が勝るが、力では一君が勝る 総合で互角

稽古では此処一年勝ったり負けたり

小学生の頃までは私の方が一年とは云え年上だし、先に始めたから強かったんだけど

先手を取られては不利なので私が先に仕掛ける

斬撃を放つが止められる しかし想定済み

逆方向からの回し蹴りを即座に放つ これも防がれるが先に主導権は奪った

勢いに乗り連続の斬撃を放つ 一君は交替しながらも全て受け止めていた

が、一君が突如前に踏み込んで受け止めた しまった!

一君は詰めた間合いから斬撃を放ち、防いだ私と鍔迫り合いに持ち込む

力で負けている私は大きく後方に飛んで鍔迫り合いを避ける 主導権を失ったわね

双方とも動きはあるが硬直状態に入った

そこへ馬に乗った女性がやって来る

「一刀さん~ 大変です!」

一君の関係者?結構、可愛い娘ね

と考えてた隙に一君が斬撃を打ち込んで来た

受け止めたが鍔迫り合いになる 今度は深く踏み込まれたので後方に飛べない

「華雄さんが孫策に討ち取られました

 もはや虎牢関は時間の問題です

 直ぐに撤退してください!」

その女性の報告に一君は

「鞘姉、ごめん」

と言って、私の胸に手を当て強く押す

「きゃあ!」

押された為、後方に後ずさりながら胸を庇うように抱く

何するのよ!乙女の胸を~!

「鞘姉、今日は撤退させてもらうよ」

「私の胸を触った事、覚えてなさい!」

「分かった、鞘姉の胸の感触を覚えておくよ」

「忘れなさいよ!」

「どっちなんだよ~」

と言いながら一君は去って行った

 

同時に張遼の部隊も撤退して行き、呂布の部隊も同様だった

虎牢関は孫策軍が落とした

~あとがき~

 

虎牢関の戦い終了です

 

音々は軍師ですが恋を崇拝しすぎてるので、今回のような発言をしました

一刀の言うように軍師としては致命的な欠陥でしょう

 

華雄はここで終わりです

前作に続いて今作でも散ってしまいました

 

次回は洛陽です

”あの事態”は次々回ですかね

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 


 
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